14 / 128
セルビア・ランドール。
しおりを挟む
国の学校は、初等部 中等部 高等部と三つある。
初等部は、十歳から十二歳間での三年 主に庶民が通う学校である。貴族は、その頃。お抱えの家庭教師を、雇っている。中等部では、貴族と金持ちの商人が通っている。主に、貴族と商人の人脈作りの為だ。高等部は、貴族達だけが通い婚姻や家柄の強化為に存在する。一応、礼儀作法や勉学の教科はあるが。
中等部、学園。入園式が終わった、教室内。
取り巻きの公爵の息子三人を連れた王子に、一人の少女が声を掛けた。
「お久しぶりで、御座います。アラン殿下。」
漆黒の髪と瞳を持つ、セルビア 十二歳である。
「誰だ、お前。」
金髪碧眼の王子は、セルビアに対してそう言った。
「この黒い髪。豪の者です、アラン殿下。」
聖教長の息子のシモンが、声を上げた。
「後に、居るのもそうだ。」
軍事総長の息子のレイモンドが、セルビアの後に居る三人の令嬢を見て言った。
「要するに、僕達の婚約者と言う処でしょうか。」
宰相の息子、エリックが推測する。
「みたいだな。」
アランは、不機嫌な顔でセルビア達を見る。
「私は、お前と結婚する積もりは無い。」
「豪の者など、おぞましい。」
「政略結婚は、嫌だな。」
「右に、同じです。」
次々と、四人は婚約無効を言い出す。
「でも、これは国が決めた婚約です。」
「だから嫌なんだ!! 」
アランは、声を上げて言った。周りで見ていた学園生達は、ざわめき立った。
「何の、騒ぎですか? 皆様、席にお付きあそばせ。」
女性が、手を叩きながら教室に入って来る。
担任の教師である。金髪に、緑色の瞳の華やかな女性は教壇に立って挨拶をする。その目は、殿下と公爵子息に注がれていた。誰 憚る事もなく、えこひいき そのものだった。
帰りの挨拶が、終わって殿下達は足早に教室を出て行く。その後を追う様に、セルビアも席を立った。
「ランドールさん、殿下に迷惑を掛けてはいけませんわ。」
教師が、行く手を遮った。
「迷惑なんて。私はただ、アラン様と話がしたくって。」
教師は、口元に手をあて。
「其れが、迷惑だとお解りにならないの?」
哀しそうに、頭を振った。
「豪の者は、立場を弁えなければ成りませんよ。」
優しく、言葉を吐いた。
「立場、て。」
「貴方がたは、領内の援助の代わりに 売られたも同然なのです。」
教師は、ワザと分かりやすく 傷尽く言葉を選んで言った。
「う、売られたなんて。」
「私たちは、豪の者の改善の為に。」
「改善だなんて、在るはずないのよ。貴方たちは、人質でも在るの。」
教師は、十二歳の子供に向かって平然と言った。
「豪の者が、裏切らない様に。ねっ、王都から出た事ないでしよう。」
「そ、それは。」
令嬢達は、俯いた。
「貴方たちは、豪の者にとって足枷でしか ないのよ。」
「でも、私たちは婚約者なのよ。」
セルビアが、教師に言った。教師は、苛立ち。
「だから、立場を弁えろと言っているのよ。」
次々と、傷付ける言葉を浴びせる。
「王家のお優しい心遣い、なのよ。奴隷同然なんて、可哀想でしよ。」
「ど、奴隷。」
とうとう、セルビア以外の令嬢たちは泣き出してしまった。其れだけではない、数少ない豪の貴族子女達も騒ぎを聞き付け集まっている。その者達も、暗い顔で俯いていた。
「婚姻しても、貴方たちとの間には世継ぎは生まれないの。分かるでしょう、豪の者の血筋なんて汚らわしい。」
周りで見ていた、オースト国の子女達は。大人の教師が言っている事に『そうなんだ。』と、蔑んだ目で見始める。
「これで、解ったで」
「お黙りなさい。」
セルビアは、教師の言葉を遮る。手を、握り締めた。
「私は、セルビア・ランドール。ランドール公爵令嬢です。貴方に、そのような事を言われる筋合いは在りません。」
セルビアは、凛とした態度で教師を睨んだ。
「私は、貴方たちの立場を解って貰うために。」
教師は、セルビアの圧力に戸惑う。
「私的の事を、貴方に言われる筋合いはないと言っているのです。」
セルビアは、首を振った。
「いいえ、婚姻に関しては公的な事。それに意を唱えるなら、王家に意を唱えると思って良いのですね。」
「そ、それは。」
教師は、押し黙った。
「私は、ランドール公爵の娘セルビア。私に、意見を述べられる者は。私と同等の爵位を持つ、公爵か王族の者だけです。」
セルビアは、周りのオースト国の子女達を見回した。
「私は、教師として。」
「立場を、弁えなさい。」
セルビアは、強い口調で、
「教師でも、踏み込んではいけない処を 弁えろと言ってるのです。」
言った。
「それでは、これで失礼します。皆様、行きましょう。」
セルビアは、後にいる令嬢達と周りに居る豪の貴族達を見る。ゆっくりと、歩き出す。その背に。
「名ばかりの公爵の、癖に。」
悔しそうに、教師は呟いた。セルビアは、振り向き。
「名ばかりでも、公爵は公爵。意が在るのなら、王家に直接 意を唱えなさい。」
そう言って、セルビアは踵を返した。その後を、令嬢達が追いかける。
セルビアは、女王前として歩き続ける。
(私が、皆を。豪の者達を護らなくては。)
セルビアは、唇を噛み締めた。
(泣かない、決して泣かない。泣くものか。)
豪の者達の為にも、公爵の地位を。名ばかりの王妃でも、その地位を手に入れなくてはならないと心に誓うセルビアであった。
初等部は、十歳から十二歳間での三年 主に庶民が通う学校である。貴族は、その頃。お抱えの家庭教師を、雇っている。中等部では、貴族と金持ちの商人が通っている。主に、貴族と商人の人脈作りの為だ。高等部は、貴族達だけが通い婚姻や家柄の強化為に存在する。一応、礼儀作法や勉学の教科はあるが。
中等部、学園。入園式が終わった、教室内。
取り巻きの公爵の息子三人を連れた王子に、一人の少女が声を掛けた。
「お久しぶりで、御座います。アラン殿下。」
漆黒の髪と瞳を持つ、セルビア 十二歳である。
「誰だ、お前。」
金髪碧眼の王子は、セルビアに対してそう言った。
「この黒い髪。豪の者です、アラン殿下。」
聖教長の息子のシモンが、声を上げた。
「後に、居るのもそうだ。」
軍事総長の息子のレイモンドが、セルビアの後に居る三人の令嬢を見て言った。
「要するに、僕達の婚約者と言う処でしょうか。」
宰相の息子、エリックが推測する。
「みたいだな。」
アランは、不機嫌な顔でセルビア達を見る。
「私は、お前と結婚する積もりは無い。」
「豪の者など、おぞましい。」
「政略結婚は、嫌だな。」
「右に、同じです。」
次々と、四人は婚約無効を言い出す。
「でも、これは国が決めた婚約です。」
「だから嫌なんだ!! 」
アランは、声を上げて言った。周りで見ていた学園生達は、ざわめき立った。
「何の、騒ぎですか? 皆様、席にお付きあそばせ。」
女性が、手を叩きながら教室に入って来る。
担任の教師である。金髪に、緑色の瞳の華やかな女性は教壇に立って挨拶をする。その目は、殿下と公爵子息に注がれていた。誰 憚る事もなく、えこひいき そのものだった。
帰りの挨拶が、終わって殿下達は足早に教室を出て行く。その後を追う様に、セルビアも席を立った。
「ランドールさん、殿下に迷惑を掛けてはいけませんわ。」
教師が、行く手を遮った。
「迷惑なんて。私はただ、アラン様と話がしたくって。」
教師は、口元に手をあて。
「其れが、迷惑だとお解りにならないの?」
哀しそうに、頭を振った。
「豪の者は、立場を弁えなければ成りませんよ。」
優しく、言葉を吐いた。
「立場、て。」
「貴方がたは、領内の援助の代わりに 売られたも同然なのです。」
教師は、ワザと分かりやすく 傷尽く言葉を選んで言った。
「う、売られたなんて。」
「私たちは、豪の者の改善の為に。」
「改善だなんて、在るはずないのよ。貴方たちは、人質でも在るの。」
教師は、十二歳の子供に向かって平然と言った。
「豪の者が、裏切らない様に。ねっ、王都から出た事ないでしよう。」
「そ、それは。」
令嬢達は、俯いた。
「貴方たちは、豪の者にとって足枷でしか ないのよ。」
「でも、私たちは婚約者なのよ。」
セルビアが、教師に言った。教師は、苛立ち。
「だから、立場を弁えろと言っているのよ。」
次々と、傷付ける言葉を浴びせる。
「王家のお優しい心遣い、なのよ。奴隷同然なんて、可哀想でしよ。」
「ど、奴隷。」
とうとう、セルビア以外の令嬢たちは泣き出してしまった。其れだけではない、数少ない豪の貴族子女達も騒ぎを聞き付け集まっている。その者達も、暗い顔で俯いていた。
「婚姻しても、貴方たちとの間には世継ぎは生まれないの。分かるでしょう、豪の者の血筋なんて汚らわしい。」
周りで見ていた、オースト国の子女達は。大人の教師が言っている事に『そうなんだ。』と、蔑んだ目で見始める。
「これで、解ったで」
「お黙りなさい。」
セルビアは、教師の言葉を遮る。手を、握り締めた。
「私は、セルビア・ランドール。ランドール公爵令嬢です。貴方に、そのような事を言われる筋合いは在りません。」
セルビアは、凛とした態度で教師を睨んだ。
「私は、貴方たちの立場を解って貰うために。」
教師は、セルビアの圧力に戸惑う。
「私的の事を、貴方に言われる筋合いはないと言っているのです。」
セルビアは、首を振った。
「いいえ、婚姻に関しては公的な事。それに意を唱えるなら、王家に意を唱えると思って良いのですね。」
「そ、それは。」
教師は、押し黙った。
「私は、ランドール公爵の娘セルビア。私に、意見を述べられる者は。私と同等の爵位を持つ、公爵か王族の者だけです。」
セルビアは、周りのオースト国の子女達を見回した。
「私は、教師として。」
「立場を、弁えなさい。」
セルビアは、強い口調で、
「教師でも、踏み込んではいけない処を 弁えろと言ってるのです。」
言った。
「それでは、これで失礼します。皆様、行きましょう。」
セルビアは、後にいる令嬢達と周りに居る豪の貴族達を見る。ゆっくりと、歩き出す。その背に。
「名ばかりの公爵の、癖に。」
悔しそうに、教師は呟いた。セルビアは、振り向き。
「名ばかりでも、公爵は公爵。意が在るのなら、王家に直接 意を唱えなさい。」
そう言って、セルビアは踵を返した。その後を、令嬢達が追いかける。
セルビアは、女王前として歩き続ける。
(私が、皆を。豪の者達を護らなくては。)
セルビアは、唇を噛み締めた。
(泣かない、決して泣かない。泣くものか。)
豪の者達の為にも、公爵の地位を。名ばかりの王妃でも、その地位を手に入れなくてはならないと心に誓うセルビアであった。
21
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる