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大いなる勘違い返し。
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時に、子供はある意味残酷である。空気が読めず、疑問を直ぐ口にする。
そう有耶無耶になりかけた離婚問題を、再浮上させる言葉をアゼリアは発した。
「お母さま、お父さまとリコンはしない? 」
無邪気な一言であった。
静まり返る会場、ローズの婚約解消はアゼリアの勇気なる活躍で解決をした。だが、まだ離婚問題は終わってなかった。
アゼリアの疑問の一言が、その問題を蒸し返した。
今ここに世界を救った勇者が、世界を滅ぼす魔王となった。
(アゼリア!! )
ローズは心の中で絶叫した。
(勘違いも知られず、有耶無耶に終わりそうだったのに!! なに蒸し返してるの!! 空気を空気を呼んで!! )
青ざめるローズに、母に縋り付くアゼリア。
「僕、ピーマンを食べるよ。ニンジンも食べるから、リコンしないで!! 」
アゼリアは父にも縋り付いた。
「アゼリア…… 」
レムスはアゼリアを抱きとめた。
「僕が好き嫌いするから、小さいからリコンするの? 僕、ちゃんと食べるよ。だからリコンしないで!! 」
「アゼリア、アゼリアは何も悪くない。悪いのは私だ。私が総て悪い。」
レムスはアゼリアの頭を撫でた。
「本当はうすうす気づいていたんだ、だけど認めたくはなかった。」
「お父さま? 」
「アゼリアは何も悪くない。」
ギュッと抱きしめて、近くにいるアンナにアゼリアを預ける。
ゆっくりとレムスは、マーガレットへと近づいた。
「マーガレット、君は綺麗になった。」
寂しそうにレムスはマーガレットに言った。
「好きな人が、いるのだろう。」
「えっ!! 」
「「「「ええっ!! 」」」」
侍女や使用人達が驚きあまりに声をあげた。
(お母様!? )
ローズは目を見開いて母を見る。小刻みに首を振っているマーガレットと目が合う。
「お父様、何を言って!! 」
「わかってる!! ローズも知っていたんだろう。」
(ちょっと待って、話を聞いてお父様!! )
何かを言おうとローズが声をかけると、レムスはそれを制した。
「一ヶ月前から、マーガレットはとても美しくなった。女性は恋をすると美しくなるという。」
(お父様、それはお母様は小姑の牽制の為に!! )
それは訪れるという小姑へのマウントためである。マーガレットは、小姑に負けないように綺麗になろうと努力をしていた。使用人達は知らないが、ローズはそれを知っていた。
「元々私は、マーガレットを好きな人と婚姻出来るようにと養子に入った身。」
(えっ、婚約者としてじゃないの!? )
ローズは、母を見ると同じようにマーガレットも驚いていた。
「兄として迎えられたが、たまたまマーガレットに好きな人ができなかったから、そのまま婚姻をしたに過ぎない。」
レムスは悲しそうにマーガレットを見つめた。
「レムス、」
「いいんだ、わかってる。」
(お父様、話を聞いて!! )
何かを言おうと声をあげたマーガレットをレムスは制した。ローズは心の中で絶叫した。
「義父に言われて、都合の良い私と結婚したことも知っている。」
「待って、」
「それでも、私にとってこの幸せが続くことを願っていた。」
マーガレットの差し出された手に、怯えるようにレムスは一歩下った。
「マーガレットを愛してたから。」
「レムス…… あの、」
口数の少ない、レムスが止めどなく言葉を吐く。マーガレットの肯定を聞きたくないように。
「だが君は、離婚を言い出した。それ程までに、その者が好きなのだろう。」
「お父様!! 」
「いいんだ、わかってる!! 」
ローズの言葉を、レムスは声で制した。
「いいのレムス、本当に。」
リンダの問いかけに、寂しく微笑んで見せた。
「いいんだ。」
呆然と立っているマーガレットに、レムスは顔を向ける。
「マーガレット、君からの離婚を受け入れよう。」
レムスはマーガレットからの離婚を承諾した。
(待って、お父様!! 話を、話を聞いてーー!! )
ローズは心の中で絶叫した。
そう有耶無耶になりかけた離婚問題を、再浮上させる言葉をアゼリアは発した。
「お母さま、お父さまとリコンはしない? 」
無邪気な一言であった。
静まり返る会場、ローズの婚約解消はアゼリアの勇気なる活躍で解決をした。だが、まだ離婚問題は終わってなかった。
アゼリアの疑問の一言が、その問題を蒸し返した。
今ここに世界を救った勇者が、世界を滅ぼす魔王となった。
(アゼリア!! )
ローズは心の中で絶叫した。
(勘違いも知られず、有耶無耶に終わりそうだったのに!! なに蒸し返してるの!! 空気を空気を呼んで!! )
青ざめるローズに、母に縋り付くアゼリア。
「僕、ピーマンを食べるよ。ニンジンも食べるから、リコンしないで!! 」
アゼリアは父にも縋り付いた。
「アゼリア…… 」
レムスはアゼリアを抱きとめた。
「僕が好き嫌いするから、小さいからリコンするの? 僕、ちゃんと食べるよ。だからリコンしないで!! 」
「アゼリア、アゼリアは何も悪くない。悪いのは私だ。私が総て悪い。」
レムスはアゼリアの頭を撫でた。
「本当はうすうす気づいていたんだ、だけど認めたくはなかった。」
「お父さま? 」
「アゼリアは何も悪くない。」
ギュッと抱きしめて、近くにいるアンナにアゼリアを預ける。
ゆっくりとレムスは、マーガレットへと近づいた。
「マーガレット、君は綺麗になった。」
寂しそうにレムスはマーガレットに言った。
「好きな人が、いるのだろう。」
「えっ!! 」
「「「「ええっ!! 」」」」
侍女や使用人達が驚きあまりに声をあげた。
(お母様!? )
ローズは目を見開いて母を見る。小刻みに首を振っているマーガレットと目が合う。
「お父様、何を言って!! 」
「わかってる!! ローズも知っていたんだろう。」
(ちょっと待って、話を聞いてお父様!! )
何かを言おうとローズが声をかけると、レムスはそれを制した。
「一ヶ月前から、マーガレットはとても美しくなった。女性は恋をすると美しくなるという。」
(お父様、それはお母様は小姑の牽制の為に!! )
それは訪れるという小姑へのマウントためである。マーガレットは、小姑に負けないように綺麗になろうと努力をしていた。使用人達は知らないが、ローズはそれを知っていた。
「元々私は、マーガレットを好きな人と婚姻出来るようにと養子に入った身。」
(えっ、婚約者としてじゃないの!? )
ローズは、母を見ると同じようにマーガレットも驚いていた。
「兄として迎えられたが、たまたまマーガレットに好きな人ができなかったから、そのまま婚姻をしたに過ぎない。」
レムスは悲しそうにマーガレットを見つめた。
「レムス、」
「いいんだ、わかってる。」
(お父様、話を聞いて!! )
何かを言おうと声をあげたマーガレットをレムスは制した。ローズは心の中で絶叫した。
「義父に言われて、都合の良い私と結婚したことも知っている。」
「待って、」
「それでも、私にとってこの幸せが続くことを願っていた。」
マーガレットの差し出された手に、怯えるようにレムスは一歩下った。
「マーガレットを愛してたから。」
「レムス…… あの、」
口数の少ない、レムスが止めどなく言葉を吐く。マーガレットの肯定を聞きたくないように。
「だが君は、離婚を言い出した。それ程までに、その者が好きなのだろう。」
「お父様!! 」
「いいんだ、わかってる!! 」
ローズの言葉を、レムスは声で制した。
「いいのレムス、本当に。」
リンダの問いかけに、寂しく微笑んで見せた。
「いいんだ。」
呆然と立っているマーガレットに、レムスは顔を向ける。
「マーガレット、君からの離婚を受け入れよう。」
レムスはマーガレットからの離婚を承諾した。
(待って、お父様!! 話を、話を聞いてーー!! )
ローズは心の中で絶叫した。
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