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4章 新たな依頼そして黒き獣
4.5 魔獣よりも凄いのがいた話
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「さっそくお出ましか。俺をあいつとの間に挟んで、お前らはもっと下がれ」
「ルシファー様!」
「早くしろ」
眼前に迫ろうという黒い獣に対し、俺は刀を抜き、力を使えるよう準備する。
刀を構えて間合いに入るのを待っていると、その境界で黒い獣は立ち止まった。
「貴様は人間か? これ以上踏み込んでいたら・・・我の首は落とされていた、と感じさせるとは・・・」
なるほど。やっとこいつの正体が分かった。
見た目通り言うならば黒い狼だが、こいつはメガディパーグに匹敵する大きさだ。
「本来の目的からは外れるが、我は貴様と闘ってみたくなった」
その言葉と同時に、今まで見てきた中で最も速い動きで、口を開いて間合いを詰め噛み砕こうとしてきた。
横に飛び上がり避けて、なるべくオリービア達からこいつを遠ざける。
「案ずるな。我はその者達には、手を出さんと約束する」
こちらに向き直り、黒い狼は口をあけて息を大きく吸う。
「どうか死んでくれるなよ」
その状態で、いったいどうやって喋っているんだ・・・。
徐々に口の周りの空気が歪んでいく。直観だが、何かを飛ばしてくる感じがする。
空気の歪みが極限に達し、それは咆吼とともに衝撃波となって、一直線に襲って来た。
サイコキネシスによる、見えない壁を最大に展開する。
あらゆる振動をカットするほどの壁を作るイメージをして展開された壁で、衝撃波は打ち消されるが、溢れた衝撃波が壁を迂回して、左右に分かれて通り過ぎて行く。
お互いの姿が確認できなくなるほど、それは大量の土ぼこりを舞い上げていった。
防いだことに安堵していると、土埃の淀みを目の端で捉えた直後、そこから牙だらけの大きな口が現れ、瞬時に閉じる口から後退して逃れる。
問題なのは見えないのに、何故正確に俺の位置が分かったのかだが・・・。
考えるられるのは、狼らしい鋭敏な嗅覚か。
「どういうことだ・・・人間よ」
後退した俺にゆっくり近づきながら、狼はゆっくりと問いかけてくる。
「避けるのは期待していたが、防ぐのは予想外だ。我のあの技を、人間が防ぐ事などありえない」
なんだかこの戦いに付き合わされるのも、不快に感じてきたな。
依頼を達成できれば、街を出るだけの資金が手に入るのだから、綺麗に仕留める必要は無い。
ということは、中途半端に強いこいつを仕留めるには、力を存分に振るって状態を悪くしても問題ないということだ。
「終わらせるか」
手をかざして、狼の動きを封じる。
「我の体が・・・動かない!?」
「お前を奇麗に殺すのはやめだ。直ぐに終わらせる」
どうせなら他の力も使ってみようと思い、この状況で使えそうな力の検索をかける。
頭の中の本から該当するページが開かれ、インストールされる。
ブロントキネシス<雷電力>
力を発動すると、刀身の周りに放電現象が現れ始め、それは刀身を常に包み始める。
神鉄との相性はやはり良いようで、自分が感電することも無ければ、吸着するように自然と纏わり付くようになっている。
「なんだ!? それは!? 我はそんな力を知らない!」
「知らなくて結構。死んでくれ」
もはや放電現象は雷のような稲妻の形に似始め、刀を振り下ろして落雷の如く雷を放出しようとした瞬間だった。
「待ってくれ! 我は貴殿に助けを求めに来たのだ!」
その言葉で思わず雷を逸らしてしまう。
狼の横を落雷の壁が通過し、それを見た狼は目を丸くして恐怖している。
「・・・どういうことだ?」
「そのままの意味だ。貴殿の力を見込んで、我の話を聞いて欲しい」
貴様から貴殿になっているところ見ると、相当この攻撃は効いたんだろうな。
「まあ・・・話だけでも聞いてやる」
「貴殿の寛大な心に、我は感謝する」
力を解いて、オリービアとウサギを近くに呼ぶ。
とりあえずは全員で、狼の話を聞く事にした。
「人間のオス・・・ちゃんと守ってほしいよ」
「それ俺のことだよな? その呼び方やめないか?」
「ん? 我はそこのうさぎに見覚えがあるな。縄張りにしばらく住ませてくれと、頼もうと思ったら逃げてしまった奴だ」
「食べられたくなかったんだよ!」
「確かに旨そうだが」
「ひえええ! 助けてほしいよ!」
「話を進めないなら・・・」
再び力を使う気配を見せる。
「待たれよ。謝罪する!」
思ったより落雷の壁を作る斬撃は、この狼の心を折っていたようだ。
「さあ! 早くルシファー様に話しなさい!」
オリービアは俺の背中にピッタリくっつきながら、威勢だけはいい言葉を投げかけている。
「そなたは、御方の奥方か?」
「そうです!」
何さりげなく・・・嫁宣言してんだよ。
「これは失礼した。では奥方にも進言されているので、話をさせて頂こうか」
これを否定するとまた話止まりそうだしな・・・。
とりあえずはまあいいが、オリービアはそんなに嬉しそうな顔をするな。
「我の母が毒に侵されているのだ。本来であれば、神獣は毒になど侵されない。だが・・・我の一族が故郷で襲われた時に放たれた、毒矢で母が・・・毒を解毒する方法を人間が持つと知り、ここに逃げ延びた後は、人間から解毒薬なる物を貰おうと、声をかけていたのだ。だが我が声をかけると、みな逃げてしまってな」
まあ・・・それはそうだろうよ。
だがこれで薬草を採集していた一段に声をかけたのも、今まで目撃されて騒ぎにならなかった事も納得できた。
「つまり解毒すれば、この森から去るってことか?」
「母が完全に回復するまでは留まるつもりだが、その後は故郷に戻るか、別のところに移るかだろうな」
「なるほど。とにかく状況を見てみないと分からない。お前の母の元に案内しろ」
「礼を言うぞ」
「気にするな。依頼が達成できれば、俺はそれで構わないからな」
「依頼というのは我には分からぬが、強大な力を持ちながら慈悲の心を持つ貴殿に感謝を」
狼は伏せをして目を閉じる。これは恐らく、こいつなりの敬意の表し方なのだろう。
「ところでお前の名はあるのか? 種族名とかもあるのか?」
「これは申し遅れた。我は神狼族のガルムだ」
「神狼族!?」
突然のオリービアの大声で耳鳴りがする。
「いきなりなんだ・・・」
「ルシファー様! 神狼族ですよ? この方は神獣です!」
「神獣?」
そういえばメガネパルを討伐した時に、騎馬騎士隊から聞いたような。
「神の如き力を持つ獣の事で、人が絶対に勝てない存在です。神獣は滅多に人前に姿を現すことは無く、本にすら姿形が描かれていない事が多くて、どれ程の神獣が存在しているのかも分かっていません。それに神獣の言葉は何よりも優先され、それは法や決まりを超えて人に受け入れられる程です」
「そうなのか」
「”そうなのか”って・・・ルシファー様は、その存在に勝ったのですよ。御自分がどれほどの事を成そうとしていたのか、お分かりですか!?」
あまり実感が湧かないが、こいつはそんな存在なのか。
「我も貴殿からは強い力を感じていたが、まさか人間相手に負けを認めることになるとは。普段は苦戦することに苦戦するのでな、だから戦ってみたかったのだ」
まるで戦闘狂みたいな発想だな。
「とりあえず話していてもしょうがない。案内してくれ、ガルム」
「では母の元に案内しよう。我の背に乗れ」
姿勢を低くたガルムに、俺は先に飛び乗ってオリービアに手を差し出す。
「ルシファー様・・・神獣の背に乗るなど、失礼では?」
「本人が言ってるのだから問題ないだろ」
「はぁ・・・」
手を引き、オリービアを前に座らせる。
「では参ろう」
颯爽と駆ける神狼族の背で風を感じながら、再び深い森に入って行った。
「ルシファー様!」
「早くしろ」
眼前に迫ろうという黒い獣に対し、俺は刀を抜き、力を使えるよう準備する。
刀を構えて間合いに入るのを待っていると、その境界で黒い獣は立ち止まった。
「貴様は人間か? これ以上踏み込んでいたら・・・我の首は落とされていた、と感じさせるとは・・・」
なるほど。やっとこいつの正体が分かった。
見た目通り言うならば黒い狼だが、こいつはメガディパーグに匹敵する大きさだ。
「本来の目的からは外れるが、我は貴様と闘ってみたくなった」
その言葉と同時に、今まで見てきた中で最も速い動きで、口を開いて間合いを詰め噛み砕こうとしてきた。
横に飛び上がり避けて、なるべくオリービア達からこいつを遠ざける。
「案ずるな。我はその者達には、手を出さんと約束する」
こちらに向き直り、黒い狼は口をあけて息を大きく吸う。
「どうか死んでくれるなよ」
その状態で、いったいどうやって喋っているんだ・・・。
徐々に口の周りの空気が歪んでいく。直観だが、何かを飛ばしてくる感じがする。
空気の歪みが極限に達し、それは咆吼とともに衝撃波となって、一直線に襲って来た。
サイコキネシスによる、見えない壁を最大に展開する。
あらゆる振動をカットするほどの壁を作るイメージをして展開された壁で、衝撃波は打ち消されるが、溢れた衝撃波が壁を迂回して、左右に分かれて通り過ぎて行く。
お互いの姿が確認できなくなるほど、それは大量の土ぼこりを舞い上げていった。
防いだことに安堵していると、土埃の淀みを目の端で捉えた直後、そこから牙だらけの大きな口が現れ、瞬時に閉じる口から後退して逃れる。
問題なのは見えないのに、何故正確に俺の位置が分かったのかだが・・・。
考えるられるのは、狼らしい鋭敏な嗅覚か。
「どういうことだ・・・人間よ」
後退した俺にゆっくり近づきながら、狼はゆっくりと問いかけてくる。
「避けるのは期待していたが、防ぐのは予想外だ。我のあの技を、人間が防ぐ事などありえない」
なんだかこの戦いに付き合わされるのも、不快に感じてきたな。
依頼を達成できれば、街を出るだけの資金が手に入るのだから、綺麗に仕留める必要は無い。
ということは、中途半端に強いこいつを仕留めるには、力を存分に振るって状態を悪くしても問題ないということだ。
「終わらせるか」
手をかざして、狼の動きを封じる。
「我の体が・・・動かない!?」
「お前を奇麗に殺すのはやめだ。直ぐに終わらせる」
どうせなら他の力も使ってみようと思い、この状況で使えそうな力の検索をかける。
頭の中の本から該当するページが開かれ、インストールされる。
ブロントキネシス<雷電力>
力を発動すると、刀身の周りに放電現象が現れ始め、それは刀身を常に包み始める。
神鉄との相性はやはり良いようで、自分が感電することも無ければ、吸着するように自然と纏わり付くようになっている。
「なんだ!? それは!? 我はそんな力を知らない!」
「知らなくて結構。死んでくれ」
もはや放電現象は雷のような稲妻の形に似始め、刀を振り下ろして落雷の如く雷を放出しようとした瞬間だった。
「待ってくれ! 我は貴殿に助けを求めに来たのだ!」
その言葉で思わず雷を逸らしてしまう。
狼の横を落雷の壁が通過し、それを見た狼は目を丸くして恐怖している。
「・・・どういうことだ?」
「そのままの意味だ。貴殿の力を見込んで、我の話を聞いて欲しい」
貴様から貴殿になっているところ見ると、相当この攻撃は効いたんだろうな。
「まあ・・・話だけでも聞いてやる」
「貴殿の寛大な心に、我は感謝する」
力を解いて、オリービアとウサギを近くに呼ぶ。
とりあえずは全員で、狼の話を聞く事にした。
「人間のオス・・・ちゃんと守ってほしいよ」
「それ俺のことだよな? その呼び方やめないか?」
「ん? 我はそこのうさぎに見覚えがあるな。縄張りにしばらく住ませてくれと、頼もうと思ったら逃げてしまった奴だ」
「食べられたくなかったんだよ!」
「確かに旨そうだが」
「ひえええ! 助けてほしいよ!」
「話を進めないなら・・・」
再び力を使う気配を見せる。
「待たれよ。謝罪する!」
思ったより落雷の壁を作る斬撃は、この狼の心を折っていたようだ。
「さあ! 早くルシファー様に話しなさい!」
オリービアは俺の背中にピッタリくっつきながら、威勢だけはいい言葉を投げかけている。
「そなたは、御方の奥方か?」
「そうです!」
何さりげなく・・・嫁宣言してんだよ。
「これは失礼した。では奥方にも進言されているので、話をさせて頂こうか」
これを否定するとまた話止まりそうだしな・・・。
とりあえずはまあいいが、オリービアはそんなに嬉しそうな顔をするな。
「我の母が毒に侵されているのだ。本来であれば、神獣は毒になど侵されない。だが・・・我の一族が故郷で襲われた時に放たれた、毒矢で母が・・・毒を解毒する方法を人間が持つと知り、ここに逃げ延びた後は、人間から解毒薬なる物を貰おうと、声をかけていたのだ。だが我が声をかけると、みな逃げてしまってな」
まあ・・・それはそうだろうよ。
だがこれで薬草を採集していた一段に声をかけたのも、今まで目撃されて騒ぎにならなかった事も納得できた。
「つまり解毒すれば、この森から去るってことか?」
「母が完全に回復するまでは留まるつもりだが、その後は故郷に戻るか、別のところに移るかだろうな」
「なるほど。とにかく状況を見てみないと分からない。お前の母の元に案内しろ」
「礼を言うぞ」
「気にするな。依頼が達成できれば、俺はそれで構わないからな」
「依頼というのは我には分からぬが、強大な力を持ちながら慈悲の心を持つ貴殿に感謝を」
狼は伏せをして目を閉じる。これは恐らく、こいつなりの敬意の表し方なのだろう。
「ところでお前の名はあるのか? 種族名とかもあるのか?」
「これは申し遅れた。我は神狼族のガルムだ」
「神狼族!?」
突然のオリービアの大声で耳鳴りがする。
「いきなりなんだ・・・」
「ルシファー様! 神狼族ですよ? この方は神獣です!」
「神獣?」
そういえばメガネパルを討伐した時に、騎馬騎士隊から聞いたような。
「神の如き力を持つ獣の事で、人が絶対に勝てない存在です。神獣は滅多に人前に姿を現すことは無く、本にすら姿形が描かれていない事が多くて、どれ程の神獣が存在しているのかも分かっていません。それに神獣の言葉は何よりも優先され、それは法や決まりを超えて人に受け入れられる程です」
「そうなのか」
「”そうなのか”って・・・ルシファー様は、その存在に勝ったのですよ。御自分がどれほどの事を成そうとしていたのか、お分かりですか!?」
あまり実感が湧かないが、こいつはそんな存在なのか。
「我も貴殿からは強い力を感じていたが、まさか人間相手に負けを認めることになるとは。普段は苦戦することに苦戦するのでな、だから戦ってみたかったのだ」
まるで戦闘狂みたいな発想だな。
「とりあえず話していてもしょうがない。案内してくれ、ガルム」
「では母の元に案内しよう。我の背に乗れ」
姿勢を低くたガルムに、俺は先に飛び乗ってオリービアに手を差し出す。
「ルシファー様・・・神獣の背に乗るなど、失礼では?」
「本人が言ってるのだから問題ないだろ」
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