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殺戮。
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「たすけ……て……」
アクネラは生きていた、まだ生きていた。足から落ちたことで即死には至らなかっただけだった。足は折れ肉を突き破りドレスのスカートを膨れ上がらせていた。内蔵は落ちた衝撃でぐちゃぐちゃになっているだろう。
「ゲボッ!! 」
口から血が溢れる、肺に血が溜まり溺れるように苦しむ。苦しむアクネラを琥珀色の光が見下している。とどめを刺してやる感情など今の辺境の騎士たちは持っていなかった。ただ死にゆく者を琥珀色の瞳が見ているだけだった。
闇の中、光を背にしてリフターが屋敷の中から出てくる。黒い髪には愛する者の形見の髪飾りが付けられていた。葉を模した琥珀色の金の土台に緑色宝石の実がなった髪飾り。緑色は愛するアニタの瞳の色だ。
「ぅ……ぅぅ……」
足元で苦しむアクネラを気にすることもなく辺境の騎士たちの元へ歩く。屋敷の中ではアクネラの母親も、死の苦しみを今も味わっていることだろう。
副官がリフターの大剣を差し出し、それを黙って受け取る。
「殺せ。」
リフターは一言、呟く。
「我らの姫を侮辱した者を!! 」
「我らの愛し子を殺した者を!! 」
「「「リフィル様に仇なす者に報いを!! 」」」
騎士たちの掛け声が響き渡る。
「総てを消し去れ!! 」
リフターが掛け声に応じる。
「「「「うおおおおおおお!! 」」」」
騎士たちが雄叫びをあげる。
そして、殺戮がはじまった。
馬の駆ける蹄の音が響く、闇の中に琥珀色の光が流れる。風を切る音がするたびに人の命が亡くなっていく、すれ違う者を切り裂きながら進む。
王都の近くに陣取っていた帝国を退けたばかりの騎士たちも、この殺戮に参戦する。正門が開け放たれ、静かに辺境の騎士たちは王都に入り込む。十人ほどに別れ、王都の中に散らばって人々の命を刈っていく。
リフターもすれ違う者を斬りながら、王城へと向かう。舞踏会のために開け放たれた門を、兵士たちを斬り捨て中に入る。悲鳴と怒号が湧き上がる。逃げ惑うメイドや使用人たちを副官たちに任せ、リフターは舞踏会会場に入っていく。
「余の国の繁栄を祝して。」
「「「繁栄を祝して!! 」」」
王の挨拶が終わると同時に音楽が流れ出し、代表として王太子夫妻が会場の真ん中に進み出る。大きく開けた場所で最初のダンスを披露するためだ。その開けた場所に、招かれざる客リフターが肩に大剣を担いで現れた。リフィルの成人の祝福のための白の正装は、まだらな黒と赤に変色していた。乾いた血と、鮮明な血。
「キャンベル辺境伯!! そなたを招いた覚えはないぞ!! 」
王が王座から立ち上がり、怒鳴りつける。
護衛騎士が王とリフターの前に立ちはだかる。王太子夫妻は、護衛騎士の後ろへと直ぐに逃げこむ。
リフターは琥珀色の瞳と大剣を王に向ける。大剣は鮮明な赤い雫を垂らしている。
「なぜ、リフィルを殺した。」
感情のない冷たい声。
「な、何を言っておる。」
「「「きゃああああ!! 」」」
「「「うわああああ!! 」」」
王の言葉にリフターは大剣を片手で横に振った。前に立ちはだかる右側の騎士たちの首が飛んだ。貴族たちは悲鳴を上げる。
腰を抜かしてその場に蹲る者、気を失う令嬢、我先とリフターから逃れようと舞踏会会場の扉に集まる者。会場内は阿鼻叫喚に包まれた。
「お、落ち着け、キャンベル辺境伯!! 」
「なぜ、リフィルを殺した。」
感情のない冷たい声。琥珀色の瞳が王を見据える。
「仕方がなかったのだ、国を護るためには!! 」
「同盟強化のためには、アマージョ王女のとの婚姻が必然だったのよ!! 」
王と王妃は言う。
「同盟が強化されれば、帝国も我が国に攻め入ることは難しくなる!! 」
「ええ、辺境伯も命を掛けることが少なくなりますわ!! 」
王太子と王太子妃は言う。
国のため、あまつさえ辺境伯のためだと。
「なぜ、リフィルを殺した。」
納得していない声。あたりまえだ、自分のためだと言われても納得できる訳はない。自分の命を差し出しても護りたい、愛しい娘であった。
「よし、公爵にしてやろう!! 儂の末の妹と婚姻をして、公爵を名乗ると良い!! 」
「名誉なことですよ。王族の末端に入れるなんて。」
王と王妃は、厚顔無恥の事を言う。
「彼女は残念だった。」
「素晴らしい娘をもうければいいわ。高貴な血を引く、令嬢を。」
王太子と王太子妃は、悔いるようすもない言葉を吐く。
リフターは静かに目を閉じ、再び大剣を振った。
アクネラは生きていた、まだ生きていた。足から落ちたことで即死には至らなかっただけだった。足は折れ肉を突き破りドレスのスカートを膨れ上がらせていた。内蔵は落ちた衝撃でぐちゃぐちゃになっているだろう。
「ゲボッ!! 」
口から血が溢れる、肺に血が溜まり溺れるように苦しむ。苦しむアクネラを琥珀色の光が見下している。とどめを刺してやる感情など今の辺境の騎士たちは持っていなかった。ただ死にゆく者を琥珀色の瞳が見ているだけだった。
闇の中、光を背にしてリフターが屋敷の中から出てくる。黒い髪には愛する者の形見の髪飾りが付けられていた。葉を模した琥珀色の金の土台に緑色宝石の実がなった髪飾り。緑色は愛するアニタの瞳の色だ。
「ぅ……ぅぅ……」
足元で苦しむアクネラを気にすることもなく辺境の騎士たちの元へ歩く。屋敷の中ではアクネラの母親も、死の苦しみを今も味わっていることだろう。
副官がリフターの大剣を差し出し、それを黙って受け取る。
「殺せ。」
リフターは一言、呟く。
「我らの姫を侮辱した者を!! 」
「我らの愛し子を殺した者を!! 」
「「「リフィル様に仇なす者に報いを!! 」」」
騎士たちの掛け声が響き渡る。
「総てを消し去れ!! 」
リフターが掛け声に応じる。
「「「「うおおおおおおお!! 」」」」
騎士たちが雄叫びをあげる。
そして、殺戮がはじまった。
馬の駆ける蹄の音が響く、闇の中に琥珀色の光が流れる。風を切る音がするたびに人の命が亡くなっていく、すれ違う者を切り裂きながら進む。
王都の近くに陣取っていた帝国を退けたばかりの騎士たちも、この殺戮に参戦する。正門が開け放たれ、静かに辺境の騎士たちは王都に入り込む。十人ほどに別れ、王都の中に散らばって人々の命を刈っていく。
リフターもすれ違う者を斬りながら、王城へと向かう。舞踏会のために開け放たれた門を、兵士たちを斬り捨て中に入る。悲鳴と怒号が湧き上がる。逃げ惑うメイドや使用人たちを副官たちに任せ、リフターは舞踏会会場に入っていく。
「余の国の繁栄を祝して。」
「「「繁栄を祝して!! 」」」
王の挨拶が終わると同時に音楽が流れ出し、代表として王太子夫妻が会場の真ん中に進み出る。大きく開けた場所で最初のダンスを披露するためだ。その開けた場所に、招かれざる客リフターが肩に大剣を担いで現れた。リフィルの成人の祝福のための白の正装は、まだらな黒と赤に変色していた。乾いた血と、鮮明な血。
「キャンベル辺境伯!! そなたを招いた覚えはないぞ!! 」
王が王座から立ち上がり、怒鳴りつける。
護衛騎士が王とリフターの前に立ちはだかる。王太子夫妻は、護衛騎士の後ろへと直ぐに逃げこむ。
リフターは琥珀色の瞳と大剣を王に向ける。大剣は鮮明な赤い雫を垂らしている。
「なぜ、リフィルを殺した。」
感情のない冷たい声。
「な、何を言っておる。」
「「「きゃああああ!! 」」」
「「「うわああああ!! 」」」
王の言葉にリフターは大剣を片手で横に振った。前に立ちはだかる右側の騎士たちの首が飛んだ。貴族たちは悲鳴を上げる。
腰を抜かしてその場に蹲る者、気を失う令嬢、我先とリフターから逃れようと舞踏会会場の扉に集まる者。会場内は阿鼻叫喚に包まれた。
「お、落ち着け、キャンベル辺境伯!! 」
「なぜ、リフィルを殺した。」
感情のない冷たい声。琥珀色の瞳が王を見据える。
「仕方がなかったのだ、国を護るためには!! 」
「同盟強化のためには、アマージョ王女のとの婚姻が必然だったのよ!! 」
王と王妃は言う。
「同盟が強化されれば、帝国も我が国に攻め入ることは難しくなる!! 」
「ええ、辺境伯も命を掛けることが少なくなりますわ!! 」
王太子と王太子妃は言う。
国のため、あまつさえ辺境伯のためだと。
「なぜ、リフィルを殺した。」
納得していない声。あたりまえだ、自分のためだと言われても納得できる訳はない。自分の命を差し出しても護りたい、愛しい娘であった。
「よし、公爵にしてやろう!! 儂の末の妹と婚姻をして、公爵を名乗ると良い!! 」
「名誉なことですよ。王族の末端に入れるなんて。」
王と王妃は、厚顔無恥の事を言う。
「彼女は残念だった。」
「素晴らしい娘をもうければいいわ。高貴な血を引く、令嬢を。」
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リフターは静かに目を閉じ、再び大剣を振った。
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