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3章 制裁そして帰還
3.7 私刑を与え村で少し暴れた後街に帰った話
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「不快だ」
突き出された腕がオリービアに届く前に、瞬時に発動させたパイロキネシスで、白熱化した刀を振り下ろす。
肘から下の腕が切り落とされ、短剣はオリービアに届く前に腕と共に地面に落ちた。
フラテス候が悲鳴を上げる前に、追加で顔面に拳を叩き込み、机まで吹き飛ばす。
「か・・・余の腕が・・・余の顔が・・・」
歯が抜けた顔でうめきながら、机を背もたれにしてへたばっている。
俺はゆっくり近づき、殆ど閉じた眼前でしゃがんだ。
「お前がするべきだったのは、1つでも自分を褒めることが出来る物を、作る事だった。俺は勉強だけは頑張って、良い成績と進学だけは勝ち取っていたからな。そこだけは努力で手に入れたから、唯一自分を褒められる事だった」
「何を・・・意味の・・・分からない事を・・・・」
「お前は既に持っていた力を使って、周りが変わる事を願った。俺は自分が変わる事を願った。その違いだ・・・」
「そんな・・・ことを・・・余に・・・言ってくれる人はいなかった・・・」
「俺もだよ・・・」
こいつは間違ってしまった。
自分の境遇に嘆き、歪んでしまい、間違った方法で愛を得ようとした。
でもそれは自分が選択した事で、この状況はその結果だ。
もし貴族として立派になっていれば、こいつという人間を愛してくれる人と出会えただろう。
こいつは・・・俺に出来なかった事が、出来たかもしれないのに。
「お前の気持ちが分かる部分もある。だが、お前の選択は非常に不愉快だ」
「こんな・・・事をして! ただで・・・済むと!」
「自分の横暴の中で勝手に期待をし、裏切られたと言い張り、騙し迫害までした挙句、関係ない子供までも虐げようとした事も、権力と金に物をいわせて他人を傷つけ、更に女を犯した事。どんな理由を並べても、お前が人を虐げた事実は残る」
「それは・・・」
「お前はもう、虐げていた人の力を借りなければ、生きていけない体になった。それを噛みしめて生きる事が、お前への罰だ」
「なんだ・・・お前は! 自分が神にでも・・・なったつもりか」
「俺は神じゃない。会った事はあるがな・・・」
振り返ると、オリービアは複雑な顔をしたまま、ただ一部始終を見ていたようだ。
その状態のままで固まっている、オリービアの横を通り過ぎる。
「貴族に手を出した俺は、これでいつ憲兵に掴まってもおかしくない状態になった。新しい土地で、新しい生活を送るのに充分な金を、荷車を停めた場所に置いておく。もうお前を縛るものはないのだから、俺と来てまた不自由する必要はない」
それだけ言い残し廊下に出る。
正面玄関に向かう途中、メイドと執事が両脇で待機していた。
何も言わないが、泣いているメイドすらいる。
「主人が襲われているのを見て、止めに入らないとはな」
顔に痣を付けた、1番年を取っている執事が頭を上げ、短く言葉を発した。
「立場上感謝を申し上げる事は出来ませんが、出来るだけ長く、大事に至らぬよう抑えます。数日中に街を出て下さい」
「元よりそのつもりだ・・・」
そのまま屋敷を出る。
金を置いて、メガディパーグを持って帰らないとな。
敷地から出る直前、後ろから砂利の音が聞こえ、振り返ると同時に誰かが抱きついてきた。
「ルシファー様」
「どうしたんだ? 早く金が欲しいのか?」
「違います。私を共に連れて行って欲しいのです!」
「今回した事が、お前の為だと思っているのなら」
「そんな風に思っていません!」
全然離れる気配がない。
「あなたは私を助けてくれました。あなたは私に嫌がらせをしていた人に制裁を与えてくれました。あなたは私の本当の過去を暴いてくれました。あなたは母が本当に愛してくれていた事を教えてくれました。あなたは私が最も憎い相手に罰を与えてくれました。例えあなたが悪人と呼ばれようが、罪人として追われようが、私はあなたから離れない。もうあなたは、私にとってかけがえのない人ですから」
「・・・連れて行くかどうかは、今回の狩猟が終わるまでに考えると言ったしな。とりあえずバビロアに、メガディパーグを持って帰るとしよう」
「はい!」
泣きながら笑顔になるとは、随分器用な奴だ。
歩き出すと、オリービアは手を繋いでくる。
「何の真似だ?」
不機嫌を前面に出し、オリービアに顔を向ける。
そこには真っ赤になった、オリービアの顔があった。
「・・・メガディパーグの所まで、こうさせて下さい。こうしてないと、ルシファー様がどこかに行ってしまいそうで」
「・・・勝手にしろ」
俺からは握り返さないようにした。
俺はここまで関わったオリービアを、まだ信用したわけではない。
今のところ神との賭けは、どうやら俺に有利な状態のようだ。
飛んでいるところを目撃されると面倒なので、歩いて街道まで行く事にしたが、当然ティグリス村を通る事になる。
簡単に通り抜けられるとは思えないが・・・。
案の定、フラテス候の屋敷からのティグリス村の入口に、朝の騒ぎを聞きつけた村人が、農業用具を武器にして勢ぞろいしていた。
「お前か! 村長を襲い! バルマーシュの家に火を付けたのは!」
リーダー格の体格の良い男が、怒鳴りつけるように声を上げる。
オリービアの手を引き、自分の背中に隠した。
「それが何か?」
「”何か?”だと!? お前は自分が何をしたか分かってるのか?」
「村長を痛めつけて、バルマーシュの家を燃やした」
「馬鹿にしてるのか! ただでここを通れると思うなよ!」
「で? お前らは何がしたいんだ?」
「お前を死なない程度に打ちのめして、自分がやったことの重大さを分からせた後、メガディパーグを頂く」
やってることが強盗と変わらないな。
「ならばお前らがこいつへした嫌がらせは、どう落し前付ける?」
「必要ないね。俺達だって好きだやっていた訳じゃないし、寧ろこの村に来られたせいで、頻繁にフラテス候が干渉して来るようになって、本当に迷惑していたんだ。ティグリス村にとっては、疫病神以外の何者でも無かったからな」
「今の言い方から察するに、率先してやっていた事は間違いないだろ。報酬も貰っていたのだから、文句を言う権利はないと思うが。こいつも母親も、別に罪を犯したわけでもない。謝罪の1つもしたらどうだ?」
「あえて言うなら、生まれてきたことが罪だね! 謝る必要もない! 俺達がフラテス候から圧力をかけられて、迷惑を被ったのは事実なんだからな」
そこまで言えるか。
報酬をもらい、凛々と嫌がらせをしてきたお前らが。
「不愉快だな」
俺は手を村人たちにかざし、警備兵の時のように村人を一斉に吹き飛ばす。
吹き飛ばされた村人は地面や家の壁、柵に叩きつけられて悶えている。
「ルシファー様・・・」
「手加減はした」
ティグリス村に入り、悶えている村人の間を歩いていくと、リーダー格の男が立ちはだかる。
痛みを堪える顔をし、肋骨が折れているのか胸を押さえている。
「なんだ今のは・・・」
「教える理由がない」
「・・・何故、オリービアの為にそこまでする?」
「こいつの為じゃない。お前らを攻撃したのは、俺の行く手を阻んだからと、お前らが不愉快だったからだ」
男が反応できない速度で、拳をみぞおちに叩き込む。
男は数メートル吹き飛ばされて、泡を吹いて倒れた。
「行くぞ」
「はい」
「お前は相変わらず、俺の行動にひかないのだな」
「もしそれがおかしいのでしたら、私もとっくにおかしくなっているのかもしれません」
あんな死に方をした俺がもうまともでないように、オリービアもどこかまともでは無いのかもしれない。
メガディパーグを狩猟した時に俺が騎馬騎士隊を見捨てた時も、フラテス候に罰を与えている時も、オリービアは黙って見ているだけだった。
どこか壊れている物同士のパーティーか。
それも面白いかもな。
突き出された腕がオリービアに届く前に、瞬時に発動させたパイロキネシスで、白熱化した刀を振り下ろす。
肘から下の腕が切り落とされ、短剣はオリービアに届く前に腕と共に地面に落ちた。
フラテス候が悲鳴を上げる前に、追加で顔面に拳を叩き込み、机まで吹き飛ばす。
「か・・・余の腕が・・・余の顔が・・・」
歯が抜けた顔でうめきながら、机を背もたれにしてへたばっている。
俺はゆっくり近づき、殆ど閉じた眼前でしゃがんだ。
「お前がするべきだったのは、1つでも自分を褒めることが出来る物を、作る事だった。俺は勉強だけは頑張って、良い成績と進学だけは勝ち取っていたからな。そこだけは努力で手に入れたから、唯一自分を褒められる事だった」
「何を・・・意味の・・・分からない事を・・・・」
「お前は既に持っていた力を使って、周りが変わる事を願った。俺は自分が変わる事を願った。その違いだ・・・」
「そんな・・・ことを・・・余に・・・言ってくれる人はいなかった・・・」
「俺もだよ・・・」
こいつは間違ってしまった。
自分の境遇に嘆き、歪んでしまい、間違った方法で愛を得ようとした。
でもそれは自分が選択した事で、この状況はその結果だ。
もし貴族として立派になっていれば、こいつという人間を愛してくれる人と出会えただろう。
こいつは・・・俺に出来なかった事が、出来たかもしれないのに。
「お前の気持ちが分かる部分もある。だが、お前の選択は非常に不愉快だ」
「こんな・・・事をして! ただで・・・済むと!」
「自分の横暴の中で勝手に期待をし、裏切られたと言い張り、騙し迫害までした挙句、関係ない子供までも虐げようとした事も、権力と金に物をいわせて他人を傷つけ、更に女を犯した事。どんな理由を並べても、お前が人を虐げた事実は残る」
「それは・・・」
「お前はもう、虐げていた人の力を借りなければ、生きていけない体になった。それを噛みしめて生きる事が、お前への罰だ」
「なんだ・・・お前は! 自分が神にでも・・・なったつもりか」
「俺は神じゃない。会った事はあるがな・・・」
振り返ると、オリービアは複雑な顔をしたまま、ただ一部始終を見ていたようだ。
その状態のままで固まっている、オリービアの横を通り過ぎる。
「貴族に手を出した俺は、これでいつ憲兵に掴まってもおかしくない状態になった。新しい土地で、新しい生活を送るのに充分な金を、荷車を停めた場所に置いておく。もうお前を縛るものはないのだから、俺と来てまた不自由する必要はない」
それだけ言い残し廊下に出る。
正面玄関に向かう途中、メイドと執事が両脇で待機していた。
何も言わないが、泣いているメイドすらいる。
「主人が襲われているのを見て、止めに入らないとはな」
顔に痣を付けた、1番年を取っている執事が頭を上げ、短く言葉を発した。
「立場上感謝を申し上げる事は出来ませんが、出来るだけ長く、大事に至らぬよう抑えます。数日中に街を出て下さい」
「元よりそのつもりだ・・・」
そのまま屋敷を出る。
金を置いて、メガディパーグを持って帰らないとな。
敷地から出る直前、後ろから砂利の音が聞こえ、振り返ると同時に誰かが抱きついてきた。
「ルシファー様」
「どうしたんだ? 早く金が欲しいのか?」
「違います。私を共に連れて行って欲しいのです!」
「今回した事が、お前の為だと思っているのなら」
「そんな風に思っていません!」
全然離れる気配がない。
「あなたは私を助けてくれました。あなたは私に嫌がらせをしていた人に制裁を与えてくれました。あなたは私の本当の過去を暴いてくれました。あなたは母が本当に愛してくれていた事を教えてくれました。あなたは私が最も憎い相手に罰を与えてくれました。例えあなたが悪人と呼ばれようが、罪人として追われようが、私はあなたから離れない。もうあなたは、私にとってかけがえのない人ですから」
「・・・連れて行くかどうかは、今回の狩猟が終わるまでに考えると言ったしな。とりあえずバビロアに、メガディパーグを持って帰るとしよう」
「はい!」
泣きながら笑顔になるとは、随分器用な奴だ。
歩き出すと、オリービアは手を繋いでくる。
「何の真似だ?」
不機嫌を前面に出し、オリービアに顔を向ける。
そこには真っ赤になった、オリービアの顔があった。
「・・・メガディパーグの所まで、こうさせて下さい。こうしてないと、ルシファー様がどこかに行ってしまいそうで」
「・・・勝手にしろ」
俺からは握り返さないようにした。
俺はここまで関わったオリービアを、まだ信用したわけではない。
今のところ神との賭けは、どうやら俺に有利な状態のようだ。
飛んでいるところを目撃されると面倒なので、歩いて街道まで行く事にしたが、当然ティグリス村を通る事になる。
簡単に通り抜けられるとは思えないが・・・。
案の定、フラテス候の屋敷からのティグリス村の入口に、朝の騒ぎを聞きつけた村人が、農業用具を武器にして勢ぞろいしていた。
「お前か! 村長を襲い! バルマーシュの家に火を付けたのは!」
リーダー格の体格の良い男が、怒鳴りつけるように声を上げる。
オリービアの手を引き、自分の背中に隠した。
「それが何か?」
「”何か?”だと!? お前は自分が何をしたか分かってるのか?」
「村長を痛めつけて、バルマーシュの家を燃やした」
「馬鹿にしてるのか! ただでここを通れると思うなよ!」
「で? お前らは何がしたいんだ?」
「お前を死なない程度に打ちのめして、自分がやったことの重大さを分からせた後、メガディパーグを頂く」
やってることが強盗と変わらないな。
「ならばお前らがこいつへした嫌がらせは、どう落し前付ける?」
「必要ないね。俺達だって好きだやっていた訳じゃないし、寧ろこの村に来られたせいで、頻繁にフラテス候が干渉して来るようになって、本当に迷惑していたんだ。ティグリス村にとっては、疫病神以外の何者でも無かったからな」
「今の言い方から察するに、率先してやっていた事は間違いないだろ。報酬も貰っていたのだから、文句を言う権利はないと思うが。こいつも母親も、別に罪を犯したわけでもない。謝罪の1つもしたらどうだ?」
「あえて言うなら、生まれてきたことが罪だね! 謝る必要もない! 俺達がフラテス候から圧力をかけられて、迷惑を被ったのは事実なんだからな」
そこまで言えるか。
報酬をもらい、凛々と嫌がらせをしてきたお前らが。
「不愉快だな」
俺は手を村人たちにかざし、警備兵の時のように村人を一斉に吹き飛ばす。
吹き飛ばされた村人は地面や家の壁、柵に叩きつけられて悶えている。
「ルシファー様・・・」
「手加減はした」
ティグリス村に入り、悶えている村人の間を歩いていくと、リーダー格の男が立ちはだかる。
痛みを堪える顔をし、肋骨が折れているのか胸を押さえている。
「なんだ今のは・・・」
「教える理由がない」
「・・・何故、オリービアの為にそこまでする?」
「こいつの為じゃない。お前らを攻撃したのは、俺の行く手を阻んだからと、お前らが不愉快だったからだ」
男が反応できない速度で、拳をみぞおちに叩き込む。
男は数メートル吹き飛ばされて、泡を吹いて倒れた。
「行くぞ」
「はい」
「お前は相変わらず、俺の行動にひかないのだな」
「もしそれがおかしいのでしたら、私もとっくにおかしくなっているのかもしれません」
あんな死に方をした俺がもうまともでないように、オリービアもどこかまともでは無いのかもしれない。
メガディパーグを狩猟した時に俺が騎馬騎士隊を見捨てた時も、フラテス候に罰を与えている時も、オリービアは黙って見ているだけだった。
どこか壊れている物同士のパーティーか。
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