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新月の章 鮮血ヲ喰ライシ断罪ノ鎌
ファルネーの戦い 4
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開かれた門には、誰もいない。開かれたと言ってもこの城は三重の城壁。中心部から王族、第二層が貴族。第三層が平民と広がって作られている。そして遠目に見える貴族が暮らすエリアに続く、第二の門は閉まっている。そして第一、第二の門の間にある広大な居住区域には人の気配がない。それは未明の時刻に一人町中を歩くような感覚を思わせる。
ただ、
ピチャン。
間近で赤い小雨が、
ピチャン。
静かに降っていた。
目が勝手に水源を探し出す。恐る恐る、上を見るブラム。
その目に焼き付けたものは。
城門のアーチの頂点から、地獄絵図が吊り下げられていた。
「うぷっ…………!」
思わず吐き気を催す。戦場に出てなお、この反応。
それは、人間の臓物で出来ていた。まるで今さっきまで生きていた人間の臓器を使った様な生々しいくらいの、濁っていない色。戦場で戦ってきた彼だからこそ分かる。まだこれはほんの一時間すらたっていない物だ。
食道、胃袋、大腸、小腸などありとあらゆる内臓を数珠状につなぎ、女性の髪の毛だろうか。長い金色の髪みたいなもので上に吊り下げてある。
しかも、流れ落ちる血のもとの場所である一部の臓器がパンパンに膨れ上がっている。血の出口を髪の毛で縛り、血を臓器に流し込んだあと、出る量を調整したのである。
(なんと惨い……………………)
貴族の仕打ちも鬼畜だが、これはもう、戦争とかではなく、ただの快楽虐殺だ。ここまでする人間がいるとは。
そして、その何かの後ろには、死体がぶら下がっていた。どれも先程と同じ、金髪の毛で首を吊るされている。そしてはらわたの部分はパッカリと開かれ、中は空っぽだった。女子供問わず、全員服も身に付けていない。
そしてそれらを総合的に見ると、全て計算されている。わざとそういう設計にしたのか、遠近法すら利用した、意図的な記号が浮かび上がる。
丁寧なことにベルギウス体の文字で。
『ようこそ、そして、さようなら』
この意味を理解する頃には、もう手遅れだった。
鈍い音と振動が体を襲う。
「…………しまッッッッ……!」
それから悲鳴など上がらなかった。骨を砕かれる低音、肉を引き裂かれる中音、喉笛を裂かれ、そこからでる高音の三重奏が、楽器達の持ち主の鼓膜を刺激する。焦げる音もそこに加わる。
最悪のオーケストラを聞いた持ち主は、痛みすら感じることなく、絶命した。
ただ、
ピチャン。
間近で赤い小雨が、
ピチャン。
静かに降っていた。
目が勝手に水源を探し出す。恐る恐る、上を見るブラム。
その目に焼き付けたものは。
城門のアーチの頂点から、地獄絵図が吊り下げられていた。
「うぷっ…………!」
思わず吐き気を催す。戦場に出てなお、この反応。
それは、人間の臓物で出来ていた。まるで今さっきまで生きていた人間の臓器を使った様な生々しいくらいの、濁っていない色。戦場で戦ってきた彼だからこそ分かる。まだこれはほんの一時間すらたっていない物だ。
食道、胃袋、大腸、小腸などありとあらゆる内臓を数珠状につなぎ、女性の髪の毛だろうか。長い金色の髪みたいなもので上に吊り下げてある。
しかも、流れ落ちる血のもとの場所である一部の臓器がパンパンに膨れ上がっている。血の出口を髪の毛で縛り、血を臓器に流し込んだあと、出る量を調整したのである。
(なんと惨い……………………)
貴族の仕打ちも鬼畜だが、これはもう、戦争とかではなく、ただの快楽虐殺だ。ここまでする人間がいるとは。
そして、その何かの後ろには、死体がぶら下がっていた。どれも先程と同じ、金髪の毛で首を吊るされている。そしてはらわたの部分はパッカリと開かれ、中は空っぽだった。女子供問わず、全員服も身に付けていない。
そしてそれらを総合的に見ると、全て計算されている。わざとそういう設計にしたのか、遠近法すら利用した、意図的な記号が浮かび上がる。
丁寧なことにベルギウス体の文字で。
『ようこそ、そして、さようなら』
この意味を理解する頃には、もう手遅れだった。
鈍い音と振動が体を襲う。
「…………しまッッッッ……!」
それから悲鳴など上がらなかった。骨を砕かれる低音、肉を引き裂かれる中音、喉笛を裂かれ、そこからでる高音の三重奏が、楽器達の持ち主の鼓膜を刺激する。焦げる音もそこに加わる。
最悪のオーケストラを聞いた持ち主は、痛みすら感じることなく、絶命した。
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