62 / 79
第六章 まあ人それぞれってことで!
幕間 主人公の歩み
しおりを挟む
アナベルという少女は幸運な少女であった。
大貴族の娘として生まれ何不自由ない暮らしを約束されていたが誘拐され、特に何かされたわけでもなく孤児院の前に捨てられた。
だが堅実な運営を心掛ける人格者な院長と、そんな院長を支える地域の人たちの温かい目に見守られてアナベルは新しい名前『ジュディ』の名をもらいすくすくと成長したのである。
旅の薬師に感銘を覚え、自らも薬学の道で『院長と同じように誰かの役に立てる人間になろう!』と決め、そのための勉強も惜しまない努力家の少女に育った。
人々の愛を受け、素直で優しく、そして可愛らしい少女はある日その暮らしが一転する。
探し出された公女。
本当の名前はアナベル・ベアトス・ノクス。
ひょんなことで知り合った王子から、彼女のことをずっと両親と弟が探していると聞いて『そんなまさか』と思いながらも面会したら、すぐに彼らが自分の家族であることを理解した……という数奇な運命の持ち主である。
その当時、アナベルにはそれが何故かわからなかったが、とにかく直感的にわかったのである。
実際には両親が彼女が生まれた時にかけた保護魔法が共鳴し、その魔力の波動によってアナベルは懐かしさを覚えたというものなのだが――それを説明する無粋な者はいなかった。
そうして本来の家族の元に戻ったアナベルは、これまでの暮らしとの違いに目を白黒させっぱなしだった。
ジュディとして生きてきた十七年が、家族と共にいられることを喜びつつもその豪奢な暮らしをどこか別世界のものとして受け入れることができなかった。
周囲に『公女様』『アナベル様』と呼ばれる度に落ち着かなかったし、専属の護衛だという騎士をつけられた時も、お茶を淹れるにも、なんとお風呂に入る時にも人がつくというその状況に慣れるには何年かかるのだろうとため息が漏れたものだ。
そして彼女を悩ませるのは、それだけではなかった。
シリウス・フェローチェス・ノクスという男の存在だ。
逞しい体つきに精悍で整った顔立ち、父である公爵とどこか似ているなと思ったら彼女の従兄であり義兄。
嫡子の自分が攫われてしまったため、跡取りに据えるため迎えられた養子。
けれど弟のレオナールが生まれ、その立場をなくした義兄。
加えて自分が見つかったことでより居場所をなくしてしまった人。
そんな事情を耳にして『へえ、そうなんだ』で終わらせられるほどアナベルはドライな性格ではなかった。
かといって悩んだところでいい慰めの言葉が浮かぶわけでなく、慰めるのもまたおかしな話である。
ましてや、彼女自身、まだ環境の変化についていけていなかったのだ。
そして皮肉にもそんなアナベルを一番理解してくれたのも、シリウスだった。
他の家族や使用人たちと異なりある程度の距離を保って、けれど兄として穏やかに導いてくれるシリウスの存在は、アナベルにとって頼もしい兄そのものであった。
そうしてようやく〝ノクス公爵家の一員〟である自分を受け入れることができるようになったアナベルは、次に貴族社会の恐ろしさを学んだ。
大貴族の娘というだけで嫉妬や羨望の目が向けられることは理解していたつもりだったが、暗殺者まで送られるだなんて……護衛騎士がケガをして、ようやく彼女は護衛が必要な自分を、実感したのである。
それでも『ただの少女』であったアナベルにとって、自分が狙われることも、そして自分のせいで護衛の騎士がケガをしたことも、そう簡単に受け入れることはできなかった。
ただ自分に家族がいたことが嬉しかっただけで貴族になりたかったわけではないアナベルの気持ちを、周りは察することはできても理解には至らなかったのだ。
実際その気持ちを察したところで、事実家族が見つかった以上、アナベルはノクス公爵家の人間なのだ。
何をするにしたって今後貴族としての義務も、責任も、そして狙われるという恐怖もついて回ることになる。
たとえそれがアナベルにとって、望む望まないに拘わらず、だ。
そんな中で現れたのが、セレンという不思議な女性だった。
自分より少しだけ年上なのに、どこか持っている空気がその場にいた誰とも違うことに怖さを覚えたが、同時に安堵もした。
(彼女は貴族じゃない。そしてわたしと同じ――異分子だ)
正確にはアナベルは異分子ではなく、ただどうしても〝公爵家の長女〟という事実に慣れるまで時間がかかっていただけなのだけれども。
それでも同じように孤児院で育った彼女は、少なくともその場にいた誰よりもアナベルの恐れを理解してくれていた。
自分を気づかってくれる兄のシリウスと、今後茶会やどこかに出る時に護衛としてついてきてくれるというセレンがいてくれるなら頑張れるかもしれない。
アナベルはようやく、少しだけ前を向くことができた。
そうしてふと気がつくと、兄の様子がおかしい。
セレンに向ける眼差しが、どことなく熱を持っていると気づいたのはいつだっただろうか。
二人が同じ屋根の下で暮らしていることは聞いている。
彼女の身の上からその招待を見極めるため、という理由でメイドとして使い、処断するならばシリウスのような実力者が最適だという話はアナベルも聞いている。
だが、兄の向けるあの眼差しはどうだろう。
アナベルは目を瞬かせる。
(……お義兄様は、セレンのことが気に入ったのね?)
まあまあ、素敵!
そうアナベルは心の中で喜んだ。
彼女は賢い娘であったから、誰かに何かを告げられたわけでもないのに一人で騒いで場を引っかき回すことはよしとしなかった。
元から魔力があってもそれを使う術を知らなかったアナベルは、孤児院でそうやって当たり障りなく、そして周りを見て動きを決めることで上手にやってきたのだ。
ただ想定外だったのは、思った以上にシリウスがセレンにのめり込んで――逃げた彼女を必死で探し出し、そうしてついには捕まえて戻ってきたことだったけれど。
結果としては、セレンが諦めてあの重たくて粘着質で、困ったほどの愛情を受け止めてくれたことで事なきを得ているのでアナベルとしては万事解決と思っている。
少々、弟のレオナールが素直すぎて周りの言葉に踊らされ、あわやシリウスが大噴火するところであったのだけれど……それもまた、兄弟喧嘩の一つよね、とアナベルはそう解釈することにしたのであった。
そう、アナベル・ベアトス・ノクス。
彼女は本来〝物語〟の主人公である、逞しい女性なのであった。
*******
この回で一旦休載とし、来月また再開します!
大貴族の娘として生まれ何不自由ない暮らしを約束されていたが誘拐され、特に何かされたわけでもなく孤児院の前に捨てられた。
だが堅実な運営を心掛ける人格者な院長と、そんな院長を支える地域の人たちの温かい目に見守られてアナベルは新しい名前『ジュディ』の名をもらいすくすくと成長したのである。
旅の薬師に感銘を覚え、自らも薬学の道で『院長と同じように誰かの役に立てる人間になろう!』と決め、そのための勉強も惜しまない努力家の少女に育った。
人々の愛を受け、素直で優しく、そして可愛らしい少女はある日その暮らしが一転する。
探し出された公女。
本当の名前はアナベル・ベアトス・ノクス。
ひょんなことで知り合った王子から、彼女のことをずっと両親と弟が探していると聞いて『そんなまさか』と思いながらも面会したら、すぐに彼らが自分の家族であることを理解した……という数奇な運命の持ち主である。
その当時、アナベルにはそれが何故かわからなかったが、とにかく直感的にわかったのである。
実際には両親が彼女が生まれた時にかけた保護魔法が共鳴し、その魔力の波動によってアナベルは懐かしさを覚えたというものなのだが――それを説明する無粋な者はいなかった。
そうして本来の家族の元に戻ったアナベルは、これまでの暮らしとの違いに目を白黒させっぱなしだった。
ジュディとして生きてきた十七年が、家族と共にいられることを喜びつつもその豪奢な暮らしをどこか別世界のものとして受け入れることができなかった。
周囲に『公女様』『アナベル様』と呼ばれる度に落ち着かなかったし、専属の護衛だという騎士をつけられた時も、お茶を淹れるにも、なんとお風呂に入る時にも人がつくというその状況に慣れるには何年かかるのだろうとため息が漏れたものだ。
そして彼女を悩ませるのは、それだけではなかった。
シリウス・フェローチェス・ノクスという男の存在だ。
逞しい体つきに精悍で整った顔立ち、父である公爵とどこか似ているなと思ったら彼女の従兄であり義兄。
嫡子の自分が攫われてしまったため、跡取りに据えるため迎えられた養子。
けれど弟のレオナールが生まれ、その立場をなくした義兄。
加えて自分が見つかったことでより居場所をなくしてしまった人。
そんな事情を耳にして『へえ、そうなんだ』で終わらせられるほどアナベルはドライな性格ではなかった。
かといって悩んだところでいい慰めの言葉が浮かぶわけでなく、慰めるのもまたおかしな話である。
ましてや、彼女自身、まだ環境の変化についていけていなかったのだ。
そして皮肉にもそんなアナベルを一番理解してくれたのも、シリウスだった。
他の家族や使用人たちと異なりある程度の距離を保って、けれど兄として穏やかに導いてくれるシリウスの存在は、アナベルにとって頼もしい兄そのものであった。
そうしてようやく〝ノクス公爵家の一員〟である自分を受け入れることができるようになったアナベルは、次に貴族社会の恐ろしさを学んだ。
大貴族の娘というだけで嫉妬や羨望の目が向けられることは理解していたつもりだったが、暗殺者まで送られるだなんて……護衛騎士がケガをして、ようやく彼女は護衛が必要な自分を、実感したのである。
それでも『ただの少女』であったアナベルにとって、自分が狙われることも、そして自分のせいで護衛の騎士がケガをしたことも、そう簡単に受け入れることはできなかった。
ただ自分に家族がいたことが嬉しかっただけで貴族になりたかったわけではないアナベルの気持ちを、周りは察することはできても理解には至らなかったのだ。
実際その気持ちを察したところで、事実家族が見つかった以上、アナベルはノクス公爵家の人間なのだ。
何をするにしたって今後貴族としての義務も、責任も、そして狙われるという恐怖もついて回ることになる。
たとえそれがアナベルにとって、望む望まないに拘わらず、だ。
そんな中で現れたのが、セレンという不思議な女性だった。
自分より少しだけ年上なのに、どこか持っている空気がその場にいた誰とも違うことに怖さを覚えたが、同時に安堵もした。
(彼女は貴族じゃない。そしてわたしと同じ――異分子だ)
正確にはアナベルは異分子ではなく、ただどうしても〝公爵家の長女〟という事実に慣れるまで時間がかかっていただけなのだけれども。
それでも同じように孤児院で育った彼女は、少なくともその場にいた誰よりもアナベルの恐れを理解してくれていた。
自分を気づかってくれる兄のシリウスと、今後茶会やどこかに出る時に護衛としてついてきてくれるというセレンがいてくれるなら頑張れるかもしれない。
アナベルはようやく、少しだけ前を向くことができた。
そうしてふと気がつくと、兄の様子がおかしい。
セレンに向ける眼差しが、どことなく熱を持っていると気づいたのはいつだっただろうか。
二人が同じ屋根の下で暮らしていることは聞いている。
彼女の身の上からその招待を見極めるため、という理由でメイドとして使い、処断するならばシリウスのような実力者が最適だという話はアナベルも聞いている。
だが、兄の向けるあの眼差しはどうだろう。
アナベルは目を瞬かせる。
(……お義兄様は、セレンのことが気に入ったのね?)
まあまあ、素敵!
そうアナベルは心の中で喜んだ。
彼女は賢い娘であったから、誰かに何かを告げられたわけでもないのに一人で騒いで場を引っかき回すことはよしとしなかった。
元から魔力があってもそれを使う術を知らなかったアナベルは、孤児院でそうやって当たり障りなく、そして周りを見て動きを決めることで上手にやってきたのだ。
ただ想定外だったのは、思った以上にシリウスがセレンにのめり込んで――逃げた彼女を必死で探し出し、そうしてついには捕まえて戻ってきたことだったけれど。
結果としては、セレンが諦めてあの重たくて粘着質で、困ったほどの愛情を受け止めてくれたことで事なきを得ているのでアナベルとしては万事解決と思っている。
少々、弟のレオナールが素直すぎて周りの言葉に踊らされ、あわやシリウスが大噴火するところであったのだけれど……それもまた、兄弟喧嘩の一つよね、とアナベルはそう解釈することにしたのであった。
そう、アナベル・ベアトス・ノクス。
彼女は本来〝物語〟の主人公である、逞しい女性なのであった。
*******
この回で一旦休載とし、来月また再開します!
61
あなたにおすすめの小説
脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。
石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。
ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。
そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。
真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。
【完結】ヤンデレ乙女ゲームの転生ヒロインは、囮を差し出して攻略対象を回避する。はずが、隣国の王子様にばれてしまいました(詰み)
瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
ヤンデレだらけの乙女ゲームに転生してしまったヒロイン、アシュリー。周りには、攻略対象のヤンデレ達が勢ぞろい。
しかし、彼女は、実現したい夢のために、何としても攻略対象を回避したいのだ。
そこで彼女は、ヤンデレ攻略対象を回避する妙案を思いつく。
それは、「ヒロイン養成講座」で攻略対象好みの囮(私のコピー)を養成して、ヤンデレたちに差し出すこと。(もちろん希望者)
しかし、そこへ隣国からきた第五王子様にこの活動がばれてしまった!!
王子は、黙っている代償に、アシュリーに恋人契約を要求してきて!?
全14話です+番外編4話
ストーカーから逃げ切ったつもりが、今度はヤンデレ騎士団に追われています。
由汰のらん
恋愛
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。
さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった!
しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って?
いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
心が読める私に一目惚れした彼の溺愛はややヤンデレ気味です。
三月べに
恋愛
古川七羽(こがわななは)は、自分のあか抜けない子どもっぽいところがコンプレックスだった。
新たに人の心を読める能力が開花してしまったが、それなりに上手く生きていたつもり。
ひょんなことから出会った竜ヶ崎数斗(りゅうがざきかずと)は、紳士的で優しいのだが、心の中で一目惚れしたと言っていて、七羽にグイグイとくる!
実は御曹司でもあるハイスペックイケメンの彼に押し負ける形で、彼の親友である田中新一(たなかしんいち)と戸田真樹(とだまき)と楽しく過ごしていく。
新一と真樹は、七羽を天使と称して、妹分として可愛がってくれて、数斗も大切にしてくれる。
しかし、起きる修羅場に、数斗の心の声はなかなか物騒。
ややヤンデレな心の声!?
それでも――――。
七羽だけに向けられるのは、いつも優しい声だった。
『俺、失恋で、死んじゃうな……』
自分とは釣り合わないとわかりきっていても、キッパリと拒めない。二の足を踏む、じれじれな恋愛模様。
傷だらけの天使だなんて呼ばれちゃう心が読める能力を密かに持つ七羽は、ややヤンデレ気味に溺愛してくる数斗の優しい愛に癒される?
【心が読める私に一目惚れした彼の溺愛はややヤンデレ気味です。】『なろうにも掲載』
無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いてほしい!!
カントリー
恋愛
懐かれた時はネコちゃんみたいで可愛いなと思った時期がありました。
でも懐かれたのは、獲物を狙う肉食獣そのものでした。by大空都子。
大空都子(おおぞら みやこ)。食べる事や料理をする事が大好きなぽっちゃりした女子高校生。
今日も施設の仲間に料理を振るうため、買い出しに外を歩いていた所、暴走車両により交通事故に遭い異世界へ転移してしまう。
異世界先は獣人の世界ークモード王国。住民の殆どが美男美女で、おデブは都子だけ。
ダーク
「…美味そうだな…」ジュル…
都子「あっ…ありがとうございます!」
(えっ…作った料理の事だよね…)
元の世界に戻るまで、都子こと「ヨーグル・オオゾラ」はクモード城で料理人として働く事になるが…
これは大空都子が黒豹騎士ダーク・スカイに懐かれ、最終的には逃げられなくなるお話。
★いいね・応援いただけると嬉しいです。創作の励みになります。
氷のメイドが辞職を伝えたらご主人様が何度も一緒にお出かけするようになりました
まさかの
恋愛
「結婚しようかと思います」
あまり表情に出ない氷のメイドとして噂されるサラサの一言が家族団欒としていた空気をぶち壊した。
ただそれは田舎に戻って結婚相手を探すというだけのことだった。
それに安心した伯爵の奥様が伯爵家の一人息子のオックスが成人するまでの一年間は残ってほしいという頼みを受け、いつものようにオックスのお世話をするサラサ。
するとどうしてかオックスは真面目に勉強を始め、社会勉強と評してサラサと一緒に何度もお出かけをするようになった。
好みの宝石を聞かれたり、ドレスを着せられたり、さらには何度も自分の好きな料理を食べさせてもらったりしながらも、あくまでも社会勉強と言い続けるオックス。
二人の甘酸っぱい日々と夫婦になるまでの物語。
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで
ChaCha
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したことに気づいたアイナ・ネルケ。
だが彼女はヒロインではない――ただの“モブ令嬢”。
「私は観る側。恋はヒロインのもの」
そう決めて、治癒魔術科で必死に学び、気合いと根性で仲間を癒し続けていた。
筋肉とビンタと回復の日々。
それなのに――
「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」
野外訓練で命を救った騎士、エルンスト・トゥルぺ。
彼の瞳と声が、治癒と共に魂に触れた瞬間から、世界が静かに変わり始める。
幼馴染ヴィルの揺れる視線。
家族の温かな歓迎。
辺境伯領と学園という“日常の戦場”。
「……好き」
「これは恋だ。もう、モブではいたくない」
守られるだけの存在ではなく、選ばれる覚悟を決めたモブ令嬢と、
現実しか知らない騎士の、静かで激しい溺愛の始まり。
これは――
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまでの物語。
※溺愛表現は後半からです。のんびり更新します。
※作者の好みにより筋肉と気合い…ヤンデレ落ち掛けが踊りながらやって来ます。
※これは恋愛ファンタジーです。ヒロインと違ってモブは本当に大変なんです。みんなアイナを応援してあげて下さい!!
最高魔導師の重すぎる愛の結末
甘寧
恋愛
私、ステフィ・フェルスターの仕事は街の中央にある魔術協会の事務員。
いつもの様に出勤すると、私の席がなかった。
呆然とする私に上司であるジンドルフに尋ねると私は昇進し自分の直属の部下になったと言う。
このジンドルフと言う男は、結婚したい男不動のNO.1。
銀色の長髪を後ろに縛り、黒のローブを纏ったその男は微笑むだけで女性を虜にするほど色気がある。
ジンドルフに会いたいが為に、用もないのに魔術協会に来る女性多数。
でも、皆は気づいて無いみたいだけど、あの男、なんか闇を秘めている気がする……
その感は残念ならが当たることになる。
何十年にも渡りストーカーしていた最高魔導師と捕まってしまった可哀想な部下のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる