【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて

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日の沈む王都。

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「うおおおおおおおおお……」 
リフターは遠吠えのように雄叫びを上げた。


辺境の騎士たちは雄叫びに同調し、感化され眼の前の門番を殺し王都に入る。主のいる屋敷へと馬を走らせる。行く間にすれ違う者を躊躇無く殺していく。夕闇に染まる王都は、西の外れから赤く染まっていく。



「助けて!! 」
「お願い!! 許して!! 」

逃げ惑うアニタの妹と娘のアクネラ、ゆっくりとリフターは後を追う。邪魔をする屋敷のお抱え騎士を素手で薙ぎ倒し、殺しながら後を追う。潰れ異様に曲がった亡骸がリフターの歩む後に転がる。上へ上へ逃げる二人を感情を伴わない琥珀色の瞳が追っている。

リフターを恐れ、使用人たちは屋敷を逃げようと扉の外に飛び出た。だが既に辺境の騎士たちが屋敷を囲っていた。使用人たちは驚く間もなく、殺されていく。屋敷の庭は夕闇とともに血の赤で染まった。

それでも彼らの殺戮本能は止まらない。


リフターの伸ばした手が、アニタの妹の髪を掴む。娘のアクネラ一瞬止まったが、母親を見捨てて逃げた。

「お願い……助けて……」
涙を流しながら懇願する。

「うるさい口だ。」
リフターはアニタの妹の口を握り潰した。ボキボキと嫌な音がする。そのままアクネラが逃げていった方へ放り投げをた。口が砕けても女はリフターから逃げようと床をよつんばで這いずる。ボキッと音がした。
リフターは女の足を積み付け、折った。

「ぉへなぃ、たちゅけ……」
上向いて助けをこう女の胸をゆるく踏み付ける、ボキボキとあばら骨の折れる音がする。ヒューヒューと空気の音がする、あばら骨は肺を破り女はもがき苦しむ。

リフターはアクネラの逃げた方へ足を向ける、もがき苦しむ女には目もとめず。

アクネラは屋根裏部屋に逃げ込んだ、そこは綺麗に整頓された部屋であった。アクネラ親子に自分の屋敷であるものの、リフィルは狭い屋根裏部屋に追いやれれていた。

「リフィル。」
扉を壊し入って来たリフターは、娘の匂いを感じた。部屋全体からリフィルの優しい姿が思い浮かぶ。

「ああ……リフィル。此処にいたのか。」
リフターの琥珀色の瞳が細目られる。

「わたしは悪くないわ!! お母さまが、お従姉さまを此処に追いやったなよ!! わたしは、わたしは、仲良くしたかったのよ!! 」
アクネラは、自分は悪くないと言い張る。総ては親がやったことだと。

「お母さまに、逆らえなかったの!! だから許して!! 」
リフターの向ける瞳に縮み上がる。

「お従姉さまを殺したのも、わたしじゃない!! アフォガードさまが、アマージョ王女さまと結婚するのに邪魔になって殺したの!! 同盟強化にどうしてもって、王族にわたしが逆らえるわけないじゃない!! 」
アクネラは自分は悪くないと叫びながら狭い部屋の中を逃げる。窓に行き着いて窓を開け外に出る、屋根伝いに逃げようと身を乗り出す。屋根裏部屋は四階にあたるので落ちれば命はないが、高さよりリフターの方が怖かった。

「みんながお従姉さまの死を喜んでたけど、わたしは違うわ!! 悲しかった、辛かったわ!! 」
アクネラは、自分は悲しかったと涙ながらに訴える。だがリフターの琥珀色の瞳が、自分の嘘を信じてないと震え上がる。

「ぎゃああああ!! 」

強風がアクネラの体を浮かび上がらせた。そのまま下に落ちるところをリフターは背中のドレスを掴んだ。アクネラはリフターによって下に落ちることを免れた。

「伯父さま、助けてくれたのね。許してくれるのね。」
日の沈んだ闇の中で、ぶら下がるアクネラ。下は暗くて見えないが、闇の中に琥珀色の光が星空のようにキラキラ輝いている。言い様のない不安が胸に押し押せる。

「伯父さま孝行をするわ、だから早く上に上げて!! 」
ビリリッとドレスが破れ、厚手の布が首元を締め付ける。まるで絞首刑のように、じわじわと首を締め付け闇夜に浮かぶ。

「くるしぃ……ぉじさま、早く助け……」
首元を手で押さえ、必死に助けを求める。

髪飾りが、リフターの胸ポケットから滑り落ちる。それを受け止めるために、アクネラを掴む手を離した。

「いやああああああ!! 」

闇に引き込まれるようにアクネラは下に落ちていった。グシャリと、嫌な音がした。



    
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