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楽しい旅行。
喧嘩と火事は江戸の華。
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少し前。
「助けて!! 丘の下でチンピラに絡まれてる人がいるの!! 」
「警邏隊を呼んでくれ!! 」
商店街に駆け込んできたのは、丘の下、船着場で寄り添っていたカップル達だ。関わり合いになりたくないが、助けを呼ばない事はない。
「早く呼んで!! 」
「助けてやってくれ!! 」
顔色を変えて、走り込んでくる。
「チンピラ? 」
商店街の出店の前で、リョウは振り向いた。右手にはフランクフルト左手には串カツ、口にはチョコバナナを咥えている。
「絡まれている? 」
同じく振り向いたシエリア、右手にシュワシュワジュースに左手に焼きとうもろこし、口にはフライドチキンを咥えている。
二人はそそくさとそれを食べきる。ゴミはゴミ箱に入れて、騒ぎになっている商店街から
「きゃぁ~~!! 喧嘩よ~~!! 」
「ケンカだ、ケンカだーー!! 」
と、嬉しそうに商店街から走り出していた。
「エリシア、大丈夫か!! 」
恐怖で縮こまっているエリシアに声をかける、男性。
「私のエリシアに、何てことをしているのこのクズ!! 」
扇で弾き飛ばしたチンピラを踏みつける女性。何度も何度も踏みつける。
「エドワード君は何処だ!! 何故、傍にいない!! 」
男性は殺気を込めて声に出す。
「エドワード様…… 」
聞き慣れた声と、エドワードの名前にエリシアは顔をあげる。
「大丈夫か? エリシア。」
優しい声と、心配そうな顔。
「お父様…… 」
「大丈夫かしら? エリシア。」
優しい声と心配そうな顔。しかし、足元に血祭りにあげたチンピラが転がる。
「お母様…… 」
ふっと、安心して力が抜けるが次の瞬間エリシアは叫んだ。
「お母様!! エドワード様を助けて!! 」
決してお父様とは言わない、戦闘力は母の方が有るとエリシアは知っていたから。
その頃、エドワードはエリシアの事を心配しつつ目の前のチンピラ達と対峙していた。相手は戦力外のヨナンを外して、五人との戦いである。連携して殴って来る相手を避けながら何とか一人を伸す。
後四人。エドワードも相手からダメージを受けながらも、早くこの場から離れてエリシアを追いかけたかった。
(エリシア、無事でいてくれ!! )
「何をしている!! さっさと倒せ!! 」
ヨナンの声にチンピラ達が一斉にエドワードに襲いかかった。
「ラ○ダーキック!! 」
一人のチンピラの腹に蹴りが入り吹っ飛んだ。
「シエリアキックーー!! 」
ふわりとしたスカートから繰り出されるしなやかな足が、チンピラの横脇腹を捉える。
美しい回し蹴りだ。
「リョウ、シエリア嬢!! 」
エドワードは声をあげた。
「僕の同僚に、何をしゃがる・てゃんでい!! 」
「シアは何処!? 義理兄さま!! 」
二人はエドワードの側に立った。
「エリシアは逃した。だが、1人後を追う者が…… 」
「なんですって!! 」
「なんだと!! 」
顔色を青くしたエドワードが、エリシアの事を話す。エリシアを心配したシエリアが丘の上を見ると其処に三人の姿が目に入った。
にやりとシエリアは笑う。
「シアは大丈夫よ。」
「本当か? 」
シエリアの言葉にエドワードは速攻で聞き返す。
「護られて、丘の上にいるわ。」
エドワードはシエリアの言葉に丘の上を見る。そこにはエリシアと、シュガレス夫妻。
「何故? 」
つい口から出てきた疑問。だが今はエリシアが護られている事に安心する。
「わたしの大切なシアを、金づるを傷つけた報いは受けてもらうわ。」
可憐に微笑むシエリア。
「喧嘩と火事は、江戸の華でい!! こちとら、江戸っ子でい!! 」
手の平で鼻を擦り上げるリョウ。
「そうだな、安心してボコれる。」
エドワードは拳を掴んで、鋭い目をチンピラ達に向けた。
転がっているチンピラ一人と、ダメージを負った二人。戦略外のヨナンと、後……
三人は、不敵にチンピラに笑いかけた。
「助けて!! 丘の下でチンピラに絡まれてる人がいるの!! 」
「警邏隊を呼んでくれ!! 」
商店街に駆け込んできたのは、丘の下、船着場で寄り添っていたカップル達だ。関わり合いになりたくないが、助けを呼ばない事はない。
「早く呼んで!! 」
「助けてやってくれ!! 」
顔色を変えて、走り込んでくる。
「チンピラ? 」
商店街の出店の前で、リョウは振り向いた。右手にはフランクフルト左手には串カツ、口にはチョコバナナを咥えている。
「絡まれている? 」
同じく振り向いたシエリア、右手にシュワシュワジュースに左手に焼きとうもろこし、口にはフライドチキンを咥えている。
二人はそそくさとそれを食べきる。ゴミはゴミ箱に入れて、騒ぎになっている商店街から
「きゃぁ~~!! 喧嘩よ~~!! 」
「ケンカだ、ケンカだーー!! 」
と、嬉しそうに商店街から走り出していた。
「エリシア、大丈夫か!! 」
恐怖で縮こまっているエリシアに声をかける、男性。
「私のエリシアに、何てことをしているのこのクズ!! 」
扇で弾き飛ばしたチンピラを踏みつける女性。何度も何度も踏みつける。
「エドワード君は何処だ!! 何故、傍にいない!! 」
男性は殺気を込めて声に出す。
「エドワード様…… 」
聞き慣れた声と、エドワードの名前にエリシアは顔をあげる。
「大丈夫か? エリシア。」
優しい声と、心配そうな顔。
「お父様…… 」
「大丈夫かしら? エリシア。」
優しい声と心配そうな顔。しかし、足元に血祭りにあげたチンピラが転がる。
「お母様…… 」
ふっと、安心して力が抜けるが次の瞬間エリシアは叫んだ。
「お母様!! エドワード様を助けて!! 」
決してお父様とは言わない、戦闘力は母の方が有るとエリシアは知っていたから。
その頃、エドワードはエリシアの事を心配しつつ目の前のチンピラ達と対峙していた。相手は戦力外のヨナンを外して、五人との戦いである。連携して殴って来る相手を避けながら何とか一人を伸す。
後四人。エドワードも相手からダメージを受けながらも、早くこの場から離れてエリシアを追いかけたかった。
(エリシア、無事でいてくれ!! )
「何をしている!! さっさと倒せ!! 」
ヨナンの声にチンピラ達が一斉にエドワードに襲いかかった。
「ラ○ダーキック!! 」
一人のチンピラの腹に蹴りが入り吹っ飛んだ。
「シエリアキックーー!! 」
ふわりとしたスカートから繰り出されるしなやかな足が、チンピラの横脇腹を捉える。
美しい回し蹴りだ。
「リョウ、シエリア嬢!! 」
エドワードは声をあげた。
「僕の同僚に、何をしゃがる・てゃんでい!! 」
「シアは何処!? 義理兄さま!! 」
二人はエドワードの側に立った。
「エリシアは逃した。だが、1人後を追う者が…… 」
「なんですって!! 」
「なんだと!! 」
顔色を青くしたエドワードが、エリシアの事を話す。エリシアを心配したシエリアが丘の上を見ると其処に三人の姿が目に入った。
にやりとシエリアは笑う。
「シアは大丈夫よ。」
「本当か? 」
シエリアの言葉にエドワードは速攻で聞き返す。
「護られて、丘の上にいるわ。」
エドワードはシエリアの言葉に丘の上を見る。そこにはエリシアと、シュガレス夫妻。
「何故? 」
つい口から出てきた疑問。だが今はエリシアが護られている事に安心する。
「わたしの大切なシアを、金づるを傷つけた報いは受けてもらうわ。」
可憐に微笑むシエリア。
「喧嘩と火事は、江戸の華でい!! こちとら、江戸っ子でい!! 」
手の平で鼻を擦り上げるリョウ。
「そうだな、安心してボコれる。」
エドワードは拳を掴んで、鋭い目をチンピラ達に向けた。
転がっているチンピラ一人と、ダメージを負った二人。戦略外のヨナンと、後……
三人は、不敵にチンピラに笑いかけた。
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