16 / 40
茶番劇。
しおりを挟む
王族たちの目の前で、同盟強化の婚約を祝福にやって来た他国の王子の首が飛んだ。
「「「きゃああああ!! 」」」
「「「「うああああ!! 」」」」
頭のない体が血を首から吹き出しながら王子だった物が倒れた。ドクドクと流れる血がアマージョの白いドレスの裾を赤く染めていく。
ガ、ガガガガガと、床の大理石を削る音がゆっくりと近づいてくる。黒髪の男の感情のない琥珀色の瞳が此方を見ている。どす黒く着崩した正装は、命を刈る者に相応しく血で汚れていた。
「辺境伯、これは何事だ!! 」
「なぜ、我が国を攻撃する!! 」
近衛騎士団に護られながら、公爵が怒鳴りなが問かけ、王が理由を聞く。
「アフォガード殿、まさかこれはソルトルアー国の真意か!! 」
「「まさか……」」
王太子が隣に立つアフォガードに問いかけると、王妃と王太子妃が震えながら彼を見る。
「まさか、そんなはずはありません!! どういう事だ、キャンベル辺境伯!! 」
「わたくしの婚約披露を滅茶苦茶にして、許しませんわよ!! 」
数十人の護衛騎士団に護られ距離もあったので、アフォガードとアマージョは強気に言い放った。
「なぜ、殺した。」
リフターの低く冷たい声。
「なんのことだ? 」
リフターの言葉に意味が分からない、その場にいる者たち。アフォガードとアマージョさえもリフターの言っている言葉の意味が分からないようであった。
「なぜ、殺した。」
憤るでも怒鳴ることもなく、冷たく低い声で淡々と問い掛けるリフター。
「だから、なんのことだ!! 」
アフォガードは、なんの事だか分からなかった。リフターに対してリフィルは、自分から自害したことになっている筈なのだから。そう、キャンベル辺境伯の親戚筋(叔母と娘)と取り決めていたのだから。アマージョはもう過去のことで覚えていなかった、リフィルが煩わしいから消してくれと言ったことなど。
「俺の娘、リフィルをなぜ殺した。」
見下す目に、微かに殺気がこもる。方手に持つ大剣の柄をギリギリと、握りしめた。
「なぜ、殺した。」
冷たく低い声。
「どういうことだ、アフォガード殿!? キャンベル殿の娘を殺したのか!! 」
「「まさかそんな!! 」」
王太子が、アフォガードに詰め寄った。王妃と王太子妃は青ざめた顔で、彼を見つめた。
「アマージョどういう事だ!? 」
「アマージョ王女、話はついたと言っていたではなのか!? 」
王と公爵は、アマージョに叫んだ。彼らは話はついたと聞いたとき、リフィルが立場を把握し自ら正妃を退き第二妃になると思っていた。
「お待ちください、リフィルは自ら自害したのです!! 」
「そうよ、自分中に流れる野獣の血を恐れて!! わたくしたちは、知らないわ!! 」
王族たちに、責められて二人は寄り添った。そして、リフィルは自ら自害して果てたと話した。
「なぜ、殺した。」
冷たく低い声。
「リフィルは自ら自害したのだ、辺境伯!! お前の血を呪って、自分が母親を殺したと!! 」
「そうよ、お母様を殺してしまったと。あなたに嫌われてしまったと、嘆いていたわ!! 」
二人は周りにいる王族たちへの体制のために、作り上げた嘘を話した。
「婚約者として彼女を守れなかった事は詫びよう!! だが、私の知らぬうちに渓谷に!! 」
「ええ、まさか彼女がそこまで悩んでいたなんて。わたくし、良き友人として悲しいですわ。」
二人は悲しそうに、寄り添った。
リフターはただ黙って、冷たい琥珀色の瞳を二人に向けている。
「そうだったの? 」
「なんてお可哀そうに。」
王妃と王太子妃は、同情の目でアフォガードたちを見る。
「ならばなぜ、そう言わなかった!? 婚約者が亡くなられて、直ぐに婚約披露をすれば誤解されるではないか!! 」
王太子が、二人の話を信じて叱咤した。
「ごめんなさいお兄様、国のためには言えなかったの。」
「アマージョを責めないでくれ、彼女は傷つきながらも両国のことを考えたのです!! 」
リフターの目の前で二人は、茶番劇を繰り返していた。
「「「きゃああああ!! 」」」
「「「「うああああ!! 」」」」
頭のない体が血を首から吹き出しながら王子だった物が倒れた。ドクドクと流れる血がアマージョの白いドレスの裾を赤く染めていく。
ガ、ガガガガガと、床の大理石を削る音がゆっくりと近づいてくる。黒髪の男の感情のない琥珀色の瞳が此方を見ている。どす黒く着崩した正装は、命を刈る者に相応しく血で汚れていた。
「辺境伯、これは何事だ!! 」
「なぜ、我が国を攻撃する!! 」
近衛騎士団に護られながら、公爵が怒鳴りなが問かけ、王が理由を聞く。
「アフォガード殿、まさかこれはソルトルアー国の真意か!! 」
「「まさか……」」
王太子が隣に立つアフォガードに問いかけると、王妃と王太子妃が震えながら彼を見る。
「まさか、そんなはずはありません!! どういう事だ、キャンベル辺境伯!! 」
「わたくしの婚約披露を滅茶苦茶にして、許しませんわよ!! 」
数十人の護衛騎士団に護られ距離もあったので、アフォガードとアマージョは強気に言い放った。
「なぜ、殺した。」
リフターの低く冷たい声。
「なんのことだ? 」
リフターの言葉に意味が分からない、その場にいる者たち。アフォガードとアマージョさえもリフターの言っている言葉の意味が分からないようであった。
「なぜ、殺した。」
憤るでも怒鳴ることもなく、冷たく低い声で淡々と問い掛けるリフター。
「だから、なんのことだ!! 」
アフォガードは、なんの事だか分からなかった。リフターに対してリフィルは、自分から自害したことになっている筈なのだから。そう、キャンベル辺境伯の親戚筋(叔母と娘)と取り決めていたのだから。アマージョはもう過去のことで覚えていなかった、リフィルが煩わしいから消してくれと言ったことなど。
「俺の娘、リフィルをなぜ殺した。」
見下す目に、微かに殺気がこもる。方手に持つ大剣の柄をギリギリと、握りしめた。
「なぜ、殺した。」
冷たく低い声。
「どういうことだ、アフォガード殿!? キャンベル殿の娘を殺したのか!! 」
「「まさかそんな!! 」」
王太子が、アフォガードに詰め寄った。王妃と王太子妃は青ざめた顔で、彼を見つめた。
「アマージョどういう事だ!? 」
「アマージョ王女、話はついたと言っていたではなのか!? 」
王と公爵は、アマージョに叫んだ。彼らは話はついたと聞いたとき、リフィルが立場を把握し自ら正妃を退き第二妃になると思っていた。
「お待ちください、リフィルは自ら自害したのです!! 」
「そうよ、自分中に流れる野獣の血を恐れて!! わたくしたちは、知らないわ!! 」
王族たちに、責められて二人は寄り添った。そして、リフィルは自ら自害して果てたと話した。
「なぜ、殺した。」
冷たく低い声。
「リフィルは自ら自害したのだ、辺境伯!! お前の血を呪って、自分が母親を殺したと!! 」
「そうよ、お母様を殺してしまったと。あなたに嫌われてしまったと、嘆いていたわ!! 」
二人は周りにいる王族たちへの体制のために、作り上げた嘘を話した。
「婚約者として彼女を守れなかった事は詫びよう!! だが、私の知らぬうちに渓谷に!! 」
「ええ、まさか彼女がそこまで悩んでいたなんて。わたくし、良き友人として悲しいですわ。」
二人は悲しそうに、寄り添った。
リフターはただ黙って、冷たい琥珀色の瞳を二人に向けている。
「そうだったの? 」
「なんてお可哀そうに。」
王妃と王太子妃は、同情の目でアフォガードたちを見る。
「ならばなぜ、そう言わなかった!? 婚約者が亡くなられて、直ぐに婚約披露をすれば誤解されるではないか!! 」
王太子が、二人の話を信じて叱咤した。
「ごめんなさいお兄様、国のためには言えなかったの。」
「アマージョを責めないでくれ、彼女は傷つきながらも両国のことを考えたのです!! 」
リフターの目の前で二人は、茶番劇を繰り返していた。
38
あなたにおすすめの小説
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
【完結】さよなら、馬鹿な王太子殿下
花草青依
恋愛
ビーチェは恋人であるランベルト王太子の傍らで、彼の“婚約破棄宣言”を聞いていた。ランベルトの婚約者であるニナはあっさりと受け入れて去って行った。それを見て、上手く行ったと満足するビーチェ。しかし、彼女の目的はそれだけに留まらず、王宮の平和を大きく乱すものだった。
■主人公は、いわゆる「悪役令嬢もの」の原作ヒロインのポジションの人です
■画像は生成AI (ChatGPT)
最後に言い残した事は
白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
どうして、こんな事になったんだろう……
断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。
本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。
「最後に、言い残した事はあるか?」
かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。
※ファンタジーです。ややグロ表現注意。
※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる