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しおりを挟む簾で仕切られた酒場のテーブル、周りの席の様子は見えないが、店内はガヤガヤと賑わっていて私たちの会話なんて喧騒の中に紛れて消えそうな煩さだった。
あれ、頭がぼんやりする。そんなに飲んだっけ?
飲んだかもしんないなぁ。だって師団長に業務として″私情を改めろ″なんて注意されると思わなかったしさぁ。
麦酒を注文しようとした手をキールの手に制止されて、木杯を丸々覆えそうな手の大きさに少し驚いた。
あー、いつの間にか、キールもデカくなったんだなぁ。
10年くらい前だっけか、出会ってすぐの時は女の子みたいな顔だし身体もひょろくて可愛らしかったのに、いつの間にかわたしより背も高くなってさー、
ガタイも男らしくなっちゃって、はー、やだやだって思ってたのに、なんでそんなかわいー顔してんの。
へぇー?わたしの恋人になりたいわけじゃないんだ。
そんな恋する乙女みたいなかわいい目でこっち見てるくせに?
男同士の性欲処理みたいなものって、変なの。わたしたち異性なのに、いいんだ?それで。
言い訳だけどさ、別にわたしだって色情魔みたいに誰かれ構わず手を出してる訳じゃないよ?
ちゃーんと秘密を守れてわたしに執着しない、束縛しないって約束できた子とだけ。外で自由に恋愛出来ないのはお互い様だしさ、あくまでもお遊びということで。
でももう正直さぁ、誰かの好意を受け取るのも、その好意を宥めるのも、疲れたんだよね。
キールはちゃんと友達だからさ、そんなふうに切り捨てたくないんだよ。
でも、いいよ。
秘密を守って、線引きを守って、
執着も束縛もしない。性欲処理だけの関係で居れるなら。
かわいい友達の誘い、ノってやろうじゃん。
——————
『続きは部屋で飲むか』なんて言いながら二人の間に妙な緊張感が過ぎた。いつも部屋酒を飲むときは騎士兵の宿舎に行ってキールの部屋で飲むけれど、表情は平然としているのに耳を赤くしているキールを見て、アイニスは彼の手を引いて自分の部屋へ誘った。
何人も、女を抱いた部屋に。
「ふ…っ……、……っ……♡」
「…痛く、ないか…?」
「だい、…じょぶ…っ、だから……っ」
ベッドに腰掛けたキールの手に引かれ彼の足の間に腰掛けるように座らされた。
背後から腕が伸びてきてカチャカチャとベルトを緩める。
そのまま下着も脱がさずに彼の指が膣に侵入してきて、その太さに少し驚いた。
「…すげぇ、…濡れてる……」
「うるさいなぁ…っ…溜まってるって、言ったじゃん…!」
まだ一本しか入ってないのに、こんなに指の太さ違うんだ…っ
ゴツゴツの筋張った関節が膣肉を引っ掻きながら奥へ進んで、力強くコツコツを腹側をノックされる度に腰が震える。
いつもは″タチ側″でこんなに身体を預けることなんてないから、どんな反応をすればいいのか分からない。
ただの性欲処理、生理現象を消費するだけのものなんだから、そんなこと考えなくていいはずなのに。
「…そ。…じゃあちょっと強くするけど、大丈夫そ?」
背後から聞こえる声はいつものキールの声で、自分だけが熱に浮かされてるみたいで余計に気恥ずかしくなる。
背中には布越しに勃っているものの感触があるのに、なに平然としてんだよ。
爪もちゃんと切り揃えちゃってさ、案外女慣れしてて嫌んなる。
モテないとかどうたら言ってたくせにさぁ、自分だって女経験積んでんじゃん…っ。
「いちいち、うっさいなぁ……っ♡じれったいから、早くしてよ」
声が生娘みたいに震えて、呼応するようにそこがきゅぅ♡と彼の指を締め付けた。
一本だけできゅうきゅうに埋まるのに、膣はその先を期待してじゅくじゅくに熟れて涎を垂らしている。欲しい、早く、徹底的な快感が。
女を抱く時と違って誰かを好きにする背徳感は得られないけど、今はそれよりさっさと絶頂して身体の熱を発散したかった。
アイニスの言葉に応えるように、ぬぷ、と男の手が二本大唇陰を掻き分けてもう一つの手が愛液を潤滑油代わりにしながら股の芯に触れる。
ごつん♡と″奥″が叩かれるのと、クリトリスの皮を剥かれぬるぬるの手で弾かれたのは同時だった。
「——————ぁ″ッ——⁉︎⁇⁇♡♡♡♡♡」
一瞬で目の前がスパークして、バチバチバチッと脳の奥が強烈に点滅する。
女の手では絶対に届かないそこは、これまでに触られたことがなく身を焼くような快感に勝手に腰が震えた。
あ?あえ、あ?♡♡イってる??♡♡♡これ、イって———…⁉︎
ふわふわと残る絶頂の余韻は、キールの手が無慈悲にクリトリスを扱いた瞬間に弾き落とされた。
いっそ痛みを感じるほどの強烈な刺激に膣がぎゅうぅ♡と強く彼の手を引き絞る。
イってる、まだ、イってる最中だって……っ‼︎‼︎
足先がふわふわする感覚がまだ残ってる。膣の奥がきゅうきゅうと吸うものもないのに何かを飲み込むような動きを繰り返してる。キールだって、わたしがイったことは分かってるはずなのに…ッ
こちゅこちゅこちゅこちゅ♡♡♡
ぬりゅ♡ぬりゅ♡ぬりゅ♡ぬりゅ♡
「ま″——ッ、っで⁉︎♡♡♡ま、ぁ″、——ッ″——ぁ″ッ………⁉︎‼︎♡♡♡♡」
彼は無言でコツコツと膣の一番奥、″子宮口″に指の形を覚えさせるように淡々と奥を叩き続けていて、その度敏感なクリトリスをずるずると男根のように扱かれる。
指の指紋の凹凸まで分かりそうなほど、そこは敏感なのに。
与えられるものが許容を超えて声が出ないアイニスを無視して、奥に埋まる指がくるくると子宮口を撫でる。
ぷっくり浮き出たその丸みをかたどるように、指がきゅっ♡とそこを挟んだ瞬間、もはや叫びに近い悲鳴が漏れた。
「声、抑えろ。ど深夜だぞ」
反射的に彼に後ろから口を押さえられて身が強張る。
先ほどまでクリトリスを撫でていた手はどろどろと愛液に塗れていて、自分の欲情した匂いが鼻をくすぐった。
「——ぁ″、………ぅ″、———ッ″……‼︎♡♡♡」
声を抑えろと言われても、今のアイニスにそこに気を割く余裕はない。
身体は絶えずガクガクと痙攣し、頭はキンキンと頭痛のような痛みがした。
こんなに、無理矢理イかされるような絶頂なんて、初めてだった。
誰かをこうしたことはある。
快楽に身を捩る姿を見るのは好きだったから。
でも、それがこんなに辛いことなんて知らなかった。
だって、″される側″なんて、したことないから。
ふーふーっと息を荒くするアイニスは、
その背後で男がどんな顔をしてるかもまだ知らない。
行為が始まる前、
アイニスは顔を赤くするキールの手を引いて自ら宿舎に連れ込んだ。
二人の仲がいいことも、それは友人関係で特別な間柄ではないことも長く働く人間には周知されている。
酔っ払いに手を引かれながらキールはこの手が何人も女を引き寄せて連れ込んだのかと考えていた。
部屋に入るなりアイニスはネクタイをとって無防備に服を緩める。
普段酒を飲む時とは違って、″行為をする前″の慣れた行動につい目が追いかけてしまった。
『なに、そんな見てんの』
『……見るだろ、そりゃ…』
『これからもっと凄いことするのに?…変なの。』
ニタリと笑う彼女の顔は扇情的で、ああ、こんな表情があの女の子達には″優しい顔″に映るんだな。なんて思った。
本当は加虐心を制御出来てないだけの欲にまみれたきたねぇ表情なのに。
『わたし、″される側″は初めてだから、優しくしてよ?』
…こいつは、
煽ることを分かっていて、そんなことを平気で宣う。
なあ、俺我慢してきたんだよ。
お前が女にしか興味ないって言うからさ。
告白もしねぇで健気に″いい友達″で居てやったの。
良いやつだろ?俺って。
でもだからお前が自分を消耗するみたいにさ、
後輩に手ぇ出して惚れられて捨てて恨まれて、
そんなこと繰り返してることに思うことはあんのよ。
大丈夫、俺はお前と違って好意を踏み躙ったりしないし、
無理矢理手篭めになんてしないから。
便利な駒でいてやるよ。
友人で、性欲処理も出来るちょっと特別な人間。
お前が望む立ち位置で居てやるから。
ずっと、我慢してきたんだよ。
こいつの望む俺でいられたら、
こいつは俺からわざわざ離れたりしないんだよ。
だから、まだ、我慢できるだろ…?
そうやって、
いままでの関係も全て破壊したくなる衝動に蓋をするように、
キールは自分に言い聞かせ、我慢出来ると決心したつもりだった。
…その筈だった。
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