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ああ、そうだな。
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「クリスタル・ルイロデール公爵令嬢、あなたとの婚約を解消する。」
それは卒業式の後の舞踏会の事だ。婚約の解消を言い渡す現場を見て、儂は思い出した。娘が嗜んでいた乙女ゲームと言うものを。儂の前世の馬鹿息子が部屋中に張っていた写真は確かにクリスタル嬢の姿であった。
「馬鹿息子が。」
つい声が出た。隣を見ると妃が微笑んでいる、この微笑みは結構恐い。きっと儂が、クリスタル嬢に婚約解消を言い出したシャンパーニュの事を怒っていると思ってくれてるだろう。確かに馬鹿だな、クリスタル嬢のように完璧な令嬢は他にはいない。前世の息子は居もしない女性を思い続ける馬鹿だった。仕事は出来たが、馬鹿な奴だった。今世の息子も馬鹿なのか? 王子として厳しく鍛えた積もりだったが。
「ルイロデール公爵令嬢、貴方はカロン・セギュール子爵令嬢に嫉妬し、地位が低いと虐め辱めた。」
確か彼奴は宰相の息子のブリュットだな。カロン・セギュール子爵令嬢とは誰だ?
「あなたがカロン令嬢を階段から突き落とし怪我をさせたのは分かっている。」
シャンドン公爵家のグラード令息か。それで、カロン令嬢とは?
「グラードさま、ブリュットさま。私が悪いのです。クリスタル様を責めないで、私がシャンパーニュさまを愛してしまったから。」
この令嬢がカロン子爵令嬢か。息子を愛したからと言って、如何したと言うのだ?
「ああカロン、君はなんて優しいんだ。」
「カナールさま。」
ルイロデール公爵令息のカナール令か。ん? 何を見詰め合っている、二人は恋人か? 先程その令嬢はシャンパーニュを愛してると言わなかったか? 何故手を取って見つめ合っているのだ? 其方には婚約者がいたはずだが? 他の者にも婚約者がいたはずだ。
「クリスタル!! お前は到底この国の国母には相応しくない!! 」
何を言っておる、カナール令息。クリスタル嬢は其方の妹ではなかったのか?
「この国の国母には心優しいカロン・セギュール子爵令嬢が相応しい!! 」
はぁ!? 如何した頭でも奇知がえたか? 何故其方が、国の国母になる者を選んでおる? 既にクリスタル嬢が、シャンパーニュの妃になると決まっておる。
「「そうだ、国母にはカロン・セギュール子爵令嬢が相応しい!! 」」
「そんな、私なんか……。」
如何した!? 其方ら可笑しいぞ、国の事は儂が決める。そんな見も知らぬ令嬢を勝手に国の国母にするな!!
「ふふふっ。」
妃が笑っておる、恐ろしい。
そう言えば前世の娘が『全キャラコンプリート!! 』と、叫んでいたな。どう言う事かと聞いたら『ハーレムよ。みんな攻略しちゃった。』と言っておった。つまりは、令息達はあの令嬢に現を抜かしていると言う事だな。
「さあ、シャンパーニュ殿下!! 貴方からも言ってやって下さい!! 」
「この国の国母に相応しいのはカロン子爵令嬢だと。」
「そうです、この愚かな妹クリスタルにはっきり言ってやって下さい。カロン子爵令嬢をシャンパーニュ殿下の婚約者にすると!! 」
「シャンパーニュさま。」
まさかシャンパーニュ、お前もこの令嬢に現を抜かしているのか? だからクリスタル嬢と婚約を解消したのか? だとしたら考えねばならん。
これなら居もしない女性を一途に思い続ける、前世の馬鹿息子の方がマシであるぞ。
それは卒業式の後の舞踏会の事だ。婚約の解消を言い渡す現場を見て、儂は思い出した。娘が嗜んでいた乙女ゲームと言うものを。儂の前世の馬鹿息子が部屋中に張っていた写真は確かにクリスタル嬢の姿であった。
「馬鹿息子が。」
つい声が出た。隣を見ると妃が微笑んでいる、この微笑みは結構恐い。きっと儂が、クリスタル嬢に婚約解消を言い出したシャンパーニュの事を怒っていると思ってくれてるだろう。確かに馬鹿だな、クリスタル嬢のように完璧な令嬢は他にはいない。前世の息子は居もしない女性を思い続ける馬鹿だった。仕事は出来たが、馬鹿な奴だった。今世の息子も馬鹿なのか? 王子として厳しく鍛えた積もりだったが。
「ルイロデール公爵令嬢、貴方はカロン・セギュール子爵令嬢に嫉妬し、地位が低いと虐め辱めた。」
確か彼奴は宰相の息子のブリュットだな。カロン・セギュール子爵令嬢とは誰だ?
「あなたがカロン令嬢を階段から突き落とし怪我をさせたのは分かっている。」
シャンドン公爵家のグラード令息か。それで、カロン令嬢とは?
「グラードさま、ブリュットさま。私が悪いのです。クリスタル様を責めないで、私がシャンパーニュさまを愛してしまったから。」
この令嬢がカロン子爵令嬢か。息子を愛したからと言って、如何したと言うのだ?
「ああカロン、君はなんて優しいんだ。」
「カナールさま。」
ルイロデール公爵令息のカナール令か。ん? 何を見詰め合っている、二人は恋人か? 先程その令嬢はシャンパーニュを愛してると言わなかったか? 何故手を取って見つめ合っているのだ? 其方には婚約者がいたはずだが? 他の者にも婚約者がいたはずだ。
「クリスタル!! お前は到底この国の国母には相応しくない!! 」
何を言っておる、カナール令息。クリスタル嬢は其方の妹ではなかったのか?
「この国の国母には心優しいカロン・セギュール子爵令嬢が相応しい!! 」
はぁ!? 如何した頭でも奇知がえたか? 何故其方が、国の国母になる者を選んでおる? 既にクリスタル嬢が、シャンパーニュの妃になると決まっておる。
「「そうだ、国母にはカロン・セギュール子爵令嬢が相応しい!! 」」
「そんな、私なんか……。」
如何した!? 其方ら可笑しいぞ、国の事は儂が決める。そんな見も知らぬ令嬢を勝手に国の国母にするな!!
「ふふふっ。」
妃が笑っておる、恐ろしい。
そう言えば前世の娘が『全キャラコンプリート!! 』と、叫んでいたな。どう言う事かと聞いたら『ハーレムよ。みんな攻略しちゃった。』と言っておった。つまりは、令息達はあの令嬢に現を抜かしていると言う事だな。
「さあ、シャンパーニュ殿下!! 貴方からも言ってやって下さい!! 」
「この国の国母に相応しいのはカロン子爵令嬢だと。」
「そうです、この愚かな妹クリスタルにはっきり言ってやって下さい。カロン子爵令嬢をシャンパーニュ殿下の婚約者にすると!! 」
「シャンパーニュさま。」
まさかシャンパーニュ、お前もこの令嬢に現を抜かしているのか? だからクリスタル嬢と婚約を解消したのか? だとしたら考えねばならん。
これなら居もしない女性を一途に思い続ける、前世の馬鹿息子の方がマシであるぞ。
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