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進化するスキル
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ミーノとヘレンは、卒なく且つ秘密裏に生きていくことを始めた。手始めに、”ゴミ拾い”で得られた物をお互いの職業やスキルを強化することを目的に。
「どう、ミーノ。何かいいモノ、あった?」
「そうだね、ゴミ置場に『ライト』と、『風』があったよ。」
「それって、何に付いてたの?」
「『ライト』は古びたランタンに、『風』は扇風機に付与されたスキルだったよ。」
「へぇ、付与された魔道具からも”ゴミ拾い”できるんだ。」
「そうなんだ。勿体ないよね、そんなものを捨てるなんて。古くなって新しいものを買ったときや、もう時代遅れのモデルなんかが捨てられるみたい。」
「でも、そんなモノだからこそ私たちにとってはお宝になるんだよね。」
「ホント、ありがたいこって。で、どうする?そのスキル?」
「うーん。『風』が欲しいかな?『風』があれば、お掃除や洗濯に便利かも?」
「ははは。じゃあ、ヘレンに『風』を『譲渡』!」
そう言うと、ミーノはヘレンに新しいスキルを譲渡した。
「どう?ヘレン。」
ヘレンは、
「『風』!」
あたり一面に暴風が吹き荒れる。
「ヘ、ヘレン。強すぎるよ。もっと力を抑えて!」
「いやぁ、新しいスキルなんで、ちょっと力の入れ具合がわかんなくって。」
「ま、まあ、徐々に慣れればいいのかな?」
「がんばります。」
こうしてスキルを得るためにゴミ置場にも定期的に通っていた。ある日、ゴミ置場に通う途中で魔物と出会う。
「み、ミーノ、魔物よ?」
「そうだね、魔熊かな?でも、ちょっと大きくない?」
その魔熊は通常の2倍くらいあり、且つ通常の色とは違い、赤い毛色をしている。
「ま、まさかファイヤーベア?」
「どうするのよミーノ?」
ミーノは考えた。自分たちの持っているスキルでの組み合わせでどうにかできるのかを。
「ヘレン。少し危険だけど僕たちのスキルの組み合わせで何とかなるかもしれない。」
「え、できそう?」
「ああ、この前ヘレンに譲渡した『風』と僕のスキル、『一撃』、『瞬歩』でね。ヘレンが『風』でファイヤーベアの注意を引き、『瞬歩』で近づいて『一撃』で倒す。」
「大丈夫?」
「僕とヘレンならば大丈夫だと思う。行くよ。」
そう言うと、二人はファイヤーベアの前に立ちふさがる。そうするとファイヤーベアは僕たちに向かって『ファイヤー』を繰り出す。
「ヘレン、今だ、『風』で火を分散させて。」
「うん。『風』!」
ヘレンがスキルをファイヤーベアに向かって打ち出すと、その周囲に大きな風の渦が出来上がる。その瞬間、ミーノは、
(『瞬歩』!)
そうしてファイヤーベアに近づき、
(『一撃』!)
ファイヤーベアに、大きなダメージを与えたが、その『一撃』では不十分であった。
(くそ、一発では倒れなかったか。)
「ヘレン、もう一度だ!今度は『風』を頭だけに集中するように打ち出して!」
「わかった、『風』!」
と、するとどうだろう。ファイヤーベアの頭が吹き飛んだではないか。
「ああ、ヘレン様?どういうことでしょうか?」
なぜか、ミーノは敬語で話す。
「わ、わかんけど、なんか、『風』をうっすくして剃刀みたいにすればいいかなぁって思ったんだけど?」
「こ、これからは使い方に注意してね?人の頭が吹っ飛ぶなんて、あまり見たくないかも?」
「なんで疑問文なのよ!しょうがないじゃない。この前も言ったけど、加減がわかんないのよ!」
ミーノは、今後ヘレンを怒らせないようにしようと固く心に誓うのであった。
(しかしどうしてなんだろう。単に『風』を使っただけなのに、こんなにも威力が違うなんて。もしかしたらスキルにも能力や何かがあるのかも?)
「ヘレン、君のスキルを『真実の目』で見てもいいかい?」
「かまわないわよ。どうぞ。」
ミーノは、ヘレンを注意深く観る。
”農家” ”大商人” ”聖女” 『治療』 『聖域』 『癒し』 『風2』
(『風2』?『風』とは違う?)
「へ、ヘレン。スキル『風』が『風2』に変化してる。そんなの聞いたことがない!」
「え、そうなの?スキルって変化するもんなの?」
「知らないよ。もしかしたら『真実の目』だからこそかもしれない。これまでに知られていなかった、スキルの練度もわかるのかも?」
「そうよね。『真実の目』の能力なんて、あまり知られていないものね。」
「うえっ。どんどん秘密が大きくなっていくー。」
「良いんじゃない?どのみち、だれにも言わなきゃいいんだし。」
やっぱりヘレンはヘレンであった。
「どう、ミーノ。何かいいモノ、あった?」
「そうだね、ゴミ置場に『ライト』と、『風』があったよ。」
「それって、何に付いてたの?」
「『ライト』は古びたランタンに、『風』は扇風機に付与されたスキルだったよ。」
「へぇ、付与された魔道具からも”ゴミ拾い”できるんだ。」
「そうなんだ。勿体ないよね、そんなものを捨てるなんて。古くなって新しいものを買ったときや、もう時代遅れのモデルなんかが捨てられるみたい。」
「でも、そんなモノだからこそ私たちにとってはお宝になるんだよね。」
「ホント、ありがたいこって。で、どうする?そのスキル?」
「うーん。『風』が欲しいかな?『風』があれば、お掃除や洗濯に便利かも?」
「ははは。じゃあ、ヘレンに『風』を『譲渡』!」
そう言うと、ミーノはヘレンに新しいスキルを譲渡した。
「どう?ヘレン。」
ヘレンは、
「『風』!」
あたり一面に暴風が吹き荒れる。
「ヘ、ヘレン。強すぎるよ。もっと力を抑えて!」
「いやぁ、新しいスキルなんで、ちょっと力の入れ具合がわかんなくって。」
「ま、まあ、徐々に慣れればいいのかな?」
「がんばります。」
こうしてスキルを得るためにゴミ置場にも定期的に通っていた。ある日、ゴミ置場に通う途中で魔物と出会う。
「み、ミーノ、魔物よ?」
「そうだね、魔熊かな?でも、ちょっと大きくない?」
その魔熊は通常の2倍くらいあり、且つ通常の色とは違い、赤い毛色をしている。
「ま、まさかファイヤーベア?」
「どうするのよミーノ?」
ミーノは考えた。自分たちの持っているスキルでの組み合わせでどうにかできるのかを。
「ヘレン。少し危険だけど僕たちのスキルの組み合わせで何とかなるかもしれない。」
「え、できそう?」
「ああ、この前ヘレンに譲渡した『風』と僕のスキル、『一撃』、『瞬歩』でね。ヘレンが『風』でファイヤーベアの注意を引き、『瞬歩』で近づいて『一撃』で倒す。」
「大丈夫?」
「僕とヘレンならば大丈夫だと思う。行くよ。」
そう言うと、二人はファイヤーベアの前に立ちふさがる。そうするとファイヤーベアは僕たちに向かって『ファイヤー』を繰り出す。
「ヘレン、今だ、『風』で火を分散させて。」
「うん。『風』!」
ヘレンがスキルをファイヤーベアに向かって打ち出すと、その周囲に大きな風の渦が出来上がる。その瞬間、ミーノは、
(『瞬歩』!)
そうしてファイヤーベアに近づき、
(『一撃』!)
ファイヤーベアに、大きなダメージを与えたが、その『一撃』では不十分であった。
(くそ、一発では倒れなかったか。)
「ヘレン、もう一度だ!今度は『風』を頭だけに集中するように打ち出して!」
「わかった、『風』!」
と、するとどうだろう。ファイヤーベアの頭が吹き飛んだではないか。
「ああ、ヘレン様?どういうことでしょうか?」
なぜか、ミーノは敬語で話す。
「わ、わかんけど、なんか、『風』をうっすくして剃刀みたいにすればいいかなぁって思ったんだけど?」
「こ、これからは使い方に注意してね?人の頭が吹っ飛ぶなんて、あまり見たくないかも?」
「なんで疑問文なのよ!しょうがないじゃない。この前も言ったけど、加減がわかんないのよ!」
ミーノは、今後ヘレンを怒らせないようにしようと固く心に誓うのであった。
(しかしどうしてなんだろう。単に『風』を使っただけなのに、こんなにも威力が違うなんて。もしかしたらスキルにも能力や何かがあるのかも?)
「ヘレン、君のスキルを『真実の目』で見てもいいかい?」
「かまわないわよ。どうぞ。」
ミーノは、ヘレンを注意深く観る。
”農家” ”大商人” ”聖女” 『治療』 『聖域』 『癒し』 『風2』
(『風2』?『風』とは違う?)
「へ、ヘレン。スキル『風』が『風2』に変化してる。そんなの聞いたことがない!」
「え、そうなの?スキルって変化するもんなの?」
「知らないよ。もしかしたら『真実の目』だからこそかもしれない。これまでに知られていなかった、スキルの練度もわかるのかも?」
「そうよね。『真実の目』の能力なんて、あまり知られていないものね。」
「うえっ。どんどん秘密が大きくなっていくー。」
「良いんじゃない?どのみち、だれにも言わなきゃいいんだし。」
やっぱりヘレンはヘレンであった。
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