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十二月 戦争。
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イリギス国が、カメリア帝国への軍行を開始した事は直ぐに帝国に伝わった。
「皇帝陛下!! イリギス国が、カメリア帝国へと執兵致しました!! 」
「何だと!? 」
「このままではイリギス国に、後ろを取られます。」
ベルハルト国への戦法を議論していた、軍議室にその一報は届けられる。
カメリア帝国が皇帝は、唸った。
「イリギスは、ベルハルト国に打って出るのではなかったのか!? 」
皇帝は、机を叩きつけ立ち上がる。イリギス国が、ベルハルト国へと軍を動かそうとしている情報を帝国は手に入れていた。だからこそ、取られまいとベルハルト国に宣戦布告をしたのだ。
「おのれ、ダウロンめ。裏を書いたか!! 」
カメリア帝国皇帝バビロンは、苦虫をかみつぶした様に顔をしかめた。
「ベルハルト国には少数を残し、イリギスの軍勢に当たらせろ!! 」
皇帝の命令は直ぐさま、軍勢にもたらされる。帝国の軍勢は、後ろを取られまいと直ぐに踵を返して対処にあたる。
カメリア帝国は、ベルハルト国への宣戦布告の数日後。イリギス国との戦争が始まった。
元々、一気にベルハルト国を取ろう軍勢を用意していた両国は戦力大差なくぶっかった。何時もの小競り合いではなく。その争いは、血で血を洗う激戦となった。
ベルハルト国から小高い丘を越えた、荒野。カメリア帝国とイリギス国との間の国境沿いの無法地帯の荒野。今 その場所で、両国は積年の戦の決着を付けようとしていた。大地を血に染め、遺体が転がるなか。大国同士は、ただただ消耗戦に成っていた。
次々と、軍勢の数が減っていく。カメリア帝国が軍を引こうとしても、イリギス国の軍は追い掛けてくる。そして、対峙すれば又も両国共 軍勢を減らす。
イリギス国の兵士達は、王命に寄って軍を引くことは出来ず。ただただ、消耗戦を繰り返す。
その戦は、休むこと無く一ヶ月は続いた。カメリア帝国の兵士もイリギス国の兵士も、精も根も尽き果て命すら尽き果てて行った。
その戦を、丘の上から見る者がいた。白金の髪を靡かせる、王子クラウス。その目は、氷の瞳の色に相応しく冷たいものであった。
『氷の王子』の名の如く。
「皇帝の首を取りに、行く。」
静かに、クラウスは言った。
「ダイクン候、連絡を待て。」
「はっ。」
共に丘の上から、消耗戦を見ていた総軍指揮のエドガーが返事をする。クラウスは、馬を操りベルハルト国へと戻る。その後に、ベクトル領の騎士達が従う。精鋭の騎士、五人が。
エドガーはクラウスを見送り、もう一度戦場を見る。死体が積み重なった、大地を。
「共食いをさせたか、王子クラウス。なんと、末恐ろしい。」
空からは、白い物が降り始めていた。ここ最近、寒さが強くなっていた。それも、戦場で戦う兵士達の体力を奪っている。
エドガーは、身を震わせた。
寒さに寄るものか、王子に寄るものか解らない。
「哀れな者だな。」
イリギス国の兵士を見て、思った。ダウロン王の命と思って、戦っている兵士達を。既にいない、王の為に命を掛ける兵士達を。
そして、死に急ぐ王子クラウスの事を。死に急いだ親友アルベルトの事を。
「アルベルト。」
エドガーは、雪の降る空を見た。
「お前は、満足か? 」
雪が、エドガーの頬で溶けていく。まるで、涙の様に頬を伝う。
「ばか野郎が。」
馬の手綱を引き、走らせる。
エドガーは、もう 振り向くことはなかった。
「皇帝陛下!! イリギス国が、カメリア帝国へと執兵致しました!! 」
「何だと!? 」
「このままではイリギス国に、後ろを取られます。」
ベルハルト国への戦法を議論していた、軍議室にその一報は届けられる。
カメリア帝国が皇帝は、唸った。
「イリギスは、ベルハルト国に打って出るのではなかったのか!? 」
皇帝は、机を叩きつけ立ち上がる。イリギス国が、ベルハルト国へと軍を動かそうとしている情報を帝国は手に入れていた。だからこそ、取られまいとベルハルト国に宣戦布告をしたのだ。
「おのれ、ダウロンめ。裏を書いたか!! 」
カメリア帝国皇帝バビロンは、苦虫をかみつぶした様に顔をしかめた。
「ベルハルト国には少数を残し、イリギスの軍勢に当たらせろ!! 」
皇帝の命令は直ぐさま、軍勢にもたらされる。帝国の軍勢は、後ろを取られまいと直ぐに踵を返して対処にあたる。
カメリア帝国は、ベルハルト国への宣戦布告の数日後。イリギス国との戦争が始まった。
元々、一気にベルハルト国を取ろう軍勢を用意していた両国は戦力大差なくぶっかった。何時もの小競り合いではなく。その争いは、血で血を洗う激戦となった。
ベルハルト国から小高い丘を越えた、荒野。カメリア帝国とイリギス国との間の国境沿いの無法地帯の荒野。今 その場所で、両国は積年の戦の決着を付けようとしていた。大地を血に染め、遺体が転がるなか。大国同士は、ただただ消耗戦に成っていた。
次々と、軍勢の数が減っていく。カメリア帝国が軍を引こうとしても、イリギス国の軍は追い掛けてくる。そして、対峙すれば又も両国共 軍勢を減らす。
イリギス国の兵士達は、王命に寄って軍を引くことは出来ず。ただただ、消耗戦を繰り返す。
その戦は、休むこと無く一ヶ月は続いた。カメリア帝国の兵士もイリギス国の兵士も、精も根も尽き果て命すら尽き果てて行った。
その戦を、丘の上から見る者がいた。白金の髪を靡かせる、王子クラウス。その目は、氷の瞳の色に相応しく冷たいものであった。
『氷の王子』の名の如く。
「皇帝の首を取りに、行く。」
静かに、クラウスは言った。
「ダイクン候、連絡を待て。」
「はっ。」
共に丘の上から、消耗戦を見ていた総軍指揮のエドガーが返事をする。クラウスは、馬を操りベルハルト国へと戻る。その後に、ベクトル領の騎士達が従う。精鋭の騎士、五人が。
エドガーはクラウスを見送り、もう一度戦場を見る。死体が積み重なった、大地を。
「共食いをさせたか、王子クラウス。なんと、末恐ろしい。」
空からは、白い物が降り始めていた。ここ最近、寒さが強くなっていた。それも、戦場で戦う兵士達の体力を奪っている。
エドガーは、身を震わせた。
寒さに寄るものか、王子に寄るものか解らない。
「哀れな者だな。」
イリギス国の兵士を見て、思った。ダウロン王の命と思って、戦っている兵士達を。既にいない、王の為に命を掛ける兵士達を。
そして、死に急ぐ王子クラウスの事を。死に急いだ親友アルベルトの事を。
「アルベルト。」
エドガーは、雪の降る空を見た。
「お前は、満足か? 」
雪が、エドガーの頬で溶けていく。まるで、涙の様に頬を伝う。
「ばか野郎が。」
馬の手綱を引き、走らせる。
エドガーは、もう 振り向くことはなかった。
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