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追い詰める者。
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「あの男、リフィルの婚約者であった男はどこにいる。」
ガタガタと震える二人に声をかける。
「いやあああ!! 」
若い女の左腕を掴むと、悲鳴と共に暴れたので強く掴むと簡単に折れた。痛みより恐怖の方が強かったのでそれでも暴れているロレーヌをリフターは離した。左腕をだらんとしたままその場にしゃがみ込む、尻をズルズルとして壁まで逃げ惑う。
「あの男は、どこにいる。」
暗い中でリフターの琥珀色の瞳が、光る。
「あの女が悪いのよ、あのアマージョ王女が!! 」
王妃は叫んだ。
「同盟強化のために、アフォガードと婚姻したいと脅したのよ!! 」
傍に立つリフターの足に縋り付いた。
「アマージョ王女が、目障りだから殺してくれと言ったの。わたくしは、ほんとうの娘になるのを指折り数えて待っていたのに。あの女が!! 」
上目遣いで王妃は、リフターに訴える。
「そ、そうだ、あの女が!! 同盟を盾に脅してきたのだ!! 」
「母上の言うとおりだ。私も、かわいい妹ができると喜んでいたのに……」
王妃の言葉を肯定するように王と王太子も言葉を投げかける。悪いのは総てあの女、横恋慕をしたアマージョ王女。自分たちは、嫌嫌ながら国を護るためにそれに従ったと。
「ええ、そうね。悪女に騙されたアフォガードも同罪ね。」
「心変わりをして、婚約者を死に至らしめるとは男の風上にもおけない。」
「奴は排斥にする。いや、アフォガードを殺してよい。王の儂が許す。」
床の上で体を起こしながら、王たちは息子までも生贄に差し出してきた。
「あの子を好きにしていいわ。だから、わたくしを助けて。」
甘い声でお願いをする。
「その男は、どこにいる。」
リフターは王妃の足を踏み付ける。
「痛い!! やめて、お願い!! 」
「どこにいる。」
王妃の足を踏み潰す。
「…よ!! あの女の国よ!! 」
もう片方の足も踏み潰すために力を入れる。ボキボキと骨の折れる音がする。
「隣のシュガーレ国よ!! お願いやめて!! 」
王妃はリフターに縋り付いた。
答えを聞いたリフターは興味を失ったように踵を返した。闇の中に、消えていくリフターの後ろ姿に王たちは命が助かったと安堵をする。安堵をすれば、徐々に折られた足が痛みを発してくる。
「クソお~!! おのれおのれ~!! たかが田舎者の汚れた血の分際で!! 」
「そうですわ、卑しい者のくせに。」
「必ずこの仮は返してやる!! 」
リフターがいなくなったのを見咎めると怒りが湧いて、罵倒を飛ばす。
「今ここで殺さなかったことを後悔させましょう。」
「もちろんですわ。全軍率いて、辺境の地を消し去ってくださいませ。あなた。」
「無論だ。ただの荒地にしてやろう。」
王族たちは折られた足の痛みを堪えながら、復讐を夢見て笑う。
ピリャンピリャンと何処かで雫の落ちる音がする。ランプの光を囲んで、彼らは助けを待っていた。
リフターは、アフォガードの居場所を聞いてこの場を去っていった。既にこの国を出ているはずだ。ならばもうそろそろ助けが来てもいい頃だと彼らは思っていた。
「くそう、まだ助けは来ないのか? 」
「ええ、何をしているのかしら。」
折られた足のせいで、体中が熱を持っている。石で出来た床はひんやりして、気持ちがよかった。
「喉が渇きましたね。」
「何をしておるのだ、まったく。」
「まさか此処にいるとは、思わなくて城内を探しているのね。」
此処にいることを知らせたいが、足が動かなくて知らせることが出来ない。
「ロレーヌ。」
「ひぃ!! 」
王太子が壁に向かって座っているロレーヌに声をかけると、悲鳴を上げた。
「大丈夫だ、ロレーヌ。上に行って此処に私たちがいることを知らせてきてはくれないか。」
「そうですわ、ロレーヌは歩けますわね。直ぐ上に知らせに行って来なさい。」
「いや、いや……」
「とっとと行って来い、ロレーヌ!! 」
頭を震わせて、嫌がるロレーヌに王は大声で怒鳴った。
左腕を垂らしながら、ロレーヌは立ち上がり上に向かって階段を上っていく。
そして、ロレーヌは戻って来なかった。
ガタガタと震える二人に声をかける。
「いやあああ!! 」
若い女の左腕を掴むと、悲鳴と共に暴れたので強く掴むと簡単に折れた。痛みより恐怖の方が強かったのでそれでも暴れているロレーヌをリフターは離した。左腕をだらんとしたままその場にしゃがみ込む、尻をズルズルとして壁まで逃げ惑う。
「あの男は、どこにいる。」
暗い中でリフターの琥珀色の瞳が、光る。
「あの女が悪いのよ、あのアマージョ王女が!! 」
王妃は叫んだ。
「同盟強化のために、アフォガードと婚姻したいと脅したのよ!! 」
傍に立つリフターの足に縋り付いた。
「アマージョ王女が、目障りだから殺してくれと言ったの。わたくしは、ほんとうの娘になるのを指折り数えて待っていたのに。あの女が!! 」
上目遣いで王妃は、リフターに訴える。
「そ、そうだ、あの女が!! 同盟を盾に脅してきたのだ!! 」
「母上の言うとおりだ。私も、かわいい妹ができると喜んでいたのに……」
王妃の言葉を肯定するように王と王太子も言葉を投げかける。悪いのは総てあの女、横恋慕をしたアマージョ王女。自分たちは、嫌嫌ながら国を護るためにそれに従ったと。
「ええ、そうね。悪女に騙されたアフォガードも同罪ね。」
「心変わりをして、婚約者を死に至らしめるとは男の風上にもおけない。」
「奴は排斥にする。いや、アフォガードを殺してよい。王の儂が許す。」
床の上で体を起こしながら、王たちは息子までも生贄に差し出してきた。
「あの子を好きにしていいわ。だから、わたくしを助けて。」
甘い声でお願いをする。
「その男は、どこにいる。」
リフターは王妃の足を踏み付ける。
「痛い!! やめて、お願い!! 」
「どこにいる。」
王妃の足を踏み潰す。
「…よ!! あの女の国よ!! 」
もう片方の足も踏み潰すために力を入れる。ボキボキと骨の折れる音がする。
「隣のシュガーレ国よ!! お願いやめて!! 」
王妃はリフターに縋り付いた。
答えを聞いたリフターは興味を失ったように踵を返した。闇の中に、消えていくリフターの後ろ姿に王たちは命が助かったと安堵をする。安堵をすれば、徐々に折られた足が痛みを発してくる。
「クソお~!! おのれおのれ~!! たかが田舎者の汚れた血の分際で!! 」
「そうですわ、卑しい者のくせに。」
「必ずこの仮は返してやる!! 」
リフターがいなくなったのを見咎めると怒りが湧いて、罵倒を飛ばす。
「今ここで殺さなかったことを後悔させましょう。」
「もちろんですわ。全軍率いて、辺境の地を消し去ってくださいませ。あなた。」
「無論だ。ただの荒地にしてやろう。」
王族たちは折られた足の痛みを堪えながら、復讐を夢見て笑う。
ピリャンピリャンと何処かで雫の落ちる音がする。ランプの光を囲んで、彼らは助けを待っていた。
リフターは、アフォガードの居場所を聞いてこの場を去っていった。既にこの国を出ているはずだ。ならばもうそろそろ助けが来てもいい頃だと彼らは思っていた。
「くそう、まだ助けは来ないのか? 」
「ええ、何をしているのかしら。」
折られた足のせいで、体中が熱を持っている。石で出来た床はひんやりして、気持ちがよかった。
「喉が渇きましたね。」
「何をしておるのだ、まったく。」
「まさか此処にいるとは、思わなくて城内を探しているのね。」
此処にいることを知らせたいが、足が動かなくて知らせることが出来ない。
「ロレーヌ。」
「ひぃ!! 」
王太子が壁に向かって座っているロレーヌに声をかけると、悲鳴を上げた。
「大丈夫だ、ロレーヌ。上に行って此処に私たちがいることを知らせてきてはくれないか。」
「そうですわ、ロレーヌは歩けますわね。直ぐ上に知らせに行って来なさい。」
「いや、いや……」
「とっとと行って来い、ロレーヌ!! 」
頭を震わせて、嫌がるロレーヌに王は大声で怒鳴った。
左腕を垂らしながら、ロレーヌは立ち上がり上に向かって階段を上っていく。
そして、ロレーヌは戻って来なかった。
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