孤独な王女

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コケても歩く

悪女の心得④

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 リエンはアナスタシア王女が目覚めたとき、枕元で針を扱っていた。彼女が目を開けてぼんやりしている横ですいすいと縫っていく。
 ふと視線がリエンの手元へ流れたが、リエンは手を止めなかったし、アナスタシア王女も無言で見つめていただけだった。
 やがて王女はゆっくりと起き上がり、周囲をぐるりと見渡した。

「……私は、どのくらい、寝ていましたか」
「丸々一昼夜。今は翌日の夕方。お水いる?」
「自分でやります」

 部屋に漂う沈黙は居心地の悪いものではなかった。リエンにとっても、王女にとってもそうなのだろう。ナキアが気絶させたお陰と言ってはいけないかもしれないが、すっかり気分は落ち着いているようだ。
 水を飲み、はふりと吐息をこぼしてコップを置いた王女に合わせ、リエンも裁縫道具を置いた。

「……殿下」
「リエンと呼んで」
「リエン殿下。昨日は数々の無礼を働き、申し訳ありませんでした。申し開きのしようもございません」
「私も、安易にあなたを挑発して申し訳なかったわ。あなたを軽んじているように見えるそぶりをしたことも、あなたを無理に気絶させたことも……。ごめんなさい」

 同い年の二人は頭を下げて、お互いの顔をじっと見つめた。

「……リエン殿下は……」
「うん?」
「……置いていかれる気持ちがわかる、とおっしゃっていましたが、そんな経験が?」
「うん。十歳の頃」

 それから奈積の人生の時。

「私を救ってくれた人だったわ。恩返しする前に消えてしまった」
「……消えた?」
「死んだのと同じだよ。もう永遠に会えない。でもね、だからってあなたに完全に共感はできない。あなたとは違うもの。だから『それなり』」
「……そうですか。私も義兄上さまが亡くなっては困りますから、それでいいのかもしれません」
「でしょ?」

 リエンがにやりとすると、初めて王女は笑った。ころころと、耳に心地よい笑声だ。

「私、あなたのことを掴み所がない方だと思っていましたが、違ったみたいですね。こんなにもわかりやすいなんて、思ってもみませんでした」
「そう?私も……そうね、あなたの双子のお兄さんには散々言われたからそっちが念頭にあったかもしれないわ。あと、ちょっと見栄を張りすぎてた」
「見栄?」
「『王女らしく』っていうのを少し模索してたのよ」
「王女らしく……?ですが実際にリエン殿下は王女でいらっしゃいます」
「生まれてすぐに権力を取り上げられた、名ばかりのね」

 王女ははっと息を呑んでまた詫びてきたが、リエンは気にしてないと手を振った。

「でも、昨日もふと思ったのよね。あなたの言った通り、生まれた時から王女というのは一切変わらない事実。私が考えるべきはどう力を奮えばいいか、それだけ。力そのものを頭から疑っているから、色んな人に怒られたのよね……」
「……?怒られたのですか?」
「拳骨だってもらったことあるわよ」

 王女の次の問いは拳骨とはなんですか、だった。リエンは驚きながら説明した。頭が割れるかと思った、とも言い添える。普通の姫君に拳骨とは縁がないものだったのか……あと、話を聞くだけなのにものすごく痛そうな顔をしてるのがなんか可愛い。リエンへ向けた憎悪は全くどこにもない姿にちょっぴり安堵した。あれは張り詰めたものが切れたゆえの衝動だったのだろう。
 はじめからこうして腹を割って話していれば、時間の無駄はなかったのだ。自分の不甲斐なさにため息がこぼれる。

「アナスタシア王女殿下。昨日のことを覚えてるならまた同じ事を尋ねるんだけど、私に事情を教える気はない?」
「……どうしてあなたが私をそこまで気になさるのかを伺っても?」
「お兄さま方のことを抜きってことね。うーん……」

 リエンは腕を組んで首を捻った。よくよく考えれば、確かに謎だ。今のリエンは少なくとも「守り手」ではない。他人がどうなろうとわりとどうでもいい気はしてる。そしてこの王女は、恩人の妹という以外では完全なる赤の他人。義理から逸脱した範囲で面倒を見る必要はない……。では他人じゃなかったら?

「……友だちになりたいのかなあこれって」
「え?」
「いや、なんか違うな……。……あなたが信じられないってまた言うかもしれないけど、私、多分そういう性分なんだと思うよ。義務感はあまりないな。私はやりたいことをするだけだもの」
「性分ですか」
「それとも条件反射?」
「それはまた違う気が……」
「信じられる?」
「信じられたいのですか?」

 きょとんとした王女の言葉に、思わずリエンは噴き出した。わかりやすいと言っていた通りにリエンのことを理解しているようだ。そう、別にリエンは信頼されたいとは思ってないのだ。リエン自身は。

「あなたがどちらを選ぶかによって、あなたが苦労するだけだものね。私のやることはこれっぽっちも変わらないわ」
「……本当に独善的な方ですね」
「うん」
「でしたら頼りやすいです」

 ナージャはにっこりと笑った。
 今はジヴェルナに来てから初めて気持ちが凪いでいたが、かといって初志を諦めたわけでも折れたわけでもない。むしろ、と膝の上に置いていた手で拳を作る。

「いっそその教わった拳骨とやらを義兄上さまたちにお見舞いしてやります!」
「お、おお……。本当に元気そうでよかったわ。お腹は空いてない?」
「お恥ずかしい話ですが、空腹です」
「なら持ってくるわ。ちょっと待っててね」

 さっさと部屋から出ていったリエンは、食事の載ったトレーを手ずから持ってきた。なるほど早速王女権限忘れてるみたいだ。

「リエン殿下、侍女はどうしたのですか」
「今忙しくて手が離せなさそうだったからさ。荷造りとか手続きとか」
「え?どこかへ行かれるのですか?……って、昨日のこと、あの人にも謝らないと……」
「明日からいくらでも時間はあるから、今はご飯を食べて寝てちょうだい」

 ナージャを部屋唯一のテーブルの前に座らせて、リエンは向かいに座ってまた裁縫をやるつもりらしかった。縫い物といえば刺繍しか知らないナージャからすれば、さくさくとまっすぐと縫っていく手捌きは斬新だ。リエンがやってるのが令嬢の手慰みのものではないとわかっていた。母がよくこういう風に針を使ってボタンを縫い付けていたことも思い出した。
 ちなみに今リエンが縫っているのは褐色の大きな布だ。ボタンどころではない。

「……なにをお作りになってるんですか?」
「あなたの服だよ」
「……えっ?」
「ドレスじゃいざというとき動きにくいし、制服だと目立つからね。これならポケットに護身道具も詰め込めるし動きやすいし」
「……なぜ、私が?」
「ん?……あ、言い忘れてた。あなたが目覚めてくれたし話もまとまったから、早速明日から旅行だよ」
「えっ?」
「寝てるあなたを連れての馬車旅はさすがに止められちゃってさあ」
「ちょ、ちょっと待ってください!旅行!?どこへ!?……というかそもそも、ここはどこですか!?」
「私の借りてる離宮の客間のひとつ。行き先は決まってるでしょ、あなたの故国よ」

 ナージャは持っていたスプーンを取り落とした。からーんという音が、無情に部屋に響き渡った。








☆☆☆








 それから一週間。実に遅いようで内実を考えれば速い日数で、エルサの前にリエンとアナスタシア王女が立っていた。身長がほぼ同じなので、並んで立つと一対の色違いの人形のように思える。その身形もとても似通っていたのでなおさらだ。
 先触れの馬が城から辺境伯の屋敷まで全力疾走を果たし、シュバルツとの国境ブルガ砦にいたエルサの手元にその書状が届いたのが、一日前。

「殿下……一体なにごとです?」
「あれ、まだお手紙届いてなかった?」
「昨日届きましたが、今申し上げたいのは別のことです。アナスタシア王女殿下までお連れしてしまってこの速度とは……。体調など異変はありませんか」
「はい、リエン殿下にはお気遣いいただきましたので、この通り健康です」
「シュバルツの情勢はまだ動きなし?」
「……ええ、わたくしの知る限りでは。少なくとも、ここで一日、腰を落ち着けて、ゆっくりと、色々なお話しをさせていただくことができるくらいには」
「突然の訪問失礼しました。お説教は別の機会でお願いします」

 エルサにだけはどうしても勝てないリエンは、一も二もなく白旗を振ったのだった。











 気絶するアナスタシア王女を前にまずリエンがしたことは、彼女を離宮に放り込むことだった。女子寮を監督するイレーネにはきちんとその旨伝えた上で、学園から馬車と御者を借り上げて、ユゥに付き添わせた。
 リエンは王女の部屋の窓の補修を手配したあと、ガルダと共に城へ向かった。

「思いっきりやってみようかな」

 城の廊下を歩く最中、物騒な予感を漂わせる呟きがリエンの口から漏れ、ガルダは「楽しそうだなあ」と思った。どうリエンが振る舞おうとガルダのやることは決まっているので、完璧な他人事である。
 近衛の隊舎に寄って国王の居所を聞き、重臣と会議中と教わっても勢いは止まらなかった。むしろ足取りが速くなったのはなぜか。この状況すら愉しくなってきたからだ。ちょっとのスリルもまたいいスパイスである。
 会議中で閉ざされたその広間の扉に立つ兵士たちが止めてくるのも無視して、リエンは勢いよく扉を開け放った。

「会議中、失礼します!」

 威勢のいい断り文句にぎょっとした視線が集まる。ベリオルなどは立ち上がって「はあ!?姫!?」と叫んだくらいだ。反応がいいな。
 直前の無礼をなかったことのように大事なお話し中申し訳ありません、と愛想よくお辞儀をする。制服のスカートをつまんだ淑女の礼をしている最中も、各大臣は目を白黒させたままだ。ただし、マティスやハロルドは嫌な予感がすると言いたげに顔をひきつらせていた。

「どうした、リエン」

 王さまってこれでいいんだろうかとちょっと思ったリエンだが、自分がやらかしている最中なので目をつむっておく。本当なら真っ先に王女の無礼を咎めるべき立場のはずだが。
 よし、とリエンは内心で意気込んだ。

「陛下、私、お友だちと旅行に行きたいのです。許可して下さいますよね?(裏声)」

 アナスタシア王女に演技力云々を言った手前、この役を振る舞うにも気合いが入るというものだ。『シンディー・レア』の悪女には、身内にはとても甘えん坊な一面があったのである。
 大きな瞳を少し潤ませて、顎に片手をちょっと丸めて添え、きゅるんっという音が立ちそうな子犬のような可愛らしい動作で首を捻る。とたんに視界の端でベリオルが後退りしようとして椅子に引っかかって盛大に転び、ハロルドは噴き出しそうになるのを慌てて咳払いでごまかし、マティスは真っ青になって震え上がった。三者三様面白い。ネフィルとエルサがいたらどんな反応したかなと思いつつ正面の王さまを見ると、ほんのちょっと唇を吊り上げていただけかと思いきや、時折ぴくぴくと口角が震えていた。ハロルド寄りか。他の大臣は揃って苦悶の声を上げてリエンを見ないように視線を逸らしていた。いっそこの場から逃げたいが逃げられない我が身を哀れんでいる。
 一気に大国重臣の集まる会議場とは思えない、なんともいえぬ雰囲気に様変わりしたが、恥じらうどころか興が乗ってきたリエンは、ひらりひらりと舞うような歩調で歩き、腰を抜かした様子のベリオルの後ろを通って父親に近寄っていった。

「友人か。急ぎか?」
「ええ。アナスタシア王女殿下と、今日お話しして、とても興味深く思ったのです。ユーリ辺境伯領ならばエルサさまもいらっしゃいますでしょう?お会いしたいです」

 王さまが差し出した片手に両手をちょんと載せ、にっこり笑う。普通に甘えるのではなく演技ならば、案外王さまにこうするのも平気らしかった。
 王さまの演技力も捨てたものではなかった。こちらの意図に乗るように仕方なさげな笑みを作っている。普段はこれでもかと表情が少ないので、とんだ異常事態である。

「いつから私の娘はこんなに甘えたになったのやら」
「あら、いけませんか?」
「しかし国境付近ともなれば、頷きがたいな」
「まあひどい」

 ぷくりと顔を膨らませるとまたあちこちから呻き声が上がったが、もちろん無視である。

「私、確かに城の窓枠は乗り越えましたけど、国境を乗り越えるようなはしたないことはいたしませんわ」
「そうだな、はしたないという言葉の意味をエルサから教わり直すのもいいだろう」
「それでは、お許しになって下さいます?」

 机にしがみついて体を起こすベリオルはもはや目が異次元に飛んでいる。   
 王さまの手をこちらから持ち上げて顔を近づけ、ね?と首をかしげた。ふっと笑った王さまはもう一方の手でリエンの髪をくすぐる。娘の甘えたに敗北した父親の風情抜群である。

「旅の土産を楽しみにしておこう」
「ありがとうございます!」

 無邪気に王さまに抱きついて頬に口づけすると、とうとうベリオルが白目を剥いてぶっ倒れた。










「という流れがあって」
「わたくしもその場に居合わせたかったものです。もったいないわ。特にベリオルさまの醜態」

 エルサは心底残念そうにそう言った。アナスタシア王女――ナージャにはざっくりした説明しかこれまでしていなかったので、詳細を知ってぷるぷる震えていた。

「ナージャ殿下、演技するなら、こんな風にためらいは捨てないといけないわよ。中途半端に優しく振る舞おうとしたらすぐぼろが出るんだから、徹底的にやらないと」
「反対に申し上げれば、ここまでなりふり構わず振る舞うのにはそれ相応の覚悟が必要ということですわね」
「……お恥ずかしい限りです……」

 真っ赤な顔で消え入りそうな返答をするナージャに、エルサは微笑ましげな目を向けた。どうやら最初に亡命でエルサのところに放り込まれたときもそれなりに悪役っぽく振る舞っていたらしい(ナージャ比)。もちろんエルサが全部受け流せる範囲だったのでそのまま王都に送り出したのだろう。その謝罪を今さらのようにナージャがすれば、エルサは「大変可愛らしかったですわ」ところころと笑った。

「私だってこれから『わがまま王女』の本番だから、楽しみにしておいて、エルサ」
「国境を越えるんですね?」
「そう。ナージャ殿下を連れてこっそり、ね」
「本当ならわたくしもご一緒したいのですけど……」
「『ジヴェルナの守り刀』が条約違反は駄目だと思うよ」
「わかっております。その分、わたくしからお伝えできることは全ていたしましょう」
「ありがとう」

 ナージャはさっそく密に話し合う二人を、どこか一歩引いたような心地で見つめていた。
 リエンはともかく、なんでエルサまでノリノリなんだろうか。
 というか元王族エルサの国境侵犯が駄目で王位継承権第二位リエンならいい理由はなんなのだ。

 そもそも、情勢が不安な国へ二つ返事で送り出してもいいのか……?

「ナージャ殿下、ぼさっとしてないで、ちゃんと話聞いてる?」
「あ、はい」

 もちろんあの茶番のあとにちゃんとした話し合いを経て(強引に説き伏せたともいう)、リエンはエルサの元に来たのだ。色々城側が根回しをしていたので、リエンたちの到着と書状の送達がほぼ同時になった。
 王女二人の旅行となれば、護衛も随従も数多く配置し、支度だってそれなりに手間と時間がかかる。リエンはそれらを「わがまま」で急かし、できた分だけ引き連れてここまでやって来たのだ。もちろん、シュバルツ側からどう見られるかは計算した上で。

(どこの陣営も少しは慌てるんじゃないかな?)

 エルサの話を聞きながら相手の出方を見定め、後でナージャからも細かいことを説明させて、こちらの出方を確定する。そうしたらいざシュバルツへ、だ。








 ……ちなみにベリオルやエルサが案外あっさりリエンの案を受け入れてくれたのは、初めてリエンがアナスタシア王女を「友人」と公言したためである。
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