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リリアナの婚約。
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卒業式が終わりセルビア達は直ぐにオースト国を後にした。空は晴れ、雲ひとつない快晴。昼近くになると遠くの方に土煙が上がっているのに誰かが気づいた。多くの騎士がセルビアの荷馬車の小隊に近づいてくる。
急に馬車のスピードがあがった。
「何!? 」
「急にスピードが!? 」
「まさか、追って!? 」
「そんな……。」
窓を塞がれているセルビア達の乗る馬車では外の様子は見えない。急に早くなった馬車と、数多くの馬の蹄の音が、鎧の軋めくが響いてくる。
セルビア達は、馬車の中で不安に苛まれ震えていた。
「セルビィは、無事なの……。」
「「「セルビア!! 」」」
自分達を逃がすためにオースト国に残った弟をセルビア達は心配していた。
馬車が止まり、塞いでいた窓を剥がす音がする。セルビア達は絶望で震えた。
「追っ手が掛かったと言う事は、策戦がバレのね。」
「セルビィ君は、捕まってしまったの? 」
「ああ、セルビィ!! 」
「しっかりして、セルビア。」
意を決したようにリリアナが声をかける。
「ここは私が隙を作るから、みんなは逃げて。」
「「「分かったわ。」」」
三人は頷いた。逃げるのは無理だと分かっていても、一分でも一秒でも逃げる気持ちを諦めることは出来なかった。みんなの努力を踏みにじる事は出来なかった。
一番最初に覗き込んだ男にリリアナが顔面目掛けて蹴りを入れようと。その足首を取られた。
「手荒い歓迎だな、令嬢達。」
雄々しい赤い髪を靡かせて、リオルが声をかけた。
「リリアナ!! 」
リオルの後からリリアナの父ファイア伯爵が顔を覗かせた。
「お父様!! 」
その後に、メラルドメシスト伯爵達も顔もある。
「「お父様!? 」」
令嬢達は三人の顔を見て安心をした、リオルがリリアナの足を放す。
「白かな? 」
いらないひと言をリオルは言った。
「きゃあぁぁぁ!! 変態!! 」
『バチーーン!! 』と、リリアナはリオルに平手打ちを食らわせた。
くっきりと、頬に手の型が残る。
「酷い!! もう、お嫁に行けない!! 」
リリアナは叫んだ。令嬢達は動きやすい学生服のままだった、その短めのスカートで蹴りを繰り出したのでスカートの中身がリオルに見えてしまった。リオルは墓穴を掘った。
「デリカシーがないですわ!! 」
「女性の下着の色を言うなんて!! 」
「どう責任を取るつもりです!! 」
リオルは令嬢達に責められる。
「お父様、もうリリアナはお嫁に行けません。」
リリアナは父親に縋り付いた。
「父としては嬉しいが。だが孫は見たい。」
ファイア伯爵は娘を抱き締めた。
「どう責任を取ってくれるのですか? リオル殿!! 」
「同じ娘を持つ者としてして、これは許せません!! 」
「責任を取りなさい、男として!! リオル殿!! 」
リオルは、伯爵達にも責められる。
「えっ? ええーーっ!! 」
リオルはオロオロと助けを求めて、ロレンスを見る。ロレンスは首を振った。今この状態で、助ける統べは無い。
「あら~。リオル様、これは男として責任を取るべきよ~。女性を辱めたんだから~。」
「うっ!! 」
自分の処のマンガン将軍にも追求される。皆に追求されて、リオルは逃げることが出来なかった。
「……令嬢が、よいのなら……。俺が責任を取らせて貰うが……。」
リオルはヤケクソで言った。
「「「それでこそ、漢だ。リオル殿!! 」」」
伯爵達が称賛する。
「よかったわね、リリアナ。」
「これで、お嫁さんになれるわ。」
「おめでとう、リリアナ。」
「うん、グスッ。ありがとう。」
令嬢達はリリアナを祝福した。
ここにリリアナの下着を見たことで、責任を取らされたリオルとリリアナの婚約が決定した。
「もう~!! 婚約者が出来たなら~あたし、リオル様のこと諦める~。」
「マジ!? 本当か? 」
「相手がいる者に手を出さない。これ常識~なんだから~。もう~。」
ぷんすか怒りながらマンガン将軍は言った。リオルはリリアナの手を取った。熱い目で見る。
「リリアナ。君は俺の天使だ。」
「……リオル様。」
リリアナはリオルを見る。リオルの頬には先程平手打ちをした手がくっきりと残っている。
「ごめんなさい……。痛かったでしょう。」
「これくらい、蚊に様なものだ。」
リオルは雄々しく笑った。
周りから拍手があがる。
「「「よかったわね。おめでとう、リリアナ。」」」
「「「おめでとうごさいます。リオル様!! 」」」
直ぐにでも戦が始まる殺伐とした中、その場の者はひと時の安らぎを感じていた。
『相手がいる者には手を出さない。』
マンガン将軍の言葉にロレンスとロビンはいいことを聞いたと、胸を撫で下ろした。
しかし、急展開なリリアナとリオルの婚約。ロビンは顔を青ざめた。
(これは絶対セルビィには知られてはならない。事が終わるまで、絶対。)
で、無ければどさくさに紛れてリオルの命が危ない。この独立宣言も路頭に終わるかも知れない。
(このことは、絶対知られてはならない。セルビィだけには……。)
なんとしてでも、この婚約を事が終わるまで秘密にしなければと心に誓うロビンであった。
空はロビンの心とは違って晴れ渡っていた。
急に馬車のスピードがあがった。
「何!? 」
「急にスピードが!? 」
「まさか、追って!? 」
「そんな……。」
窓を塞がれているセルビア達の乗る馬車では外の様子は見えない。急に早くなった馬車と、数多くの馬の蹄の音が、鎧の軋めくが響いてくる。
セルビア達は、馬車の中で不安に苛まれ震えていた。
「セルビィは、無事なの……。」
「「「セルビア!! 」」」
自分達を逃がすためにオースト国に残った弟をセルビア達は心配していた。
馬車が止まり、塞いでいた窓を剥がす音がする。セルビア達は絶望で震えた。
「追っ手が掛かったと言う事は、策戦がバレのね。」
「セルビィ君は、捕まってしまったの? 」
「ああ、セルビィ!! 」
「しっかりして、セルビア。」
意を決したようにリリアナが声をかける。
「ここは私が隙を作るから、みんなは逃げて。」
「「「分かったわ。」」」
三人は頷いた。逃げるのは無理だと分かっていても、一分でも一秒でも逃げる気持ちを諦めることは出来なかった。みんなの努力を踏みにじる事は出来なかった。
一番最初に覗き込んだ男にリリアナが顔面目掛けて蹴りを入れようと。その足首を取られた。
「手荒い歓迎だな、令嬢達。」
雄々しい赤い髪を靡かせて、リオルが声をかけた。
「リリアナ!! 」
リオルの後からリリアナの父ファイア伯爵が顔を覗かせた。
「お父様!! 」
その後に、メラルドメシスト伯爵達も顔もある。
「「お父様!? 」」
令嬢達は三人の顔を見て安心をした、リオルがリリアナの足を放す。
「白かな? 」
いらないひと言をリオルは言った。
「きゃあぁぁぁ!! 変態!! 」
『バチーーン!! 』と、リリアナはリオルに平手打ちを食らわせた。
くっきりと、頬に手の型が残る。
「酷い!! もう、お嫁に行けない!! 」
リリアナは叫んだ。令嬢達は動きやすい学生服のままだった、その短めのスカートで蹴りを繰り出したのでスカートの中身がリオルに見えてしまった。リオルは墓穴を掘った。
「デリカシーがないですわ!! 」
「女性の下着の色を言うなんて!! 」
「どう責任を取るつもりです!! 」
リオルは令嬢達に責められる。
「お父様、もうリリアナはお嫁に行けません。」
リリアナは父親に縋り付いた。
「父としては嬉しいが。だが孫は見たい。」
ファイア伯爵は娘を抱き締めた。
「どう責任を取ってくれるのですか? リオル殿!! 」
「同じ娘を持つ者としてして、これは許せません!! 」
「責任を取りなさい、男として!! リオル殿!! 」
リオルは、伯爵達にも責められる。
「えっ? ええーーっ!! 」
リオルはオロオロと助けを求めて、ロレンスを見る。ロレンスは首を振った。今この状態で、助ける統べは無い。
「あら~。リオル様、これは男として責任を取るべきよ~。女性を辱めたんだから~。」
「うっ!! 」
自分の処のマンガン将軍にも追求される。皆に追求されて、リオルは逃げることが出来なかった。
「……令嬢が、よいのなら……。俺が責任を取らせて貰うが……。」
リオルはヤケクソで言った。
「「「それでこそ、漢だ。リオル殿!! 」」」
伯爵達が称賛する。
「よかったわね、リリアナ。」
「これで、お嫁さんになれるわ。」
「おめでとう、リリアナ。」
「うん、グスッ。ありがとう。」
令嬢達はリリアナを祝福した。
ここにリリアナの下着を見たことで、責任を取らされたリオルとリリアナの婚約が決定した。
「もう~!! 婚約者が出来たなら~あたし、リオル様のこと諦める~。」
「マジ!? 本当か? 」
「相手がいる者に手を出さない。これ常識~なんだから~。もう~。」
ぷんすか怒りながらマンガン将軍は言った。リオルはリリアナの手を取った。熱い目で見る。
「リリアナ。君は俺の天使だ。」
「……リオル様。」
リリアナはリオルを見る。リオルの頬には先程平手打ちをした手がくっきりと残っている。
「ごめんなさい……。痛かったでしょう。」
「これくらい、蚊に様なものだ。」
リオルは雄々しく笑った。
周りから拍手があがる。
「「「よかったわね。おめでとう、リリアナ。」」」
「「「おめでとうごさいます。リオル様!! 」」」
直ぐにでも戦が始まる殺伐とした中、その場の者はひと時の安らぎを感じていた。
『相手がいる者には手を出さない。』
マンガン将軍の言葉にロレンスとロビンはいいことを聞いたと、胸を撫で下ろした。
しかし、急展開なリリアナとリオルの婚約。ロビンは顔を青ざめた。
(これは絶対セルビィには知られてはならない。事が終わるまで、絶対。)
で、無ければどさくさに紛れてリオルの命が危ない。この独立宣言も路頭に終わるかも知れない。
(このことは、絶対知られてはならない。セルビィだけには……。)
なんとしてでも、この婚約を事が終わるまで秘密にしなければと心に誓うロビンであった。
空はロビンの心とは違って晴れ渡っていた。
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