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9章 人間と神竜そして竜闘祭
9.10 勇気づけて竜闘祭に参加した話
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「その・・・カマエルに急進派がたぶらかされた時、お父さんが殺されたんだけど。その・・・お父さんを殺したのは、おいらの幼馴染のレビヤなんだ」
俺は実の親に殺されてるから、肉親での殺しじゃない分ましだろ。
「レビヤはずっとおいらに優しくしてくれて、いじめからも守ってくれて・・・お父さんとも仲が良かったのに。だから・・・何で、お父さんを殺してまで・・・」
人間に照らし合わせれば、単純に表面上仲が良かったっていう解釈で終わりの気もするが。
どうにも興味が持てないのは、俺が他者に興味を持てなくなっているからだろうか。
「族長になれば、その権限で理由を話させる事が出来る。だから、おいらは!」
きりっとした顔をして、俺の返事を待っているが、不幸話で俺に勝てるとは思わない方がいい。
俺の心は微塵も動いていないからな。
「同族殺しとして、理由を問いただせばいいじゃないか」
「優劣を決めるための決闘での事故扱いになってて、何も答えてくれなかったんだよ」
なるほど。事故扱いになっているからこそ、そのレビヤは糾弾されていないのだろう。
それにしても、死んでいるのにそれで問題ないとしているのは、神竜族の習性なのだろうか。
どちらにしろ、これ以上この話をするのは面倒だし、伝えることだけは伝えて終わりにするか。
「お前は手伝えって言うが、戦う勇気さえ出せば十分優勝できると思うぞ」
「そ! そんなこと!」
「因みにラコーンは、どれくらいの強さだ?」
「一応、優勝候補ではあるかも。でも、レビヤの方が強いかな」
「じゃあ少なくとも決勝までは行ける。保証してやるよ」
レグナは俺の言葉に戸惑っているようだが、まだ自分の力を信じられないという事か。
「今回のお前には、今までと違って戦う理由があるだろ。その理由を糧にして、勇気を出して戦ってみろ。レグナとラコーンと戦った、俺の言葉なら信じてもいいんじゃないか?」
「う・・・うん! そうだね! やってみるよ! 旦那さんを信じる!」
ガルムが俺の背もたれになりながら、鼻を鳴らしている。
未だ弱気なこいつに呆れたのだろうか、それともやっと心に芯を得たと賞賛しているのかは分からないが、レグナの表情はやや穏やかに見える。
「朝日が昇ったら、直ぐに竜闘祭の会場に行って出場登録をしないと」
「では今日はもう寝るとするか」
レグナの言葉を聞き、食事を終えた後明日に備えて就寝を始めようとする。
オリービアとサラーには荷馬車で寝てもらい、俺は先に寝ていたルルの尻を蹴り上げて起こし、ルルベッドの状態にさせて横になる。
「酷いよ!」
ルルの非難を受け流し、目を閉じて意識の奈落に落ちて行った。
「朝だよ! 会場に行かないと! 遅刻しちゃうよ!」
レグナの大声で強引に起こされる。
「分かった、分かった。・・・だから黙れ」
寝起きの機嫌の悪さもあいまって、かなり殺気を放ってしまう。
時計や時間の計測感覚の無いこの世界で、遅刻との賜られても困るんだが。
確かに太陽は出ているが、どう考えても早すぎる気すらする。
それでも催促され続け、全員を起こした後に朝食も取らず出発することになる。
別に俺達は行く必要はないのだが、レグナがどうしても見守っていて欲しいと駄々をこねるので、仕方なく着いて行くことにした。
そんなに広くない一枚岩の中心が会場とのことで、飛ばずに全員で走っていくことになった。
ガルムにオリービアとサラーが跨り、俺はレグナの首元に跨って出発する。
こんなところで荷馬車を盗む者も居ないので、荷物と共にもろもろそのまま置いていくことにした。
僅かに存在する森林を抜けて、岩と砂だけの土地を進むと、天然の岩で出来たドーム状の物が見えてくる。
天然の観客席のようになっている岩壁には、すでに神竜族が集まっていて、岩壁に入る時に目線が集まって来た。
至る所で話し声が聞こえ、決して好意的では無い内容が飛んで来ている。
ラコーンも人間がいることに目くじらを立てていたから、当然予想できた状況ではあるが。
「もう受付できないのかな!? どうしよう!」
ならもうカマエルの調査をして帰れるのでは? と期待した矢先に、昨日聞いた声が聞こえてきた。
「レグナ! 逃げたのでは無かったのだな! 我輩が変わりに、出場の意を伝えておいてよかったというもの!」
会場の真ん中には、まるで相撲をするような土俵に似た者があり、その中心にラコーンが降りてきていた。
「1回戦第一試合は、我輩と貴様の戦いだ! 今回は特別に指名をさせてもらった! ふははははは!」
なんだろう、自分自身で負けフラグを、ひたすら立ててくれているようにすら感じるが。
こいつ絶対負けるよ。
だがその威勢に気圧されたのか、折角自信を付けたレグナが再び震えだしている。
何かを期待するかのように、レグナが頭を寄せてきたので、一応額を撫でてやる。
「旦那さん・・・」
「寝坊が原因とはいえ、確かに心の準備もままならないこの状況は喜ばしくないな。ただこの状況もラコーンの作戦かもしれない。あの小狡そうな奴の考えそうなことだが、こうやって心の準備をさせずに、お前に逃げさせようとしているのかもしれない。さて・・・どうする? 逃げるか?」
「おいらは・・・戦う!」
「その調子だ」
レグナから降り、岩壁近くに全員で退避する。
「臆せずよくぞ来たものだ。弱虫レグナ」
「おいらは、優勝するんだ!」
そのレグナの言葉に会場は笑いに包まれ、反響して合体したあまりの轟音に鼓膜へ痛みが走る。
俺が思っているよりも、レグナは馬鹿にされる対象だったようだ。
この笑いを止めてやるといい。お前の本当の、強さでな。
別の淡い紫色をした、典型的な後ろに沿った2本の角を生やした竜が出てきて、土俵の横で口を開く。
「改めて決まりを確認する。先に闘技場から体が出た者の負けだ。もちろん空を飛んでも負け。いいな?」
レグナもラコーンも頷いているが、もしかしてこれ・・・竜がする相撲ってことか? あの横にいる竜は行司役ってことか。
2体の竜が土俵でにらみ合うが、僅かにラコーンが前のめりになっているように見える。
やはりレグナの潜在能力を恐れているのだろうか。
「始め!」
行司役の竜の掛け声と同時に、ラコーンが頭突きの体勢で走りこむ。
「笑い者になるがいい!」
「うわあああああ!」
自信をちらつかせるラコーンと対照的に、レグナは絶叫をしてへっぴり腰をしている。
「レグナ! 勝ってみせろ!」
「レグナさん! 頑張って!」
「レグナさん! 負けちゃだめです!」
「レグナ殿の力を示すのだ!」
「助けて! 食べられる!」
ルルは口を開けて、じわじわ近づいてくる竜から逃げていて見ていないようだが、突進が来るわずかな間での、唯一の自分への声援を聞き、目に力を取り戻して鋭い眼光になった。
「やあああああ!」
やや情けない声を響かせながら、おっかなびっくりな様相でレグナは体を捻って、尻尾を鞭のようにしならせる。
その緊張が頂点に達した時、突進してくるラコーンの体に合わせて、反動を付けて尻尾を横に振りぬいた。
ラコーンの体に当たった尻尾は、けたたましい破裂音をさせながら、ラコーンを吹き飛ばし、そのまま岩に轟音と共に叩きつけた。
会場は静まり返り、集まった竜は全員、白目を向いて気絶しているラコーンとレグナを交互に見ている。
「あ・・・あれ?」
途中から目をつぶっていたのか、恐る恐る目を開けたレグナは、そこにいたはずの戦いの相手を探している。
「しょ! 勝者! レグナ!」
行司役の竜の宣言の後に続いて、会場は歓声に包まれた。
俺は実の親に殺されてるから、肉親での殺しじゃない分ましだろ。
「レビヤはずっとおいらに優しくしてくれて、いじめからも守ってくれて・・・お父さんとも仲が良かったのに。だから・・・何で、お父さんを殺してまで・・・」
人間に照らし合わせれば、単純に表面上仲が良かったっていう解釈で終わりの気もするが。
どうにも興味が持てないのは、俺が他者に興味を持てなくなっているからだろうか。
「族長になれば、その権限で理由を話させる事が出来る。だから、おいらは!」
きりっとした顔をして、俺の返事を待っているが、不幸話で俺に勝てるとは思わない方がいい。
俺の心は微塵も動いていないからな。
「同族殺しとして、理由を問いただせばいいじゃないか」
「優劣を決めるための決闘での事故扱いになってて、何も答えてくれなかったんだよ」
なるほど。事故扱いになっているからこそ、そのレビヤは糾弾されていないのだろう。
それにしても、死んでいるのにそれで問題ないとしているのは、神竜族の習性なのだろうか。
どちらにしろ、これ以上この話をするのは面倒だし、伝えることだけは伝えて終わりにするか。
「お前は手伝えって言うが、戦う勇気さえ出せば十分優勝できると思うぞ」
「そ! そんなこと!」
「因みにラコーンは、どれくらいの強さだ?」
「一応、優勝候補ではあるかも。でも、レビヤの方が強いかな」
「じゃあ少なくとも決勝までは行ける。保証してやるよ」
レグナは俺の言葉に戸惑っているようだが、まだ自分の力を信じられないという事か。
「今回のお前には、今までと違って戦う理由があるだろ。その理由を糧にして、勇気を出して戦ってみろ。レグナとラコーンと戦った、俺の言葉なら信じてもいいんじゃないか?」
「う・・・うん! そうだね! やってみるよ! 旦那さんを信じる!」
ガルムが俺の背もたれになりながら、鼻を鳴らしている。
未だ弱気なこいつに呆れたのだろうか、それともやっと心に芯を得たと賞賛しているのかは分からないが、レグナの表情はやや穏やかに見える。
「朝日が昇ったら、直ぐに竜闘祭の会場に行って出場登録をしないと」
「では今日はもう寝るとするか」
レグナの言葉を聞き、食事を終えた後明日に備えて就寝を始めようとする。
オリービアとサラーには荷馬車で寝てもらい、俺は先に寝ていたルルの尻を蹴り上げて起こし、ルルベッドの状態にさせて横になる。
「酷いよ!」
ルルの非難を受け流し、目を閉じて意識の奈落に落ちて行った。
「朝だよ! 会場に行かないと! 遅刻しちゃうよ!」
レグナの大声で強引に起こされる。
「分かった、分かった。・・・だから黙れ」
寝起きの機嫌の悪さもあいまって、かなり殺気を放ってしまう。
時計や時間の計測感覚の無いこの世界で、遅刻との賜られても困るんだが。
確かに太陽は出ているが、どう考えても早すぎる気すらする。
それでも催促され続け、全員を起こした後に朝食も取らず出発することになる。
別に俺達は行く必要はないのだが、レグナがどうしても見守っていて欲しいと駄々をこねるので、仕方なく着いて行くことにした。
そんなに広くない一枚岩の中心が会場とのことで、飛ばずに全員で走っていくことになった。
ガルムにオリービアとサラーが跨り、俺はレグナの首元に跨って出発する。
こんなところで荷馬車を盗む者も居ないので、荷物と共にもろもろそのまま置いていくことにした。
僅かに存在する森林を抜けて、岩と砂だけの土地を進むと、天然の岩で出来たドーム状の物が見えてくる。
天然の観客席のようになっている岩壁には、すでに神竜族が集まっていて、岩壁に入る時に目線が集まって来た。
至る所で話し声が聞こえ、決して好意的では無い内容が飛んで来ている。
ラコーンも人間がいることに目くじらを立てていたから、当然予想できた状況ではあるが。
「もう受付できないのかな!? どうしよう!」
ならもうカマエルの調査をして帰れるのでは? と期待した矢先に、昨日聞いた声が聞こえてきた。
「レグナ! 逃げたのでは無かったのだな! 我輩が変わりに、出場の意を伝えておいてよかったというもの!」
会場の真ん中には、まるで相撲をするような土俵に似た者があり、その中心にラコーンが降りてきていた。
「1回戦第一試合は、我輩と貴様の戦いだ! 今回は特別に指名をさせてもらった! ふははははは!」
なんだろう、自分自身で負けフラグを、ひたすら立ててくれているようにすら感じるが。
こいつ絶対負けるよ。
だがその威勢に気圧されたのか、折角自信を付けたレグナが再び震えだしている。
何かを期待するかのように、レグナが頭を寄せてきたので、一応額を撫でてやる。
「旦那さん・・・」
「寝坊が原因とはいえ、確かに心の準備もままならないこの状況は喜ばしくないな。ただこの状況もラコーンの作戦かもしれない。あの小狡そうな奴の考えそうなことだが、こうやって心の準備をさせずに、お前に逃げさせようとしているのかもしれない。さて・・・どうする? 逃げるか?」
「おいらは・・・戦う!」
「その調子だ」
レグナから降り、岩壁近くに全員で退避する。
「臆せずよくぞ来たものだ。弱虫レグナ」
「おいらは、優勝するんだ!」
そのレグナの言葉に会場は笑いに包まれ、反響して合体したあまりの轟音に鼓膜へ痛みが走る。
俺が思っているよりも、レグナは馬鹿にされる対象だったようだ。
この笑いを止めてやるといい。お前の本当の、強さでな。
別の淡い紫色をした、典型的な後ろに沿った2本の角を生やした竜が出てきて、土俵の横で口を開く。
「改めて決まりを確認する。先に闘技場から体が出た者の負けだ。もちろん空を飛んでも負け。いいな?」
レグナもラコーンも頷いているが、もしかしてこれ・・・竜がする相撲ってことか? あの横にいる竜は行司役ってことか。
2体の竜が土俵でにらみ合うが、僅かにラコーンが前のめりになっているように見える。
やはりレグナの潜在能力を恐れているのだろうか。
「始め!」
行司役の竜の掛け声と同時に、ラコーンが頭突きの体勢で走りこむ。
「笑い者になるがいい!」
「うわあああああ!」
自信をちらつかせるラコーンと対照的に、レグナは絶叫をしてへっぴり腰をしている。
「レグナ! 勝ってみせろ!」
「レグナさん! 頑張って!」
「レグナさん! 負けちゃだめです!」
「レグナ殿の力を示すのだ!」
「助けて! 食べられる!」
ルルは口を開けて、じわじわ近づいてくる竜から逃げていて見ていないようだが、突進が来るわずかな間での、唯一の自分への声援を聞き、目に力を取り戻して鋭い眼光になった。
「やあああああ!」
やや情けない声を響かせながら、おっかなびっくりな様相でレグナは体を捻って、尻尾を鞭のようにしならせる。
その緊張が頂点に達した時、突進してくるラコーンの体に合わせて、反動を付けて尻尾を横に振りぬいた。
ラコーンの体に当たった尻尾は、けたたましい破裂音をさせながら、ラコーンを吹き飛ばし、そのまま岩に轟音と共に叩きつけた。
会場は静まり返り、集まった竜は全員、白目を向いて気絶しているラコーンとレグナを交互に見ている。
「あ・・・あれ?」
途中から目をつぶっていたのか、恐る恐る目を開けたレグナは、そこにいたはずの戦いの相手を探している。
「しょ! 勝者! レグナ!」
行司役の竜の宣言の後に続いて、会場は歓声に包まれた。
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