短編集

ぽよ

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飲み物

ビール

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「おつかれさま」
「お疲れ様でした」

 時刻は18時。2人のOLは会社を出て町を歩いていた。仕事が無事終わり、これから2人で飲みにいく。その約束を果たすために、全力で仕事を頑張ったのだ。町は週末ということもあり賑わっていた。会社を出た通りを15分ほど歩くと大衆向けの居酒屋がある。2人はいつもそこで飲んでいるのだ。ギリギリ開店時間に間に合い、待ち時間なく席に通された。スーツの上着をハンガーにかけて席に着く。店員が持ってきたおしぼりで手を拭いてから、体を伸ばす。メニューを見る前に少しだけ雑談。

「残業させて申し訳ないわ」
「大丈夫ですよ。明日土曜日ですし」
「そういうものなのかしら」
「そういうものですよ」
「なら、お言葉に甘えさせていただこうかしら」

 年度が明けて春になった。ここ最近の新年度の忙しさは少々異常なレベルだった。他の部署からの応援を頼み、それでもなんとかギリギリという有様だったが、今日でなんとか山を越えた。雑談もそこそこにメニューを開き、食べるものを決める。一通り見てから、ベルを押して店員を呼ぶ。

「生ビール二つと、枝豆。あとキャベツで」

 ビール。金曜日の2人にはこれしかない。人類の叡智とも呼ぶべき最高の飲み物。注文が終わってからは2人ともスマートフォンを操作する。そして5分が経過した頃、注文したメニューがやってくる。

「改めて、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした!」

 ジョッキを合わせるとカチンと音が鳴った。そして2人はグイグイとビールを飲む。 2人とも半分ほど一気に飲み、ジョッキを置いて口を拭う。

「はー、このために働いてるわね」
「先輩、それ言うの20年くらい早いと思いますよ」
「あら、そうかしら」
「ええ、おそらく」

 目の前に並んだつまみを食べながら話す。そうして、女子会という名の飲み会は進んでいく。ここにある、平和な日常を映しながら。
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