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『初めてのデスペナ』
しおりを挟む昔から友達は出来なかった。
話そうと思っても上手く話せなかった。
それがキモがられて小学校も中学校も
そして高校も。
でもアキラとカオルさんには自然と話せた。
俺も何か変われるのかもしれないな。
久しぶりに感じた。
前にも確かあったはず…。この感覚…。
「おーい!ルイー!起きろー?」
何か夢を見ていた。僕はアキラに起こされた。
「準備したら出てこいよー!カオルさんが朝飯作って待ってるから。」
……。
『なにこれ美味しい。』
「だろー?カオルさん料理上手なんだよ!」
「あら?褒めても何も出ないわよ?」
「ルイは料理とかするの?」
『僕は全然できないよ。』
「えー得意そうなのにー。」
『カオルさんに教えてもらおうかな?』
「あら?いつでもいいわよ♪教えてあげる♪」
美味しいご飯に何気ない会話だけど
暖かい気持ちになった。
「さあ!食べ終わったかしら?今日はアキラに「デスペナ」の倒し方教えてもらいなさい?」
とカオルさんに言われ
僕はアキラと「よみのくに」の紹介と
「デスペナ」の倒し方を教わることになった。
「まーまずはここの紹介だな。まず部屋だが今は俺とルイだけ。カオルさんはBARの2階に部屋があんだ。ここは討伐部の敷地だからな?」
『他にも部があるの?』
「いや俺が知ってるのはここと農業部、保育部だけ」
『農業部?保育部もあるのか?』
「昨日飲んだオレンジジュースのオレンジの木の管理とさっき食べた飯の為の畑。自給自足ってわけだな。それが農業部の仕事。保育部はまた後で説明する。」
『よみのくに暮らしも楽じゃないってことだな』
「いやぁ?農業部の人たちは毎日楽しそうだぞ。行ってみるか?」
『いいの?デスペナは?』
「デスペナは今は出てきてないから大丈夫だ!」
まず農業部に向かうことになった。
農業部は天国側の敷地にあるらしい。
農業部に着くまでしばらくアキラと話をした。
『てかデスペナってのはなんなんだ??人間?なのか?』
「いや、見た目は怪物っぽい感じ。地獄行きの奴の最後の足掻きって感じだな。」
『 地獄行きの人はみんななるの?』
「いや違うな。正解は知らんが多分「死刑囚」だ。」
『 死刑囚?』
「デスペナになるともう人間の言葉は話せない。だから正解はわからないが、カオルさんと俺はそう思ってる。あの威圧感、残虐性。死刑囚でもないとあんなんにならんだろうって。」
『そうなんだ。万が一そのデスペナに僕らが負けたりしたらどうなるの?』
「俺らはもう死んでるから、死ぬってわけではないが、んー。成仏されるな。生き返れなくなるって感じだな。」
『そうなのか。怖いな』
「大丈夫。今までそんな強いやつとは出会ったことが無い。農業部や保育部を守ってやらないといけないからな討伐部は。」
『責任重大だな…。』
「大丈夫だって!俺が教えてやるから!」
そして目の前にオレンジの木が沢山見えてきた。
「ここだよ!農業部!」
オレンジの木。たくさんの畑たち。
綺麗な光景だった。またマ〇クラ?とも思った。
「あたらしい とーばつぶ のひと?」
農業部の人に話しかけられた。
『ルイです。よろしくお願いします。』
「よろしくね!がんばってたくさんつくるからいっぱいたべてね!!」
手にいっぱいのオレンジを持って
「はやくいかなくちゃ!」
と言ってパタパタと去っていった。
見かけは僕と同じくらいだけど雰囲気が
子供っぽいなぁ。と思っていると
「みんなまだ子供なんだ!ここにいる子は」
とアキラが教えてくれた。
『子供?』
「農業部。取り仕切ってるのは大人だが、作業してるのはほとんどが子供だ。見かけは俺たちと変わらないが、中身は成長しきってない。それが保育部と……」
(キャーー!!助けてー!!!)
アキラが説明してくれていたが
どこからが悲鳴が聞こえてきた。
「デスペナか!?」
『 デスペナがでたの!?』
「あっちだ!すぐ行くぞ!!」
農業部の子達に「はやく部屋に戻れ!!」といい
アキラと僕はデスペナのとこへ向かった。
『農業部の子達大丈夫かな?』
「大丈夫。部屋さえ入ってしまえばデスペナは入ってこない。あそこも結界がある。」
とアキラは走りながら教えてくれた。
しばらく走ると
辺りも暗くなってきた。
「そろそろ出るぞ。気をつけろ。」
アキラがそう言うと目の前に
怪物が現れた。
『こ、これがデスペナ!?ね、ね、ねずみ!?思ってたよりも大きい。』
大きすぎる。戦えるのか?こんなのと。
僕の剣を振りかざしても頭で届かない。
「そうだ。毎回姿は違う。今回はねずみのようだな。剣を構えろ!!!」
剣を構えたが怖すぎて動けない。
「大丈夫。ランクは低い。10と言った所か。」
そういえば昨日の説明でランクがあるって言ってたな。低いと言われても怖すぎる。
怯える僕を見てアキラはこう言った。
「一旦見てろ。こう戦う。」
アキラは大剣を地面に突き刺した。
「「こがせ」SOUL to SOUL 」
と唱えた瞬間アキラの左手に赤い光が宿った。
地面に突き刺した大剣に左手をかざすと
赤い光が大剣にも宿っていった。
その瞬間、空に飛び上がり大剣を振りかざし
「「萩!!!」」と叫び力を貯めた剣で
デスペナの頭から真っ二つに切った。
デスペナは「パンッ!」と音と共にいなくなった。
『すごい!!エ〇アル大剣……』とつぶやくと
「おー!わかったか?これがやりたくて飛べるようにしてもらったんだ!」と満足そうにアキラは言った。
戦い方までモ〇ハンなんだな。。。
「どうだ?なんとなくわかったか?」
『いやわからない。その呪文みたいなのはなんなの?昨日カオルさんも言っていたけど。』
「あれ?まだ聞こえてこねぇ??剣を握ると不思議と心に聞こえてくるんだよ。俺もよくわかんねぇけど。あの光がねぇとデスペナは倒せない。」
『何も聞こえなかった。』
「ま、まぁ安心しろ。多分恐怖が勝ってたんだろう。ソウルロットが武器に変わったんだ。ルイは選ばれたんだよ。だから大丈夫だ。」
『そうなのかな…。』
「一旦カオルさんに報告しよう。」
とアキラは言い、カオルさんのとこに戻ることになった。
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