【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて

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茶番劇。

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王族たちの目の前で、同盟強化の婚約を祝福にやって来た他国の王子の首が飛んだ。

「「「きゃああああ!! 」」」
「「「「うああああ!! 」」」」
頭のない体が血を首から吹き出しながら王子だった物が倒れた。ドクドクと流れる血がアマージョの白いドレスの裾を赤く染めていく。

ガ、ガガガガガと、床の大理石を削る音がゆっくりと近づいてくる。黒髪の男の感情のない琥珀色の瞳が此方を見ている。どす黒く着崩した正装は、命を刈る者に相応しく血で汚れていた。

「辺境伯、これは何事だ!! 」
「なぜ、我が国を攻撃する!! 」
近衛騎士団に護られながら、公爵が怒鳴りなが問かけ、王が理由を聞く。

「アフォガード殿、まさかこれはソルトルアー国の真意か!! 」
「「まさか……」」
王太子が隣に立つアフォガードに問いかけると、王妃と王太子妃が震えながら彼を見る。

「まさか、そんなはずはありません!! どういう事だ、キャンベル辺境伯!! 」
「わたくしの婚約披露を滅茶苦茶にして、許しませんわよ!! 」
数十人の護衛騎士団に護られ距離もあったので、アフォガードとアマージョは強気に言い放った。
 
「なぜ、殺した。」
リフターの低く冷たい声。

「なんのことだ? 」
リフターの言葉に意味が分からない、その場にいる者たち。アフォガードとアマージョさえもリフターの言っている言葉の意味が分からないようであった。

「なぜ、殺した。」
憤るでも怒鳴ることもなく、冷たく低い声で淡々と問い掛けるリフター。

「だから、なんのことだ!! 」
アフォガードは、なんの事だか分からなかった。リフターに対してリフィルは、自分から自害したことになっている筈なのだから。そう、キャンベル辺境伯の親戚筋(叔母と娘)と取り決めていたのだから。アマージョはもう過去のことで覚えていなかった、リフィルが煩わしいから消してくれと言ったことなど。

「俺の娘、リフィルをなぜ殺した。」
見下す目に、微かに殺気がこもる。方手に持つ大剣の柄をギリギリと、握りしめた。

「なぜ、殺した。」
冷たく低い声。

「どういうことだ、アフォガード殿!? キャンベル殿の娘を殺したのか!! 」
「「まさかそんな!! 」」
王太子が、アフォガードに詰め寄った。王妃と王太子妃は青ざめた顔で、彼を見つめた。

「アマージョどういう事だ!? 」
「アマージョ王女、話はついたと言っていたではなのか!? 」
王と公爵は、アマージョに叫んだ。彼らは話はついたと聞いたとき、リフィルが立場を把握し自ら正妃を退き第二妃になると思っていた。

「お待ちください、リフィルは自ら自害したのです!! 」
「そうよ、自分中に流れる野獣の血を恐れて!! わたくしたちは、知らないわ!! 」
王族たちに、責められて二人は寄り添った。そして、リフィルは自ら自害して果てたと話した。

「なぜ、殺した。」
冷たく低い声。

「リフィルは自ら自害したのだ、辺境伯!! お前の血を呪って、自分が母親を殺したと!! 」
「そうよ、お母様を殺してしまったと。あなたに嫌われてしまったと、嘆いていたわ!! 」
二人は周りにいる王族たちへの体制のために、作り上げた嘘を話した。

「婚約者として彼女を守れなかった事は詫びよう!! だが、私の知らぬうちに渓谷に!! 」
「ええ、まさか彼女がそこまで悩んでいたなんて。わたくし、良き友人として悲しいですわ。」
二人は悲しそうに、寄り添った。

リフターはただ黙って、冷たい琥珀色の瞳を二人に向けている。

「そうだったの? 」
「なんてお可哀そうに。」
王妃と王太子妃は、同情の目でアフォガードたちを見る。

「ならばなぜ、そう言わなかった!? 婚約者が亡くなられて、直ぐに婚約披露をすれば誤解されるではないか!! 」
王太子が、二人の話を信じて叱咤した。

「ごめんなさいお兄様、国のためには言えなかったの。」
「アマージョを責めないでくれ、彼女は傷つきながらも両国のことを考えたのです!! 」

リフターの目の前で二人は、茶番劇を繰り返していた。







    
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