上 下
7 / 9
第1章・王都に向かって

一難去って…このまま王都に入るぞ!

しおりを挟む


預け屋に行くと、受付の男性は何も言わずに対応した。
花街を利用する客はワケアリで、詮索しないのが長生きの秘訣…だもんな。

ユーリと協力して、じゃがいもを荷台に乗せる。
そして並んで御者台へ。

「じゃあ出発するね」
「『分かった』」

馬車は細い通りを数度曲がり…大きい通りへと出た。それに合わせ人通りも多くなる。
見た目は完璧だと思うが、バレないかとビクビクしてしまう。

「大丈夫、堂々とした方が目につかないよ」

ユーリに言われ、丸めていた背中をスッと伸ばす。
ささやかに作ってもらった胸が視界に入り、不思議な気分になった。
その間も、馬車は迷わず街道を目指す。

「混んでないと良いのだけど…」

次曲がれば街道が見える…という所で、ユーリの不安は的中した。

「ええっ!?こんな脇道から行列…!」

検問に並ぶ馬車が道を塞いでしまい、検問の対象ではない馬車と、街中を移動するだけの馬車が思う様に進めなくなっているようだ。

遠くから教団と思われる人間の誘導する声は聞こえているが、こうしている間にも俺達の後ろに馬車が並んでいて、その数は膨れ上がる一方で。

「検問の馬車だけ別の場所に誘導すれば良かったのに…。こうなったら手遅れだよ…」

ユーリが文句を言うのも仕方ない。
街道の馬車は少しづつ動いているが、脇道の馬車は一向に動かないのだ。
時々教団の指示で1台だけ街道に出ているようだが、前に十数台いる状態では焼け石に水だ。

「あーあ、街道のもっと後ろの道から合流すれば良かったかな」
「『仕方ない、待つしかない』」
「そうだね。後ろにも下がれないし、今日この街を出たいし…」

体感で10分に1台ぐらい進んでるだろうか?この調子だと街道に出るまでに2時間以上?
それから検問をやりすごし街の外に出るまで、どれだけ時間がかかるんだ…?

少しげんなりした…その時、街道の方から爆発音と悲鳴が聞こえた!

「何だ…!?」
「スー、落ち着いて」

ユーリが俺の肩に手を置いて、耳元で「声」と注意する。
そうだった!反射的に地声を出してしまった…!
慌てて周りを確認するが、皆街道を気にしていて誰も俺を見ていない。良かった…。

「暴動…かな。これだけ動かないなら、起こっても仕方ないと思うよ…」

ここからは何も見えないし、動けないので情報もない。
火事など危ない状況なら、馬を外して騎乗で逃げるつもりだが…。

「見て!動き出したよ!」

街道の列がスムーズに動き出した。

「多分…だけど、検問の小屋が爆破されたんだろうね…」
「『“これ”、意味なかった?』」
「そんなことないよ。何がどうかはまだ分からないし、万全の状態で臨んだ方がいいに決まってるでしょ?」

違いないのでコクコク頷くと、ユーリがふわりと笑った。

「ふふっ、こんな時だけど可愛いなぁ。連れて行った甲斐があるよ」
「『どういうこと!』」
「ボクが、キミの“それ”を見たかったんだよね。きっと似合うと思ってさ」

ニコニコ上機嫌で“美少女”が微笑んでくれるので、まぁ、悪い気はしない。中身が男だとかユーリだとか考えなければ、だが。

嬉しいと悟られるのは照れ臭いので、コホンと咳払いで誤魔化す。
そして前に目をやれば…

「『動いた!』」
「思ったより早かったね。誰か知らないけど、助かったって感じだよ」

ユーリがゆっくり馬車を進め、街道の合流地点まで来た。
まだ馬車は多いが、さっきのように止まる事はなさそうだ。

普段通りスムーズに進み…騒ぎの原因が見えてきた。
朝見ていた検問小屋の壁が吹き飛ばされ、黒い煙が上がっている。
ユーリの予想通りだ。

怪我人はいるが、教団の服を着ている。
俺達はもちろんスルーだが…街の人も手を貸そうとしていない。
ここまで嫌われていれば、汚い手を使ってでも支持が欲しくなるだろうな…。

哀れみつつ、検問小屋の横を通過した、その時。

「検問を受けていないヤツは止まれ!」
「勝手に街から出るんじゃない!」

後ろの方から怒鳴り声が聞こえた。
もしかしなくても…教団だよな?援軍か!?

「あとちょっとで街を出られる。このまま突っ切るよ!」
「『大丈夫?捕まらない?』」
「街の出口の“解析”は続けているだろうけど、この混乱でボク達の姿を覚えてる者はいないよ」

前の馬車が止まればアウト…だが、皆一刻も早く出たいようで、教団の言葉を無視して進み続ける。

「止まれっ!止まるんだ!」

相手は騎乗しているのか、声が近付いて来る。
スピードを上げたいところだが、馬車は前方に列を成しているので無理だ。
頼む!このまま街から出してくれ…!

「もうちょっと…!」

あと3台…あと2台…あと1台…

抜けた!


解析小屋にいた教団の男が、忌々しそうな目で通っていく馬車を見ている。
本当は馬車を止めたいが、解析の記録が最優先で離れられない…ってとこだろう。

「やった!」
「『よかった…』」

振り返ると、俺達の5台後ろの馬車が追い付かれ、解析小屋の横で止められていた。
あの馬車より後ろは、検問されるのだろう。

「…ギリギリだったね。追いかけて来ないとも限らないから、とにかく次の街を目指そう」
「『このまま街に入る?』」
「出来れば直前で“着替え”たいけど…街の間隔が近いから、休憩場所も野営地点もないんだよ…。本当は街道の脇に停めて幌の中でサッと着替えるつもりだったけど、この状況でボク達だけだと目立ってしまうからね…」

走りながら考えるよ。と、前の馬車に着いて進んで行った。





何事もなく、両側に畑が広がる街道を30分程進んだ頃、前の馬車が止まった。

「『どうした?』」
「うーん、見えないけど…もしかすると…」

その後は進んでは止まり、進んでは止まりを繰り返し、状況が見えてきた。
少し開けた場所に教団の服を着た奴らが数人いて、近くにはテントも建てられている。

「着替えなくて正解だよ。“奴ら”が男2人組だけを解析しているみたい」
「『えっ!?』」
「ボク達は大丈夫さ、それ以外の人は解析されていないよ。術者の魔力が弱いんだろうね」

俺達の番が近付いて来る。
心臓はバクバクしているが、表面上は冷静に、背筋は伸ばして…。

「次!」
「男4人です。馬車1つに馬2頭なので偽装ではないかと」
「行け!」

「次!」
「男2人です!」
「解析を…1人は戦闘能力有り!」
「よしっ!テントに連れていけ!」
「…待ってくれ!大工をしていて力が強いだけだ!」
「中で詳しく聞く。抵抗しなければすぐに終わるぞ」

「次!」
「女2人です」
「行け!」

「次!」

さっと顔を見られただけで、疑われる事無く通れたようだ。
ほっと息を吐き、伸ばしていた背筋を緩める。

「緊張したけど、おかげで列が乱れたよ。これなら街道に停めても怪しまれないかな」
「『着替える?』」
「そうだね。そろそろ前の街の検問を終えた馬車も追い付いて混ざるだろうし、もう少し離れたら停めようか」



少し走らせると、開けた場所に出た。
おそらく農家の作業用地として、わざと開墾していないのだろう。
ここを少し借りる事にした。

俺達が馬車を停めても、誰も気にしないようだ。

「念のため…馬車を数台見送ってから、一緒に幌に隠れよう。女1人だと更に目立つからね」

コクコクと頷き、ユーリの合図で荷台に回る。
後ろは幕を下ろしたが、御者台との境に幕はないので、荷物を積み目隠しする。

「これでいいかな。…誰か来ると不味いし、早く着替えよう」

手早く着替えを出し、慣れた手付きでサッと服を脱いでいく。
美少女の生着替えにうろたえそうになったが…中身はユーリだった。
一瞬で下着姿になると…巨乳だと思われていたブラジャーからフワフワのパンが覗いていた。

「それ!中にパンを詰めてたのか!」
「そうだよ。非常食にもなるしね…って、早くスーも着替えなよ」
「お、おう…」

とは言ったものの、女性の服は構造が分からない…。

とりあえずエプロンドレスのリボンをほどき、ブラウスはボタンなので大丈夫だ。
問題は…スカートの腰の部分と、矯正下着だな…。

スカートは回してみると、後ろに小さなボタンがあった。
こんな小さいので留まるんだな。

そして矯正下着は…紐が完全に背中側だった…。
スカートのように回そうにも、しっかり絞られているのでビクともしない。
何とか外せないかと格闘していると…

「ねぇ?何遊んでるのさ」

もう化粧も落とし、完全にいつも通りのユーリがいた。
早すぎる…!

「遊んでねぇよ!これが脱げなくてだな…!」
「矯正下着?こんなの着けてたの?ほら、背中向けて」
「あいつらが勝手に着せたんだよ!」

やれやれというジェスチャーにイラッとする。
俺だって、好きで着けてた訳じゃないからな…!

後ろの紐が緩められ、肌と下着の間に空気が通った。
思わずほっ、と息を吐く。

「うわぁ…擦れた部分が赤くなってるよ。大丈夫?」
「結構キツかったみたいだな」
「薬塗ってあげる、ちょっと待ってて」

すぐに治るだろうし、放っておいていいんだが…と思いながら、ユーリが優しいのは珍しいから言わないでおいた。
女装させた手前、責任でも感じているのか?

「滲みるかも。じっとしててね」

冷たい薬と、ユーリの細い指が俺の背中をなぞるのを感じる。少しくすぐったい。
と、次の瞬間。

「痛ってー!何だこれ!?」
「ボクの作った新薬だよ。効くけどちょっと痛いんだよね」
「ヒリヒリするぞ!?何入れたんだよ!」
「細胞を活性化させるために、辛い香辛料をちょっとね」

器の中を覗くと、真っ赤だった。
普通の回復薬は白か緑だ。

「これ、赤いの全部“そう”じゃないだろうな…?」
「そうだよ?普通の薬草と香辛料を混ぜたオリジナルさ」

その顔は…ニヤニヤ笑っていた。

「こんな時まで俺で遊ぶな…!」
「遊んでないよ?本当に効くんだって。ほら、もっと塗ってあげる」
「いらねぇ!」

怒りに任せ、緩められた下着を無理やり脱ぎ、つけ毛を手探りで適当に外す。

ふと、ユーリの鋭い視線を感じ、振り返り先を追うと…

パンツ!女物のままだった…!
急いで手で隠す。

「み、見るな…!」
「お尻の肉も薄いから似合ってるとは言い難いけど、うん、それが逆に悪くないね」
「何言ってんだ…!頭沸いてんのか!」
「ほら、隠してないで早く着替えなよ。騒いでたら誰か来ちゃうよ?」

確かに…!馬車の中でさっきから騒ぎ過ぎだ…

「って!誰のせいだよ…!」
「キミのせいでしょ?こんなの履いてる方が悪い…というか、変態?」
「その前の薬からだろ!ってか下着も元はと言えばお前の案だ!」
「はいはい、人のせいにしてないで早くしてよ。ボクお腹空いたなー」
「胸に詰めてたパンでも食ってろ…!」

ユーリに指摘されたパンツは履き替えたい…が、この狭い荷台で一瞬でも全裸になるのは抵抗がある。
仕方ないがパンツの履き替えは諦め、そのままズボンを履いた。

一部始終を見ていたユーリが、ニヤニヤしているのが腹立つ…!

「ほら、化粧も落とさないと。やったことないでしょ?座ってよ」

手に液体と布を持っている。
確かに、村に化粧品なんてなかったし、もちろん落とし方は見たこともない。

さっきの今でユーリにしてもらう事に不安はあるが…
仕方ないので、渋々床にあぐらをかく。

「布で拭いていくからね、動かないでよ?」

膝立ちのユーリが液体を布に染み込ませ、俺の頬に近付ける。
最初はヒヤッとしたが…今回は大丈夫そうだ。

ユーリは空いた手を俺の後頭部に回し、布を持った手を少し強めに数秒押し付け、その後ゆっくりそっと拭き取る。

「時間はかかるけど…これが一番綺麗に落ちるんだよ」

頬、鼻、おでこ、顎と終わり、残りは目と唇。

「ちょっと上を向いて、目を瞑って」

言われるがままに従うと、両目を覆うようにヒタヒタに濡れた布が置かれた。
目は押さえられないので、目頭から目尻まで優しく何度もなぞられる。
冷たかった布が、ユーリと俺の体温で温かくなってきた。

ゆっくり布が捲られ…目を開けると、至近距離にユーリの真剣な顔があり、ドキリとした。
目線は残った唇に注がれていたのでバレていないだろう…。

「少し口を開いて」

同じように、濡れた布を当てられる。
薄い布越しに弾力のある唇をそっと撫でられると、何だか照れ臭いような…。
前を見るとユーリの綺麗な顔が目に入るので、手元を見るように伏せて誤魔化す。

「オッケー。全部落ちたよ」
「あっ、ありがとう…」
「着いたら道具とか揃えてあげるからさ、次からは自分でやってよね」
「次って何だ…!」

俺の言葉を無視し、幌の幕を上げる。

「ほら、荷物も元の位置に戻してよ」
「くそっ…!」

悪態を吐きながらも、指示通り動く。

そして荷台に上がり、俺が手綱を握ると…男2人旅の再開だ。



街道を通る馬車は多く、入れそうな隙間を探すしかない。

5台程見送り、空いたスペースに馬車を滑り込ませる。
前後と歩調を合わせて…よし、上手く行った。

「そう言えば、さっき荷台で騒いで大丈夫だったのか…?周りに聞かれたりとか…」
「ああ、あれ?大丈夫だよ」

やけに自信満々だな?

「根拠は?」
「荷台の幌に“幕を下ろすと内部に結界を張る”魔方陣を仕込んでいたのさ。これなら見た目に変化はないし、魔術じゃなく魔道具を使った事になるから、奴らにもバレないしね」
「魔方陣!?そんなもの、いつ仕込んだ?」
「馬車に乗る初日の朝さ。覗かれると結界を張っている事がバレるし、使い所はないけど念のため…で、まさか役に立つとはね」

初日…!そう言えば遅かったけど、これを仕込んでいたのか…!
少し見直した…が、それを口にするのは癪だ。

「ってか!お前が俺を、からかわなければいいだけの話じゃねーか!」
「あ、バレた?でも着替え中に覗かれる可能性もあるでしょ?結界は元から張るつもりだったし、ついでにキミで遊んだだけだよ」
「遊ぶな…!まだ薬がヒリヒリしてるんだぞ!」

悪びれもなく言い切るユーリに怒りは沸くが、まぁ俺の怒鳴り声が周りに漏れていなかった件は良しとしよう。

と、次の街が見えてきた。

「この街を抜ければ、王都まで1時間ぐらいかな。お腹は空いたけど…食べていると日没ギリギリになるし、止まらずに進もう」
「わかった。…腹は減ったけどな…」

朝から女装と検問騒ぎで、精神的にも疲れ過ぎた…。
本当ならガッツリ食べて回復したいところだが、ここは我慢だな。

ユーリが胸に詰めていたパンを齧り出した。「いる?」とジェスチャーしてくるが、肌に触れていた物だろ?さすがに食べる気にはなれない…。

ふと鞄にクッキーが入っているのを思い出した。
今朝、ホテルのバーのマスターから貰ったやつだ。

「ユーリ、俺の鞄から白い包み紙を出してくれ。クッキーが入ってるはずだ」
「クッキー?いつ買ったの?」
「いや、バーのマスターに貰ったんだ」
「ふーん…」

ユーリが俺の鞄を漁り…「あった」と手渡してくれた。

リボンで留められた手のひらサイズのそれは、厚意で貰うには少し大きい。
もしかしてマスターは、検問で食べられない事を想定してくれていたのだろうか…?

リボンを解き、包みを開けると、出てきたのは美味しそうな木の実入りのクッキー。
疲れた身体に甘さが染み渡り、木の実の歯ごたえが空腹を紛らわしてくれる。
マスター、ありがとう…!

感動しながら味わっていると、ユーリの怪訝そうな視線を感じた。

「何だよ?お前も欲しいのか?」
「…いらないよ」

ふんっと前を向く。
変なやつ。強がってもあげないからな!



街の入り口に差し掛かるが…

「あれ?この街は解析小屋はないのか?」
「…今更?むしろさっきの街しかなかったでしょ」

そう言われればそうか。
田舎はないのが普通だから、逆に都会には必ずあるのかと思っていた。
そう言えばアドルフと別れた街も凄く大きかったが、あそこにもなかったな。

はあっと溜め息を吐きながら、ユーリが説明を始めた。

「解析小屋があるのは、教団の“大聖堂”がある街だけだよ。国内なら王都とさっきの街と…あと1ヵ所。合計3つの街だけさ」
「大聖堂?教会とは関係ないのか?」
「基本は一緒で、規模の違いだね。建物の大きさや所属している人数、それに大聖堂には魔力や能力の高い人物が配属されるのさ。つまり解析小屋で不特定多数の人間を瞬時に解析出来るぐらい優秀な人間が…ね」

そうだったのか。だから前の街だけ解析小屋があって…って事は、この街には強い教団員はいない?余裕?

思っている事が顔に出たのだろう。
ユーリがまた溜め息を吐き…俺に顔を近付け小声で伝える。

「…“影”に潜ればどの街からでも瞬時に移動出来るし、教会の司祭クラスは必ず解析のプロが指名される。気を抜かない方がいいよ」

ですよねー…。
ちよっと緩めてしまっていた気を引き締めて、手綱を握り直した。





結果、何事もなく街中を行き、出て、また両側が畑になった街道を進んでいる。

ホテルを出たのはそこそこ早かったのに、色々あってもう夕方近くになってしまった。
それでも検問の順番を待っていたらもっと遅かったはずで…。
日没前に着けそうで本当に良かった。

「王都に入る時、また解析されるけど、今度は大丈夫さ」
「どうしてだ?」
「王都は全貴族の私邸も学校もあって、いろんな人間が来るのが前提なんだよ。だから闇魔法で解析を誤魔化そうとしても暴かれない。大物が隠れているのを暴いたら、不敬罪になったりするからね。同様に街中で闇魔法を使っても、今までと違って誰も気にしないのさ」

…それでいいのか?と思ったが、そのおかげで俺達が囮役をしやすいのだろう。
前の街なんて常に見張られている感じがして、花街の外に出るとすぐに捕まっただろうしな。


王都に対する恐怖心は高まったものの、もう断わる事は出来ない。


不安を抱えつつも、隣にいる相棒を頼りに…

…本当に頼りになるのか?途中で放り出されたりしないよな?




王都や王家や教団の基礎知識もないまま、任務に挑む事に今更怯えながら…


馬車は心と裏腹に、王都への道を快調に飛ばして行った。

しおりを挟む

処理中です...