72 / 123
2章:新婚旅行は幻惑の都で…(前編)
33.フレポジ夫人と暴走
しおりを挟む
「馬が暴走しています!道を空けてっ!!」
エルシャが今まで生きて来た中でこれ以上にないくらいの声を張り上げつつ、その暴走する馬の上に放り出されまいとしがみついていた。
振り落とされれば命はない…仮にあったとしても大怪我は必至だろう。
この体はフレポジェルヌの跡継ぎを産まなければならない体であり、大怪我で子を産めなくなるなどもってのほか。
しかしだからと言って目の前の罪のない人々に怪我を負わせていい事にはならない。
制御が効かない馬の上から何度も何度も目の前の人々に警告し続ける。
「馬が暴走しています!道を空けてっ!!」
そうしながらもエルシャは考えていた。
この危機をどうすればいいのか…どうすれば周りの被害を最小限にとどめることが出来るのか。
警備隊であれば馬を止めることが出来るかもしれないが詰所の多くは人通りの多い場所に設置されており危険。
そして導き出した結論は、日中人通りの多い街中を避け、冒険者達が多い旧市街へと誘導する事であった。
あの屈強な者たちであればこの馬をどうにかする方法があるかもしれない。
その可能性に賭けたのだ。
―――――――――――――――――――――――
「兄さん、その砂糖菓子二つ頂戴」
「お?アイリーンじゃねーか…ほら一つオマケだ」
「あら、ありがとう。たまにはうちにも顔出しなよ?」
「ああ、こないだカミさんにどやされてな…ほとぼり冷めたら飲みに行くさ」
「ハハハッ、大事にしてやんな」
アイリーンが屋台で菓子の包みを受け取っていると、何やら人々の悲鳴が聞こえて来た。
何だ?とそちらの方へ振り向くとそこにはこちらに近づいて来る一頭の馬。
「馬が暴走しています!道を空けてっ!!」
そんな声が聞こえて来るではないか。
そしてその馬がアイリーンの目の前を横切ったのだが、その馬に乗って怒鳴っているその姿に何やら見覚えが…
事態が全く把握できないがとりあえずマズい状況なのは理解できたためすぐに行動を起こすアイリーン。
近くに繋がれていた馬に飛びつきソレに跨った。
「緊急事態だ!!おじさん馬借りるよ!返却は冒険者ギルドへ!ハッ!!」
「お、おい!!」
アイリーンはエルシャの乗る馬を追いかけた。
馬を盗られたと思った男が後ろで怒鳴っているが今はそれどころではない。
全速力で馬を走らせエルシャを追った。
………
声も枯れそうだが今ここで叫ぶのを止めるわけにはいかない。
冒険者ギルド周辺へを走らせてはいるが大通りよりも人は少ないとはいえ、この辺りも数多くの人々が生活しているのだ。
しがみついているのがやっとなエルシャ、その腕も限界を迎えようとしていた。
どうにかしてこの馬を止めなくてはならないのだが、その方法が思いつかない。
するとすぐ近くから声が聞こえて来た。
「馬を止めな!!」
「ぐぅ…暴走して…!!」
「その先を右に!大きな池がある!!」
振り向くことも出来ずに声に応え、その指示に従い必死に方向を変えた。
すると今度はエルシャの馬に女の馬が横付けされ、その馬上から手を差し出される。
「こっちへ!!」
手を伸ばして来る女…
手を放す事に恐怖があるものの、既に力が限界だ。
震える手に喝を入れ必死に伸ばす。
女がその手掴むと驚くほど強い力で思いっきり引き寄せた。
エルシャの体が一瞬空中を舞ったかと思ったら今度は馬の背で腹を思いっきり打ち、「ケハッ!」と肺の空気が抜けていく。
そして、乗っている女の馬は徐々にスピードを落としていった。
その速度が停止するとエルシャも次第に冷静になり…そして恐怖が再び湧き上がってくるのだ。
馬が池に飛び込む音を聴きつつ女が声をかけてくる。
「あんたどうしたってこんな?」
「ありがとう…ございま…」
その言葉の途中で助かった安心から意識が遠のくのだった。
………
……
…
―――――――――――――――――――――――
「………っ!!」
目が覚めたエルシャはキョロキョロと辺りを窺う。
どうやら小さな部屋の中でエルシャはそこのソファーの上に寝かされていた。
動物の小屋にしては奇麗すぎる、なのできっと平民の家のような場所なのかもしれない。
小さな鏡台が何個かあるのでもしかしたら何処かの休憩室のような場所だろうか?
壁には風景画、海の絵であるが勿論エルシャの故郷の海ではなくハーケーンの海岸だ。
エルシャが思案しているとノックもなしに部屋に入ってくる者が現れた。
反射的に身構えるも現れた人間は驚くべき人であった。
「おや、目が覚めたかい?」
「…アイリーン…様?」
「様はよしとくれよ、ケヴィンには手切れ金も貰ってたのに昨日のは完全に私の落ち度だ…悪かったね」
「いえ…こちらも突然怒鳴ってしまって」
ケヴィンの元契約愛人という曰くつきではあるが、ケヴィンの知り合いに会えたことで少しホッとするエルシャであった。
だが、そうすると今度は今の状況が心配になるわけで…
今の時間が気になり窓を探すが生憎ここには窓が無い。
「あれからそんなに時間はたってないよ。今は昼飯どきだね」
「そうでしたか…ではこうしてはいられません」
「ちょっと待ちなよ、一体どうしたっていうんだい?」
「………」
エルシャは考える…ここで彼女の力を借りるべきか?
本来ならば借りるべきなのだろう、だがエルシャの心に一瞬迷いが生じた。
「それってこいつと何か関係あるのかい?」
そう言って見せてきたのは例の腕輪。
エルシャは血の気が引くような気分で叫んだ。
「ソレに触れてはなりません!」
「おやどうしてだい?もしかしてコレあんたの大事なものだったりする?」
「違います!誰がそのような物…いいから箱に戻しなさい」
「だったらサッサと何があったか話しちゃいなよ…これでも私アンタの命の恩人だと思ってるんだけど?」
アイリーンのその行為にエルシャはため息をつき…そして今までの経緯を話したのだが。
「つまりそのパーティーでそいつ等が何かをするつもりでハーケーンの一大事って事…」
「はい、内部にも協力者がいるような口ぶりでしたからかなり危険かと…
そしてターゲットにはケヴィン様も含まれているようでした」
「それでこの腕輪は?」
「人の思考…もしくは身体を乗っ取る類の物と認識しています。
実際ケヴィン様に紹介された使用人が全くの別人のようになっていましたから…」
アイリーンはその腕輪を眺めながらふーんと聞いていた。
一体何を考えているのか…エルシャにはその腕輪を持っている事すら恐ろしいというのにアイリーンにその様子が無い。
信じていないのか?それならそれで別に…
そう思っているとアイリーンが口を開いた。
「じゃあさ…」
ニヤリと笑うアイリーンにゾッとするような悪寒を感じ一歩下がるエルシャ。
「これをあんたに着けてそいつ等に引き渡せばケヴィンは私の物って事ね…?」
「…何を!」
そう言ってアイリーンはいきなりエルシャの腕を掴み耳元で囁いた。
「舞台から退場してもらいますよ、お姫様…」
「!!!」
そこでエルシャの意識は途絶えたのだった…
―――――――――――――――――――――――
「全く何てことだ、折角エルシャルフィールを手に入れるチャンスだったのに逃がすなんて」
「私のせいだけにするな同胞よ…アレが中々に曲者だという事は知っていただろ?」
「そうだが…まあいい、今はその事だけにかまけているわけにはいかないんだ」
「ああ、我々の本来の目的は明日のパーティーなのだからな。薔薇の準備は?」
「当初の見込みよりは少ないが問題はない。後はアレを受け取るだけだ」
先ほどエルシャを逃がした二人は屋敷に戻っていた。
あの娘がノコノコ戻ってくるとは考えにくいが他に行く当てがあるとも思えない。
どうにかこの館の人間とコンタクトをとる方法を考えているだろう。
もしチャンスがあればそこを狙うつもりであった。
こちらが攻撃を受けてもどうせこの肉体も使い捨てで構わないのだ。
パーティーの方の計画が変わらなければ何の問題もない。
「だが、ケヴィンはどうする?
エルシャルフィールがパーティー会場に来なかったら流石に不信に思うだろう」
「探すために会場から離れてくれるのならそれこそ願ったりかなったりだろう。
まあ、ケヴィン自身を手に入れられないのは残念ではあるが…」
庭でそんな話をしていると、突然その話を遮る者が現れた。
「諦めるのはまだ早いんじゃない?」
「誰だ!?」と振り返った二人の前に現れた人物…
そこに立っていたのはエルシャその人…
そして、その腕には禍々しい光を放つ腕輪が身に着けられていたのだった。
エルシャが今まで生きて来た中でこれ以上にないくらいの声を張り上げつつ、その暴走する馬の上に放り出されまいとしがみついていた。
振り落とされれば命はない…仮にあったとしても大怪我は必至だろう。
この体はフレポジェルヌの跡継ぎを産まなければならない体であり、大怪我で子を産めなくなるなどもってのほか。
しかしだからと言って目の前の罪のない人々に怪我を負わせていい事にはならない。
制御が効かない馬の上から何度も何度も目の前の人々に警告し続ける。
「馬が暴走しています!道を空けてっ!!」
そうしながらもエルシャは考えていた。
この危機をどうすればいいのか…どうすれば周りの被害を最小限にとどめることが出来るのか。
警備隊であれば馬を止めることが出来るかもしれないが詰所の多くは人通りの多い場所に設置されており危険。
そして導き出した結論は、日中人通りの多い街中を避け、冒険者達が多い旧市街へと誘導する事であった。
あの屈強な者たちであればこの馬をどうにかする方法があるかもしれない。
その可能性に賭けたのだ。
―――――――――――――――――――――――
「兄さん、その砂糖菓子二つ頂戴」
「お?アイリーンじゃねーか…ほら一つオマケだ」
「あら、ありがとう。たまにはうちにも顔出しなよ?」
「ああ、こないだカミさんにどやされてな…ほとぼり冷めたら飲みに行くさ」
「ハハハッ、大事にしてやんな」
アイリーンが屋台で菓子の包みを受け取っていると、何やら人々の悲鳴が聞こえて来た。
何だ?とそちらの方へ振り向くとそこにはこちらに近づいて来る一頭の馬。
「馬が暴走しています!道を空けてっ!!」
そんな声が聞こえて来るではないか。
そしてその馬がアイリーンの目の前を横切ったのだが、その馬に乗って怒鳴っているその姿に何やら見覚えが…
事態が全く把握できないがとりあえずマズい状況なのは理解できたためすぐに行動を起こすアイリーン。
近くに繋がれていた馬に飛びつきソレに跨った。
「緊急事態だ!!おじさん馬借りるよ!返却は冒険者ギルドへ!ハッ!!」
「お、おい!!」
アイリーンはエルシャの乗る馬を追いかけた。
馬を盗られたと思った男が後ろで怒鳴っているが今はそれどころではない。
全速力で馬を走らせエルシャを追った。
………
声も枯れそうだが今ここで叫ぶのを止めるわけにはいかない。
冒険者ギルド周辺へを走らせてはいるが大通りよりも人は少ないとはいえ、この辺りも数多くの人々が生活しているのだ。
しがみついているのがやっとなエルシャ、その腕も限界を迎えようとしていた。
どうにかしてこの馬を止めなくてはならないのだが、その方法が思いつかない。
するとすぐ近くから声が聞こえて来た。
「馬を止めな!!」
「ぐぅ…暴走して…!!」
「その先を右に!大きな池がある!!」
振り向くことも出来ずに声に応え、その指示に従い必死に方向を変えた。
すると今度はエルシャの馬に女の馬が横付けされ、その馬上から手を差し出される。
「こっちへ!!」
手を伸ばして来る女…
手を放す事に恐怖があるものの、既に力が限界だ。
震える手に喝を入れ必死に伸ばす。
女がその手掴むと驚くほど強い力で思いっきり引き寄せた。
エルシャの体が一瞬空中を舞ったかと思ったら今度は馬の背で腹を思いっきり打ち、「ケハッ!」と肺の空気が抜けていく。
そして、乗っている女の馬は徐々にスピードを落としていった。
その速度が停止するとエルシャも次第に冷静になり…そして恐怖が再び湧き上がってくるのだ。
馬が池に飛び込む音を聴きつつ女が声をかけてくる。
「あんたどうしたってこんな?」
「ありがとう…ございま…」
その言葉の途中で助かった安心から意識が遠のくのだった。
………
……
…
―――――――――――――――――――――――
「………っ!!」
目が覚めたエルシャはキョロキョロと辺りを窺う。
どうやら小さな部屋の中でエルシャはそこのソファーの上に寝かされていた。
動物の小屋にしては奇麗すぎる、なのできっと平民の家のような場所なのかもしれない。
小さな鏡台が何個かあるのでもしかしたら何処かの休憩室のような場所だろうか?
壁には風景画、海の絵であるが勿論エルシャの故郷の海ではなくハーケーンの海岸だ。
エルシャが思案しているとノックもなしに部屋に入ってくる者が現れた。
反射的に身構えるも現れた人間は驚くべき人であった。
「おや、目が覚めたかい?」
「…アイリーン…様?」
「様はよしとくれよ、ケヴィンには手切れ金も貰ってたのに昨日のは完全に私の落ち度だ…悪かったね」
「いえ…こちらも突然怒鳴ってしまって」
ケヴィンの元契約愛人という曰くつきではあるが、ケヴィンの知り合いに会えたことで少しホッとするエルシャであった。
だが、そうすると今度は今の状況が心配になるわけで…
今の時間が気になり窓を探すが生憎ここには窓が無い。
「あれからそんなに時間はたってないよ。今は昼飯どきだね」
「そうでしたか…ではこうしてはいられません」
「ちょっと待ちなよ、一体どうしたっていうんだい?」
「………」
エルシャは考える…ここで彼女の力を借りるべきか?
本来ならば借りるべきなのだろう、だがエルシャの心に一瞬迷いが生じた。
「それってこいつと何か関係あるのかい?」
そう言って見せてきたのは例の腕輪。
エルシャは血の気が引くような気分で叫んだ。
「ソレに触れてはなりません!」
「おやどうしてだい?もしかしてコレあんたの大事なものだったりする?」
「違います!誰がそのような物…いいから箱に戻しなさい」
「だったらサッサと何があったか話しちゃいなよ…これでも私アンタの命の恩人だと思ってるんだけど?」
アイリーンのその行為にエルシャはため息をつき…そして今までの経緯を話したのだが。
「つまりそのパーティーでそいつ等が何かをするつもりでハーケーンの一大事って事…」
「はい、内部にも協力者がいるような口ぶりでしたからかなり危険かと…
そしてターゲットにはケヴィン様も含まれているようでした」
「それでこの腕輪は?」
「人の思考…もしくは身体を乗っ取る類の物と認識しています。
実際ケヴィン様に紹介された使用人が全くの別人のようになっていましたから…」
アイリーンはその腕輪を眺めながらふーんと聞いていた。
一体何を考えているのか…エルシャにはその腕輪を持っている事すら恐ろしいというのにアイリーンにその様子が無い。
信じていないのか?それならそれで別に…
そう思っているとアイリーンが口を開いた。
「じゃあさ…」
ニヤリと笑うアイリーンにゾッとするような悪寒を感じ一歩下がるエルシャ。
「これをあんたに着けてそいつ等に引き渡せばケヴィンは私の物って事ね…?」
「…何を!」
そう言ってアイリーンはいきなりエルシャの腕を掴み耳元で囁いた。
「舞台から退場してもらいますよ、お姫様…」
「!!!」
そこでエルシャの意識は途絶えたのだった…
―――――――――――――――――――――――
「全く何てことだ、折角エルシャルフィールを手に入れるチャンスだったのに逃がすなんて」
「私のせいだけにするな同胞よ…アレが中々に曲者だという事は知っていただろ?」
「そうだが…まあいい、今はその事だけにかまけているわけにはいかないんだ」
「ああ、我々の本来の目的は明日のパーティーなのだからな。薔薇の準備は?」
「当初の見込みよりは少ないが問題はない。後はアレを受け取るだけだ」
先ほどエルシャを逃がした二人は屋敷に戻っていた。
あの娘がノコノコ戻ってくるとは考えにくいが他に行く当てがあるとも思えない。
どうにかこの館の人間とコンタクトをとる方法を考えているだろう。
もしチャンスがあればそこを狙うつもりであった。
こちらが攻撃を受けてもどうせこの肉体も使い捨てで構わないのだ。
パーティーの方の計画が変わらなければ何の問題もない。
「だが、ケヴィンはどうする?
エルシャルフィールがパーティー会場に来なかったら流石に不信に思うだろう」
「探すために会場から離れてくれるのならそれこそ願ったりかなったりだろう。
まあ、ケヴィン自身を手に入れられないのは残念ではあるが…」
庭でそんな話をしていると、突然その話を遮る者が現れた。
「諦めるのはまだ早いんじゃない?」
「誰だ!?」と振り返った二人の前に現れた人物…
そこに立っていたのはエルシャその人…
そして、その腕には禍々しい光を放つ腕輪が身に着けられていたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
十の加護を持つ元王妃は製菓に勤しむ
水瀬 立乃
恋愛
様々な神の加護を信じ崇める国・ティーズベル王国。
訳ありの元王妃・ティアは、その身分と聖女だった過去を隠し、愛息子と共に辺境のギニギル村で暮らしていた。
恩人で親友のマロアと二人で開店した米粉の洋菓子店・ホワンは連日大盛況。
年に一度の豊穣祭の初日、ある事件がきっかけでティアの日常は一変する。
私、王宮には戻りません。王都で気ままに、お菓子を作って暮らします!
※小説家になろう様でも同作品を連載しています(https://ncode.syosetu.com/n7467hc/)
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる