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2章:新婚旅行は幻惑の都で…(前編)
13.フレポジ男と息子
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「パパぁ~!!」
ケヴィンの足に抱き着いてくる小さな男の子…
慌ててエルシャを見てブンブン首を振り身に覚えがないと訴えかける。
身に覚えがないはずなのだから指折り数えるのは止めて欲しい…
男の子にキラキラとした目で見上げられケヴィンは血の気を失い言葉がでない。
だがしかし相手は子供このままではマズいと取りあえず屈んで話を聞いてみようとする。
その様子をエントランスホールの他の客達も見守っていたが…
「ケーヒル待ちなさい!」
そこに母親らしき女性が男の子を追って走ってきた。
ケヴィンから子供を引き剝がしながら母親は謝ってくる。
「子供が突然、申し訳ありませ………え、嘘…ケヴィン…様!?」
「え”っ………???」
まるで、知っている人間かのような反応をされたケヴィンは瞬時に過去の経歴から目の前の女性に該当者がいないか考える。
自分が父親となっている可能性があるならば流石に覚えているはずなのだが…
もしかしたら泥酔していた時に勢いで…何て事もあるので確証が無かったりもする。
そして、ケーヒル君はそんなパパの想いを知る事もなくはしゃいでいた。
「ほんとにパパいたよ!ねっパパッ!!」
「お、おう…」
物凄く興奮してケヴィンを指差すケーヒルと呼ばれた男の子。
ケヴィンもその羨望の眼差しに耐え兼ね抱き上げておくことにしたが…
正直何が何やらである。
なお、この時エルシャは正妻として後方で腕を組みながら事態を見守っていた…
眼差しが少々冷たいのは許してほしい。
しかし、エルシャのこの感情もその母親の言葉で軟化するのであった。
「えと…ファン…でして…
この子には…その…父親はケヴィン様と教えてたんです…
だけど、この子がどうしても会いたいって言うので演劇で誤魔化そうとしてたんですが…」
「ああ~なるほど…」
そして騙して連れてきたつもりのこの場所に本当に本物がいて、先程エントランスで名前が出てきてしまったために飛び出してきてしまったらしい。
顔を真っ赤にして目を泳がせつつ俯いてしまう母親。
それはそうだろう…何せ、自分がファンの有名人を自分の子供に父親であると教えていたのを本人に知られてしまったのだから。
これにはケヴィンもホッとし納得すると、ケーヒルを抱え上げその目を見ながら言ったのだ。
「つまりケーヒルは美人のお母さんと俺との子供って事になるわけだな!」
「「へ???」」
ケヴィンのその言葉に思わずエルシャも母親と一緒に変な声を出してしまった。
そして当の夫はエントランスの中方へ駆けだし「ホレホレ、ぎゅーん!!」とケーヒル君を高い高いをしながら乱暴にクルクルと振り回し始めたのだった。
「そうはなりませんでしょう…」と言いたくなるが、チラリと母親の方へ目を向け言葉を飲み込むエルシャ。
母親は息子がキャッキャと笑いながら父親と偽ってきたケヴィンに遊んでもらっている光景に涙ぐんでいたのだ。
エントランスホールの中央で戯れる二人、他の客の邪魔になるので止めさせたい所ではあるが有名人のケヴィンが堂々とやっている事に誰も止める者はいなかった。
周囲はその様子をにこやかに眺めるだけだ。
ただ…ケーヒル君が公衆の面前で「パパ!」と言いながら遊んでもらっている事に妻としては顔が引きつりそうではあるが何とか我慢する。
受付の女性が戻ってくるとケヴィンはケーヒル君を抱いてエルシャ達の下へ戻ってきた。
そして、ケーヒル君を母親へと手渡す。
「良かったわね、ケーヒル」
「うん!」
そんなケーヒル君に向かってケヴィンは言葉をかけた。
「いいかケーヒル…ケヴィンの息子だったら女の子には優しくしてモテモテにならなければダメだぞ?
俺はお前のお母さんをそうやって落としたんだからな」
顔を真っ赤にさせて目を潤ませる母親。
ケーヒル君はちょっとわからないという顔をしながらもケヴィンに訊ねた。
「パパおうち来ないの?」
「正義の味方のお仕事が大変でな…俺がいないと皆が泣いちゃうんだ。
ケヴィンは女の子を泣かせちゃダメだろ?…だからケーヒルはケヴィンの息子として母さんを守ってくれよ?」
「………うん!」
母親の汚れている手の甲にキスをしてから男の子の頭を乱暴に撫でまわし別れを告げる…
「ゴシップ記事でいつでも会える…またな!」
二本指で敬礼をしながらその場から離れ、職員の案内で客席へと向かうのだった。
ケーヒル君もケヴィンのマネをして見送っていた…
エルシャがケヴィンの少し後ろを間を空けて歩いているとケヴィンが首を傾げた。
「自分の父と慕う男性が女性を侍らせて歩いているという記憶を残したくありませんでしょう?」
「あー、なんか悪い…」
「リップサービスというのは理解できますが…
今後、あのようにホイホイ自分の子だと認知するような発言はなさらないで下さい。
ご自分が貴族であるという自覚をされてくださいね」
うぐぅと痛い所をつかれるケヴィン。
「ところで…本当に身に覚えはないのですよね?」
「………」
返事をしてください???
――――――――――――――――――――――
シュナール王立劇場はメルシュトゥーム中央劇場を基にしたレプリカ。
そしてそんな王都の劇場にエルシャも良く訪れた事があった。
多くが公務であったが、妹が王都に来てくれて時はいつもねだられて一緒に鑑賞したものだ。
だからこそ、このメルシュトゥーム中央劇場の構造も大体把握できた。
妹と来るときはボックス席での鑑賞だったのだが、公務の場合はそうではなかった。
そして、だからこそ今現在職員に案内されている場所にも見当がつくのだ。
…なぜ?
そう思っても今更引き返すなどという無礼な事は出来ないだろう。
階段を上り向かった先は舞台の真正面の中央最上階…
「あれ?もしかして凄い見やすい場所なんじゃないか?」
そんなのほほんとした夫に少々頭が痛くなってきてしまうが…
「確か相席とお聞きしましたが本当にこの場所で合っていますでしょうか?」
エルシャが中に居るであろう人物に間違っても無礼が無いように確認を取るが…
どうやら間違いないようだ。
扉の前に立つが…勿論エルシャ自身は問題ないが、夫がいつも通りにしているのが物凄く不安である。
職員がノックをして中の人物からの応答を待つ。
「入れ」
その言葉で職員が貴賓席の扉を開き、二人は入室する…
そして、その人物を一瞬視界に入れた瞬間にエルシャは決して目を合わせずに最敬礼のカーテシ―で深くお辞儀をする。
その人物を目の前にしたのだ、夫も当然同じように…
「あれ、エーデルじゃん…なんでいるんだ?」
「それはこっちのセリフよ、ケヴィンさんが演劇なんて高尚なもの見るとは思わなかったわ」
「私もいるぞ?久しぶりだなケヴィン」
「げぇ…コルディーニ様もいるとかどんな罰ゲームだよ…」
(………えぇ~)
王家や皇族の為に作られたという貴賓席で待っていたのは紛れもないハーケーン皇国の皇族である二人。
コルディーニ第二皇子とコーデリア第三皇女であった…
それに対する夫のまるで友達に街で偶然会ったような対応…
取りあえず夫を蹴り飛ばしたいと思ってしまう事を許してほしい状況であった。
ケヴィンの足に抱き着いてくる小さな男の子…
慌ててエルシャを見てブンブン首を振り身に覚えがないと訴えかける。
身に覚えがないはずなのだから指折り数えるのは止めて欲しい…
男の子にキラキラとした目で見上げられケヴィンは血の気を失い言葉がでない。
だがしかし相手は子供このままではマズいと取りあえず屈んで話を聞いてみようとする。
その様子をエントランスホールの他の客達も見守っていたが…
「ケーヒル待ちなさい!」
そこに母親らしき女性が男の子を追って走ってきた。
ケヴィンから子供を引き剝がしながら母親は謝ってくる。
「子供が突然、申し訳ありませ………え、嘘…ケヴィン…様!?」
「え”っ………???」
まるで、知っている人間かのような反応をされたケヴィンは瞬時に過去の経歴から目の前の女性に該当者がいないか考える。
自分が父親となっている可能性があるならば流石に覚えているはずなのだが…
もしかしたら泥酔していた時に勢いで…何て事もあるので確証が無かったりもする。
そして、ケーヒル君はそんなパパの想いを知る事もなくはしゃいでいた。
「ほんとにパパいたよ!ねっパパッ!!」
「お、おう…」
物凄く興奮してケヴィンを指差すケーヒルと呼ばれた男の子。
ケヴィンもその羨望の眼差しに耐え兼ね抱き上げておくことにしたが…
正直何が何やらである。
なお、この時エルシャは正妻として後方で腕を組みながら事態を見守っていた…
眼差しが少々冷たいのは許してほしい。
しかし、エルシャのこの感情もその母親の言葉で軟化するのであった。
「えと…ファン…でして…
この子には…その…父親はケヴィン様と教えてたんです…
だけど、この子がどうしても会いたいって言うので演劇で誤魔化そうとしてたんですが…」
「ああ~なるほど…」
そして騙して連れてきたつもりのこの場所に本当に本物がいて、先程エントランスで名前が出てきてしまったために飛び出してきてしまったらしい。
顔を真っ赤にして目を泳がせつつ俯いてしまう母親。
それはそうだろう…何せ、自分がファンの有名人を自分の子供に父親であると教えていたのを本人に知られてしまったのだから。
これにはケヴィンもホッとし納得すると、ケーヒルを抱え上げその目を見ながら言ったのだ。
「つまりケーヒルは美人のお母さんと俺との子供って事になるわけだな!」
「「へ???」」
ケヴィンのその言葉に思わずエルシャも母親と一緒に変な声を出してしまった。
そして当の夫はエントランスの中方へ駆けだし「ホレホレ、ぎゅーん!!」とケーヒル君を高い高いをしながら乱暴にクルクルと振り回し始めたのだった。
「そうはなりませんでしょう…」と言いたくなるが、チラリと母親の方へ目を向け言葉を飲み込むエルシャ。
母親は息子がキャッキャと笑いながら父親と偽ってきたケヴィンに遊んでもらっている光景に涙ぐんでいたのだ。
エントランスホールの中央で戯れる二人、他の客の邪魔になるので止めさせたい所ではあるが有名人のケヴィンが堂々とやっている事に誰も止める者はいなかった。
周囲はその様子をにこやかに眺めるだけだ。
ただ…ケーヒル君が公衆の面前で「パパ!」と言いながら遊んでもらっている事に妻としては顔が引きつりそうではあるが何とか我慢する。
受付の女性が戻ってくるとケヴィンはケーヒル君を抱いてエルシャ達の下へ戻ってきた。
そして、ケーヒル君を母親へと手渡す。
「良かったわね、ケーヒル」
「うん!」
そんなケーヒル君に向かってケヴィンは言葉をかけた。
「いいかケーヒル…ケヴィンの息子だったら女の子には優しくしてモテモテにならなければダメだぞ?
俺はお前のお母さんをそうやって落としたんだからな」
顔を真っ赤にさせて目を潤ませる母親。
ケーヒル君はちょっとわからないという顔をしながらもケヴィンに訊ねた。
「パパおうち来ないの?」
「正義の味方のお仕事が大変でな…俺がいないと皆が泣いちゃうんだ。
ケヴィンは女の子を泣かせちゃダメだろ?…だからケーヒルはケヴィンの息子として母さんを守ってくれよ?」
「………うん!」
母親の汚れている手の甲にキスをしてから男の子の頭を乱暴に撫でまわし別れを告げる…
「ゴシップ記事でいつでも会える…またな!」
二本指で敬礼をしながらその場から離れ、職員の案内で客席へと向かうのだった。
ケーヒル君もケヴィンのマネをして見送っていた…
エルシャがケヴィンの少し後ろを間を空けて歩いているとケヴィンが首を傾げた。
「自分の父と慕う男性が女性を侍らせて歩いているという記憶を残したくありませんでしょう?」
「あー、なんか悪い…」
「リップサービスというのは理解できますが…
今後、あのようにホイホイ自分の子だと認知するような発言はなさらないで下さい。
ご自分が貴族であるという自覚をされてくださいね」
うぐぅと痛い所をつかれるケヴィン。
「ところで…本当に身に覚えはないのですよね?」
「………」
返事をしてください???
――――――――――――――――――――――
シュナール王立劇場はメルシュトゥーム中央劇場を基にしたレプリカ。
そしてそんな王都の劇場にエルシャも良く訪れた事があった。
多くが公務であったが、妹が王都に来てくれて時はいつもねだられて一緒に鑑賞したものだ。
だからこそ、このメルシュトゥーム中央劇場の構造も大体把握できた。
妹と来るときはボックス席での鑑賞だったのだが、公務の場合はそうではなかった。
そして、だからこそ今現在職員に案内されている場所にも見当がつくのだ。
…なぜ?
そう思っても今更引き返すなどという無礼な事は出来ないだろう。
階段を上り向かった先は舞台の真正面の中央最上階…
「あれ?もしかして凄い見やすい場所なんじゃないか?」
そんなのほほんとした夫に少々頭が痛くなってきてしまうが…
「確か相席とお聞きしましたが本当にこの場所で合っていますでしょうか?」
エルシャが中に居るであろう人物に間違っても無礼が無いように確認を取るが…
どうやら間違いないようだ。
扉の前に立つが…勿論エルシャ自身は問題ないが、夫がいつも通りにしているのが物凄く不安である。
職員がノックをして中の人物からの応答を待つ。
「入れ」
その言葉で職員が貴賓席の扉を開き、二人は入室する…
そして、その人物を一瞬視界に入れた瞬間にエルシャは決して目を合わせずに最敬礼のカーテシ―で深くお辞儀をする。
その人物を目の前にしたのだ、夫も当然同じように…
「あれ、エーデルじゃん…なんでいるんだ?」
「それはこっちのセリフよ、ケヴィンさんが演劇なんて高尚なもの見るとは思わなかったわ」
「私もいるぞ?久しぶりだなケヴィン」
「げぇ…コルディーニ様もいるとかどんな罰ゲームだよ…」
(………えぇ~)
王家や皇族の為に作られたという貴賓席で待っていたのは紛れもないハーケーン皇国の皇族である二人。
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