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大剣。
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「どうやら、何か誤解があったようだな辺境伯。」
「確かに娘子が亡くなられて直ぐに婚約者が婚約披露をすれば誤解したくもなるものだ。」
「そうですわね。亡くなられた理由がご自分にあったら、他人の所為にしたいのはわかりますわ。」
王と公爵がアマージョたちの言葉を信じて辺境伯の誤解だと推測する。それを王妃が肯定し、辺境伯の気持ちを慮る。
「だが真意をはからず、ここまでの暴挙は許されることではないぞ辺境伯。」
「ましてや、他国の王族を手にかけるなんて……。」
王太子と王太子妃が、リフターの暴挙を責めたてる。
「リフター辺境伯、今すぐ我らに謝罪をしろ!! 」
「わたくし、寛大に許して差し上げますわ。」
「なんて優しいんだ、アマージョ。」
「アフォガード様。」
アマージョとアフォガードは、リフターに謝罪を要求する。
「ハハハハハッ!! 大丈夫だ、キャンベル殿我らシュガーレ国は貴殿を見捨てたりはしない。」
「我が国は、キャンベル辺境伯を高く評価している。」
近衛騎士の隙間をぬって近づきリフターの左肩を気安く叩く。
「今殺した王子の国が、文句を言うのならリフター殿が黙らせてくれればいい。後は我々かが話をつけよう。」
「わしらを頼るとよい、力を貸そうぞ。」
親切ごかしに公爵が言うと、王も自分たちは辺境伯の味方だと声をあげた。
緊張しながら剣を構えている近衛騎士たちに護られながら、今の状況を分かっていないのか分かりたくないのか王族たちは笑った。
パアァンと、鈍い音がして公爵が弾け飛んだ。リフターが気安く肩を触る公爵を左手で弾いた。くの字になってそのまま床に尻もちをつく。
「閣下!! 」
数人の騎士が駆け寄り助け起こす。
「ゲホ、ゲボッ!! 」
公爵は大量の血を口から吐き出した。リフターの弾いた腕は公爵の内蔵を破裂させていた。公爵は止めどなく口から血を溢れさせる。
「き、貴様!! 血迷ったか!! 」
近衛騎士の後に庇われながら王太子は叫んだ。
「ああ、うるさい。」
リフターは左手で髪をかきあげ、琥珀色の瞳で見下す。右手に持つ大剣を払うように横に振った。
「「「「ぐおおお!! 」」」」
右側の近衛騎士たちが王太子と共々右側に弾け飛んだ。鎧のお陰で、上半身と下半身が離れることはなかった。だが、鎧は潰れ中のものも潰れて、口から血を吹き出していた。王太子は近衛騎士たちの下敷きになり、やはり口から血を溢れさせている。
「「きゃあああああ!! 」」
王妃と王太子妃が悲鳴をあげた。
「ああ、うるさい。本当にうるさい。」
リフターの冷たい声と琥珀色の瞳が輝く。リフターは大剣の柄を握った。後ろから襲い掛かって来る近衛騎士をその場で一周回るように打ち付ける。後ろから襲い掛かって来た騎士たちも、王たちを護ってリフターとの間に立っていた騎士たちも大剣に体ごと運ばれ、吹き飛んだ。
「「ぎゃあああああ!! 」」
吹き飛んだ騎士たちは王妃と王太子妃を巻き込んで、王太子が下敷きになっている騎士たちの上に飛ばされた。挟まれるように飛ばされた騎士が王妃と王太子妃の上に積み重なる。その重みで、王太子も王妃と王太子妃も潰されていく。メキメキと自分の骨の砕ける音を彼らは聞いていた。
「「助け……て、 」」
「うっうっ……。」
積み重なったものから、うめき声が聞こえる。王たちとリフターの間の騎士と言う盾が無くなった。ガタガタと震えだす残された三人。
「「「きゃあああああ!! 」」」
「「「うわあああああ!! 」」」
王たち三人の後ろから、悲鳴があがった。今も人で溢れる王が出入りする扉の奥からその悲鳴が響く。逃げ出した者が逆流して戻って来る。
王たちとリフターの間を、川のように貴族たちは走り過ぎようとした。
「邪魔だ。」
リフター大剣を片手で振った。鎧を着ていない貴族たちは、悲鳴をあげながら体を二つに別れさせ床に転がった。白い大理石の床は赤い液体で埋まり、所々に人間だったものの塊が転がっている。液体の中にはキラキラと光る千切れた宝石も転がっていた。
パシャ、とリフターは一歩を踏み出した。
「確かに娘子が亡くなられて直ぐに婚約者が婚約披露をすれば誤解したくもなるものだ。」
「そうですわね。亡くなられた理由がご自分にあったら、他人の所為にしたいのはわかりますわ。」
王と公爵がアマージョたちの言葉を信じて辺境伯の誤解だと推測する。それを王妃が肯定し、辺境伯の気持ちを慮る。
「だが真意をはからず、ここまでの暴挙は許されることではないぞ辺境伯。」
「ましてや、他国の王族を手にかけるなんて……。」
王太子と王太子妃が、リフターの暴挙を責めたてる。
「リフター辺境伯、今すぐ我らに謝罪をしろ!! 」
「わたくし、寛大に許して差し上げますわ。」
「なんて優しいんだ、アマージョ。」
「アフォガード様。」
アマージョとアフォガードは、リフターに謝罪を要求する。
「ハハハハハッ!! 大丈夫だ、キャンベル殿我らシュガーレ国は貴殿を見捨てたりはしない。」
「我が国は、キャンベル辺境伯を高く評価している。」
近衛騎士の隙間をぬって近づきリフターの左肩を気安く叩く。
「今殺した王子の国が、文句を言うのならリフター殿が黙らせてくれればいい。後は我々かが話をつけよう。」
「わしらを頼るとよい、力を貸そうぞ。」
親切ごかしに公爵が言うと、王も自分たちは辺境伯の味方だと声をあげた。
緊張しながら剣を構えている近衛騎士たちに護られながら、今の状況を分かっていないのか分かりたくないのか王族たちは笑った。
パアァンと、鈍い音がして公爵が弾け飛んだ。リフターが気安く肩を触る公爵を左手で弾いた。くの字になってそのまま床に尻もちをつく。
「閣下!! 」
数人の騎士が駆け寄り助け起こす。
「ゲホ、ゲボッ!! 」
公爵は大量の血を口から吐き出した。リフターの弾いた腕は公爵の内蔵を破裂させていた。公爵は止めどなく口から血を溢れさせる。
「き、貴様!! 血迷ったか!! 」
近衛騎士の後に庇われながら王太子は叫んだ。
「ああ、うるさい。」
リフターは左手で髪をかきあげ、琥珀色の瞳で見下す。右手に持つ大剣を払うように横に振った。
「「「「ぐおおお!! 」」」」
右側の近衛騎士たちが王太子と共々右側に弾け飛んだ。鎧のお陰で、上半身と下半身が離れることはなかった。だが、鎧は潰れ中のものも潰れて、口から血を吹き出していた。王太子は近衛騎士たちの下敷きになり、やはり口から血を溢れさせている。
「「きゃあああああ!! 」」
王妃と王太子妃が悲鳴をあげた。
「ああ、うるさい。本当にうるさい。」
リフターの冷たい声と琥珀色の瞳が輝く。リフターは大剣の柄を握った。後ろから襲い掛かって来る近衛騎士をその場で一周回るように打ち付ける。後ろから襲い掛かって来た騎士たちも、王たちを護ってリフターとの間に立っていた騎士たちも大剣に体ごと運ばれ、吹き飛んだ。
「「ぎゃあああああ!! 」」
吹き飛んだ騎士たちは王妃と王太子妃を巻き込んで、王太子が下敷きになっている騎士たちの上に飛ばされた。挟まれるように飛ばされた騎士が王妃と王太子妃の上に積み重なる。その重みで、王太子も王妃と王太子妃も潰されていく。メキメキと自分の骨の砕ける音を彼らは聞いていた。
「「助け……て、 」」
「うっうっ……。」
積み重なったものから、うめき声が聞こえる。王たちとリフターの間の騎士と言う盾が無くなった。ガタガタと震えだす残された三人。
「「「きゃあああああ!! 」」」
「「「うわあああああ!! 」」」
王たち三人の後ろから、悲鳴があがった。今も人で溢れる王が出入りする扉の奥からその悲鳴が響く。逃げ出した者が逆流して戻って来る。
王たちとリフターの間を、川のように貴族たちは走り過ぎようとした。
「邪魔だ。」
リフター大剣を片手で振った。鎧を着ていない貴族たちは、悲鳴をあげながら体を二つに別れさせ床に転がった。白い大理石の床は赤い液体で埋まり、所々に人間だったものの塊が転がっている。液体の中にはキラキラと光る千切れた宝石も転がっていた。
パシャ、とリフターは一歩を踏み出した。
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