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3章 制裁そして帰還
3.6 少女の真相が明かされた話
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「その話、聞かせてもらおうか」
「何故余が貴様に・・・は・・な・・・」
話す気が無い事を察っして、俺は空気を掴む様にして手を徐々に上げる。
サイコキネシスが発動し、フラテス候は宙に浮きながら机を飛び越えて、徐々にこちらに引き寄せられる。
声が耳ざわりなので、僅かに首を絞めつけているからか、かすかに漏れ出した苦悶の声が聞こえる。
机を飛び越えたあたりで力を解き、解放されたフラテス候は地面に倒れ、犬のように伏せて咳をした。
「話してもらおうか」
「何なのだお前は!? 何故そのような事が出来る?」
「どいつもこいつも、聞いているのは俺の方だというのにな」
もう一度首を絞めようと構える。
「わ! 分かった! 話すからもうやめてくれ!」
動作から何をされるのかを察したのか、豚のような体を必死に揺らし、膝立ちで手を前に突き出し懇願しながら、醜態を晒す。
「オリービアは私の子ではない。そいつは・・・メイドだったラザエムと執事長であるアーノの娘だ」
息も絶え絶えのフラテス候は、必死に言葉を発している。
「余はな、余の子を最初に孕んだ者を妻にすると決めていたのだ。だがたくさんの女を犯せど、誰も孕まなかった。だがラザエムが受胎したと聞き、余はラザエムを妻に迎えようとしたのだ。しかし生まれてきた子は、余の子供ではないとすぐに分かった。生まれてきた子の、栗色の瞳を見てな。父親は余ではなく、アーノだと。この屋敷で栗色の瞳をしているのは、アーノだけだからな。だからあらゆる方法で、追い詰めてやったのだ。余に父親の夢を見させて、裏切ったラザエムにな!」
「裏切りか・・・お前は金と権力で村民に圧政を行い、女に手当たり次第手を出してきたのだろう? そんな奴が裏切られたと言うとはな」
「そうだ! 貴様の言うとおり、余は金と権力で使用人を、村人を虐げ、気に入った女を囲ってきた! だが余を見てみろ!」
フラテス候は立ち上がり、大の字になって全身をアピールする。
「小さな巨人などと、皮肉を込めて呼ばれた体と醜い顔だ! 余を子に持った親は将来に絶望した! 嘆くばかりの親が死んで、余に残されたのは貴族位と資産だけ。他に何も無い余がそれを利用して何が悪い! 鏡を見て自分の容姿に怒りを感じ、使用人を殴ろうが、良い女が居れば金を渡すか脅して無理やり抱く。腐敗などと言われているが、今のこの国は、余の持っている力で望む事全てが出来るのだ! 貴様のように体格にも力にも恵まれた者が、恵まれなかった者のやる事に口を出すな!」
俺が恵まれているだと?
お前が恵まれていないだと?
「不愉快だ」
俺は自分でも気づかないうちに、静かに刀を抜いていた。
「おい! まて! 何を怒っている!?」
「黙れ・・・」
1歩進むと、袖をオリービアが掴んで止める。
「ルシファー様・・・どうか落ち着いて下さい」
そうか・・・オリービアにとっては、自分の大事な話だ。
ここで止められては困るのだろう。
冷静に考えれば、フラテス候は今の俺の体格と力しか見てないからな。
これで俺の過去を察しろというのが無理な話か。
「俺からすれば貴族の子として生れ、金もあったお前は充分恵まれていると思うがな」
「だがそれでは、女からの愛を手に入れる事は出来なかったのだ!」
「俺も・・・女からの愛を感じた事はないがな」
オリービアは顔を上げ、刀を握っている俺の手を優しく包んでくる。
もしかして・・・俺は違うと言いたいのだろうか。オリービアの意図が分からない。
「ラザエムは・・・何度も何人もの女を抱いて、唯一余の子を宿した女だと思ったのだ。余の子を産めば、余は子と共に愛されると思っていた。だが産まれてきた子はアーノの子供・・・余は愛される筈だったのに、そうではなかった! これを裏切りと言わずに何と言うのだ!」
歪んでいるな・・・、こいつも鬱屈した人生を歩んできたのだろう。
親に愛されている実感を得れず、女にも避けられ、愛を求めてきた結果がこれか。
だが・・・こいつは間違ってしまったようだ。
「産まれた子を見て、父親がアーノと分かってから、ラザエムは屋敷を出てティグリス村で暮らし始めた。余はアーノを拷問にかけて、洗いざらい吐かせた。アーノは後から屋敷を出て、ティグリス村でラザエムと合流し、バビロアへ逃れるつもりだったのだ」
「そのアーノは、今どこにいるんだ?」
「余の女に手を出した罰として、拷問を続けたのだが、うっかり死なせてしまってな。死体は裸にして森に捨てたから、獣の餌にでもなったのだろう」
黙って聞いていたオリービアは、あまりにも酷い実の父の最後に、泣きながら床にへたり込んでしまう。
「つまりラザエムが村を出て行かなかったのは、アーノが来るのを待っていたからか。だがそれで15年も待つなんてな・・・」
「それは余がラザエムを騙したからだ。アーノはまだ生きていて、余によって監禁されているとな。そしてラザエムが余からの嫌がらせに耐え続け、いつか余が許したらアーノは解放されると。バカな女だ・・・それで15年もの間、村を逃げ出さなかったのだからな」
「それはラザエムが、本当にアーノを愛していたからだろう」
俺の言葉を聞き、オリービアは力なく俺の顔を見上げる。
「・・・そんな訳が」
「俺も愛された事が無いが、それくらいは分かる。本当に愛していなければ、嫌がらせに耐えて長年待つことなんて出来ないだろう」
テレビでそんな恋愛ドラマがあった気がするからな。
俺でもこれくらいは察しはつく。
「それを確かめるすべは、もう無いけどな」
「そうだな、死人に口なしだ」
「ところで、オリービアはお前の子だとしていたのは何故だ? それもお前の仕業なのだろう?」
「その通りだ。余ではなく、アーノが父であると娘に告げない事も、アーノ解放の条件にしたのだ」
「どうしてそんな事を?」
「ラザエムに余が父親だと言わなければならないという、屈辱を味あわせるためだ」
下卑た笑みを浮かべるフラテス候。
オリービアは母の苦悩を思い、さらに涙を流している。
「ラザエムが余の妻にならず、逃げたせいで貧困の生活を送っていると思い、オリービアがラザエムを恨んでくれたら、もっと面白かったのだがな」
「そうはならなかったな。ラザエムは嫌がらせに屈せず、オリービアへ優先的に食べ物を与え、本を読み聞かせ字を教え、夜はその腕に抱いて眠るのを見守る。愛情だけは欠かさず注いでいたようだ」
オリービアの涙は止まり、思い出の中にある希望が灯ったような目に変わる。
「余は・・・母からそんなことをしてもらった事がない・・・」
「その点については俺もだが・・・」
「ならお前にも余の気持ちが分かるだろう? その力を使って、欲しいものを手に入れる事が出来るはずだ! 違う形で、余と同じ事が出来るはずだ!」
「俺はもうそんなもの・・・欲しくもないのでね」
俺に似た雰囲気を感じたのか、フラテス候は僅かにでも共感を得ようとしていたようだ。
共感を得られなかった、フラテス候はオリービアに目線を移し、舐め回すように観察している。
「オリービアよ、先ほどは悪かったな。それにしてもラザエムに似て美人に育ったものだ。どうかね? 母に変わって余の子を産まないか? 今までとは比べ物にならない、贅沢な暮しを約束するぞ?」
その言葉を聞いて、オリービアは立ち上がる。
栗色の瞳で、まっすぐフラテス候を睨みつけながら。
「お断りです。私はあなたの子を絶対に産まない!」
「その目は・・・ラザエムがこの屋敷を出て行った時に、私を見た時と同じ目だ。余を裏切った女の目・・・それを余は許せんのだ!」
フラテス候は机から短剣を取り出し、突き出したままオリービアに走り込む。
「何故余が貴様に・・・は・・な・・・」
話す気が無い事を察っして、俺は空気を掴む様にして手を徐々に上げる。
サイコキネシスが発動し、フラテス候は宙に浮きながら机を飛び越えて、徐々にこちらに引き寄せられる。
声が耳ざわりなので、僅かに首を絞めつけているからか、かすかに漏れ出した苦悶の声が聞こえる。
机を飛び越えたあたりで力を解き、解放されたフラテス候は地面に倒れ、犬のように伏せて咳をした。
「話してもらおうか」
「何なのだお前は!? 何故そのような事が出来る?」
「どいつもこいつも、聞いているのは俺の方だというのにな」
もう一度首を絞めようと構える。
「わ! 分かった! 話すからもうやめてくれ!」
動作から何をされるのかを察したのか、豚のような体を必死に揺らし、膝立ちで手を前に突き出し懇願しながら、醜態を晒す。
「オリービアは私の子ではない。そいつは・・・メイドだったラザエムと執事長であるアーノの娘だ」
息も絶え絶えのフラテス候は、必死に言葉を発している。
「余はな、余の子を最初に孕んだ者を妻にすると決めていたのだ。だがたくさんの女を犯せど、誰も孕まなかった。だがラザエムが受胎したと聞き、余はラザエムを妻に迎えようとしたのだ。しかし生まれてきた子は、余の子供ではないとすぐに分かった。生まれてきた子の、栗色の瞳を見てな。父親は余ではなく、アーノだと。この屋敷で栗色の瞳をしているのは、アーノだけだからな。だからあらゆる方法で、追い詰めてやったのだ。余に父親の夢を見させて、裏切ったラザエムにな!」
「裏切りか・・・お前は金と権力で村民に圧政を行い、女に手当たり次第手を出してきたのだろう? そんな奴が裏切られたと言うとはな」
「そうだ! 貴様の言うとおり、余は金と権力で使用人を、村人を虐げ、気に入った女を囲ってきた! だが余を見てみろ!」
フラテス候は立ち上がり、大の字になって全身をアピールする。
「小さな巨人などと、皮肉を込めて呼ばれた体と醜い顔だ! 余を子に持った親は将来に絶望した! 嘆くばかりの親が死んで、余に残されたのは貴族位と資産だけ。他に何も無い余がそれを利用して何が悪い! 鏡を見て自分の容姿に怒りを感じ、使用人を殴ろうが、良い女が居れば金を渡すか脅して無理やり抱く。腐敗などと言われているが、今のこの国は、余の持っている力で望む事全てが出来るのだ! 貴様のように体格にも力にも恵まれた者が、恵まれなかった者のやる事に口を出すな!」
俺が恵まれているだと?
お前が恵まれていないだと?
「不愉快だ」
俺は自分でも気づかないうちに、静かに刀を抜いていた。
「おい! まて! 何を怒っている!?」
「黙れ・・・」
1歩進むと、袖をオリービアが掴んで止める。
「ルシファー様・・・どうか落ち着いて下さい」
そうか・・・オリービアにとっては、自分の大事な話だ。
ここで止められては困るのだろう。
冷静に考えれば、フラテス候は今の俺の体格と力しか見てないからな。
これで俺の過去を察しろというのが無理な話か。
「俺からすれば貴族の子として生れ、金もあったお前は充分恵まれていると思うがな」
「だがそれでは、女からの愛を手に入れる事は出来なかったのだ!」
「俺も・・・女からの愛を感じた事はないがな」
オリービアは顔を上げ、刀を握っている俺の手を優しく包んでくる。
もしかして・・・俺は違うと言いたいのだろうか。オリービアの意図が分からない。
「ラザエムは・・・何度も何人もの女を抱いて、唯一余の子を宿した女だと思ったのだ。余の子を産めば、余は子と共に愛されると思っていた。だが産まれてきた子はアーノの子供・・・余は愛される筈だったのに、そうではなかった! これを裏切りと言わずに何と言うのだ!」
歪んでいるな・・・、こいつも鬱屈した人生を歩んできたのだろう。
親に愛されている実感を得れず、女にも避けられ、愛を求めてきた結果がこれか。
だが・・・こいつは間違ってしまったようだ。
「産まれた子を見て、父親がアーノと分かってから、ラザエムは屋敷を出てティグリス村で暮らし始めた。余はアーノを拷問にかけて、洗いざらい吐かせた。アーノは後から屋敷を出て、ティグリス村でラザエムと合流し、バビロアへ逃れるつもりだったのだ」
「そのアーノは、今どこにいるんだ?」
「余の女に手を出した罰として、拷問を続けたのだが、うっかり死なせてしまってな。死体は裸にして森に捨てたから、獣の餌にでもなったのだろう」
黙って聞いていたオリービアは、あまりにも酷い実の父の最後に、泣きながら床にへたり込んでしまう。
「つまりラザエムが村を出て行かなかったのは、アーノが来るのを待っていたからか。だがそれで15年も待つなんてな・・・」
「それは余がラザエムを騙したからだ。アーノはまだ生きていて、余によって監禁されているとな。そしてラザエムが余からの嫌がらせに耐え続け、いつか余が許したらアーノは解放されると。バカな女だ・・・それで15年もの間、村を逃げ出さなかったのだからな」
「それはラザエムが、本当にアーノを愛していたからだろう」
俺の言葉を聞き、オリービアは力なく俺の顔を見上げる。
「・・・そんな訳が」
「俺も愛された事が無いが、それくらいは分かる。本当に愛していなければ、嫌がらせに耐えて長年待つことなんて出来ないだろう」
テレビでそんな恋愛ドラマがあった気がするからな。
俺でもこれくらいは察しはつく。
「それを確かめるすべは、もう無いけどな」
「そうだな、死人に口なしだ」
「ところで、オリービアはお前の子だとしていたのは何故だ? それもお前の仕業なのだろう?」
「その通りだ。余ではなく、アーノが父であると娘に告げない事も、アーノ解放の条件にしたのだ」
「どうしてそんな事を?」
「ラザエムに余が父親だと言わなければならないという、屈辱を味あわせるためだ」
下卑た笑みを浮かべるフラテス候。
オリービアは母の苦悩を思い、さらに涙を流している。
「ラザエムが余の妻にならず、逃げたせいで貧困の生活を送っていると思い、オリービアがラザエムを恨んでくれたら、もっと面白かったのだがな」
「そうはならなかったな。ラザエムは嫌がらせに屈せず、オリービアへ優先的に食べ物を与え、本を読み聞かせ字を教え、夜はその腕に抱いて眠るのを見守る。愛情だけは欠かさず注いでいたようだ」
オリービアの涙は止まり、思い出の中にある希望が灯ったような目に変わる。
「余は・・・母からそんなことをしてもらった事がない・・・」
「その点については俺もだが・・・」
「ならお前にも余の気持ちが分かるだろう? その力を使って、欲しいものを手に入れる事が出来るはずだ! 違う形で、余と同じ事が出来るはずだ!」
「俺はもうそんなもの・・・欲しくもないのでね」
俺に似た雰囲気を感じたのか、フラテス候は僅かにでも共感を得ようとしていたようだ。
共感を得られなかった、フラテス候はオリービアに目線を移し、舐め回すように観察している。
「オリービアよ、先ほどは悪かったな。それにしてもラザエムに似て美人に育ったものだ。どうかね? 母に変わって余の子を産まないか? 今までとは比べ物にならない、贅沢な暮しを約束するぞ?」
その言葉を聞いて、オリービアは立ち上がる。
栗色の瞳で、まっすぐフラテス候を睨みつけながら。
「お断りです。私はあなたの子を絶対に産まない!」
「その目は・・・ラザエムがこの屋敷を出て行った時に、私を見た時と同じ目だ。余を裏切った女の目・・・それを余は許せんのだ!」
フラテス候は机から短剣を取り出し、突き出したままオリービアに走り込む。
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