よみのくに

あーたん

文字の大きさ
2 / 5

『初めてのデスペナ』

しおりを挟む

昔から友達は出来なかった。
話そうと思っても上手く話せなかった。
それがキモがられて小学校も中学校も
そして高校も。

でもアキラとカオルさんには自然と話せた。
俺も何か変われるのかもしれないな。

久しぶりに感じた。
前にも確かあったはず…。この感覚…。

「おーい!ルイー!起きろー?」

何か夢を見ていた。僕はアキラに起こされた。

「準備したら出てこいよー!カオルさんが朝飯作って待ってるから。」

……。

『なにこれ美味しい。』
「だろー?カオルさん料理上手なんだよ!」
「あら?褒めても何も出ないわよ?」
「ルイは料理とかするの?」
『僕は全然できないよ。』
「えー得意そうなのにー。」
『カオルさんに教えてもらおうかな?』
「あら?いつでもいいわよ♪教えてあげる♪」

美味しいご飯に何気ない会話だけど
暖かい気持ちになった。

「さあ!食べ終わったかしら?今日はアキラに「デスペナ」の倒し方教えてもらいなさい?」
とカオルさんに言われ

僕はアキラと「よみのくに」の紹介と
「デスペナ」の倒し方を教わることになった。

「まーまずはここの紹介だな。まず部屋だが今は俺とルイだけ。カオルさんはBARの2階に部屋があんだ。ここは討伐部の敷地だからな?」

『他にも部があるの?』

「いや俺が知ってるのはここと農業部、保育部だけ」

『農業部?保育部もあるのか?』

「昨日飲んだオレンジジュースのオレンジの木の管理とさっき食べた飯の為の畑。自給自足ってわけだな。それが農業部の仕事。保育部はまた後で説明する。」

『よみのくに暮らしも楽じゃないってことだな』

「いやぁ?農業部の人たちは毎日楽しそうだぞ。行ってみるか?」

『いいの?デスペナは?』

「デスペナは今は出てきてないから大丈夫だ!」

まず農業部に向かうことになった。
農業部は天国側の敷地にあるらしい。
農業部に着くまでしばらくアキラと話をした。

『てかデスペナってのはなんなんだ??人間?なのか?』

「いや、見た目は怪物っぽい感じ。地獄行きの奴の最後の足掻きって感じだな。」

『 地獄行きの人はみんななるの?』

「いや違うな。正解は知らんが多分「死刑囚」だ。」

『 死刑囚?』

「デスペナになるともう人間の言葉は話せない。だから正解はわからないが、カオルさんと俺はそう思ってる。あの威圧感、残虐性。死刑囚でもないとあんなんにならんだろうって。」

『そうなんだ。万が一そのデスペナに僕らが負けたりしたらどうなるの?』

「俺らはもう死んでるから、死ぬってわけではないが、んー。成仏されるな。生き返れなくなるって感じだな。」

『そうなのか。怖いな』

「大丈夫。今までそんな強いやつとは出会ったことが無い。農業部や保育部を守ってやらないといけないからな討伐部は。」

『責任重大だな…。』

「大丈夫だって!俺が教えてやるから!」

そして目の前にオレンジの木が沢山見えてきた。

「ここだよ!農業部!」

オレンジの木。たくさんの畑たち。
綺麗な光景だった。またマ〇クラ?とも思った。

「あたらしい とーばつぶ のひと?」
農業部の人に話しかけられた。

『ルイです。よろしくお願いします。』

「よろしくね!がんばってたくさんつくるからいっぱいたべてね!!」

手にいっぱいのオレンジを持って
「はやくいかなくちゃ!」
と言ってパタパタと去っていった。

見かけは僕と同じくらいだけど雰囲気が
子供っぽいなぁ。と思っていると
「みんなまだ子供なんだ!ここにいる子は」
とアキラが教えてくれた。

『子供?』

「農業部。取り仕切ってるのは大人だが、作業してるのはほとんどが子供だ。見かけは俺たちと変わらないが、中身は成長しきってない。それが保育部と……」

(キャーー!!助けてー!!!)

アキラが説明してくれていたが
どこからが悲鳴が聞こえてきた。

「デスペナか!?」

『 デスペナがでたの!?』

「あっちだ!すぐ行くぞ!!」
農業部の子達に「はやく部屋に戻れ!!」といい

アキラと僕はデスペナのとこへ向かった。

『農業部の子達大丈夫かな?』
「大丈夫。部屋さえ入ってしまえばデスペナは入ってこない。あそこも結界がある。」
とアキラは走りながら教えてくれた。

しばらく走ると
辺りも暗くなってきた。

「そろそろ出るぞ。気をつけろ。」
アキラがそう言うと目の前に
怪物が現れた。

『こ、これがデスペナ!?ね、ね、ねずみ!?思ってたよりも大きい。』

大きすぎる。戦えるのか?こんなのと。
僕の剣を振りかざしても頭で届かない。

「そうだ。毎回姿は違う。今回はねずみのようだな。剣を構えろ!!!」

剣を構えたが怖すぎて動けない。

「大丈夫。ランクは低い。10と言った所か。」

そういえば昨日の説明でランクがあるって言ってたな。低いと言われても怖すぎる。
怯える僕を見てアキラはこう言った。

「一旦見てろ。こう戦う。」

アキラは大剣を地面に突き刺した。

「「こがせ」SOUL to SOUL 」

と唱えた瞬間アキラの左手に赤い光が宿った。
地面に突き刺した大剣に左手をかざすと
赤い光が大剣にも宿っていった。

その瞬間、空に飛び上がり大剣を振りかざし

「「萩!!!」」と叫び力を貯めた剣で
デスペナの頭から真っ二つに切った。
デスペナは「パンッ!」と音と共にいなくなった。

『すごい!!エ〇アル大剣……』とつぶやくと
「おー!わかったか?これがやりたくて飛べるようにしてもらったんだ!」と満足そうにアキラは言った。

戦い方までモ〇ハンなんだな。。。

「どうだ?なんとなくわかったか?」

『いやわからない。その呪文みたいなのはなんなの?昨日カオルさんも言っていたけど。』

「あれ?まだ聞こえてこねぇ??剣を握ると不思議と心に聞こえてくるんだよ。俺もよくわかんねぇけど。あの光がねぇとデスペナは倒せない。」

『何も聞こえなかった。』

「ま、まぁ安心しろ。多分恐怖が勝ってたんだろう。ソウルロットが武器に変わったんだ。ルイは選ばれたんだよ。だから大丈夫だ。」

『そうなのかな…。』

「一旦カオルさんに報告しよう。」
とアキラは言い、カオルさんのとこに戻ることになった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...