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もう一休み。
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「婚約解消? 」
「婚約破棄と、何が違いますの~ 」
エリーは首を傾げてダンサンを見る。ダンサンも首を傾げた。
(((いや、全然違うだろ!! )))
「響きが違う!! 」
「ほんとうですわ、ダンサンさま~ 」
(((響きかい!? )))
腰に手をあてて胸をはるダンサンをエリーは褒める。三人の護衛騎士は心の中で、突っ込む。
「婚約破棄ではなく、解消にしませんか。」
副官は穏便に済ませるために、婚約解消を勧めた。
だが、ダンサンとエリーは首を傾げた。
「解消は、派手さがない!! 」
「そうですわ~ 悪役はみんなの前で婚約破棄をされるものですわ~ エリー、演劇で見ましたわ~ 」
「エリーは、芸術家なのだ。」
「いゃ~ん、恥ずかしいですわ~ 」
(((芸術家? 演劇好き、ですよね!! )))
エリーを自慢するダンサンに、心の中で突っ込む護衛騎士。
「エリー。始まりのみんなの前で婚約破棄をされている処から、直ぐ眠ってしまうのです~ 」
「エリーは、寝付きがいいのだな。」
「いや~ん、恥ずかしいですわ~ 」
(((冒頭でクライマックスて、どんな演劇だよ!! )))
彼等は今流行りの『逆ざまぁ』系の演劇の事を知らなかった。真実の愛をかざし、婚約者を奪うあざとい女性と心変わりした男性に『ざまぁ』する演劇を。
「その劇は知ってますが…… 」
(皆の前で婚約破棄されていたけ? 屋敷の応接間で、婚約破棄をされていたはずだか。)
副官は、市場情勢の為に巷の流行りや情報を入手している有能な男である。
(皆の前って、まさか…… )
そのまさかの、観客の前である。エリーの言ってる事は嘘ではない。
ただ、阿呆なだけだった。
「真実の愛の為に、皆の前で婚約破棄を僕はオードリーにされなくてはならないのだ。」
「ダンサンさまも、みんな前で婚約破棄をしましたからオードリーさまもみんな前で婚約破棄をしないといけませんわ~ 」
(((六人で、いいんかい!? )))
どうやらダンサン達の前では、六人でもみんなの前になるようだ。
「では、後日この六人の前で、オードリー嬢に婚約破棄をしてもらうと言うことで了解して下さい。」
なんとしてもこの場を収めないと王太子婚約披露パーティーが、始まらない。副官は皆の期待の目に、圧力を感じていた。
「でも、いっぱいのみんな前での婚約破棄が祝福されますわ~ 」
「そうだなオードリーの為にも、いっぱいいる舞踏会会場で婚約破棄をされた方がみんなに祝福されるだろう。」
(((確かに皆、祝福してくれるだろうな。)))
阿呆殿下と婚約破棄ができたことに、と護衛騎士三人は思った。
「今日舞踏会は、王太子殿下の婚約披露の為の集まりです殿下。」
「サイオンにい上の? 」
(((やっぱ、忘れてたんかい!! )))
「婚約破棄しますの~ 」
「そうか真実の愛の為に、にい上も婚約破棄を 」
「婚約披露だ! この阿呆息子!! 」
めでたい日に、婚約破棄を連発する息子にとうとう切れた。
「パパ上? 」
「パパ上さま~ 婚約破棄しないと祝福されませんわ~ 」
二人は、婚約破棄することで祝福されると思い込んでいた。
「婚約破棄しなくても、婚約披露は皆が祝福してくれるものなのです。」
「そうなのか!? 」
「そうですの~ 」
副官の言葉に、ぽやっとした顔を二人は向ける。
「婚約披露したことがなかったから、分からなかったぞ。」
「エリー、婚約したことがありませんわ~ 」
ダンサンは幼い頃オードリーと婚約したので婚約披露はしていなかった。男爵家のエリーは、小さな領内で育ってきたので相手がいなかった。
「真実の愛は婚約破棄しなくても、祝福されるのですね~ 」
「にい上の婚約のお祝いに行こう、愛しのエリー。」
「はいですわ~ 」
二人は手を繋いで、微笑みあった。
「駄目だ、お前達は会場入りは許さん。」
「なぜです、パパ上? 」
「パパ上さま~、エリーたちにい上さまを祝福したいです~ 」
二人は無邪気な顔で陛下を、見つめた。
「婚約破棄と、何が違いますの~ 」
エリーは首を傾げてダンサンを見る。ダンサンも首を傾げた。
(((いや、全然違うだろ!! )))
「響きが違う!! 」
「ほんとうですわ、ダンサンさま~ 」
(((響きかい!? )))
腰に手をあてて胸をはるダンサンをエリーは褒める。三人の護衛騎士は心の中で、突っ込む。
「婚約破棄ではなく、解消にしませんか。」
副官は穏便に済ませるために、婚約解消を勧めた。
だが、ダンサンとエリーは首を傾げた。
「解消は、派手さがない!! 」
「そうですわ~ 悪役はみんなの前で婚約破棄をされるものですわ~ エリー、演劇で見ましたわ~ 」
「エリーは、芸術家なのだ。」
「いゃ~ん、恥ずかしいですわ~ 」
(((芸術家? 演劇好き、ですよね!! )))
エリーを自慢するダンサンに、心の中で突っ込む護衛騎士。
「エリー。始まりのみんなの前で婚約破棄をされている処から、直ぐ眠ってしまうのです~ 」
「エリーは、寝付きがいいのだな。」
「いや~ん、恥ずかしいですわ~ 」
(((冒頭でクライマックスて、どんな演劇だよ!! )))
彼等は今流行りの『逆ざまぁ』系の演劇の事を知らなかった。真実の愛をかざし、婚約者を奪うあざとい女性と心変わりした男性に『ざまぁ』する演劇を。
「その劇は知ってますが…… 」
(皆の前で婚約破棄されていたけ? 屋敷の応接間で、婚約破棄をされていたはずだか。)
副官は、市場情勢の為に巷の流行りや情報を入手している有能な男である。
(皆の前って、まさか…… )
そのまさかの、観客の前である。エリーの言ってる事は嘘ではない。
ただ、阿呆なだけだった。
「真実の愛の為に、皆の前で婚約破棄を僕はオードリーにされなくてはならないのだ。」
「ダンサンさまも、みんな前で婚約破棄をしましたからオードリーさまもみんな前で婚約破棄をしないといけませんわ~ 」
(((六人で、いいんかい!? )))
どうやらダンサン達の前では、六人でもみんなの前になるようだ。
「では、後日この六人の前で、オードリー嬢に婚約破棄をしてもらうと言うことで了解して下さい。」
なんとしてもこの場を収めないと王太子婚約披露パーティーが、始まらない。副官は皆の期待の目に、圧力を感じていた。
「でも、いっぱいのみんな前での婚約破棄が祝福されますわ~ 」
「そうだなオードリーの為にも、いっぱいいる舞踏会会場で婚約破棄をされた方がみんなに祝福されるだろう。」
(((確かに皆、祝福してくれるだろうな。)))
阿呆殿下と婚約破棄ができたことに、と護衛騎士三人は思った。
「今日舞踏会は、王太子殿下の婚約披露の為の集まりです殿下。」
「サイオンにい上の? 」
(((やっぱ、忘れてたんかい!! )))
「婚約破棄しますの~ 」
「そうか真実の愛の為に、にい上も婚約破棄を 」
「婚約披露だ! この阿呆息子!! 」
めでたい日に、婚約破棄を連発する息子にとうとう切れた。
「パパ上? 」
「パパ上さま~ 婚約破棄しないと祝福されませんわ~ 」
二人は、婚約破棄することで祝福されると思い込んでいた。
「婚約破棄しなくても、婚約披露は皆が祝福してくれるものなのです。」
「そうなのか!? 」
「そうですの~ 」
副官の言葉に、ぽやっとした顔を二人は向ける。
「婚約披露したことがなかったから、分からなかったぞ。」
「エリー、婚約したことがありませんわ~ 」
ダンサンは幼い頃オードリーと婚約したので婚約披露はしていなかった。男爵家のエリーは、小さな領内で育ってきたので相手がいなかった。
「真実の愛は婚約破棄しなくても、祝福されるのですね~ 」
「にい上の婚約のお祝いに行こう、愛しのエリー。」
「はいですわ~ 」
二人は手を繋いで、微笑みあった。
「駄目だ、お前達は会場入りは許さん。」
「なぜです、パパ上? 」
「パパ上さま~、エリーたちにい上さまを祝福したいです~ 」
二人は無邪気な顔で陛下を、見つめた。
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