短編集

ぽよ

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花言葉

飾らない美しさ

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「大丈夫だよ。あなたはあなたのままで大丈夫」
「そんな保証がどこにあるの」
「私が保証する。だから、頑張って」
「君がいなくなったら、どうしたらいいんだろう」
「あなた自身の人生を歩めばいい」
「そんなこと言われても……」
「飾らない美しさ、だよ」
「うん」
「それじゃ、さようなら」
「ちょっと待って」

 最後の言葉を言う前に電話は切れてしまった。もう掛け直すことはできない。これで、最後。そう決めた。これからのことは何も決まっていない。ただ一つの決意は、自殺しないこと。たったそれだけ。幼馴染だった彼女。いつからか意識し始めて、恋人になって。しかし、そんな2人にも最後の時が来た。彼女が外国に引っ越す。それが、別れの合図だった。いつ連絡が取れるかもわからなければ、これからこの関係を維持したまま時間だけが過ぎるのは良くない。だから、お互いが幸せになる道を歩むために別れる。2人とも号泣し、思い出を語り合って、これで最後だと決めた電話を何回もした。それも、今日で本当に最後。今日からは、自分1人で生きていく。

「ありがとう。元気でね」

 最後に言えなかった一言を、一人部屋の中で呟く。自分が持つ飾らない美しさ。それはきっと、彼女も持っていた。だからこそ、僕たちはいい関係になれたのかもしれない。僕にもっと強さがあれば、引き止めることができれば、もしくは僕がついて行くって言えば、結果は変わったのかもしれない。彼女の性格なら、行くって聞かなかったかもしれないし、来ないでって言われたかもしれないけれど。一人暮らしの部屋の中で、ただ一人でゆっくりと過ごす。自分を見つめて、前を向いて歩く。その先に、幸せがあると信じて。
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