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第4章「怪しくない?」
肉じゃが??
しおりを挟む「優大…今日は珍しくお弁当なんだ?」
「うん、」
それからようやく昼休みになって、優大と二人で屋上でゴハンを食べていると…
珍しくお弁当を広げる優大にあたしはそう言った。
だって優大は、昨日まで毎日必ずコンビニのおにぎりだったのに。
そして…
「……夕べ、肉じゃがだったの?」
偶然なのか何なのか、そのお弁当の中には肉じゃがが入っていた。
あたしがそう問いかけると、優大は顔色ひとつ変えずに「うん」って頷く。
……まぁでも、優大のはコロッケじゃないし。
たまたま夕べの晩ごはんがかぶっただけなのかもしれない。
あたしはそう思うと、そのお弁当を食べようとする優大の手に自分の手を重ねて、言った。
「ねぇ」
「?」
「キスして」
あたしはそう言って、その手に少しだけ力を入れる。
すると、優大は一瞬びっくりしたような表情を浮かべたけど、やがてそれは照れたような顔に変わって…
「…いいよ」
そう言って、誰もいない屋上でキスをした。
優大は、付き合う前はあまり女の子と付き合ったことがないようなイメージがあったけど、
今はキスをする度にいつも思う。
…何か、妙に…キスに慣れてるな。
だけど口を離すと優大はまた照れたようにあたしからふっと視線を外して、お弁当を食べ始めた。
気のせいだったらいいな。
…………なんて、そう思っている今は、もちろんまだあたしは全てを知らない。
******
「もうすぐテストか…」
ある日の夜。
リビングに飾ってあるカレンダーを眺めながら、独りそう呟く。
この家に引っ越したばかりで片付けが続いていたから気がつかなかったけど、もうすぐ期末テスト期間に突入してしまうらしい。
…マズイ。
全然勉強してない。
あたしがそう思ってため息を吐くと、それを聞いていた水野くんが言った。
「どっちが点数とれるか競争してみる?」
そう言って、わざとらしくニッコリ笑う。
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だって水野くん、頭良さそうだし。
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だから、勉強していないと成績が下がってしまう恐れだってある。
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「無理だよ。勝てるわけないじゃん」
「そうだね」
「…認めちゃうのか」
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……でも、こんなことを言っている場合じゃない。
そろそろ勉強しないと。
そう思って、
「…勉強してくる」
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と、あたしと一緒にリビングを後にした。
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