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7章 復活と使者そして仲間
7.6 変化が起きて使いと戦った話
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「これなんですか!? 取れます? 着脱可能ですか!?」
「落ち着け! 落ち着くのだ奥方!」
「うるせえな! 別にいいじゃね~か! 早く俺と戦え!」
「良くありません! これが原因でルシファー様に嫌われたらと思うと!」
尻尾を引っ張り、犬耳を引っ張り、何とかして取ろうともがくオリービア。
「それは神狼族の耳と尻尾のようだが、それが否定されると我は複雑な気持ちになるな・・・」
「ごめんなさい・・・そういうつもりはないんですが」
「何だこいつら・・・緊張感とかね~のかな?」
よく分からない問答に、ウリエルは初めて動揺する。
「まあ・・・なんだ? 俺は可愛いと思うがな~」
「本当ですか!? 可愛いですか? ガルムさんはどう思います?」
「我も・・・か・・・可愛いと思う」
ここでオリービアの脳内で、ある式が組みあがってしまう。
ルシファーは人間嫌いだが動物は別に嫌いではない = 獣耳と尻尾が生えた自分は人間より動物寄りになったので嫌いではない
この姿の自分は可愛いと言われている = ルシファーも可愛いと思い好きになる
以上のことからルシファーが好きになる = 嫁の座を手に入れる
「なるほど!」
「奥方よ・・・何を考えているかわからぬが、我は間違っている考えだと思う」
「この姿に成れて、私は幸運でした」
「やはり・・・我の思う通りであったか・・・」
ガルムは落胆し、同時に最近こういったことに口を出すように成った自分が、少し恥ずかしくなってきた。
「そろそろいいかな~?」
「お待たせしました、ここからはおふざけなしです!」
「ふざけている自覚はあったのだな・・・」
オリービアは剣を抜き、ガルムは気持ちを入れ替え、ウリエルは笑みを浮かべる。
次の瞬間、ウリエルは翼を折りたたんでの低空飛行を始める。その速度は先程までの、大地を駆けていた時とは比べ物にならない。
ガルムに向かって剣を突き立て、その命を容赦なく奪おうとする。
「させません!」
オリービアがウリエルの剣を弾き、ガルムを守る。
ウリエルが僅かに後退したところを見計らい、オリービアはガルムの後ろに跳躍する。
オリービアの後ろではガルムが大口を開けて、衝撃波の発射準備を終えていた。
「神狼の崩口!」
ガルムの咆哮は強烈な振動を起こし、衝撃波となってウリエルに発射される。
その力は今までとは比べ物にならず、ウリエルは衝撃波に飲まれて崖に叩きつけられるが、その衝撃波はさらに進行を続け、崖を掘削しシディムの谷に境界を作ってしまう。
「何だ・・・力が溢れてくるようだ」
「私もあんな動きができるなんて・・・ウリエルの攻撃も見えてましたし」
「どうやら血を交わらせた際に、我と奥方に何かが起こったのだろう。耳といい尻尾といい、これが獣操師の力の一環なのだろうか」
「本当に契約の事、知らなかったんですか?」
「そうなのだ。ただ・・・なんとなく流れ込んでくる知識に、導かれたようだった」
ウリエルが砂埃に塗れたまま、分断された崖の奥から出てくる。
「お前ら・・・予想以上だね~。どんな理屈でそうなりやがった?」
「私達にも分からないことを、教えることは出来ませんね」
「まあいいか。面白くなってきたな~。これなら俺も、本当に力を開放しても良さそうだな~!」
ウリエルの翼が燃え上がり、それは炎で形作られた異形の翼へと変化する。
その手にある剣の刀身も燃え上がり、ルシファーがやっていたように白熱化し、淡い光を発し始めた。
けたたましい炎であるにも関わらず、熱が伝わってこない。
不思議に思いながらも、オリービアとガルムはそれに気づき、僅かに安堵した。
「俺は創造主の炎、大天使ウリエル。さあ、燃え尽きる時が来た!」
ウリエルが剣を振り下ろすと、そこから炎が巻き起こり、オリービアとガルムに火炎放射のように発射される。
オリービアは即座にガルムに跨り、ガルムは炎から逃れるためにウリエルの直下に移動する。
ガルムはウリエルの直下で飛び上がり、その頂点に達したときにオリービアがガルムの背から飛び上がる。
その勢いでオリービアはウリエルに切りかかるが、あえて動かなかったのか、その場でオリービアの剣を自分の剣で受けた。
笑みを浮かべてそのままオリービアを弾き、自由落下を始めたところへ剣を向ける。
先程の炎と同じ攻撃が来るとオリービアは察知したが、空中では身動きが取れず覚悟を決める。
だがそこに向かって、崖を三角飛びして来たガルムが合流し、そのまま空中で跨って地上へと向かう。
「それも俺にとっては、同じことなんだよな~!」
ウリエルがそれを追いながら、再び炎を射出する。
ガルムはそれを見て、オリービアを飛ばす事が愚行であったと悟り、せめてもと体をひねって盾になろうとするが。
「私に任せてください! 神狼の崩口!」
オリービアが口を開き、ガルムほどではないが、衝撃波をウリエルの炎に向かって飛ばす。
それは僅かに炎の進行を遅らせ、反動で早くに地面に着地することも出来た。
オリービアから衝撃波が飛ばなくなり、炎が向かってくるが、ガルムは即座に走り難を逃れた。
「奥方! それは!」
「何かやってみたら出来ました!」
「まさか、神狼族の力までも使えるようになっているとは」
「これ何かすっきりしますね! 技名も格好いいし、何で今まで言わなかったんですか?」
「・・・先程、思いついたので言ったみたのだ・・・」
「あ・・・そうだったんですね」
「思わず昂ってしまってな・・・」
オリービアはなんとなく、これ以上ガルムが触れて欲しくはないと察し、そのことにこれ以上触れないようにした。
「何とか窮地は脱しましたが、相手が飛んでいるうえに炎を飛ばしてくるとなると」
「このままではやられるのも、時間の問題だな」
「一体どうしたら・・・」
笑みを浮かべて、飛びながらようすを見るウリエル。自分が負けるなど、万に一つもないという確信を持っている顔だ。
「なんか強くなったから期待したけどな~。創造主から与えられた力は、やっぱり強すぎたのかね~。なんか飽きてきちまったな~。・・・終わりにするか」
剣を真上に掲げ、そこから炎の竜巻を発生させる。
「最も戦闘に向いていないと言っても、ガブリエルを撃退した・・・そちらの御方と戦ってみたかったものだが、それは流石に叶わないからな~。まあ・・・そこそこ楽しかったぜ」
剣を振り下ろそうとした時、ウリエルはガルムの背にオリービアがいないことに気づくが、女を逃がし、自分が犠牲になることを選んだと判断した。
弱くとも、その気高き心に敬意を示しつつ、炎の竜巻を射出した。
「神狼の崩口!」
ガルムが再び技を発動し、炎の竜巻をなんとか食い止める。
「最後まで楽しませてくれるね~!」
ウリエルはわざと少しづつ力を強め、徐々にガルムへ炎の竜巻が迫るのを楽しんでいる。
「やあああああ!」
「な!? お前!」
声に反応し、ウリエルが見たものは眼前に迫るオリービアだった。
「逃げたんじゃね~のか!」
「当然です! 神狼の崩牙!」
衝撃波を生み出す振動の力を応用して、剣を振るわせる事で切断力を上げる。
その剣がウリエルの額を直撃し、炎の竜巻が消え去りウリエルは地面に追い落とされた。
「あ! どうしよう! この後の事考えてなかった! きゃああああ!」
落下するオリービアを、ガルムは空中で受け止めて難を逃れる。
「ありがとうございます!」
「気にされるな、奥方。我らはもはや一心同体、互いを気遣うのは当然のこと」
「・・・お気持ちはうれしいのですが、私にはルシファー様が」
「何を勘違いしているのだ!?」
土埃が収まると、中からウリエルが現れる。
「おめえら・・・」
無傷であるものの、ウリエルは初めての痛みを感じながら、口調も表情も変わっている。
それは、冷静だったガブリエルが矢を射られて、激怒した時を思い出させた。
「創造主に賜りしこの体に・・・絶対にゆるさねぇ!」
「落ち着け! 落ち着くのだ奥方!」
「うるせえな! 別にいいじゃね~か! 早く俺と戦え!」
「良くありません! これが原因でルシファー様に嫌われたらと思うと!」
尻尾を引っ張り、犬耳を引っ張り、何とかして取ろうともがくオリービア。
「それは神狼族の耳と尻尾のようだが、それが否定されると我は複雑な気持ちになるな・・・」
「ごめんなさい・・・そういうつもりはないんですが」
「何だこいつら・・・緊張感とかね~のかな?」
よく分からない問答に、ウリエルは初めて動揺する。
「まあ・・・なんだ? 俺は可愛いと思うがな~」
「本当ですか!? 可愛いですか? ガルムさんはどう思います?」
「我も・・・か・・・可愛いと思う」
ここでオリービアの脳内で、ある式が組みあがってしまう。
ルシファーは人間嫌いだが動物は別に嫌いではない = 獣耳と尻尾が生えた自分は人間より動物寄りになったので嫌いではない
この姿の自分は可愛いと言われている = ルシファーも可愛いと思い好きになる
以上のことからルシファーが好きになる = 嫁の座を手に入れる
「なるほど!」
「奥方よ・・・何を考えているかわからぬが、我は間違っている考えだと思う」
「この姿に成れて、私は幸運でした」
「やはり・・・我の思う通りであったか・・・」
ガルムは落胆し、同時に最近こういったことに口を出すように成った自分が、少し恥ずかしくなってきた。
「そろそろいいかな~?」
「お待たせしました、ここからはおふざけなしです!」
「ふざけている自覚はあったのだな・・・」
オリービアは剣を抜き、ガルムは気持ちを入れ替え、ウリエルは笑みを浮かべる。
次の瞬間、ウリエルは翼を折りたたんでの低空飛行を始める。その速度は先程までの、大地を駆けていた時とは比べ物にならない。
ガルムに向かって剣を突き立て、その命を容赦なく奪おうとする。
「させません!」
オリービアがウリエルの剣を弾き、ガルムを守る。
ウリエルが僅かに後退したところを見計らい、オリービアはガルムの後ろに跳躍する。
オリービアの後ろではガルムが大口を開けて、衝撃波の発射準備を終えていた。
「神狼の崩口!」
ガルムの咆哮は強烈な振動を起こし、衝撃波となってウリエルに発射される。
その力は今までとは比べ物にならず、ウリエルは衝撃波に飲まれて崖に叩きつけられるが、その衝撃波はさらに進行を続け、崖を掘削しシディムの谷に境界を作ってしまう。
「何だ・・・力が溢れてくるようだ」
「私もあんな動きができるなんて・・・ウリエルの攻撃も見えてましたし」
「どうやら血を交わらせた際に、我と奥方に何かが起こったのだろう。耳といい尻尾といい、これが獣操師の力の一環なのだろうか」
「本当に契約の事、知らなかったんですか?」
「そうなのだ。ただ・・・なんとなく流れ込んでくる知識に、導かれたようだった」
ウリエルが砂埃に塗れたまま、分断された崖の奥から出てくる。
「お前ら・・・予想以上だね~。どんな理屈でそうなりやがった?」
「私達にも分からないことを、教えることは出来ませんね」
「まあいいか。面白くなってきたな~。これなら俺も、本当に力を開放しても良さそうだな~!」
ウリエルの翼が燃え上がり、それは炎で形作られた異形の翼へと変化する。
その手にある剣の刀身も燃え上がり、ルシファーがやっていたように白熱化し、淡い光を発し始めた。
けたたましい炎であるにも関わらず、熱が伝わってこない。
不思議に思いながらも、オリービアとガルムはそれに気づき、僅かに安堵した。
「俺は創造主の炎、大天使ウリエル。さあ、燃え尽きる時が来た!」
ウリエルが剣を振り下ろすと、そこから炎が巻き起こり、オリービアとガルムに火炎放射のように発射される。
オリービアは即座にガルムに跨り、ガルムは炎から逃れるためにウリエルの直下に移動する。
ガルムはウリエルの直下で飛び上がり、その頂点に達したときにオリービアがガルムの背から飛び上がる。
その勢いでオリービアはウリエルに切りかかるが、あえて動かなかったのか、その場でオリービアの剣を自分の剣で受けた。
笑みを浮かべてそのままオリービアを弾き、自由落下を始めたところへ剣を向ける。
先程の炎と同じ攻撃が来るとオリービアは察知したが、空中では身動きが取れず覚悟を決める。
だがそこに向かって、崖を三角飛びして来たガルムが合流し、そのまま空中で跨って地上へと向かう。
「それも俺にとっては、同じことなんだよな~!」
ウリエルがそれを追いながら、再び炎を射出する。
ガルムはそれを見て、オリービアを飛ばす事が愚行であったと悟り、せめてもと体をひねって盾になろうとするが。
「私に任せてください! 神狼の崩口!」
オリービアが口を開き、ガルムほどではないが、衝撃波をウリエルの炎に向かって飛ばす。
それは僅かに炎の進行を遅らせ、反動で早くに地面に着地することも出来た。
オリービアから衝撃波が飛ばなくなり、炎が向かってくるが、ガルムは即座に走り難を逃れた。
「奥方! それは!」
「何かやってみたら出来ました!」
「まさか、神狼族の力までも使えるようになっているとは」
「これ何かすっきりしますね! 技名も格好いいし、何で今まで言わなかったんですか?」
「・・・先程、思いついたので言ったみたのだ・・・」
「あ・・・そうだったんですね」
「思わず昂ってしまってな・・・」
オリービアはなんとなく、これ以上ガルムが触れて欲しくはないと察し、そのことにこれ以上触れないようにした。
「何とか窮地は脱しましたが、相手が飛んでいるうえに炎を飛ばしてくるとなると」
「このままではやられるのも、時間の問題だな」
「一体どうしたら・・・」
笑みを浮かべて、飛びながらようすを見るウリエル。自分が負けるなど、万に一つもないという確信を持っている顔だ。
「なんか強くなったから期待したけどな~。創造主から与えられた力は、やっぱり強すぎたのかね~。なんか飽きてきちまったな~。・・・終わりにするか」
剣を真上に掲げ、そこから炎の竜巻を発生させる。
「最も戦闘に向いていないと言っても、ガブリエルを撃退した・・・そちらの御方と戦ってみたかったものだが、それは流石に叶わないからな~。まあ・・・そこそこ楽しかったぜ」
剣を振り下ろそうとした時、ウリエルはガルムの背にオリービアがいないことに気づくが、女を逃がし、自分が犠牲になることを選んだと判断した。
弱くとも、その気高き心に敬意を示しつつ、炎の竜巻を射出した。
「神狼の崩口!」
ガルムが再び技を発動し、炎の竜巻をなんとか食い止める。
「最後まで楽しませてくれるね~!」
ウリエルはわざと少しづつ力を強め、徐々にガルムへ炎の竜巻が迫るのを楽しんでいる。
「やあああああ!」
「な!? お前!」
声に反応し、ウリエルが見たものは眼前に迫るオリービアだった。
「逃げたんじゃね~のか!」
「当然です! 神狼の崩牙!」
衝撃波を生み出す振動の力を応用して、剣を振るわせる事で切断力を上げる。
その剣がウリエルの額を直撃し、炎の竜巻が消え去りウリエルは地面に追い落とされた。
「あ! どうしよう! この後の事考えてなかった! きゃああああ!」
落下するオリービアを、ガルムは空中で受け止めて難を逃れる。
「ありがとうございます!」
「気にされるな、奥方。我らはもはや一心同体、互いを気遣うのは当然のこと」
「・・・お気持ちはうれしいのですが、私にはルシファー様が」
「何を勘違いしているのだ!?」
土埃が収まると、中からウリエルが現れる。
「おめえら・・・」
無傷であるものの、ウリエルは初めての痛みを感じながら、口調も表情も変わっている。
それは、冷静だったガブリエルが矢を射られて、激怒した時を思い出させた。
「創造主に賜りしこの体に・・・絶対にゆるさねぇ!」
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