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1章:オラガ村にやってきた侯爵令嬢
30.フレポジ男と決闘
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「…せめて武器を持て、丸腰相手に戦ったのでは俺の名誉に関わる」
「あーまあそうか…それじゃしかたねぇな。おいケイト、それ貸せ」
「えー壊さないで下さいよ?お気になんですから…」
そう言ってケイトは手に持ったソレをケヴィンに投げてよこす。
そしてそれを受け取ったケヴィンは穂先の方をヤレーラに向けた。
その行動にみるみるうちに青筋を立てて怒りを露にするヤレーラ。
「貴様、馬鹿にしているのか?それは箒ではないか!」
「だから、こっちが丸腰だとやられた時に名誉が傷つくから何か手に持ってほしいって話だっただろ?
ほら、これが俺の武器だからサッサと終わらせるぞ」
「…おちょくりおって…良いだろ王太子殿下より賜った我が魔剣とくと見よ!」
言って剣を鞘から剣を引き抜いたヤレーラ。
その刀身には炎がゆらゆらと揺らめいていた…
「貴様のような田舎者、魔剣など初めて見るだろう?」
「いや、だってそれ作ったの俺のダチだし…」とは言わない、どうせ信じないだろうから。
火の魔剣…その刀身に火炎の魔法が宿る魔剣。
昔ケヴィンが所属している冒険者クランにお金がない初期の頃、ケヴィンが素材を集めて友人が作った沢山出回っている剣の一つ。
切れ味こそ普通の剣よりもいいし火を纏った刀身はカッコいい…
しかし、斬ったその場で切り口を焼いて血を止めてしまうし、魔法で無理やり作ったため魔剣にしてはもろいという欠陥品。
今にして思えば駄作もいい所で本人の黒歴史に数えられてしまっている。
まあ、本人は回収するつもりもないらしい。
松明として使えるし美術品としてみればカッコいいからまあいっかという感じのようだ。
勿論、こんな所で出くわすとは思わなかったが…
そして、仮に魔剣が凄かったとしてもそれを敵に当てるのは使用者の技量なので当たらなければどうという事もない…
しかしながら、そんな事よりも気になる事があった…
その事を質問するケヴィン。
「なああんた…<闘気>も使えない系?」
「…何を言っている?」
ヤレーラがそれを言った瞬間<闘気>を知る者達から弛緩した…というよりガッカリした空気が流れた。
「解散…」の言葉と共に家の中に入っていくアネス。
「あ、姫様~晩御飯はお米ですけど大丈夫ですか?」と夕食の心配を始めるケイト。
この場にいる必要のあるシスティーナはボーっとしながらチョウチョをジッと眺めていた。
<闘気>…魔力とは違う気の力で身体や武具などを強化する技なのだが…
ある程度のレベルの人間であればソレを知らずのうちに会得していて、上級冒険者の入場許可証みたいなものである。
そして、<闘気>が使えない相手が使える相手に勝つなどほぼ不可能なレベルの差がある。
魔法を多用するのであれば<身体強化魔法>で問題はないのだが、近接戦闘をするのであれば致命的である。
そんなわけだから、正直言うとケヴィンもこの決闘はなんだか大人気ないと感じ始めていた…
「先ほどから精神をかき乱す作戦か?」
「いや…あの程度でかき乱されないでくれよ。メンタル繊細だな…
とゆうか、あんた見てたら段々と王都の剣闘大会で勝てる自身無くなって来たわ」
「今更臆したか」
「ああ、だってその剣闘大会って弁舌を戦わせる場なんだろ?
あ、もしかして検討大会だったりする?だったら煽った事謝るわ」
「………」
それを聞いた瞬間に先程まで怒鳴り散らしていたヤレーラの空気が一変した。
どうやって情けなく命乞いをさせるか…それを考えていたが気分が変わったのだ。
「………おい女、この決闘では殺しても問題なかったよな?」
「…え?ああ…はい、ですので死なないよう頑張ってくださいね?死ななければ治してあげるので」
「もういい、わかった…」
剣を構えるヤレーラとそれを迎え撃つのはいつまでたっても自然体のケヴィン。
「殺すっ!」
そして、ヤレーラのこの一言から決闘が始まった。
――――――――――――――
「殺すっ!」
その掛け声とともにヤーレラは駆け出した。
そして、ケヴィンめがけて得意の上段斬りを放った。
王都の剣闘大会の予選を制したその一撃がケヴィンに振り下ろされる。
そしてケヴィンはというと、愚かにもその一撃を箒で受けようとしていた。
ヤーレラの一撃は当たり前のようにその箒を切り裂き、その炎が箒の柄の部分と分離した穂先を焼き尽くした。
そしてヤーレラの剣はそのまま紙一重で避けるケヴィンの横を叩きつけ…
…そしてケヴィンの右ストレートがヤーレラの顔面を捕えたのであった。
バキッ!
カウンターが成立したその一撃が決闘の場に鈍い音を響かせる。
強烈な一撃で後ろへ吹き飛ぶヤーレラ。
一瞬意識を失うヤーレラだったが、何とか頭を振り意識を取り戻すと…
そこには穂先が切断され鋭い槍先となった箒が目の前に突きつけられていた。
自分が地面を背に槍を突きつけられている現実を受け入れられないヤーレラは思わず叫ぶ。
「ひ、卑怯だぞ!」
「あん?特に卑怯な真似をしたつもりはなかったが…
まあいいや、その卑怯を軽視した勉強代を支払うんだな」
そう言って、ヤーレラの目の前に槍先を突き入れようとするケヴィン。
「まいった」
その言葉を聞いてピタリと動きを止めシスティーナの方を確認するケヴィン。
そしてシスティーナもその言葉を聞き届けた。
「ヤーレラ様の敗北宣言を聞き届けました。勝者はケヴィン様となります」
………
一部始終を観戦していたエルシャの素直な感想は…
あっけない…であった。
押し問答の時間の方が長かった、今までの時間を返して欲しい…
そんな言葉を吐いてしまいたくなるようなあっけない幕切れであった。
「あーまあそうか…それじゃしかたねぇな。おいケイト、それ貸せ」
「えー壊さないで下さいよ?お気になんですから…」
そう言ってケイトは手に持ったソレをケヴィンに投げてよこす。
そしてそれを受け取ったケヴィンは穂先の方をヤレーラに向けた。
その行動にみるみるうちに青筋を立てて怒りを露にするヤレーラ。
「貴様、馬鹿にしているのか?それは箒ではないか!」
「だから、こっちが丸腰だとやられた時に名誉が傷つくから何か手に持ってほしいって話だっただろ?
ほら、これが俺の武器だからサッサと終わらせるぞ」
「…おちょくりおって…良いだろ王太子殿下より賜った我が魔剣とくと見よ!」
言って剣を鞘から剣を引き抜いたヤレーラ。
その刀身には炎がゆらゆらと揺らめいていた…
「貴様のような田舎者、魔剣など初めて見るだろう?」
「いや、だってそれ作ったの俺のダチだし…」とは言わない、どうせ信じないだろうから。
火の魔剣…その刀身に火炎の魔法が宿る魔剣。
昔ケヴィンが所属している冒険者クランにお金がない初期の頃、ケヴィンが素材を集めて友人が作った沢山出回っている剣の一つ。
切れ味こそ普通の剣よりもいいし火を纏った刀身はカッコいい…
しかし、斬ったその場で切り口を焼いて血を止めてしまうし、魔法で無理やり作ったため魔剣にしてはもろいという欠陥品。
今にして思えば駄作もいい所で本人の黒歴史に数えられてしまっている。
まあ、本人は回収するつもりもないらしい。
松明として使えるし美術品としてみればカッコいいからまあいっかという感じのようだ。
勿論、こんな所で出くわすとは思わなかったが…
そして、仮に魔剣が凄かったとしてもそれを敵に当てるのは使用者の技量なので当たらなければどうという事もない…
しかしながら、そんな事よりも気になる事があった…
その事を質問するケヴィン。
「なああんた…<闘気>も使えない系?」
「…何を言っている?」
ヤレーラがそれを言った瞬間<闘気>を知る者達から弛緩した…というよりガッカリした空気が流れた。
「解散…」の言葉と共に家の中に入っていくアネス。
「あ、姫様~晩御飯はお米ですけど大丈夫ですか?」と夕食の心配を始めるケイト。
この場にいる必要のあるシスティーナはボーっとしながらチョウチョをジッと眺めていた。
<闘気>…魔力とは違う気の力で身体や武具などを強化する技なのだが…
ある程度のレベルの人間であればソレを知らずのうちに会得していて、上級冒険者の入場許可証みたいなものである。
そして、<闘気>が使えない相手が使える相手に勝つなどほぼ不可能なレベルの差がある。
魔法を多用するのであれば<身体強化魔法>で問題はないのだが、近接戦闘をするのであれば致命的である。
そんなわけだから、正直言うとケヴィンもこの決闘はなんだか大人気ないと感じ始めていた…
「先ほどから精神をかき乱す作戦か?」
「いや…あの程度でかき乱されないでくれよ。メンタル繊細だな…
とゆうか、あんた見てたら段々と王都の剣闘大会で勝てる自身無くなって来たわ」
「今更臆したか」
「ああ、だってその剣闘大会って弁舌を戦わせる場なんだろ?
あ、もしかして検討大会だったりする?だったら煽った事謝るわ」
「………」
それを聞いた瞬間に先程まで怒鳴り散らしていたヤレーラの空気が一変した。
どうやって情けなく命乞いをさせるか…それを考えていたが気分が変わったのだ。
「………おい女、この決闘では殺しても問題なかったよな?」
「…え?ああ…はい、ですので死なないよう頑張ってくださいね?死ななければ治してあげるので」
「もういい、わかった…」
剣を構えるヤレーラとそれを迎え撃つのはいつまでたっても自然体のケヴィン。
「殺すっ!」
そして、ヤレーラのこの一言から決闘が始まった。
――――――――――――――
「殺すっ!」
その掛け声とともにヤーレラは駆け出した。
そして、ケヴィンめがけて得意の上段斬りを放った。
王都の剣闘大会の予選を制したその一撃がケヴィンに振り下ろされる。
そしてケヴィンはというと、愚かにもその一撃を箒で受けようとしていた。
ヤーレラの一撃は当たり前のようにその箒を切り裂き、その炎が箒の柄の部分と分離した穂先を焼き尽くした。
そしてヤーレラの剣はそのまま紙一重で避けるケヴィンの横を叩きつけ…
…そしてケヴィンの右ストレートがヤーレラの顔面を捕えたのであった。
バキッ!
カウンターが成立したその一撃が決闘の場に鈍い音を響かせる。
強烈な一撃で後ろへ吹き飛ぶヤーレラ。
一瞬意識を失うヤーレラだったが、何とか頭を振り意識を取り戻すと…
そこには穂先が切断され鋭い槍先となった箒が目の前に突きつけられていた。
自分が地面を背に槍を突きつけられている現実を受け入れられないヤーレラは思わず叫ぶ。
「ひ、卑怯だぞ!」
「あん?特に卑怯な真似をしたつもりはなかったが…
まあいいや、その卑怯を軽視した勉強代を支払うんだな」
そう言って、ヤーレラの目の前に槍先を突き入れようとするケヴィン。
「まいった」
その言葉を聞いてピタリと動きを止めシスティーナの方を確認するケヴィン。
そしてシスティーナもその言葉を聞き届けた。
「ヤーレラ様の敗北宣言を聞き届けました。勝者はケヴィン様となります」
………
一部始終を観戦していたエルシャの素直な感想は…
あっけない…であった。
押し問答の時間の方が長かった、今までの時間を返して欲しい…
そんな言葉を吐いてしまいたくなるようなあっけない幕切れであった。
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