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四話
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今日は平日。仕事がある。毎朝決まった時間に起きて歯を磨いて顔を洗ってトイレに行って朝ごはんを食べてしばらく休んでから家を出る。いつも通りの決まった動きだった。
もはやアラームすらも必要なく決まった時間に起きれるようになった体。いつからここまで社会人に染まってしまったのかと思う。それでも会社に行かなければ給料は無い。面倒と眠気の振り子運動の末に立ち上がる。
「さて、そろそろ行くか」
7畳一間の部屋を抜けて廊下へつながる扉を開ける。
部屋の電気、エアコン、トイレ、洗面台、流し台、電気が消えているか、流されているか、水漏れはないかを確認してから冷蔵庫を開ける。出勤前に麦茶を飲むのが習慣になっていた。
100円ショップで買った2リットルの容器からコップに移して、コップを置く。そして、容器を収納するために冷蔵庫の扉を開けた瞬間だった。
「うわ!」
本体と扉の間に置かれたコップが空いた隙間から冷蔵庫内部へと落下。そのまま麦茶を撒き散らす。コップが割れていないのは不幸中の幸いだが、冷蔵庫の内部及び床は大惨事である。
コップの中に残った少量の麦茶を飲んでから、大惨事の後片付けをする。キッチンペーパーをとって色んなところを拭いて回るが、なかなかの量が溢れたこともあり、事態の収拾は難航していた。
一通りそれらしく拭き終え、スマートフォンで時間を確認してから一旦出勤することにした。そんな時、ぽつりと口から溢れ出た。
「これもまた人生、か」
厳密にはまだ拭き終えていない冷蔵庫の扉を閉じて、玄関へと向かう。今日はまだ始まったばかりだというのに、どうして既に疲れているのか。それも仕方ないかと諦めながら、玄関の扉を開けた。人生山ありゃ谷もある。それを痛感した朝だった。
もはやアラームすらも必要なく決まった時間に起きれるようになった体。いつからここまで社会人に染まってしまったのかと思う。それでも会社に行かなければ給料は無い。面倒と眠気の振り子運動の末に立ち上がる。
「さて、そろそろ行くか」
7畳一間の部屋を抜けて廊下へつながる扉を開ける。
部屋の電気、エアコン、トイレ、洗面台、流し台、電気が消えているか、流されているか、水漏れはないかを確認してから冷蔵庫を開ける。出勤前に麦茶を飲むのが習慣になっていた。
100円ショップで買った2リットルの容器からコップに移して、コップを置く。そして、容器を収納するために冷蔵庫の扉を開けた瞬間だった。
「うわ!」
本体と扉の間に置かれたコップが空いた隙間から冷蔵庫内部へと落下。そのまま麦茶を撒き散らす。コップが割れていないのは不幸中の幸いだが、冷蔵庫の内部及び床は大惨事である。
コップの中に残った少量の麦茶を飲んでから、大惨事の後片付けをする。キッチンペーパーをとって色んなところを拭いて回るが、なかなかの量が溢れたこともあり、事態の収拾は難航していた。
一通りそれらしく拭き終え、スマートフォンで時間を確認してから一旦出勤することにした。そんな時、ぽつりと口から溢れ出た。
「これもまた人生、か」
厳密にはまだ拭き終えていない冷蔵庫の扉を閉じて、玄関へと向かう。今日はまだ始まったばかりだというのに、どうして既に疲れているのか。それも仕方ないかと諦めながら、玄関の扉を開けた。人生山ありゃ谷もある。それを痛感した朝だった。
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