84 / 123
2章:新婚旅行は幻惑の都で…(後編)
10.皇女様とメイド長
しおりを挟む
パーティーの準備をしていたコーデリアの居室の扉が開きメイド長が入ってきた。
この時間だとパーティーの設営をしているはずなのだが何かあったのだろうか?
「どうかした?バーベラ」
「はい、コーデリア殿下の御耳に入れておきたいことがございます」
「そう…」
コ―デリアが侍女たちに目線を送ると周りで衣装の着付けをしていた侍女たちが一斉に下がっていく。
「それで?」
「今城内にエルシャルフィール様の侍女を名乗る女が入り込んでおりまして…」
「エルシャの侍女…?知らないわね」
とは言ってもあのエルシャはペラペラ自分の侍女の話などをする人間でもない為それの真偽は分からない。
そのエメルという侍女について一連の話をコーデリアが聞かされるのだが…
「<記憶術>…容姿は?」
「青目に栗毛です」
「栗毛?…なら違うか。まあ、変装して潜り込む必要なんてどこにもないし当たり前か」
しかしながら自身で<記憶術>を所持しているエルシャが侍女として手元にそのような人材を置くとも思えない。
「ただあの顔…どこかで見たような気もするのですが」
「バーベラが覚えていないの?」
「面目有りません、年でしょうか…」
「そんな事言わないでよ…バーベラが覚えていなんじゃ誰も分からないんじゃない。間者の線は?」
「容姿も整っておりましたので間者の可能性は高いと思ったのですが…
それにしては堂々としておりましたね。何のつもりでしょうか?」
そもそもエルシャの侍女を装う必要性が無い…
エルシャがハーケーンに来ているという情報はそれほど広まってはいないはず。
そして、もし城に潜り込みたいのであればもっと他に怪しまれない方法があったはずだ。
ジェジルの紹介状の件に関してもやり方がいささかゴリ押しが過ぎる。
パーティーで何かを企てているのであればこれでは逆に警戒心が強くなってしまう。
まるで今日この日に間に合わせれば後はどうにでもなると言わんばかり。
「館の方は?」
「エルシャルフィール様と共に既に館を出発されたとの事、引き続き調べさせております」
「出発が早いわね…」
時間に厳しいエルシャが、遅れるべきパーティーに時間より早く着くというのは考えられないのだが…
何か早く出なければならない問題が起きたか…もしくは脅されている?
いや、エルシャという貴族に限って脅されたからと言ってハーケーンに害が及ぶような事に手を貸すとは思えない。
脅された原因を切り捨てるか、自決するくらいの覚悟を持った人間に脅しは通用しない。
これは王国の重要人物を個別に分析した際に導き出した結論だ。
誠実には誠実を、害意には制裁を、そして王国には絶対の忠誠を…
そんなエルシャだからこそ、コーデリアは誠実を以て友人となる事を選んだのだ。
「エメルが言うには『薔薇』なる物を用意しているのだとか…」
「『薔薇』ね…」
薔薇は皇室を象徴する花。
目の前のコーデリアが使っている扇子にすら薔薇があしらわれている。
それだけでは該当する物が多すぎる。
「そのエメルという侍女に会ってみましょうか」
「コーデリア殿下、ご冗談は…」
「はいはい、わかってるわよ」
「あの者には手練れを傍で監視させ泳がせております、おかしな真似をすればすぐに捕らえるでしょう」
なので尻尾があるなら出させるために好きにやらせる事にしたのだが…
ただ、泳がせるにしても生息水位が若干高すぎる気がしないでもない。
「それで、パーティーの方はいかがなさいますか?」
「たかだか反国家勢力の企み一つで右往左往していたら何にも出来ないでしょう?
当然開催します…とは言っても、これが本当にエルシャからのメッセージという可能性もあります。
御父様と大兄様には欠席してもらった方が良いでしょうね。
お婆様に風邪でもひいてもらって来て」
「仰せのままに…」
そして、一礼して下がろうとするバーベルであったが、途中で立ち止まってしまう。
「―――ジェジルが…」
「ジェジル?」
「ジェジルが胸に黒いブローチを着けていたと…」
「………彼の趣味ではないわね」
ふぅ…とコーデリアの口からため息が漏れる…
「もしかしたら腕輪はブラフだったのかも…」
「………警戒させます」
………
バーベラが部屋から出て行くと再び侍女たちが入ってきて着付けを再開する。
コーデリアの誕生日におめでとうを言って欲しかった人の一人…
物心ついた時から傍にいてくれた人の悲報…
皇女という立場は下々の者達の想いを一身に受ける義務がある。
だが、人々の幸せを考えた所で手の平で水をすくうように救いきれない人々がこぼれていく。
そしてそんな彼らは救えなかった権力者の不幸を願うようになる…
彼等は決して自分達の不幸を押し付けられる者の事など考えてはくれないのだ。
コーデリアが待ちに待った誕生日すら憎らしいのだろう。
まるで『なぜお前は神ではないのだ?』と言われているかのよう…
「折角結婚できる歳になるっていうのに…もうっ!!」
突然怒鳴るコーデリアに慌てる侍女たち。
しまったと思いつつ怒鳴り散らしてしまった事を侍女たちに謝り、着付けが終わるとしばらく一人にしてくれと頼んだ。
「ヒイロ様…」
不安な心が愛しい人を求める。
彼がいればコーデリアは無敵の皇女になれる…
そして彼がいなければコーデリアは優秀な兄弟姉妹に埋もれるただの無力な小娘。
そんなコーデリアだから、どんな逆境に置かれても鋼の信念を貫く彼女に憧れたのだろう…
この時間だとパーティーの設営をしているはずなのだが何かあったのだろうか?
「どうかした?バーベラ」
「はい、コーデリア殿下の御耳に入れておきたいことがございます」
「そう…」
コ―デリアが侍女たちに目線を送ると周りで衣装の着付けをしていた侍女たちが一斉に下がっていく。
「それで?」
「今城内にエルシャルフィール様の侍女を名乗る女が入り込んでおりまして…」
「エルシャの侍女…?知らないわね」
とは言ってもあのエルシャはペラペラ自分の侍女の話などをする人間でもない為それの真偽は分からない。
そのエメルという侍女について一連の話をコーデリアが聞かされるのだが…
「<記憶術>…容姿は?」
「青目に栗毛です」
「栗毛?…なら違うか。まあ、変装して潜り込む必要なんてどこにもないし当たり前か」
しかしながら自身で<記憶術>を所持しているエルシャが侍女として手元にそのような人材を置くとも思えない。
「ただあの顔…どこかで見たような気もするのですが」
「バーベラが覚えていないの?」
「面目有りません、年でしょうか…」
「そんな事言わないでよ…バーベラが覚えていなんじゃ誰も分からないんじゃない。間者の線は?」
「容姿も整っておりましたので間者の可能性は高いと思ったのですが…
それにしては堂々としておりましたね。何のつもりでしょうか?」
そもそもエルシャの侍女を装う必要性が無い…
エルシャがハーケーンに来ているという情報はそれほど広まってはいないはず。
そして、もし城に潜り込みたいのであればもっと他に怪しまれない方法があったはずだ。
ジェジルの紹介状の件に関してもやり方がいささかゴリ押しが過ぎる。
パーティーで何かを企てているのであればこれでは逆に警戒心が強くなってしまう。
まるで今日この日に間に合わせれば後はどうにでもなると言わんばかり。
「館の方は?」
「エルシャルフィール様と共に既に館を出発されたとの事、引き続き調べさせております」
「出発が早いわね…」
時間に厳しいエルシャが、遅れるべきパーティーに時間より早く着くというのは考えられないのだが…
何か早く出なければならない問題が起きたか…もしくは脅されている?
いや、エルシャという貴族に限って脅されたからと言ってハーケーンに害が及ぶような事に手を貸すとは思えない。
脅された原因を切り捨てるか、自決するくらいの覚悟を持った人間に脅しは通用しない。
これは王国の重要人物を個別に分析した際に導き出した結論だ。
誠実には誠実を、害意には制裁を、そして王国には絶対の忠誠を…
そんなエルシャだからこそ、コーデリアは誠実を以て友人となる事を選んだのだ。
「エメルが言うには『薔薇』なる物を用意しているのだとか…」
「『薔薇』ね…」
薔薇は皇室を象徴する花。
目の前のコーデリアが使っている扇子にすら薔薇があしらわれている。
それだけでは該当する物が多すぎる。
「そのエメルという侍女に会ってみましょうか」
「コーデリア殿下、ご冗談は…」
「はいはい、わかってるわよ」
「あの者には手練れを傍で監視させ泳がせております、おかしな真似をすればすぐに捕らえるでしょう」
なので尻尾があるなら出させるために好きにやらせる事にしたのだが…
ただ、泳がせるにしても生息水位が若干高すぎる気がしないでもない。
「それで、パーティーの方はいかがなさいますか?」
「たかだか反国家勢力の企み一つで右往左往していたら何にも出来ないでしょう?
当然開催します…とは言っても、これが本当にエルシャからのメッセージという可能性もあります。
御父様と大兄様には欠席してもらった方が良いでしょうね。
お婆様に風邪でもひいてもらって来て」
「仰せのままに…」
そして、一礼して下がろうとするバーベルであったが、途中で立ち止まってしまう。
「―――ジェジルが…」
「ジェジル?」
「ジェジルが胸に黒いブローチを着けていたと…」
「………彼の趣味ではないわね」
ふぅ…とコーデリアの口からため息が漏れる…
「もしかしたら腕輪はブラフだったのかも…」
「………警戒させます」
………
バーベラが部屋から出て行くと再び侍女たちが入ってきて着付けを再開する。
コーデリアの誕生日におめでとうを言って欲しかった人の一人…
物心ついた時から傍にいてくれた人の悲報…
皇女という立場は下々の者達の想いを一身に受ける義務がある。
だが、人々の幸せを考えた所で手の平で水をすくうように救いきれない人々がこぼれていく。
そしてそんな彼らは救えなかった権力者の不幸を願うようになる…
彼等は決して自分達の不幸を押し付けられる者の事など考えてはくれないのだ。
コーデリアが待ちに待った誕生日すら憎らしいのだろう。
まるで『なぜお前は神ではないのだ?』と言われているかのよう…
「折角結婚できる歳になるっていうのに…もうっ!!」
突然怒鳴るコーデリアに慌てる侍女たち。
しまったと思いつつ怒鳴り散らしてしまった事を侍女たちに謝り、着付けが終わるとしばらく一人にしてくれと頼んだ。
「ヒイロ様…」
不安な心が愛しい人を求める。
彼がいればコーデリアは無敵の皇女になれる…
そして彼がいなければコーデリアは優秀な兄弟姉妹に埋もれるただの無力な小娘。
そんなコーデリアだから、どんな逆境に置かれても鋼の信念を貫く彼女に憧れたのだろう…
0
あなたにおすすめの小説
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる