龍王の番

ちゃこ

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13.因果応報

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「雅国宰相、劉 達喜(リュウ ダーシー)と、妻の、劉 曉燕(リュウ シャオイェン)が拝謁致します」


「面を上げよ」



 謁見の間にて、雅国宰相夫妻との謁見が行われた。
 赤い敷物の上を静々と進み出た2人は壇上の黄金の昇龍の姿が彫られた玉座に座る男を視界に入れた。

 麗華の父親の方は宰相としての場数を踏んでいるので比較的落ち着いているが、奥方の方は身体が震えていた。

 壇上の近くまで寄ると2人は跪き、頭を下げた。
 龍王から許可が出ると2人はゆっくり顔を上げ壇上にいる龍王を眩しいものを見るように見上げる。


「ありがとうございます」

 許可が出た事に礼を言い、挨拶を済ませた。
 2人は呼び出された理由を知らないので黙って龍王からの言葉を待つ。


「良く来てくれた。本日は2人に伝えておく事があり呼び出したのだ」

 龍王は微笑みを浮かべながら語り出す。
 その微笑みを見た夫人は顔を赤らめた。

「お呼びとあればいつでも参上致します。して、私たちにどの様なご用件でしょうか」

「ああ。お前たちは先日番の選定の儀があった事はもちろん知っておるな?」

「も、もちろんでございます!当家からも何人か受けさせておりますゆえ」

 夫妻は龍王からの話はやはり番の事であったと確信し喜色を浮かべた。
 早く内容を聞きたいと逸る心を落ち着けながら龍王の言葉を待つ。

「その番の選定でそちら劉家から番が見つかったのだ」

「「ほ、本当にございますか!!?」」

 龍王の言葉に思わず夫人も声を上げた。

「ああ。本日までその者を育ててくれて礼を言うぞ」

「と、とんでもございません!し、してどのお方の番に選ばれたのでしょうか!」

 声がもはや上擦っているのに炎輝は内心で呆れながら見る。

「私だ」







「は……今何と…」







「私の番が見つかったのだ。喜ぶが良い」



 2人は呆然とした。
 耳に入って来ているが、内容が幻聴かと思う程の内容で上手く脳が理解してくれない。


「り、龍王陛下…の…でござい…ますか…?それは…まことに…?」


 宰相は身体が震えて来るのを止められなかった。



 来た。
 劉家にもついに。


 それもこの地上で最高の栄誉が転がり込んで来た。

 良くて序列の高い龍族かと淡い期待をしていたがそんな物吹き飛ばしてしまう程の更に大きな栄誉である。
 隣で妻は感動から伏して泣き始めている。


「そうだ。しかもそなたの娘だ」

「何と!!我が家から龍王陛下の番様を輩出出来るなど最高の栄誉でございます!!しかも我が娘とは…!!おめでとうございます!!」

「瑞麗が…!瑞麗…」

 咽び泣く夫人を宥める様に宰相は手を握った。
 宰相自身も感動の為涙を流している。


「瑞麗?」

 龍王が心底不思議そうに呟く。
 すかさず後ろに控えていた泰然がそっと主君に伝える。

「陛下。もう1人の方かと」

「ああ」

 炎輝は納得するように頷いた。
 その2人のやり取りの様子に初め感動に打ち震えていたが瑞麗の名前に龍王がおかしな反応をするので夫妻は困惑する。

「へ、陛下」

「なんだ」

「番様は瑞麗ではないのですか…?」







「何を申しているのだ。私の番は麗華1人である」





「な、何ですと…!?そんな馬鹿な…」

「何が馬鹿です。不敬ですよ。麗華様に対する侮辱ですか?」

 宰相の驚愕した声に泰然が鋭い瞳を向ける。

「は…い、いえ!ほ、本当に麗華なのですか!?瑞麗ではなく!?」

 夫妻は何かの間違いではないかと必死に確認してくる。

 それを笑いそうになりながら、炎輝は2人を見た。


「その瑞麗という娘ならば、私の番を害そうとしたので地下牢に入れてあるが?その娘の事か?」




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