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第3章「早速だけど家出がしたい」
家出中止。
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……公ちゃん、
あたしが思わず泣きそうになっていたら、それに気が付いたらしい水野くんが小さな声で言う。
「…大丈夫、だよ」
「…?」
「今朝、あんなこと言ったけど……真希の言う通り、いつかは振り向くと思う」
「!」
「俺も…真希の気持ち、わかるから」
水野くんはそう言うと、今度は少し切なく笑った。
…わかる?どうして…?
だって水野くんは、歩美と幸せなのに…。
だけど今はそれ以上は何も聞けず、結局あたしは水野くんと一緒にコンビニを後にした。
…………
コンビニではお弁当を買わず、あたしは水野くんに手料理をふるまうことにした。
本当は公ちゃんにふるまうはずだったけど、いつもコンビニなのはさすがに見ていられない。
家に帰ってキッチンに立つと、水野くんがうさぎを抱っこしながら言った。
「何作ってくれるの?」
そう言って、あたしの手元を覗き込む。
そんな水野くんにあたしが「肉じゃが」って言ってやれば、水野くんは「肉じゃがだって」なんてうさぎにそう話しかけた。
…意外とお茶目だな。
水野くんは、学校に行く前と帰って来たあとに必ずうさぎを抱っこするらしい。
そうしないとうさぎが寂しがるとかで、拗ねてしまうんだとか。
ちなみにあたしも昨日この家に来た時にそのうさぎを抱っこさせてもらったけれど、飼い主しか嫌みたいですぐに逃げられてしまった。
…ちょっとフクザツ。
そう思っていると…
「…あれ?」
「?」
ふいに近くから、水野くんの声がした。
何かと思って振り向くと、水野くんが玄関に飾ってある写真たてに気づいて言う。
それは今朝、あたしが立て直した写真たてだ。
「真希…これ、」
「あぁ、それ伏せてあったから立て直しておいたよ。せっかく良い写真なのにもったいないじゃん」
あたしはそう言いながら、手元にあるジャガイモの皮を剥く。
…………だけど、水野くんの次の言葉がなかなか聞こえてこない。
不思議に思って振り向いたら、水野くんがうさぎをケージに戻した。
「…?」
…何をするんだろう?
そう思い手を止めてその行動を見ていると、突如水野くんがその写真たてに飾ってある写真を外す。
そして、少しだけ見つめたあと……何を思ったのか、
近くにあるゴミ箱に、それをそのまま捨てた。
「ちょっと、捨てちゃうの!?」
その行動にびっくりしてあたしがそう言うと、水野くんはあっけらかんとして答える。
「うん。だってもういらないし」
「…もったいな~」
…写真たてに飾るくらいならとっておけばいいのに。
あたしはそう思いながら、また手元のジャガイモに視線を戻す。
……だからあたしは、その直後の水野くんの行動を知らない。
「……」
水野くんはさっきの写真を見下ろしながら、あたしに聞こえないような小さな声で呟いた。
「…まき、」
あたしが思わず泣きそうになっていたら、それに気が付いたらしい水野くんが小さな声で言う。
「…大丈夫、だよ」
「…?」
「今朝、あんなこと言ったけど……真希の言う通り、いつかは振り向くと思う」
「!」
「俺も…真希の気持ち、わかるから」
水野くんはそう言うと、今度は少し切なく笑った。
…わかる?どうして…?
だって水野くんは、歩美と幸せなのに…。
だけど今はそれ以上は何も聞けず、結局あたしは水野くんと一緒にコンビニを後にした。
…………
コンビニではお弁当を買わず、あたしは水野くんに手料理をふるまうことにした。
本当は公ちゃんにふるまうはずだったけど、いつもコンビニなのはさすがに見ていられない。
家に帰ってキッチンに立つと、水野くんがうさぎを抱っこしながら言った。
「何作ってくれるの?」
そう言って、あたしの手元を覗き込む。
そんな水野くんにあたしが「肉じゃが」って言ってやれば、水野くんは「肉じゃがだって」なんてうさぎにそう話しかけた。
…意外とお茶目だな。
水野くんは、学校に行く前と帰って来たあとに必ずうさぎを抱っこするらしい。
そうしないとうさぎが寂しがるとかで、拗ねてしまうんだとか。
ちなみにあたしも昨日この家に来た時にそのうさぎを抱っこさせてもらったけれど、飼い主しか嫌みたいですぐに逃げられてしまった。
…ちょっとフクザツ。
そう思っていると…
「…あれ?」
「?」
ふいに近くから、水野くんの声がした。
何かと思って振り向くと、水野くんが玄関に飾ってある写真たてに気づいて言う。
それは今朝、あたしが立て直した写真たてだ。
「真希…これ、」
「あぁ、それ伏せてあったから立て直しておいたよ。せっかく良い写真なのにもったいないじゃん」
あたしはそう言いながら、手元にあるジャガイモの皮を剥く。
…………だけど、水野くんの次の言葉がなかなか聞こえてこない。
不思議に思って振り向いたら、水野くんがうさぎをケージに戻した。
「…?」
…何をするんだろう?
そう思い手を止めてその行動を見ていると、突如水野くんがその写真たてに飾ってある写真を外す。
そして、少しだけ見つめたあと……何を思ったのか、
近くにあるゴミ箱に、それをそのまま捨てた。
「ちょっと、捨てちゃうの!?」
その行動にびっくりしてあたしがそう言うと、水野くんはあっけらかんとして答える。
「うん。だってもういらないし」
「…もったいな~」
…写真たてに飾るくらいならとっておけばいいのに。
あたしはそう思いながら、また手元のジャガイモに視線を戻す。
……だからあたしは、その直後の水野くんの行動を知らない。
「……」
水野くんはさっきの写真を見下ろしながら、あたしに聞こえないような小さな声で呟いた。
「…まき、」
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