強引で絶倫系の恋人と転移した!

モト

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そんな、非現実なSFみたいな事が?



「阿久津の首輪が着けていないことが良い証拠だ。パートナーに首輪しないなんて有り得ないからな! いいか! この世界には男女の性別以外にも第二性が存在するんだ」



 小林は買った本をパラリとめくって、トンっと指さした。











 ◇◇◇



 1.第二性の判別



 第二次成長とともにある欲が顕著になっていきます。その欲は様々な特性を持っております。時には身体の反応、成長にも大きく関わってくることがあります。

 その欲は第二性として中学入学時に一次検査をし、その後、18歳まで毎年検査義務があります。





 第二性には、大きく、Dom、Sub、Switchに分けられ、その特性が見られない人はUsualと呼ばれます。

 さて、次は、各種の特性についてです。



 ・Dom: Subへの支配欲が強い。



 ・Sub:  Domから支配されたい。



 ・Switch:DomとSubの特製の両方を持つ性別。





 ◇◇◇









「何これ?」



 小林は、全然理解していない俺と阿久津を見て指さした。





「いいか! 八木はDom! つまり指示したり庇護欲が強いタイプ」

「え? 俺が?」

 俺が、命令側?



「そして、Subが阿久津! 指示されたい、かまって欲しい欲が強いタイプ」



「え? 俺が? まぁ、好きな相手限定でかまって欲しいですが」





 質問をしようとすると、小林は、詳しい事は本を読め! と質問を受け付けなかった。





「いいか。俺が見た八木はそれはもう阿久津を溺愛していた! 昔から可愛いって言ってな! 阿久津はもう八木しか見えていない。これが、俺から見たお前らパートナーだよ!」

「……」

「————……う。うぅ~」



 その瞬間、阿久津がガチ泣きし始めた。

「小林先輩、それは本当ですか? 八木先輩が俺を? 可愛いって言って溺愛……溺愛ぃ……、うぅぅ~」

「…………泣く程か?」



 ガチで感動している阿久津を見て、小林は呆気にとられる。



「それで……、もっと普段のエピソードを聞かせてください!!」



 もっともっと! と小林に聞く阿久津。阿久津の切羽詰まった迫力に小林はたじろぎながら、普段の俺たちの様子を話す。





「————何て、羨ましい!!! 先輩が“あーん”“好きって言えよ?”“いい子にしていたらご褒美やる”ですか!?」

「…………(俺、小林の前で何してんだ?)」





 聞けば聞く程、どうやら、この世界? えーと、まだ理解していないのだけど、このDom/Subユニバースの世界の俺は、阿久津のことを大事にしていたようだ。



「先輩が俺を溺愛していることが胸アツ設定ですね……はぁ」





 …………なにそれ。今の俺が大事にしてないみたいじゃん。そりゃ、表現したりしねぇけど、俺なりに態度にして……なかったな。



「後は、二人の家で本を見て勉強してくれよ。な!? この本はくれてやるから!」



 小林は「困ったらメールくれ」と言って去っていった。











 ◇







「————DomとSubなんてさ、そんなの有り得るのかよ」



 家に帰った俺は、小林から渡された本をベッドに座って眺めていた。



「疑っているんですか?」

 阿久津がコーヒーを入れたカップを手渡してくれる。お礼を言いながら、そのコーヒーを飲む。

「いや、だって、すぐには信じられないだろう」



 いつどこで世界が入れ替わった……と言われたら、昼にベッドから倒れた時だろうか。感じたことのない感覚だったし。





「そうですか。俺はSub側ですからね。何となく、分かりますよ」

「え!? そうなのか?」

「先輩は、変化ありませんか?」



 真横でジッと俺を見る阿久津。その男らしい顔が近づいてきた。

 キスするのかな。あー……なんだろう。そういう雰囲気だけど、なんか違うような?



「…………キス、したいのか?」

 俺は、阿久津の近づく唇に手を置いて制した。すると、阿久津が息を飲んだのが分かった。

 なんだ、これ。

 ジワリと後頭部が熱くなる。

 コイツに欲求を聞いてもらいたい。欲求を聞いている阿久津が見たい。



「……はい」

 いつもがっついてくる阿久津が止まって、頷いた。



「————……コーヒーカップを横に置け。それから、俺にキスしろ」



 そう言うと、コーヒーカップを置いて阿久津がキスしてくる。コーヒー味のキス。キスはすぐに深くなり、頭がぼんやりする。

 阿久津の舌、ホント気持ちいい。つい、その気になってしまうが、今はもう少し試してみたい。



「ん……は、なれろ」

「…………はい」





 いつもは、離れろと言ってもなかなか唇を離そうとしない阿久津が素直に離れた。素直に俺の欲求を聞いた彼に嬉しくなる。

 阿久津の方も目尻が赤くなっている。興奮しているのがよく分かるのに、襲ってこない。



「もっと、したいか?」

「……はい」



 はいと頷きながら、待てをしている。あの阿久津がだ。いつも興奮してガツガツ迫ってくる彼が素直に“待て”をしている。





 待て……あぁ、命令する時は、“Stay”と英語で言うんだっけ?

 小林からもらった参考書には、相手に指示を出したい時は、英語で言うそうだ。ここがDom/Sobの世界なら、試してみようか。

 まずは簡単な言葉から指示してみる。



「Stay!待て」

 その瞬間、阿久津の身体がビクンッと揺れた。



 俺は、床に膝を付くように指を指した。

「Kneel座れ」

 阿久津はふらりと立ち上がり、そして、俺の膝の真ん中に座った。俺を見て、どこかうっとりした目をしている。



 本当に指示通りに動いた。



 俺の指示を素直に聞く彼を見て、胸がギュウッとなる。不思議だ。これが、支配したい欲なのだろうか。



 ————触りてぇな。



 その衝動のままに阿久津に手を伸ばし、耳を撫でる。



「……っ、先輩……、……っ、これ、俺凄く気持ちよくて。これ以上命令される前に一つだけいいですか?」



 性行為中にわざわざ“いいですか?”と伺うところが、有り得ない。今、コイツは俺の支配の中にいるんだ。もっと、深くまで彼に俺の支配を受けさせたい。



「あぁ、話せよ」

「はい……」



 はぁはぁ興奮しながら、ふーっと息を吐いて、睨むようにこちらを見た。



「これは、俺のことを好きで、先輩以外を考えられなくさせたい! と思っている行為で間違いないですね?!」

「え?」

「どうなんですか!? 俺、このまま行為進めたら、元々先輩以外みてないのに、もっと見れなくなりそうで……今のでも、もう、ホントヤバくて。先輩に捨てられたらきっとマジ死ねる。それくらいのレベルです」





 そう言いながら、俺の指示を健気に守って床に座っている。

 やばい……。可愛い。喉が渇くみたいに阿久津を支配したくて堪らない。



「……話を変えます。先輩の言うこと聞いたら、俺のこと、もっと好きになりますか?」



 好きです。好きになってください。……昔からやたら言われる言葉だ。



「……お前はどの世界でも必死だよな。あぁ、そうだ。そういうことになる。俺の言うこと聞けるよな?」



 その瞬間、阿久津が再び快感に支配されたように頷いた。そんな彼に「Good doyおりこうさん」と褒めてやる。















「…………ん、はぁ、うぅ……んん」

「先輩、次はどこを気持ちよくして欲しいですか?」



 奴はウットリした顔で俺の尻に指を挿入する。いつもなら、奴からの愛撫に一方的に快楽を享受するところだけど、今日は違う。



「あっ、あぁ……次は、擦って、あ。前も触れ……うぅん……」



 “して”と強請ったことは、限界まで我慢させられた時でしか言わなかった。

 だけど、今日は素直にどうして欲しいのか言える。

 ただ、指示するたび、腹の奥がキュウと疼く。



「もっと? 中ですか? それとも前?」

「——んんっ、あっんんっ! あ、もっと。お尻っ、いいとこ、擦って」

「はい……っ、頭、溶けそうです」





 命令通りに指が前立腺の膨らみを擦ってくれる。ピュッピュッと俺の先端から先走りが溢れて、イキそうになる。



「ハァハァ……阿久津、ん、キスしろ」

「はい」



 唇が降ってくる。そのキスの合間に「挿れて」と奴に言う。初めて、声に出して求めた。



 阿久津は恍惚とした顔で眉を下げた。その顔は、悲しそうでも嬉しそうにも見える。俺にガツガツ向かってくる時には見えなかった表情だ。



 コイツは、酷いことを言っても、俺を求めてくるし、それをいつの間にか当然だと思っていた。





「今……、俺だけじゃないって思いました」

「…………」



 阿久津が俺の中に性器を挿入し、今までにない気持ちよさを感じる。ビクビクと震えながら、俺は奴に命令した。



「hug抱きしめろ)」



 阿久津は言う通り、俺を抱きしめてきた。それ以上に俺は奴の身体を強く抱きしめてやった。











 ◇





「————ん? はれ?」

「あれ?」



 朝起きたら、元通りの世界だった。

 その証拠に、命令しても俺は気持ちいいとは思わないし、奴も「何も感じませんね?」と不思議がっていた。



 夢だったのか?

 二人そろって夢を同じ夢を見たのだろうか。





 俺は小林に朝からメールを打った。小林はレスポンスの早い人間だからすぐに連絡がきた。



『DomとかSubとか寝ぼけてんのか? SМとかに走るのはいいけど、ほどほどにな!』



 というわけで、元通りの世界だ。



 あ、なんだ? 何、ニヤニヤしながら俺の朝勃ちを弄ってんだ? コイツ。



「昨日、一回しかしてませんよね?」

「っ! お前、一回やれば充分だろう~~!?」



 阿久津から身体を離そうとした瞬間、奴に抱きしめられる。



「やめんかっ!」

「昨日、“挿れて”って超かわいく言われた俺の気持ちが分かりますか!? チンコも俺も感激しまくりです」



 そう言って、俺の尻にグリグリと勃起したモノを押し付ける。



「ギャ~~ッ!! 待て待て! Stay!」



 奴の動きがピタッと止まった。素直だ。

 昨日の彼を思い出し、俺も素直になればコイツも変わるのではないだろうかと思った。



 俺の指にするりとゴツゴツした彼の指が絡んでくる。



「ん~~……俺を本気で止めたいなら」

「止めたいなら?」



 にやりと彼が微笑む。



「指輪をつけて一生縛ってください」

「へ?」

「はい。とりあえず、三秒でお答えください。1,2,3……」

「っ!! 早いわ!!」





 ギャーっと叫び声も奴の口の中に塞がれた。

 だけど、まぁ、コイツらしくていいか。



 変わりたかったのは俺の方だと気付いたのだから。









 
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