悪役令嬢の弟。

❄️冬は つとめて

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最終学期。

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短い冬休みが、終わり。
最終学期が、始まった。
何時もの様に、忙しい時を狙って 令嬢達は王太子達に 挨拶に出向く。
この頃になって令嬢達は、セルビィが気を使って 王太子達に合わせない様 取り計らってくれている事に気づく。

そして、何時もながら 学園のカフェテラス(内)で、放課後のお茶会をする令嬢達。既に此処は、令嬢達の集合場所に成っていた。
朝の挨拶、昼の食事、放課後のお茶会。ルーチンの様に、なっている。
「流石、セルビィ君。」
「頭が、良いですわ。」
「楽しい学年、でしたわ。」
「うん。」
しみじみと、振り返る。
気に入られる事は、諦めていた。でも、歩み寄りはしたかった。セルビィが入園して来てからは、挨拶だけは 普通に出来るようになった。
「今まで、グイグイ行き過ぎていたのかも。」
セルビアが、反省する。
「そうですね。」
アイリーンが、頷く。
「いい、距離感ですわね。」
テレジアが、応えた。
「この距離感を、大切にしましょう。」
リリアナが、確信する。令嬢達は、頷き合った。
「「「「どうでもいい、距離感ね。」」」」
セルビィが、教えてくれた。嫌う事も 好かれる事も 無い。相手の事を何とも思わない『どうでもいい』距離。令嬢達は、其れを此からも 大切にしようと思った。
此は、政略結婚。豪の護りの力を繋ぎ止める為の、婚姻。昔、女性教師に言われた様に 子供は望めない。白い結婚。
ならば、王妃としての地位を 公爵妃の地位を利用して、豪の者の待遇を改善する事だけに慢心する事にしょうと考えた。
『どうでもいい、距離。』即ち、好きにならないし 嫌いにならない。感情は、いらない。
「良い天気ね、オホホ。」
「そうですわね。オホホ。」
「「では、また。」」
の挨拶だけの距離。
令嬢達は、肩の荷が降りた様に 清々しかった。


令嬢達は、お茶とお菓子とたわいのない話で 時間を潰す。

「ところで、セルビィ君。この頃、女の子を目で追ってるよね。」
「えっ!! 」
リリアナの言葉に、セルビアが目を見開いた。
「そうですわ、気づきまして。」
「ふふっ、セルビィ君も お年頃 ですものね。」
アイリーン頷くと、テレジアが意味ありげに 笑う。

「い、いやーーー!! 」
セルビアが、悲鳴を上げた。
放課後のカフェテラス(内)に、女性の悲鳴が響き渡った。


そして、その頃。
何時もながら、生徒会室の近くの一室。
「で、セルビィが 女の子をよく見てるんだ。」
何時もながらに、茶を入れる ナルト。
「貴様、護衛はどうした。」
ナルトは、茶を差し出す。
「セルビィは、アホ様の所だ。」
ビウェルは、茶を受け取った。
「で、セルビィが 女の子を見ているんだ。」
「其れは、聞いた。」
「あの、セルビィが だぞ。」
机に手を付いて、体を被せ気味に言う。
「セルビィ様とて、年頃だ。女性を思う事も あるだろう。」
目を瞑り、茶を飲みながら言った。
「あの『コウノトリ』の、セルビィ だぞ。」
「だが、真実を知ったのだろう。」
下から見上げる。
「ああ、最悪な方法で。」
「最悪? 」
聞き返したビウェルに、何故か小声でこっそりと、
「男色の物語で だ。」
耳元で話した。
「だん!! 」
一瞬、驚き 小声で
「男色の物語だと? 」
ビウェルは、聞き返した。
「何故また、そんな事が。」
「其れは、武士の情けで 言えない。」
ナルトは、体を起き上がらせた。そのまま、ソファに戻って座り 茶を飲む。
「よかったではないか。男色に、目覚めなくて。」
「其れは、そうなんだけど な。」
腕を組んで、悩む。
「何だ? まだ 何か、気になる事でも。」
ナルトの態度に、ビウェルは気になった。
「彼奴、解ってないと 思う。」
「 ? 」
ビウェルは、首を傾げた。
「いや、理解はしている。だが、心情的と言うか 感情的と言うか こう。」
云いたい事が、上手く言えない。
「心情的? 感情的? 」
ナルトは、頭を掻き乱す。
「彼奴 男女間の行為を、生殖活動と 言いやがる。」
「其れは、身も蓋もない
な。」
「だろ。」
ビウェルが、呆然と応えるとナルトが速攻で頷く。
「セルビィに、恋愛感情が解っているか。」
天上を見上げる。
「令嬢達に、あれ程 愛情を注いでいるのにか? 」
「あれは、愛情と言うより愛着だ。他の者に取られなくない、餓鬼の。」
「其れで、国を滅ぼされては堪らんな。」
ビウェルは、呆れた顔をした。
「滅ぼしてないだろ? 見限るだけだ。」
「屁理屈を。」
豪の者の護りが無くなれば、特に隣の帝国は喜んで攻めて来るだろう。
「見限り仲間だろ。」
「殆ど、強制だった。」
「諦めろ、セルビィに気に入られた時から。恨むなら、優秀な自分を恨め。」
ナルトは、親指を立てる。ビウェルは、溜息を付いた。
「俺が、言いたいのは。感情無く、本能のまま動く。セルビィがゲスな男に 成らないか心配でな。」
「セルビィ様には、本能とかゲスとか 合わない言葉だな。」
「何、言っている。彼奴は、餓鬼の本能 剥き出しだろう。」

『姉様達は、誰にもあげません。べーぇ。』

令嬢達に抱きついて、舌を出すセルビィが目に 浮かぶ。ビウェルは、頭を振った。
「確かに。」
その所為で、国が滅ぶ。
餓鬼の我が儘、怖ろしい。
(いや、彼が 怖ろしいのか。普通とは、違う。)
ビウェルは、身震いした。
「数年したら、彼方此方にセルビィの落とし胤が出て来たら・・・。」
セルビィの多数のコピーを連想して、身震いする二人。
「飛躍、し過ぎだろ。」
「いや、分からないぞ。彼奴は、ムッツリかも 知れない。」

「誰が、むっつり 何ですか? 」
二人しかいない部屋に、声がする。二人は、驚いた。
ビウェルの鞄を漁っている、セルビィがいた。
「何が、むっつり 何ですか? 」
お目当てのお菓子を見つけ、満足げに微笑みながら聞いてくる。
「ムッツリなんて、言ってないぞ。ムッツ リンゴが あったと、言ったんだ。」
汗を流しながら、ナルトは誤魔化した。
「六つ、りんご? 」
セルビィは、首を傾げた。
「よし、茶 入れるか。」
ナルトは、立ち上がった。
「セルビィ、飲むか? 」
「お願いします。」
「ビウェルは? 」
「頼む。」
そそくさと、茶を入れに行く。茶を入れて、皆に配り ソファに座る。
落ち着いて、茶を飲む。

「ビウェル様。」
セルビィが、声を掛ける。
二人は、気にせず静かに 茶を飲む。

「女性を、紹介してくれませんか? 四人ほど。」

「「ブーーーッ!! 」」

ナルトとビウェルは、茶を全て 吹き出した。
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