8 / 40
日の沈む王都。
しおりを挟む
「うおおおおおおおおお……」
リフターは遠吠えのように雄叫びを上げた。
辺境の騎士たちは雄叫びに同調し、感化され眼の前の門番を殺し王都に入る。主のいる屋敷へと馬を走らせる。行く間にすれ違う者を躊躇無く殺していく。夕闇に染まる王都は、西の外れから赤く染まっていく。
「助けて!! 」
「お願い!! 許して!! 」
逃げ惑うアニタの妹と娘のアクネラ、ゆっくりとリフターは後を追う。邪魔をする屋敷のお抱え騎士を素手で薙ぎ倒し、殺しながら後を追う。潰れ異様に曲がった亡骸がリフターの歩む後に転がる。上へ上へ逃げる二人を感情を伴わない琥珀色の瞳が追っている。
リフターを恐れ、使用人たちは屋敷を逃げようと扉の外に飛び出た。だが既に辺境の騎士たちが屋敷を囲っていた。使用人たちは驚く間もなく、殺されていく。屋敷の庭は夕闇とともに血の赤で染まった。
それでも彼らの殺戮本能は止まらない。
リフターの伸ばした手が、アニタの妹の髪を掴む。娘のアクネラ一瞬止まったが、母親を見捨てて逃げた。
「お願い……助けて……」
涙を流しながら懇願する。
「うるさい口だ。」
リフターはアニタの妹の口を握り潰した。ボキボキと嫌な音がする。そのままアクネラが逃げていった方へ放り投げをた。口が砕けても女はリフターから逃げようと床をよつんばで這いずる。ボキッと音がした。
リフターは女の足を積み付け、折った。
「ぉへなぃ、たちゅけ……」
上向いて助けをこう女の胸をゆるく踏み付ける、ボキボキとあばら骨の折れる音がする。ヒューヒューと空気の音がする、あばら骨は肺を破り女はもがき苦しむ。
リフターはアクネラの逃げた方へ足を向ける、もがき苦しむ女には目もとめず。
アクネラは屋根裏部屋に逃げ込んだ、そこは綺麗に整頓された部屋であった。アクネラ親子に自分の屋敷であるものの、リフィルは狭い屋根裏部屋に追いやれれていた。
「リフィル。」
扉を壊し入って来たリフターは、娘の匂いを感じた。部屋全体からリフィルの優しい姿が思い浮かぶ。
「ああ……リフィル。此処にいたのか。」
リフターの琥珀色の瞳が細目られる。
「わたしは悪くないわ!! お母さまが、お従姉さまを此処に追いやったなよ!! わたしは、わたしは、仲良くしたかったのよ!! 」
アクネラは、自分は悪くないと言い張る。総ては親がやったことだと。
「お母さまに、逆らえなかったの!! だから許して!! 」
リフターの向ける瞳に縮み上がる。
「お従姉さまを殺したのも、わたしじゃない!! アフォガードさまが、アマージョ王女さまと結婚するのに邪魔になって殺したの!! 同盟強化にどうしてもって、王族にわたしが逆らえるわけないじゃない!! 」
アクネラは自分は悪くないと叫びながら狭い部屋の中を逃げる。窓に行き着いて窓を開け外に出る、屋根伝いに逃げようと身を乗り出す。屋根裏部屋は四階にあたるので落ちれば命はないが、高さよりリフターの方が怖かった。
「みんながお従姉さまの死を喜んでたけど、わたしは違うわ!! 悲しかった、辛かったわ!! 」
アクネラは、自分は悲しかったと涙ながらに訴える。だがリフターの琥珀色の瞳が、自分の嘘を信じてないと震え上がる。
「ぎゃああああ!! 」
強風がアクネラの体を浮かび上がらせた。そのまま下に落ちるところをリフターは背中のドレスを掴んだ。アクネラはリフターによって下に落ちることを免れた。
「伯父さま、助けてくれたのね。許してくれるのね。」
日の沈んだ闇の中で、ぶら下がるアクネラ。下は暗くて見えないが、闇の中に琥珀色の光が星空のようにキラキラ輝いている。言い様のない不安が胸に押し押せる。
「伯父さま孝行をするわ、だから早く上に上げて!! 」
ビリリッとドレスが破れ、厚手の布が首元を締め付ける。まるで絞首刑のように、じわじわと首を締め付け闇夜に浮かぶ。
「くるしぃ……ぉじさま、早く助け……」
首元を手で押さえ、必死に助けを求める。
髪飾りが、リフターの胸ポケットから滑り落ちる。それを受け止めるために、アクネラを掴む手を離した。
「いやああああああ!! 」
闇に引き込まれるようにアクネラは下に落ちていった。グシャリと、嫌な音がした。
リフターは遠吠えのように雄叫びを上げた。
辺境の騎士たちは雄叫びに同調し、感化され眼の前の門番を殺し王都に入る。主のいる屋敷へと馬を走らせる。行く間にすれ違う者を躊躇無く殺していく。夕闇に染まる王都は、西の外れから赤く染まっていく。
「助けて!! 」
「お願い!! 許して!! 」
逃げ惑うアニタの妹と娘のアクネラ、ゆっくりとリフターは後を追う。邪魔をする屋敷のお抱え騎士を素手で薙ぎ倒し、殺しながら後を追う。潰れ異様に曲がった亡骸がリフターの歩む後に転がる。上へ上へ逃げる二人を感情を伴わない琥珀色の瞳が追っている。
リフターを恐れ、使用人たちは屋敷を逃げようと扉の外に飛び出た。だが既に辺境の騎士たちが屋敷を囲っていた。使用人たちは驚く間もなく、殺されていく。屋敷の庭は夕闇とともに血の赤で染まった。
それでも彼らの殺戮本能は止まらない。
リフターの伸ばした手が、アニタの妹の髪を掴む。娘のアクネラ一瞬止まったが、母親を見捨てて逃げた。
「お願い……助けて……」
涙を流しながら懇願する。
「うるさい口だ。」
リフターはアニタの妹の口を握り潰した。ボキボキと嫌な音がする。そのままアクネラが逃げていった方へ放り投げをた。口が砕けても女はリフターから逃げようと床をよつんばで這いずる。ボキッと音がした。
リフターは女の足を積み付け、折った。
「ぉへなぃ、たちゅけ……」
上向いて助けをこう女の胸をゆるく踏み付ける、ボキボキとあばら骨の折れる音がする。ヒューヒューと空気の音がする、あばら骨は肺を破り女はもがき苦しむ。
リフターはアクネラの逃げた方へ足を向ける、もがき苦しむ女には目もとめず。
アクネラは屋根裏部屋に逃げ込んだ、そこは綺麗に整頓された部屋であった。アクネラ親子に自分の屋敷であるものの、リフィルは狭い屋根裏部屋に追いやれれていた。
「リフィル。」
扉を壊し入って来たリフターは、娘の匂いを感じた。部屋全体からリフィルの優しい姿が思い浮かぶ。
「ああ……リフィル。此処にいたのか。」
リフターの琥珀色の瞳が細目られる。
「わたしは悪くないわ!! お母さまが、お従姉さまを此処に追いやったなよ!! わたしは、わたしは、仲良くしたかったのよ!! 」
アクネラは、自分は悪くないと言い張る。総ては親がやったことだと。
「お母さまに、逆らえなかったの!! だから許して!! 」
リフターの向ける瞳に縮み上がる。
「お従姉さまを殺したのも、わたしじゃない!! アフォガードさまが、アマージョ王女さまと結婚するのに邪魔になって殺したの!! 同盟強化にどうしてもって、王族にわたしが逆らえるわけないじゃない!! 」
アクネラは自分は悪くないと叫びながら狭い部屋の中を逃げる。窓に行き着いて窓を開け外に出る、屋根伝いに逃げようと身を乗り出す。屋根裏部屋は四階にあたるので落ちれば命はないが、高さよりリフターの方が怖かった。
「みんながお従姉さまの死を喜んでたけど、わたしは違うわ!! 悲しかった、辛かったわ!! 」
アクネラは、自分は悲しかったと涙ながらに訴える。だがリフターの琥珀色の瞳が、自分の嘘を信じてないと震え上がる。
「ぎゃああああ!! 」
強風がアクネラの体を浮かび上がらせた。そのまま下に落ちるところをリフターは背中のドレスを掴んだ。アクネラはリフターによって下に落ちることを免れた。
「伯父さま、助けてくれたのね。許してくれるのね。」
日の沈んだ闇の中で、ぶら下がるアクネラ。下は暗くて見えないが、闇の中に琥珀色の光が星空のようにキラキラ輝いている。言い様のない不安が胸に押し押せる。
「伯父さま孝行をするわ、だから早く上に上げて!! 」
ビリリッとドレスが破れ、厚手の布が首元を締め付ける。まるで絞首刑のように、じわじわと首を締め付け闇夜に浮かぶ。
「くるしぃ……ぉじさま、早く助け……」
首元を手で押さえ、必死に助けを求める。
髪飾りが、リフターの胸ポケットから滑り落ちる。それを受け止めるために、アクネラを掴む手を離した。
「いやああああああ!! 」
闇に引き込まれるようにアクネラは下に落ちていった。グシャリと、嫌な音がした。
39
あなたにおすすめの小説
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
【完結】さよなら、馬鹿な王太子殿下
花草青依
恋愛
ビーチェは恋人であるランベルト王太子の傍らで、彼の“婚約破棄宣言”を聞いていた。ランベルトの婚約者であるニナはあっさりと受け入れて去って行った。それを見て、上手く行ったと満足するビーチェ。しかし、彼女の目的はそれだけに留まらず、王宮の平和を大きく乱すものだった。
■主人公は、いわゆる「悪役令嬢もの」の原作ヒロインのポジションの人です
■画像は生成AI (ChatGPT)
最後に言い残した事は
白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
どうして、こんな事になったんだろう……
断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。
本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。
「最後に、言い残した事はあるか?」
かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。
※ファンタジーです。ややグロ表現注意。
※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる