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雄叫び。
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汗だくになり、指はボロボロになってもリフィルの眠る棺は見つからなかった。
「リフィル、リフィル、何処だ!! 死してなお俺を拒むか!! 」
悲痛な声でリフターは叫ぶ。
「リフィル、リフィル、何処だ? 何処に行った? 此処にはいない、此処はいない。」
ぶつぶつと呟きながら歩く。土まみれの血まみれの状態で。
「何処だ? 何処に隠した。俺のリフィルを、愛しい娘を、」
狂人のように亡くなった娘を探して森を後にする。リフィルの事を知るはずの者の所へと歩く、リフィルの為に用意した屋敷へアニタの妹の所へ。
屋敷にたどり着くと、今から舞踏会に向かうために着飾ったアニタの妹とその娘アクネラを目にする。アクネラの着ているドレスに見覚えがあった。それはリフィルのために選んだ成人用のドレスであった。
「なぜ……それをお前が着ている。」
色はどぎつい赤であったが、間違いなくリフィルのために選んだ型のドレスである。美しい琥珀色で作るよう注文したものであった。
「それは、リフィルの……」
決して、色違いでも同じ物は作るなとその場にいたメイド長が念を入れて言っていたのを聞いている。そのために大金を積んだ。
「リフィルの成人のためのドレス、なぜお前が着ている!! 」
「伯父さま。これは……そう、形見に貰ったんですわ。」
リフターの形相に、愛想笑いをして取り繕う言葉を並べる。
「そんな色で注文していない。」
「オソロイの物を頼んだの。ねえ、お母さま。」
「ええ、そうですわ。リフィルとアクネラは仲がよく、オソロイの物を。」
二人は笑って誤魔化そうとする。
「同じ物は作るなと、大金を積んだ。」
リフターは二人を追い詰めるように、近づく。琥珀色の瞳は殺気を孕んでいる。
「その髪飾りは……」
リフターは、アニタの妹が着けている髪飾りに目が行く。その髪飾りにも見覚えがあった。
「こ、これは、リフィルが地味だからとわたしにくれたもの ぎゃあぁぁ!! 」
「お母さま!! 」
リフターは髪ごと髪飾りを毟り取った。
「これは俺がアニタに贈った、リフィルにとって大切なアニタの形見。」
弾かれて崩れ落ちた母親にアクネラは縋り付く。リフターの琥珀色の野獣の瞳が二人を見下ろした。
「あんた達も大変だな、あんな悪女のために。」
「悪女? 」
王都の西に位置する門、裏門と言われる場所で辺境の騎士たちは主を待っていた。
キャンベル伯爵家は王都の外れ、西門近くにあった。だが、王は辺境に住む者たちを恐れ王都に入るのをリフターだけにと定めていた。王は辺境に住む者を恐れ、下卑していた。
「王様に感謝するんだな、辺境伯にはなんの沙汰もないことを。」
「娘を裁いただけで、辺境伯まで責任を負わせなかった。」
西門の門番たちが、辺境の騎士に話しかける。
「まあ、聞くところには辺境伯も娘には手を焼いていたそうじゃないか。」
「ああ、悪女の娘がいなくなって清々しているんじゃないのか。」
ガラゲラと笑いながら、話しかけてくる。
「リフター様の娘? リフィル様。」
「ああ、そのリフィル。大罪を侵して裁かれた。」
「見ものだったな、引き回された上に絞首刑。オレもあの縄を引きたかったぜ。」
リフィルが疎まれていたと信じて疑わない、二人の門番。辺境の騎士の前でどれほど国民に嫌われていたが、どんな扱いで処刑されたかを笑いながら話している。
「我らが、姫を……」
辺境の騎士たちは、歯をギリギリと食いしばった。目に浮かぶのは愛らしいリフィル、幼き姫の姿。
「うおおおおおおおおお……」
その時、怒りの雄叫びが空に響き渡った。
「「「「うおおおおおお……」」」」
応えるように、その場の騎士たちも雄叫びを上げる。体中から怒りが湧き上がる。
「「「うおおおおおお……」」」
心の奥底から、殺意の衝動が止まらない。彼らの血が野獣の血が、リフターの雄叫びに同調する。
「なんだいったい!? 」
「どうしたんだ!! 」
門番は突然叫び出した辺境の騎士に度肝を抜かれる。辺境の騎士の目が、琥珀色の瞳は野獣のように夕闇を背に怪しく光って門番を見ていた。
「リフィル、リフィル、何処だ!! 死してなお俺を拒むか!! 」
悲痛な声でリフターは叫ぶ。
「リフィル、リフィル、何処だ? 何処に行った? 此処にはいない、此処はいない。」
ぶつぶつと呟きながら歩く。土まみれの血まみれの状態で。
「何処だ? 何処に隠した。俺のリフィルを、愛しい娘を、」
狂人のように亡くなった娘を探して森を後にする。リフィルの事を知るはずの者の所へと歩く、リフィルの為に用意した屋敷へアニタの妹の所へ。
屋敷にたどり着くと、今から舞踏会に向かうために着飾ったアニタの妹とその娘アクネラを目にする。アクネラの着ているドレスに見覚えがあった。それはリフィルのために選んだ成人用のドレスであった。
「なぜ……それをお前が着ている。」
色はどぎつい赤であったが、間違いなくリフィルのために選んだ型のドレスである。美しい琥珀色で作るよう注文したものであった。
「それは、リフィルの……」
決して、色違いでも同じ物は作るなとその場にいたメイド長が念を入れて言っていたのを聞いている。そのために大金を積んだ。
「リフィルの成人のためのドレス、なぜお前が着ている!! 」
「伯父さま。これは……そう、形見に貰ったんですわ。」
リフターの形相に、愛想笑いをして取り繕う言葉を並べる。
「そんな色で注文していない。」
「オソロイの物を頼んだの。ねえ、お母さま。」
「ええ、そうですわ。リフィルとアクネラは仲がよく、オソロイの物を。」
二人は笑って誤魔化そうとする。
「同じ物は作るなと、大金を積んだ。」
リフターは二人を追い詰めるように、近づく。琥珀色の瞳は殺気を孕んでいる。
「その髪飾りは……」
リフターは、アニタの妹が着けている髪飾りに目が行く。その髪飾りにも見覚えがあった。
「こ、これは、リフィルが地味だからとわたしにくれたもの ぎゃあぁぁ!! 」
「お母さま!! 」
リフターは髪ごと髪飾りを毟り取った。
「これは俺がアニタに贈った、リフィルにとって大切なアニタの形見。」
弾かれて崩れ落ちた母親にアクネラは縋り付く。リフターの琥珀色の野獣の瞳が二人を見下ろした。
「あんた達も大変だな、あんな悪女のために。」
「悪女? 」
王都の西に位置する門、裏門と言われる場所で辺境の騎士たちは主を待っていた。
キャンベル伯爵家は王都の外れ、西門近くにあった。だが、王は辺境に住む者たちを恐れ王都に入るのをリフターだけにと定めていた。王は辺境に住む者を恐れ、下卑していた。
「王様に感謝するんだな、辺境伯にはなんの沙汰もないことを。」
「娘を裁いただけで、辺境伯まで責任を負わせなかった。」
西門の門番たちが、辺境の騎士に話しかける。
「まあ、聞くところには辺境伯も娘には手を焼いていたそうじゃないか。」
「ああ、悪女の娘がいなくなって清々しているんじゃないのか。」
ガラゲラと笑いながら、話しかけてくる。
「リフター様の娘? リフィル様。」
「ああ、そのリフィル。大罪を侵して裁かれた。」
「見ものだったな、引き回された上に絞首刑。オレもあの縄を引きたかったぜ。」
リフィルが疎まれていたと信じて疑わない、二人の門番。辺境の騎士の前でどれほど国民に嫌われていたが、どんな扱いで処刑されたかを笑いながら話している。
「我らが、姫を……」
辺境の騎士たちは、歯をギリギリと食いしばった。目に浮かぶのは愛らしいリフィル、幼き姫の姿。
「うおおおおおおおおお……」
その時、怒りの雄叫びが空に響き渡った。
「「「「うおおおおおお……」」」」
応えるように、その場の騎士たちも雄叫びを上げる。体中から怒りが湧き上がる。
「「「うおおおおおお……」」」
心の奥底から、殺意の衝動が止まらない。彼らの血が野獣の血が、リフターの雄叫びに同調する。
「なんだいったい!? 」
「どうしたんだ!! 」
門番は突然叫び出した辺境の騎士に度肝を抜かれる。辺境の騎士の目が、琥珀色の瞳は野獣のように夕闇を背に怪しく光って門番を見ていた。
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