ライアークエスト

かしわで

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第六章 ウソつき勇者と王宮の姫

6-2 迷子の子犬

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 僕たちはグランムルグのギルドに着いた。

「ここがギルドか、相変わらずデカいな」

「凄い大きいわね。冒険者もたくさん出入りしているわ」

 そのギルドは、今まで見たギルドの中でも、断トツに大きかった。

「そういえば、今日買い物しているとき、冒険者がうろうろしてたわ。何かを探しているような感じだったわよね?」

「そうだったか?確かに言われて見れた・・・・あまり気にしなかったんだが」

 中に入ると、とても広い部屋となっており、冒険者がたくさん集まっている。
 「じゃあ、依頼内容見てみましょうか?」
 
 僕はクエストが張られている掲示板に向かった。掲示板を見ると、その掲示板の中央に周りのクエストの依頼書と明らかに大きく、見た目が違う依頼書が張られていた。

「これって、王宮が発行したクエストじゃないか?このマークはこの国のシンボルだ」

 依頼書の四隅に、2本の剣がエックスに重なったマークが描かれている。この国のシンボルだ。

「中身は・・・・行方不明となった、【エリザベート・アレクサンドラ・グランムルグ】を探してほしいんだと。報酬は・・・・1000万ダイスだと?見間違いじゃ無さそうだ。なんてデカい金額だ!」

「貴族の方が誘拐されたのかしら?でも、誘拐なんて、普通クエストに出すのかな?」

「不明者を護衛団で探したが、見つからないから冒険者を巻き込んでって感じか?」

「その行方不明者、子犬ですよ」

「ええ~?」

カウンターにいた女性がネタバレしてしまった。ミランとアンナはとても驚いた。ああ、それ僕が言いたかったのに!

「どう考えても、犬の金額じゃないぜ。どんだけ金使う気だ」

「皆さん、怒らないのかしら?」

「大丈夫ですよ、皆さん特に気にしていませんわ。この城下町は今の王になってから、商業的に非常に成功していまして、みんな感謝しています。みんな儲かっているので、苦情なんて無いですよ」

「うむ・・・・そうなのか。」

「じゃあ、気にせずにこのクエストやりましょうよ」

「ちなみに、そのクエストは早いもの勝ちよ。すでに数10組が探しているわ」

「なに~!」

 僕たちは急いで外に出た。街は先ほどと同じように人が行きかっている。

「ちくしょ~、さっきの話を聞いたら、こいつら全員犬探ししているように見えるぜ」

「でも、子犬と言っても、どんな犬か分からないわ」

「そういえば、シンボル入りの首輪をつけているって言っていたな。それが目印だ」

 ミランとアンナは焦っている。さっきギルドの人にネタバレされて悲しかったのだが、僕は今、焦った2人を見れたので、十分満足だ。

「二人とも、焦らないで良いですよ。場所分かりますよ」

「なに~!」

 さっきと同じセリフを2人は言った。いや~面白い。

「では、こっちです」

 そう言って、僕は2人を連れて、街の東のほうにある宿が立ち並ぶエリアに向かった。

「ケント、どこに向かっているんだ?何で知っているんだ?」

「まあまあ、小さいことは気にしない。気にしない」

 僕は、とある宿を見つけた。その宿と隣の宿の間の、人が横になってやっと通れる隙間を進んだ。そして、奥のほうにブロックがあり、その中に首輪をつけた、小さな子犬を見つけた。僕はその子犬を抱き上げ、隙間から出てきた。

「その子犬が【エリザベート・アレクサンドラ・グランムルグ】です」

「ええ?もう見つけたのか?」

「凄い。なんで分かったの?」

「あはは、僕は犬の場所がカンでわかるんです」

 勿論【クエクエ2】のクエストと同じなので、場所を知っていただけだ。説明が面倒なので適当に嘘でごまかした。

「きゃ~かわいい!私にも抱かせて!」

 僕はアンナに渡した。
「とてもかわいいわ。このまま飼っちゃおうかしら。イタ!」

【エリザベート・アレクサンドラ・グランムルグ】は、アンナの手を噛んだ。思わず手を離した隙に、【エリザベート・アレクサンドラ・グランムルグ】は違う宿と宿の間に入っていった。

「大丈夫か?アンナ?」

「大丈夫。跡が付いただけよ。それよりも、逃げられたわ」

「この隙間は俺たちには無理だ。回り込むぞ!」

 僕たちは、逃げた隙間の向こう側にある、人が通れる小道に走って向かい、反対側に回り込んだ。すると、子犬を抱き抱え、頭をなでている、青い首飾りをつけた美女を見つけた。抱いている子犬は【エリザベート・アレクサンドラ・グランムルグ】だ。

「あの、その子犬、私たちが探していたんです。っあ!」

「どうしたケント、あぁ!!」

「どうしたの2人とも。」

 何と、そこにいたのはレイナだった。
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