ラスボス推しなので! 魔王の破滅フラグ折って溺愛されます!??

モト

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破滅フラグはもうありません。

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モフモフの毛並みに包まれて目が覚めた。

いつもより、ベッドがふかふかで天井が高い違和感に、魔王部屋だと気が付く。

裸のまま寝てしまったようだ。全身、キスマークと歯形でダルメシアンみたいな斑点模様になっている。

誰かがこの部屋に来たら大変だと起きあがろうとした所、ビキッと腰が引きつった。


「う、動けない」


それもそのはずだ。

レーベンとの初めてのエッチは、昨日から今日の朝方まで続いたのだ。


初夜の後は、えへへ。素敵でしたね。とか照れながら言うモノかと思ったが、そんなものではなかった。


レーベンが一度俺の中に射精したくらいから、何かのストッパーが壊れたかのように止まらなくなったのだ。


奥まで貫かれ、色んな角度で俺の中を開拓する。俺ももう訳が分からなくてされるがままだったのに、少しでも反応が違えばそこを執拗に責め立ててくる。

気持よすぎて辛くて彼から離れようと藻掻くと、離さないとばかりに腰を戻される。

連続イキとか、チンコが馬鹿になって……ん? あれが俗に言う潮とか言う現象かもしれない。


そんな俺を可愛いと言ってくれるのだが、レーベンももう興奮して意識が半分飛んでいるみたいだった。


「んん——……」


思い出すだけで顔から火が出そう。死ねる……。昨日の淫らな俺……恥ずかしヌ。


手で顔を押さえていると尻尾がフワリと揺れて、くすぐったい。

手を顔から退かすと大きい猫の赤い目に目が合った。目を細めてペロリと顔を舐めてくる。くすぐったくて笑うと、すぅっと人間姿のレーベンになった。


俺の頭を撫でて微笑む。普段の倍以上の色気に思わず眉間が寄る。

「……」

「どうして、むっとする? ホツ」

「———……っ! むっとしてません。照れているんです!」


声を出すと腰に響く。唸ると俺の異変に気が付いたレーベンが腰に手を回す。すると、腰がじんわりと温かくなり腰痛がなくなった。


「他に痛むところは? お尻は切れてはなかったけれど痛むなら治癒しよう」

「え? あ、痛いと言うよりは違和感……ん、尻、いや、触らないで……」

尻が温かくなる。うぅ……回復かけてくれるのはいいが、手つきが厭らしい。昨日の感覚が蘇ってしまうぅ……。


「ホツ……」

呼ばれてレーベンの方へ顔を向けると、唇が降ってくる。ゆっくりとした動きのキス。

「ふぅ……んん、ん、ん? ん? んんん!?!?!?」

尻に回されていた指が後孔に押し込まれる。朝方まで彼の長大なモノを咥え込んでいたので指がスムーズに挿いってしまった。首を振って拒否すると、唇が離れた。


「ひぅっ!? あ——……あぅう……、あっ、駄目! レーベン様、止まって!!」

「———……はぁ、どうにかなった」

「何がどうにかなったんですか!? もう無理ですって!!」


指の感覚を追ってまた身体がジワジワと気持ちよくなってしまう。勝手に昨日のを思い出してしまう。あんな気持ちよすぎる限界、そう何度もされるわけにはいかない。


「わぁっ!! んんぁっ、ふぇえ、駄目……」

抵抗していると、レーベンは指を抜いたのでホッした。

だけど、次には彼が俺の上に乗りかかってくる。


「……レ、レーベン様!? お気を確かに!?」

レーベンの身体を押し返していると、俺の手を掴んで、舐められる。

俺の身体、ゾクリとするなぁ~!! レーベンの正気戻ってこい~~!!



彼の下で藻掻いていると、コンコンとノックされる。レーベンの表情が一瞬で変わった隙に彼の下から抜け出し(レーベンの回復効果で身体が軽い)シーツを身体に巻きつけた。


そんな俺を見て、レーベンは、仕方ないなと立ち上がり、部屋のドアを開ける。俺からは死角なので分からないけれど、多分魔族の一人だ。

何やら、人間が一人で魔王城に来ているそうだ……。







「———シドルッ!!」

「……ホツ?」

魔王城のでかい玄関先でシドルが魔族に両腕を拘束され地面に座らされていた。

シドル、一人でこの魔界まで!? もしかして、俺を心配して来てくれたのだろうか!?


俺が急いでシドルの元へ向かうと、拘束していた魔族がジリジリと後退する。

もしかして、“番”に手を出すなというレーベンの脅しが効いているのかもしれない。


拘束を解かれたシドルは、俺と魔族を見比べながら立ち上がって、次の一瞬で硬直した。

視線の先にはレーベン。


「北の塔の魔獣が……魔王? 魔界の穴を開けた存在か」

聡いシドルはレーベンの事がすぐに分かったようだ。そして、魔界にどでかい穴を開けたのは魔王だという事も分かっている。


シドルは、レーベンと俺を交互に見て、後退りして警戒する。彼も恐怖を感じているのか真っ青になっている。それほど先ほどの光の玉の威力は凄かったのだ。

そして、その生物を長きにわたり幽閉して酷い扱いを強いてきたのは人間達だ。


「———……シドル、本当はレーベン様を魔王にするつもりはなかったんだ。村はずれで静かに暮らしていくつもりだったよ」


シドルは顔を強張らせたまま、俺をジッと見ている。


レーベンは魔王だ。変えられない……。だが、人間達がレベルを上げて、魔王城に攻撃に来られるのは嫌だ。避けたい。


「魔王になっても、俺はずっと傍にいたい。彼がいなくなるのは嫌なんだよ。シドル、どうか危害を加えに来ないで欲しい」

「……」

すると、黙っていたレーベンが俺の身体をギュウッと抱きしめる。


「へ? ほわぁっ!? 突然なんですか!?」

後から羽交い締めされているような気分になる。苦しい!!


「君は本当に可愛い。それはプロポーズだろう」

「へ? 違いますよぉ!?」

「こちらこそ、末永くお願いする」

「ひぇ!? レーベンさ、まっ、キスは駄目です! シドルが見てますって!!」

「消去すればいい」

「駄目ですよぉ~!」


レーベンが顔を寄せてくるので両手でレーベンの口を押さえる。昨日からやけに俺の事を可愛いと言いまくっている気がする。


そんな俺らをシドルが呆気にとられて見ていた。



「———あ、はは……いや、はは。参ったね」

シドルが、苦笑いして、頭をポリポリと掻いた。そして、何かを思いついたようにニヤリといやらしい顔をした。



「魔王様、今までの塔でのお詫びに交渉しましょう」

お詫びに交渉? おい、シドルよ、それはあまりに上から目線ではないか。

だけど、魔界に一人で乗り込み、さらに交渉をする度胸は並外れている。その様子にレーベンも聞く耳を持った。


「魔族と人間の結婚同盟とはいかがでしょうか。こちらは城が壊れかかっており、もう魔族からの攻撃を受けたくない。その貢物として、人間のホツを貴方に捧げるという形で平和条約を結んで頂く」

「結婚っ!? え!? 俺? レーベン様と俺!?」

「……」


しかし、それで交戦が止まればお安い御用だろう。何年続いた戦いだと思っているんだ。


「先ほど魔王様が魔界に落とした光の玉。———人間界でも目に入っていることでしょう。なぜ、魔界に光の玉が落ちた? と謎めいて恐れている」

「……」

何が言いたいのか分からなくてシドルを見ていると、細目がにっこり笑った。


「そこで、新しい魔王様は魔族を鎮める為に光の玉を落とした。新魔王は人間側の味方だと言いふらしましょう。それは人間のホツに恋をしたから。いつだってロマンティックは大衆受けがいいんです」



人間とは噂程信じるものなんですよ。いつの時代もね。と付け加えられた。

「シドルッ!!」


俺、信じてた!! いい子だって信じていたよぉ!!


黙って話を聞いていたレーベンが、それでは魔族側が納得しないと呟く。


「魔族側に利点がまるでないが?」

「———世界の統治を魔族に返却します」

「ほう。何故、人間のお前がそれを言う。世界の統治を望んでいただろう」


すると、シドルは少しお道化た顔から真剣な顔になった。

「———……僕が生かされていること。それが貴方の器量と考えます。世界を統治するにふさわしいじゃないですか」


シドルは、人間側だが、冷静に疑り深く判断していた。

現状、人間側に世界を統治するだけの器を持った人間がいない事、戦いが長引けば人間側が不利である事を述べた。


「しかし、それをお前が人間に説得出来るのか、お前にその立場があるのか?」

「アドルフ王子は私の意見をまず聞く人間でしてね。まぁ、そのように長年お仕えして仕込んだのですが」


すると、二人してニヤリと口角を上げた。

この二人……、気が合うんじゃ……。


シドルは地面に膝を付き、頭を下げた。

人間が行ってきた幽閉と酷い仕打ちを謝罪し、そして、それに関わらずレーベンの恨みのない様子に感謝の言葉を告げた。









そうして、俺は人間界へ一度戻る事となった。


城の建物は半壊しており、城の住人の移動などで皆忙しそうにしていた。

シドルから聞いていたように、魔族VS人間はヒートアップしていたのが伝わる。

だが、アドルフ王子、リュック、ラザエル、3人は元気だった。城の住人もこれからの暮らしを前向きに語っている。

瓦礫を一緒に片付けて、何故、前向きなのか? と聞くと、魔族との戦いが終わったから。ようやく自分達の暮らしに平穏が来ると言った。


やはり、どんな世界でも戦いなどない方がいい。



休憩していると、アドルフ王子が、すまない。と声をかけてきた。

「我々が弱いばかりに君を魔王への貢物にしてしまった」

「………えぇ?」


貢物!? シドル、俺の事をなんて紹介したんだ。おぉ、アドルフ王子の後にラザエルが漢泣きしながら俺の事を見つめている。リュックは申し訳なさそうに下を向いている。


「わぁ! 皆、魔王様の事、誤解しているよ! それに人間と魔族が同盟結んで平和になれば嬉しいよ。俺は幸せだよ!」


だから心配いらないよとニコニコしたつもりが、俺の周りにいた人々全て号泣させた。


「うぅ、君のようないい子を……。しかも、挙式が明日だなんて。急すぎるだろう」


うん。それは急だなとは思うのだけど、レーベンはそれ以上の滞在を許可しなかった。

俺もあんまり離れていると、モフモフがない一人寝が淋しく感じるし……。


「せめてもの償いに、一流職人に君の花婿衣装を作ってもらっている」

どうやら職人たちが大急ぎで俺の衣装を作ってくれたようだ。朝起きると、煌びやか装飾が施された衣装が用意されていた。

その衣装を身に纏うと、立役者であるシドルが「行こうか」と声をかけてくれ、馬車に乗り城外へ出た。


こうもシドルのシナリオ通りに事が運ぶとは……。

初めから疑り深くてやり辛かったけど、味方につけると頼もしいな。




ある森まで着くと、二人の魔族が立っていた。その魔族は魔界へのゲートを作り出す。俺は馬車から降り、馬車を運転するシドルに声をかけた。



「シドル、裏切らないでありがとう」

シドルは少し驚き、やれやれというように肩をすくめた。そんなシドルに微笑みながら、魔族達が作ったゲートの中に足を踏み込んだ。



「ホツ、君は一体何者なんだい?」

ゲートが閉じてしまう前にシドルが聞いて来た。シドルにとっては不思議かもしれないが、俺の中には一つしか答えはなく、いつだってそれに向かって進んできた。



「俺は、ずっと、魔王様の破滅フラグを折る為にいたんだ」




急に景色が変わった。パァッと日差しが注ぐ場所、美しい空の下、レーベンに手を繋がれていた。魔界は先ほどまで雨が降っていたのか、虹が出来ている。



俺を見る深紅の目が鮮やかに俺を映す。この目でずっと……。

俺が笑うと、彼も笑った。




「魔王様の破滅フラグはもうありません」







END


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