異世界に転移した最強の子どもは、剣聖になり刀で無双する!

ぺったんこ

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「なにして、あそぼうかな?」

 小太郎は、王女アイリスの命を受け、城を抜け出して町にやって来た。
 何処かで遊べと言われたが、この町をまだ詳しく知らない彼は、一緒に遊べそうな友達を探す。
 1人で遊ぶより、皆で楽しくワイワイしたいと考えているのだ。

 賑わっている人通りの多い通りから、横道に逸れて家と家に挟まれた通路に入っていく。
 小太郎と同い年ぐらいの少年達が輪を作っているのを発見する。
 輪の中心には、少女と少年が木剣を使い、喧嘩をしている。
 
「女のお前が、男の俺に敵うわけないだろう!」

「アタイは勝つ! 女だからって男には絶対に負けないっ!」

「「「ははは」」」

「笑うなっ!」

青色の短髪少女レオナは、取巻きの少年達に笑われて怒る。
 
 木剣を振り、相対する少年に攻撃するが、女の非力な力では敵わず、受け止められて押し返され、転んでしまう。

「女のクセに生意気なんだよ!」


「ぅぅう……」

「だから言ったろうが。 女は男には敵わねえって! 頭で分からねえなら身体に教えてやるよ!」

 少年は木剣を振り上げ、倒れているレオナに追撃しようと剣を振り下ろすが、俊敏な小太郎は、すかさず2人の中に割って入る。

「なっ!? てめぇ~何しやがる!?」

 少年が全力で振り下ろした木剣を、人差し指と中指の2本で受け止める小太郎。
 
「いじめちゃ、らめぇ~!」

 正義感というよりも、優しさで動いた小太郎は大人顔負けの怪力で、そのまま指で挟んでいる木剣を圧し折ってしまう。

「ひぃぃっ!? 何だよコイツ!? 化け物だっ……」

 小太郎の怪力にビビった少年は、人の輪から飛び出して、一目散に逃げていく。
 遅れて少女を馬鹿にして笑っていた取巻きの少年達も逃げていった。

「もう、だいじょうぶ」

 倒れているレオナに手を差し伸べる小太郎。
 その手を取り起き上がり、少年の顔を見つめる、あどけない少女の顔は少しだけ赤くなっていた。

「あっ、ありがとう……」

「どういたしましてぇ!」


◆◆◆


 レオナは家に小太郎を招き、庭にある石に座りお互いに自己紹介を終わらせて、2人で話をする。

「いっつも、アイツら、アタイの事を馬鹿にするんだっ……」

 少女は将来、最強の冒険者になりたいと考えている。
 その事を周りの人に話すと、「女は冒険者になれても活躍できない」、「女は男には勝てない」など、酷い事を言われている。

 親からも、もっと女の子らしくしなさいとか、夢なんて諦めろ言われるが、それでも少女は強く成りたいのだ。
 
「悔しいよぉ……女だって強くなれるって証明したいのに、アタイには男みたいな力がないから無理なんだよ」

 自分の不甲斐なさに涙が溢れるレオナを放置して、立ち上がり少女が使用している木剣を勝手に手に持つ。

「ゔぅっ……ぐすんっ。 あんたも笑うんだろうアタイの事……」

 今まで自分の夢を語った相手は、皆笑うか、馬鹿にするかの2択だった。
 だから同い年の小太郎にも笑われると思っている。

 
「笑えばいいさ、どうせ叶わない夢なんだからっ」


 彼は片手で木剣を上段に構える。
 自分が座っていた石に向かって振り下ろした。

 スパーーーーン!!!

 綺麗な音と共に、石は真っ二つに切れてしまう。

「えぇぇ!? な、何してんだよ!?」

 ニコリと笑い少女の顔を見る小太郎。
 
「剣は、チカラだけじゃないよっ!」

 小太郎は男みたいに力が無い非力な自分を責めるレオナに、剣の大切さを教えたかったのだ。

「すっ、すげぇ~よコタロウ! なぁ~アタイにも出来るかな?」
 
「うんっ! 稽古すればできるよ」

 稽古すれば出来るという小太郎だが、常人が木剣で石を切るなど不可能。
 練習すれば、どうなるという話ではない。

 輝いた眼で彼を見つめるレオナ。
 石を切断した剣の力量、少年達から守ってくれた事、それから自分の夢を笑わずに聞いてくれた事で、彼に期待しているのだろう。

「コタロウの剣をアタイに教えてぇ!!!」
 
 この日より始まる小太郎の厳しい稽古により、レオナが最強の冒険者になるのは、まだ先の話。




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