ラスボス推しなので! 魔王の破滅フラグ折って溺愛されます!??

モト

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城から出た後の目的地を決める為、レーベンの膝から立ち上がり地図を持ってきた。



魔族や攻撃的な人間がいない場所が理想的だ。

だけど、山でサバイバル生活など現代社会に染まった俺には困難であり、のほほんとした農村部で暮らしていくことを希望とする。

その旨をレーベンに伝えると、一つの地域に指を指した。



「ドワーフの谷を越えたこの地帯は、農作物が多く平民が多い地域ではあるね。ただ……」

「ただ?」

「魔族も魔物も多いこの世界で遭遇しない地域などないよ」



そういう世界でした———!!!



魔族を倒していくゲームだもんねぇ。

しかし、城内はレーベンの破滅フラグが立ちまくる為、城外へ出る事は必須である。





「早めに~、住むところを探したいけれどぉ~~」

うーん。と頭を抱えた俺にレーベンはヨシヨシと頭を撫でた。



「へっ……ん!」

それからまた、唇が塞がれ、口中遊ばれる。

レーベン、キス好きなのかなー!? 終わらないぞ!



このままでは、また俺の息子が顔を上げてしまうと困惑していると、ドアをノックされる。







「ホツ、私です」

アドルフ王子の声に飛び上がる。

「(レーベン様、隠れてくださいっ!)」



口づけしてくるレーベンの唇を押さえて小声で話す。



レーベンは、面倒臭そうな顔をしたが、ひと時して猫の姿に変化した。そうして、俺のベッドにクルリと背を向けて寝そべった。目の赤さ以外は猫そのものの形なので、このままでもバレないかな……。



迷っていると、再度ドア向こうでアドルフ王子に呼ばれる。



「はいっ! お待たせしました。なんですか?」

「ホツ、休んでいる所すまないね。今日は君の活躍で助かったよ」

あぁ、日中、魔族を倒した時に指示を出したあれか。わざわざ礼を言いにくるなんて律儀な。



「活躍って言ったって、倒したのはアドルフ王子達ですよ」

「謙遜する必要はない。ホツの力で勝てたようなものだ。これから集会がある。君も是非来てもらいたい」





集会と言っても集まるのはラザエル、シドル、リュックとアドルフ王子だけで、短時間で終わる話だと言われる。

この四人の集まりに、俺を……?

なんだかよくない予感がし、戸惑っていると、アドルフ王子が俺の手を握った。



「元の世界に戻る手助けになると思う」

「……え?」

元の世界———。10年は帰れない話ではなかったのだろうか。

すっかり頭の隅に追いやる事に成功した元の世界を思い出す。



「ん? あれは君の猫かい?」

アドルフ王子がベッドの上に丸まっているレーベンを指差した。おぉお!? マズイ。

「あぁ!! じゃ、行きましょう! 三人が集まっている場所に案内してください!」

「ん? あぁ、毛並みのいい猫だね。私も猫好きだから触らせてもらいたい」

「あ———……気が合いますねぇ!! でも、あの猫はちょっと気性が荒いのでやめた方がいいです! さぁ行きましょう。そうしましょう!!」



アドルフ王子はシドルと違って全く疑っていなさそうだけど、レーベンの赤い目を見られると流石に猫じゃないとバレてしまう。

グイグイっと猫を見たがるアドルフ王子を部屋から押し出して、三人が待つ部屋に案内してもらう。





三人が待つ部屋に俺が入ると、三人は待っていたと口を揃えて言った。

いつも怪しむように見つめるシドルまで、「今日はありがとう」と礼を言い歓迎された。

アドルフ王子は、彼らが座っている真ん中の椅子へと俺を座らせた。俺を囲むように彼らも座る。



「あの、一体なんです? 俺を囲んで……」

俺が困惑気味に話すと、ラザエルがニヤリと笑った。



「ホツ、君がモニターとやらで我々を知っていた事について、もう少し考えるべきであった。君は、我々の能力を充分に分かっている。今日の的確な指示でよく分かった」



やはり、今日魔族と対戦した事だったか。俺が指示しなければきっと負けていたと思う。

だが、この状況、礼を言うだけに呼ばれたわけではないだろう。



「君に世界を救う手助けをしてもらいたい」

「……」



ゲーム序盤にプレイヤーがメンバーに言われる台詞だ。

俺は、ゲームをシナリオ通りに進めるつもりは毛頭ない。レーベンのフラグを折ると決めているのだから。

どう断ろうか迷っていると、シドルが横から囁くように声をかけてきた。



「ホツ、君にも悪い話じゃないよ。魔族を倒すとそれだけ魔力が集まる。魔力が集まれば君を元の世界へ戻すことも早められる」

「……」

「そうだよ。魔力を集めさえすれば3年もせず帰せるかもしれない」





魔族を倒したら、現実世界へ戻るのが早まる?

元の世界、親や兄弟、友達…………。



レーベンの破滅フラグを折る事しか考えていなかった俺に迷いが生じた。





「ホツ、君に魔力がない事は分かっている。君の事は私が命にかえても守ろう。だから、私達と共に戦ってはくれないだろうか」



アドルフ王子が俺の肩にそっと手を置いた。



「先日、魔族達が暴れて村が被害を負った。好き勝手する魔族達をこれ以上放置することは出来ない」



リュックが力を貸して欲しいと言ってくる。確か、リュックの友人は魔族と対戦中に倒された。

他のメンバーも各々に魔族を憎む気持ちがあるだろう。



「……」

俺は黙り、返事が出来なかった。

皆は返事を急かさなかった。ゆっくり考えてくれと再度、肩を叩かれた。























そんな俺に、魔族もストーリーも待ったなし。



「シドル! 今だ! 援護射撃を」

俺はシドルに指示を出した。シドルは頷き毒を放つ。



あぁ! どうしよう~!



「アドルフ王子、すかさず回復魔法をかけて!」



違う違う、俺は、そんな事している場合じゃないんだって!



「ラザエル! 相手の攻撃ターンをよく見て!」「リュック、今は体力を保存して!」



ぎゃぁぁぁあぁぁぁ! どうすればぁ~!!



次の日、魔族が報復にやってきた。

悩みに悩んで夜中全然眠れなくて徹夜で起きていた朝、ドーンと爆発音が城内に響いた。



城の人もこんなに立て続けに魔族がやってくるとは思わず油断していた。騎士達が急いで外に出ていた人々を安全な建物の中に入るように誘導する。



そこにアドルフ王子達四人が魔族と対戦した。

彼らは俺に声をかけなかった。まるで、ゆっくり考えればいいと言われているようだ。



だが、昨日と同じように魔族のレベルもアドルフ王子達を上回っている。

アドルフ王子が作ったシールドが早くも壊されかけている。周りのキャラも上手く動けていない。



やられる……。確実にやられてしまう。



なのに、彼らは俺を呼ばない。そんな彼らを見て俺の身体は勝手に昨日と同じように動いた。



「ホツ!! やっぱり来たな!」

「そういう子だと思った! 俺の目に狂いはないな!」



適当な事言うんじゃない!! 

俺は、髪の毛をクシャクシャにして、彼らに指示を出した。



心の中で思っていることとやっている事が違って、ギャーっと悲鳴を上げそうだ。



それから、魔族が毎日のようにこちらに向かってきた。

魔族を倒せば人間のレベルが上がる。アドルフ王子達も中級レベルを倒し続けた為、一気にレベルが上がった。魔族を倒した後、俺も会議に出るように促される。

戦えば、周りの人間からの好感度や支持が上がる。城内でも俺の活躍を知る人が増えた。

声をかけられる度、違うんです!と焦り言葉を遮った。





まるで、ゲームのストーリーが俺に戦えと言ってくるようだ。



周りから声をかけられることが増えてしまい、自室には寝るだけの日が一週間続いた。











『それで、夜這いかい?』



行き詰まった俺は、夜中にレーベンのいる部屋にやってきていた。寝そべる彼のベッドの縁に座った。

だが……夜しかないのだ。



「……レーベン様、一週間ぶりです」

「そうだね」



レーベンは魔族を倒しまくる俺に怒った様子はなかった。いや、怒っておらずとも呆れているのかもしれない。

いつものレーベンの様子にホッとしながら、久しぶりに会えた事を嬉しく思う。だが、それに浸っていられない。



「レーベン様、今から俺とドワーフの谷を越えた先にある村に向かいましょう。遅くなりましたが、今から城を抜け出すのです。猫の姿になってください」



俺は、口早に要件を伝えた。



「ホツは、そんな気はないのではないかい」



部屋は薄暗くてレーベンの表情は分からなかった。

何だか含みある言い方をするなとは思ったが、気にはしていられなかった。



「金ならアドルフ王子からもらいました。給料みたいなものです」

でも、これからするのは、盗みだ。

この世界には、バイクと同じような乗り物があるのだが、直進ではバイクの倍早い速度が出せる。

猫型のレーベンを連れてその疑似バイクに乗ってこの城を出る。

誰にも黙って出ていく。



計画を話すとレーベンは、怪しく微笑み、そうして猫型……大きな猫型の方に変身した。





『ホツ、落ち着きなさい。旅はそんなに急いては面白くはないよ。折角君と旅をするのなら、楽しんでいこうじゃないか』

「いや! そんなに悠長には……はふっ!」



尻尾がフワっと俺の口を押さえた。

「………………………………………………………………………………………モフモフしてます」



『一週間ぶりじゃないか。私に抱き着きたくはないかい?』



誘うようにレーベンが俺の周りをくるりと回った。ふわふわと毛並みが動いている。



ご、ごくり。

「い……いいんですか? 本当にしちゃいますよ?」



少し抱きしめるだけ。

俺はその毛並みに近寄り、ギュウっと抱きしめた。モフンっと身体がそのモフモフの毛に沈む。温かい。

ブラッシングはするけれど、こんな風に抱きしめるのは初めてだ……。



気持ちいい。

少し抱き着くはずだったのに、思った以上のモフモフに身体が沈んでいく。離れがたい。

思った以上に身体が疲れていたのだろうか。身体が重たくなってくる。眠気……?

真冬にコタツの中に入ったみたいに、もっとその温かさが恋しくなる。

こんな事している場合ではないのに。魔物が多くなっている。見つかる前にレーベンを城外に出したいのに。



「レ、レーベンさまぁ……、なんか、レーベン様とくっついてると、フワフワしまぁす……気持ちいい~……」



は、はれぇ……。甘くていい匂いがする。これは、何の香りだろうか。花と新緑のような匂いだ。まるで、ここが森で草原にいるような感覚になる。



『それは、君が私の番だから。胸に私の紋章を刻まれているのを忘れていた? イケない子だね』

クスクスと笑う声が脳に響く。その心地よい声にうっとりしてしまう。

「レーベン……しゃ、ま……」

頭がぼんやりして、言葉が上手く出せないようになってきた。





『本当にイケないね。君は私だけを構っていればいいんだよ』

「…………」



何か言っている……。頭に靄がかかりその言葉がピンとこない。身体に力が入らず、目を開けているのも億劫になってしまう。



目を閉じると、身体が吸い込まれるような気がした。

それは、甘く気持ちいいモノだと俺は思った。触れたら気持ちよく、食べたら甘いだろう。

それが欲しい。それを食べたい。喉が渇くみたいにそれが欲しくなった。





————……一つになってしまいたい。



一つになって溶けてしまいたいと思った。



だけど、一つになってしまえば、寂しいのではないか。本当は二つなのに、一つになれば、話す事が出来なくなってしまう。



『それで、いいじゃないか』

好きな声が聞こえる。その声と話したいのだ。

だが、甘くて気持ちいいそれを食べたくて仕方がない。でも、それを食べたらきっと戻れない。

そうしたら、誰が守るのだろう……。



『望んでいないよ』

また、好きな声。

違うよ。望んだのは俺。俺が望んだんだ。そして、叶えたのはきっと———……。





「破滅フラグ折らないと!」



はたっと自分のツッコミ声で夢見心地から覚醒した。



レーベンの身体から起き上がった。

もしかしなくても、俺ってば、レーベンのフワフワがあまりにも気持ちよくて眠っていたのか?

レーベンの方を見ると、俺を見て驚いているような顔をしている。真ん丸の目でこちらを見ている。彼も驚くことがあるんだ。



「あ……、あはは? もしかして、俺、レーベン様に抱き着いて寝ちゃいました?」

『……』

「ごめんなさい! 寝るつもりはなかったのですが!? あまりに気持ちいい毛並みだったもので!」

流石に寝てしまうとか有り得ない。

俺は立ち上がり彼から離れて頭をペコペコ下げて謝った。レーベンからの返事はない。

怒らせてしまっただろうか。



『———本当に私と行くつもりかい』

「あっ! はい! そうです!! 遅くなってすみません!!」



このためと言っていいか分からないが、この一週間の会議で、俺の知り得る魔族の情報をたっぷりと教えてきた。攻撃、防御の仕方、魔族のタイプ別の交戦の仕方。

俺の情報を身に着けた彼らはきっと中級レベルを超えたはずだ。



『……』

レーベンは猫サイズになった。その猫をひょいと抱き上げた。

なんだか、耳も尻尾も伏せている気がする。やっぱり、出発すると決めた瞬間寝てしまって呆れているのだろうか。

だが、もう迷っていられないのでレーベンを胸に抱きしめて部屋を出た。



城の外に予め用意していた疑似バイクに跨った。操作手順はゲームで知っているし、日中試しに一度乗らせてもらった。その感覚ではバイクの運転と全く変わらない。

疑似バイクのエンジン音は無音でこうした夜に適している。

静かに城を出発した。





城下町を出ると、暫く何もない。

この世界は月がとても大きく見える。ピンクムーンだ。





『破滅フラグね……。信じていなかったけれど、なかなか面白そうじゃないか』



レーベンが俺の肩に乗っかりながら呟いた。なんだか、その声がいつもより弾んでいる。



「えぇ! 破滅フラグなんか折って、さっさと人生楽しみましょう!」



俺の頬にレーベンが頭をスルリと擦りつけた。

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