龍王の番

ちゃこ

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2集 龍と番

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2.龍と番


 人間は16の年に選定を受ける。
 生まれた時から番の存在は調べようとするだけなら可能だ。
 しかし、調べる為に使う龍脈の力は人間の赤子や幼子には耐えられず死んでしまう。
 それが耐えられるようになるのが16歳だった。
 龍脈の力を込めた玉に触れると、もしも番が見つかれば玉が反応する。反応しなければ資質なしと見なされ家に帰され人間の男と普通に婚姻が出来る様になるのだ。

 ただ、全国から何千人、何万人と集められ選定を行ったとしても反応が出ることは滅多にない。前回見つかった番でさえ50年前だ。
 龍の寿命は平均が大体5千年。龍王種ともなれば更に長いと聞く。龍の個体数は滅多に増えないがそれも長命種ゆえ。
 龍は龍体にもなれるが人の形も取れるので異形種というよりも人間達にとってみれば近い存在であった。
 また龍人は普通の人間よりも見目麗しいので、忌避感なく憧れとなった。

 そして何故、召集されるのが人間の娘だけかと言えば…。

 龍種には何故か雌がいなかった。
 ではどうやって子孫を残すのか。

 それが番という存在であった。
 番の腹からしか龍は生まれない。
 何故なのかは誰にもわからない。

 だからこそ人間は娘を龍の番にと差し出すのだ。龍に選ばれる事こそ最高の誉れ。
 娘が選ばれれば一族が繁栄する。
 現に50年前に見つかった番の一族は今も繁栄している。

 番はどの龍の番かが判明するとその龍の寿命まで生き長らえるので50年前に見つかった番も現在存命中だ。龍と番が亡くなると一族の加護もなくなるのでその時点までは繁栄する事になる。

 

 とはいえ、見つかるか見つからないか分からぬ番という存在。
 龍達は番を得るとその番を慈しみ、溺愛し、執着するが番が見つからない個体ももちろん存在する。
 龍は本能で番を求めるが、番のいない龍人の末路は悲惨である。
 寿命の半分を過ぎると徐々に理性を失い、凶暴化し破壊衝動に襲われるのだ。
 番を得られない嘆きがそうさせるのか狂ってゆく龍。
 そうなると辺りが破壊され被害が出てしまうのでそうなる前に龍王がその龍人を止める。


 死をもって。


 死でしかその龍を救えなかった。番がいなければ正気にも戻れず、寿命まで暴れ回ってしまう。
 そうならないように龍王が慈悲を与えるのだ。

 輪廻を潜らせて再び番と出会う為に。






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