【R18. 1/29完結】元同期の天才魔術師に″処女は抱かない″と言われたので処女を捨てたらキレられました。

Y(ワイ)

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元同期の天才魔術師に捕まった後、おしおきえっちからの溺愛快楽拷問される話。

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目を覚まして一番最初に目に飛び込んできたのは、やたらと豪奢な見慣れない天井。手触りの良い滑らかなシルクの布の感触が指をつたい、どデカいベッドはふかふかで布団に身体全体がすっぽり沈んでいるのに優しく受け止められているような抱擁感を感じる。
慣れない感触と、場違いな高級な空間に、ベルの頭の中にはただただ疑問符が浮かんでいた。

「あ、起きた?」

まだ脳が覚醒してない時に、横から聞こえた快活な声。
聞き慣れた声に無意識に安堵すると共に昨夜の行為が身体にフラッシュバックしてぎくりと身体が硬直した。

「おはよう、俺の奥さん。身体はどう?」
「…ハ、イド……」
「今日は辛いだろうから無理しないでね。俺がベルちゃんの仕事もこなしてあげるから、ゆっくり休んでて」

なに、ハイドは何を言ってるの?
次から次に飛んでくる″奥さん″だとか″仕事を代わりにする″だとか疑問が深まるばかりの彼の話ぶりに、ベルは(なるほど、これはハイドとの理想の恋人生活を模った夢か。)と現実逃避しかけたが、そうも言ってられない。
視線をおくればだだっ広い部屋の隅には先日まで遠征で使用していた荷物が大きな鞄のまま置かれている。
それは、昨日彼が門に迎えに来てくれた帰り道に「重いでしょ、持つよ」と言ってくれていたもので———。


『私、もう処女じゃないから、抱いてほしい』

…あぁ、そうだ。あの夕焼け道で、私は彼にお願いしたんだ。
一度ハイドが女として私を抱いてくれたら、後は彼が望む通りの友人を演じるつもりだった。
無相応の馬鹿みたいな恋なんてすっぱりやめて、ちゃんと自分の将来のために人生を共にするパートナーを探すつもりだった。
新しい恋をして、新しい生活を手にして。
なのに、

『嫌じゃないよ、ここがお前の性感帯。抱いてくれた奴はそんなことも教えてくれなかった?』

昨夜の彼の声が脳に焼き付いて離れない。


『男なら好きな女の身体は知り尽くしたいし、気持ちよくなれるようにじっくり教え込んでやりたいと思うものだからさ』

嫌だと叫んでもハイドの手が止まることはない。
泣き喚いても暴れても彼の圧倒的な魔術で簡単に身体の自由を奪われて快楽の逃し方もわからず、ただただ教え込まれるものの苛烈さに泣き喚いた。


『かわいそーに。大丈夫、クソ男には俺がお灸を据えてあげるし、お前の性感帯は俺がぜーーんぶ教えてやるからね』

言葉の通り、彼は私の性感帯を全部つまびらかに暴いた。
子を成す大事な子宮に電力を流し込まれ、まるで子宮口が彼の手のひらで弄ばれているように強引に電力で収縮をさせられる。
敏感なそこが揉みしだかれているような重い感覚と、降りられない苦しい絶頂。


『俺くらいだよー?こんなこと出来るの
 他の男に抱かれて満足出来んの?
 できないよねぇ、かーわいそうに♡』

こんなに苦しいのに、こんなに泣き喚いているのに。
私を見下ろす彼の瞳には愉悦が籠っていて、じっとりと私の腹の底まで見通すような熱を孕んでいた。
なんで、なんで笑ってられるの、なんで、嫌だって言ってるのに、ハイドなら、あの地獄みたいな魔術候補生のとき、私に特訓をつけてくれたハイドはこんなじゃなかった。
上手く出来たことを褒めてくれて、いつもは嫌味ばっかり言うくせに指摘するときは調子が狂うくらい素直な言い草で話してくれる。
私が無理して過労になると私より先に気がついて止めてくれた。
だから、あのハイドが、こんな顔で、笑うはずないのに———。

『はは、ハメてんのに潮吹いてんの?♡気持ちいいねぇ、ベルちゃん』
『えー?気持ち良くない?ならまた奥に電流流してあげよっか?ベルちゃん電流好きだもんね?♡』
『あれ、好きじゃなかった?じゃあ痛いのはやめてこの奥揉み込んであげよっか♡ポルチオ押されてぐずぐずに泣いちゃって、かわいー。』
『あはは、声も出なくなっちゃった?かわいそーに白目剥きそうじゃん♡』


『馬鹿になってんじゃん。
 じゃあ俺が代わりに決めてあげるね。
 ベルちゃんは俺の奥さん。ね、これ決定♡』




———あ。




思い出した瞬間に、全身の血の気が引くのを感じた。
本気なわけない。身分も、環境も、才能も、地位も、何もかもが自分とは違いすぎる。
たった一人生き残った元同期として、悪友くらいの立ち位置について、仕事が無事に終わったことを酒を飲みながら祝福されて、そんな日々が無相応な幸せだった。
だから、その先なんて、あるはずがないのに。



悲しいくらい、知っている。

本気になったこの男が、どれほど入念で、執念深くて、恐ろしいかを。








魔術候補生としての地獄の日々なんて、才能に恵まれたこの男からすれば屁でもない日々だった。
適当に任務をこなしていれば酒も女も歳早に遊んでも何も言われない。目の前で同期達が碌に魔術を使えず死んでいくことさえ、この男にとってはどうでもいいことだった。

それが突然王宮所属の魔術長になって、議会を動かして私たちの過ごす環境を大きく変えた。
宿舎は過ごしやすい個人空間があるものに、食事も外出もある程度自由に生きられるようになった。
そうして確実にあの肥溜めのような環境は、改善され浄化されていった。

今はもう、わざと魔術操作が未熟なこどもを爆弾代わりに使う人間なんて誰もいない。
当たり前だ、だってあの頃の人間はもう誰も居ないんだから。



———あれ、いつの間にあの人たち、みんな居なくなったんだろう。






次に目を覚ました時、部屋にハイドの姿はなかった。
地方のホテルより広い部屋と、明らかにこれまで自分が生きてきた環境にあるものと値段も格も違う高級な家具に、大きな窓。
″ハイドの実家″以外に思い浮かぶものがなかった。

痛む腰を引きずり、鞄から服を引っ張り出す。
よたよたと赤子のような足取りで前にした扉に手をかけようとした瞬間———、バチンッと魔術壁のような障壁に干渉を阻まれた。

「…はは、嘘でしょ…」

よく見たら、部屋全体が分厚い防御壁で覆われている。
何もないように見えるけど手で触れようとしたら静電気のような痛みがはしるし、確かにそこに″ある″感覚がした。
物理的に、この壁を超えることはできないようだった。

「こんな大きさ、規格外でしょ…」

ここに居ない人間への恨み言が溢れた。
解術できる気なんて、カケラもしない。
圧倒的な魔力と精密な魔術式を前に、ベルは呆然と扉の前に立ち尽くしていた。








——————






「やあ、こんにちは。今日は君たちの先輩の代わりに簡単なお手伝いでお呼ばれしたんだけど、俺のことは知ってるみたいだから自己紹介はいらないかな? よろしくね、魔術師のたまごちゃんたち。」

憧れの存在を前にキラキラと目を輝かせる魔術師討伐隊の同期を、同じコートを羽織る魔術師の少女は疎ましげに見ていた。
″魔術師のたまご″という言い方が妙に引っかかった。
悪意というか、敵意というか、なにか嫌な語感が込められた劣称のような気持ち悪さがある。
しかし少女の同期たちは最強の魔術師と名高い憧れの″魔術長″を前に嫌悪感なんて微塵も感じず、目を輝かせてシーソーのように頭を上下に振っていた。

(なんで、この人が…)

少女は、先日の光景を忘れていなかった。

自分たちがせせら笑った先輩の横に並んで、愛おしむような宥めるような温度感で彼女の手を引いていた。
一瞬、こちらに視線をやったときの、温度のない冷たい目が忘れられない。

「今日は次の遠征に向けて君たちの教育を仰せつかってね。
 俺もあまり教えるのが得意な人間ではないんだけど、
 まあ、″頑張って″ついてきてくれたらいいな。」

「はい!チームワークには自信があるので!」と同期が言ったのを皮切りに我先にと体力自慢やら魔術自慢やらが始まる。
誰もが憧れの先輩に自分を見てもらいたくて必死だった。
褒めてほしくて、認めてほしくて、自分に、興味をもってほしくて。







「下手くそ。君たち魔術師向いてないよ、やめたら?」


……死に物狂いで魔獣相手に何人もで魔術を張って、今回は前線に立つ人間がいないからそれぞれが離れた場所で自分のところに魔獣が来ないことを祈りながら魔術を唱えた。
仲間のところに魔獣が走って行っても、助けに向かうものなんていない。

魔獣から逃げながら戦う術も、魔術から仲間を庇いながら戦う術も持たない私たちは、お互いを″囮″にしながら魔獣がくたばるまでただひたすら演唱と発現を続けた。
魔獣が自分の目の前に迫ってきたときの恐怖と、大きな爪が服も皮膚も切り裂く痛みが頭から離れない。
そうして私たちが必死になって弱らせた魔獣を、指先一つで簡単に粉にして消してしまった人が言った″下手くそ″の言葉に、私は声が出なかった。


いたい、こわい。
安全な後方で陣を組むいつもと、全然違う。
魔獣がこちらを見るときの″餌″としか見ていない目、人間の何倍もある巨大な体躯と凶器のような爪。
あの爪が、なんの防護壁もないまま振り下ろされていたなら、私の内臓はあの魔獣に食い荒らされていたんだろう。


「それなりに魔力はあるようだから、どんなもんかと思って来てみたけど、魔獣の前で棒立ちで術の発現まで無防備に演唱するって、食べてくださいって言ってるようなもんでしょ」

せせら笑う声には怒りが混じっていて、悔しさと惨めな気持ちで目に涙が滲んだ。
悔しい、苦しい。
こんな男の防護壁のおかげで、今自分の命があることさえ。
憧れの存在に真っ向から否定された同期は、目の前が真っ黒に塗りつぶされたような表情をして視線を彷徨わせていた。
自分たちは、才能があると思っていた。
実際、大きな陣も力を合わせたら発現することができた。
私たちの歳でこんな魔術を使える人なんてごく僅かなはずだから、
だから魔術師なのに騎士兵より動き回って、チマチマと簡素な魔術ばかり扱う先輩に憧れることなんてなかったし、馬鹿にしてた。




———でも、それは、




一人でも欠けたら私たちは、
強力な魔術どころか、何もできない″魔獣の餌″になるということ。





「そんな目で見ないでよ。
 俺に何を期待したのかは知らないけど、ちゃーんと教育してあげたでしょ?死にたがりの君たちに、死を直視できるように体験させてあげた。それも命の補償付きで。それってとっても優しい配慮だと思わない?」

だって君たち、知らなかったら自分たちが″死にたがり″なことさえ気付かず仲良く魔獣のお腹に入ることになってただろうからさ。と。
負傷するこどもを前にケラケラと笑うこの男の神経が、少女は理解できなかった。
わざと魔獣の恐怖を理解していない自分たちに死を疑似体験させるようなこのやり方には、自分たちを指導をする以外にも、何か別の要因があるような悪意を感じた。
それでも、意を唱えることなんて出来るはずがない。
自分たちは憧れの存在に届かない程度の能力しかないのだから、この人が言うことは何があっても正しいのだ。


カクカクと、壊れたブリキ人形のように頷く少年少女をハイドは疎ましげに一平した後、教祖のような朗らかな笑みをして「期待しているよ、これから頑張ってね」と成長を促すような言葉を吐き捨てる。
パアァ、花が開くように顔に生気を取り戻す同期たちを、少女はもう″素直で才能があるチームメイト″とは見なせなかった。
悪意の影にも気が付かない。馬鹿で愚かなミーハー女。
こんなやつとずっと一緒にいたら、いつかは本当に魔獣に喰われて内臓をぶち撒けながら絶命する未来しか見えない。
離れないと、この、チームメイトという名の爆弾から。


最後に一瞬目があったような気がする魔術長は、何かを見透かしたようにこちらを見て笑っていた。




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