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第1章:漂流の始まり――宮廷という伏魔殿
第17話:嫉妬味のスープ
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――それから数日後。
届けられた朝食は、煮込んだ薬草のような、鉄分を含んだ土のような匂いがするスープだった。
「……変わった香りがするわね?」
「しばらく祝い膳が続きましたでしょう? 帝国流の胃を休めるメニューですわ」
なるほど。たしかに婚姻の儀以来、豪華な料理ばかりで胃がもたれていた。
だから私は、疑いもせずそれを口に運んだ。
――まさか、それが“伏魔殿の始まり”だったなんて。
私付の女官たちは、伯爵家以上の出自のお嬢様ばかりだ。
若く美しい貴族令嬢として、殿下の寵愛を夢見て仕えている。
そんな彼女たちにとって、私は――嫉妬心を解消する格好の的だったらしい。
夜になってようやく宮廷医師が慌ただしくやって来た。
のたうち回る私を診察した彼は、気の毒そうな顔でこう言った。
「食あたりの症状ですが、初夜の儀を済ませたばかりの妃様に薬を処方することはできません」
「どういうこと?」
「妃様は御子を宿しておられる可能性がございます。この時期は、服薬に特段の注意が必要でございますゆえ」
懐妊なんて、ありえない――でもそれを口にしたところで、もっと惨めになるだけだ。
こんな時に限って、肝心の殿下はやってこない。
こうして3日間、高熱と腹痛に襲われながらベッドの上で過ごすことになった。
◆◆◆
3日ぶりに宮殿へ戻ると、ヘレナの姿が見えなかった。
「妃が食堂に顔を見せないが、何かあったのか?」
「臥せっておられます」
「なに?」
「医師に見せてはいるのですが」
「体調が悪いのか?」
「食あたりを起こされまして。ですが――初夜を済ませたばかりの妃殿下に薬は出せないと」
「……っ」
思わず息が漏れた。
あの夜を偽った自分のせいで、彼女は薬すら与えられなかったのか。
とにかく顔を見ようと、皇太子妃の私室へ向かった。
だが――
「エレナは何処だ? なぜいない?」
「っ、その、妃殿下は客間でお休みになられています」
「客間? ……いつからだ」
「帝国にいらしてからずっと――」
「……どういうことだ」
「女官長より、妃様には客間をあてがうよう命じられております」
「エレナは皇太子妃だ。彼女に客間をあてがうことに、何の疑問も持たなかったのか!?」
「申し訳ございません」
「彼女はどこだ」
「……2階の、右端にある客間です」
3階の左端にある皇太子の私室と、2階の右端の客間――宮殿で最も遠い距離だ。
「女官長を。今すぐ呼べ」
低く押し殺した声が、勝手に喉から漏れた。
怒りを抑え込んでいるつもりでも、周囲の空気が張りつめていくのが分かる。
――2階の客間。
「ヘレナ……体調はどうだ」
「……腐ったものを食べさせるのが、帝国流の“おもてなし”なの?」
「帝国では、発酵食品も口にする。……胃に合わなかったのか」
「2階に、家族用の食堂と厨房がありますよね? 使用許可をください」
「なぜ?」
「自分で調理する。ここに運ばれてくるものは、信用できない」
「毒見は済んでいる。問題はないはずだ」
だが、彼女の顔色は明らかに悪い。
「こんなこと……毒よりずっと酷い」
彼女の声が裏返る。
「市場への、外出許可もください」
「市場へ? 厨房にあるもので足りないのか」
「それができてたら、こんな惨めな思い、していないわよ!」
ヘレナが声を張り上げた途端、咳き込み、胸を押さえる。
「喋るな。……体に障る」
肩へ毛布を掛けようとした手を、彼女が払いのける。
「お腹は痛いし、薬もくれないし、殿下はいーっつもお留守だし!」
勝気な瞳に涙が浮かび、かさかさに乾いた唇を噛む。
「――外出許可、くれるの? くれないの? どっちなの……」
危険を冒す真似はしたくない。
だが――憔悴し切っている彼女を目の当たりにし、「町娘の格好をして、護衛付きならば」という条件で外出を許可した。
ただの我儘とは思えない。
俺が不在の間に、何があった。
――数時間後。
レオポルドが、そっと耳打ちしてきた。
「殿下。スープの件――調べがつきました。女官たちの間で、こんな会話が交わされていたようです」
――殿下が本当にあの子と初夜の儀を行ったなんて、信じられない。
――敬語も覚束ない子どものくせに。
――私たちは長年、淑女教育を受けてきたのよ。
――いいこと思いついたわ。
――食あたりを起こせば、薬を飲まざるを得ないでしょう?
――そうすれば胎児に影響が出ることを理由に、事後避妊薬を飲むことになる。
――つまり、子を宿す可能性は消えるってわけ。
――あの殿下が、初夜の儀以外であの子を抱くことなんてないでしょうから。
――ふふっ……あの子、これで終わりね。
――でも、もし殿下が本当にあの子を大事にしたら?
――だからこそ潰すのよ。あの瞳に色気が宿る前にね……。
爪が掌に食い込み、血の気が引くのが分かる。
「女官を全員、呼び出せ。今すぐ、だ」
呼び出された女官たちは、震え上がっていた。
「皇太子妃を侮辱したんだ。国際問題にもなりかねない。極刑も免れないところだが、慈悲を与えんわけでもない。彼女に対して行った愚行を、すべて吐け」
「じ、実は――――」
「……なんだと?」
◆◆◆
夜遅く、再び殿下が客間にやってきた。
「薬を処方されなかったそうだな。すまなかった。今からでも飲んでくれ」
昼間に薬の件を聞いていたはずなのに、ようやく事の重大さに気づいたの?
「もう大丈夫」
ここまで我慢したんだもの。
今さら薬を飲んで、あの女官たちをニンマリさせるなんて、絶対に嫌だった。
愚かかもしれない。
でもこれは、女の闘いなのだ。
「……薬は嫌か」
「お腹の子に障ります」
「その可能性はないだろう? どうした?」
「……誰も信用できない」
「すまなかった」
「お腹の痛みも、酷い吐き気も、高熱も。3日間耐えたの。あと数日くらい、耐えられる」
「悪かった」
「何よ、今さら。ずーっと離宮にいたくせに!」
その瞬間、殿下の眉がわずかに引き締まり、護衛たちへ鋭い視線を走らせた。
彼らは小さく首を横に振る。
……誤魔化したって、無駄なんだから。
女官たちが言ってたもの。
最近の殿下は、今まで以上に足繁く離宮へ通ってるって。
「……泣いていたのか」
「放っておいて。――笑わせないでよ? まだお腹痛いんだから」
私の代わりに泣くことはできないけれど、笑わせることはできる――
そう言ってくれた殿下の言葉を思い出し、慌ててそう言った。
この体調で笑わせられると、いろいろ不味い気がする。
「分かっている」
殿下はベッドに入ってくると、片肘をつき、そっとお腹に手を添えた。
そのまま、顔を覗き込むようにして、私の目をじっと見つめる。
「こんなことしたって、絆されないんだからね?」
「……飲んでくれ」
私は顔を背けた。
けれど、殿下は何も言わず、水差しを手に取ると、静かに私の顎に指を添えた。
――なんで殿下が薬を飲むのよ。
そう思った瞬間、無言のまま唇が重なった。
触れた唇が押し寄せてきて、驚いて息を呑んだ私の口に、薬液が流し込まれる。
苦味が喉を通りきった頃、殿下は音も立てずに唇を離し、指先でそっと私の口元に触れた。
唇の端に残った薬の痕を、丁寧に拭ってくれるように。
口移しで飲ませるなんて、強引にもほどがある――。
文句を言うつもりだったのに、こんなふうに優しく触れられたら、戸惑うしかないじゃない。
――眠りに落ちる前に見えたのは、少しだけ眉尻を下げた殿下の顔だった。
私の見間違いかもしれないけれど。
おそらく鎮静剤も混ぜられていたのだろう。
抗議する間もなく、私は眠りに落ちた。
「許してくれ」――そんな声が、遠くで聞こえた気がした。
その夜は、ずっと側にいてくれたみたいだった。
翌朝、目を覚ましたら、殿下の腕の中にいた。
起こしに来た女官たちが目を見開いて固まっていたけれど、私の方こそ、どうしていいか分からなかった。
それ以来、彼女たちに会うことはなかった。
――けれど、この時の私はまだ知らなかった。
次に私を追い詰めるのは、言葉ではなく沈黙で居場所を奪う人々だということを。
届けられた朝食は、煮込んだ薬草のような、鉄分を含んだ土のような匂いがするスープだった。
「……変わった香りがするわね?」
「しばらく祝い膳が続きましたでしょう? 帝国流の胃を休めるメニューですわ」
なるほど。たしかに婚姻の儀以来、豪華な料理ばかりで胃がもたれていた。
だから私は、疑いもせずそれを口に運んだ。
――まさか、それが“伏魔殿の始まり”だったなんて。
私付の女官たちは、伯爵家以上の出自のお嬢様ばかりだ。
若く美しい貴族令嬢として、殿下の寵愛を夢見て仕えている。
そんな彼女たちにとって、私は――嫉妬心を解消する格好の的だったらしい。
夜になってようやく宮廷医師が慌ただしくやって来た。
のたうち回る私を診察した彼は、気の毒そうな顔でこう言った。
「食あたりの症状ですが、初夜の儀を済ませたばかりの妃様に薬を処方することはできません」
「どういうこと?」
「妃様は御子を宿しておられる可能性がございます。この時期は、服薬に特段の注意が必要でございますゆえ」
懐妊なんて、ありえない――でもそれを口にしたところで、もっと惨めになるだけだ。
こんな時に限って、肝心の殿下はやってこない。
こうして3日間、高熱と腹痛に襲われながらベッドの上で過ごすことになった。
◆◆◆
3日ぶりに宮殿へ戻ると、ヘレナの姿が見えなかった。
「妃が食堂に顔を見せないが、何かあったのか?」
「臥せっておられます」
「なに?」
「医師に見せてはいるのですが」
「体調が悪いのか?」
「食あたりを起こされまして。ですが――初夜を済ませたばかりの妃殿下に薬は出せないと」
「……っ」
思わず息が漏れた。
あの夜を偽った自分のせいで、彼女は薬すら与えられなかったのか。
とにかく顔を見ようと、皇太子妃の私室へ向かった。
だが――
「エレナは何処だ? なぜいない?」
「っ、その、妃殿下は客間でお休みになられています」
「客間? ……いつからだ」
「帝国にいらしてからずっと――」
「……どういうことだ」
「女官長より、妃様には客間をあてがうよう命じられております」
「エレナは皇太子妃だ。彼女に客間をあてがうことに、何の疑問も持たなかったのか!?」
「申し訳ございません」
「彼女はどこだ」
「……2階の、右端にある客間です」
3階の左端にある皇太子の私室と、2階の右端の客間――宮殿で最も遠い距離だ。
「女官長を。今すぐ呼べ」
低く押し殺した声が、勝手に喉から漏れた。
怒りを抑え込んでいるつもりでも、周囲の空気が張りつめていくのが分かる。
――2階の客間。
「ヘレナ……体調はどうだ」
「……腐ったものを食べさせるのが、帝国流の“おもてなし”なの?」
「帝国では、発酵食品も口にする。……胃に合わなかったのか」
「2階に、家族用の食堂と厨房がありますよね? 使用許可をください」
「なぜ?」
「自分で調理する。ここに運ばれてくるものは、信用できない」
「毒見は済んでいる。問題はないはずだ」
だが、彼女の顔色は明らかに悪い。
「こんなこと……毒よりずっと酷い」
彼女の声が裏返る。
「市場への、外出許可もください」
「市場へ? 厨房にあるもので足りないのか」
「それができてたら、こんな惨めな思い、していないわよ!」
ヘレナが声を張り上げた途端、咳き込み、胸を押さえる。
「喋るな。……体に障る」
肩へ毛布を掛けようとした手を、彼女が払いのける。
「お腹は痛いし、薬もくれないし、殿下はいーっつもお留守だし!」
勝気な瞳に涙が浮かび、かさかさに乾いた唇を噛む。
「――外出許可、くれるの? くれないの? どっちなの……」
危険を冒す真似はしたくない。
だが――憔悴し切っている彼女を目の当たりにし、「町娘の格好をして、護衛付きならば」という条件で外出を許可した。
ただの我儘とは思えない。
俺が不在の間に、何があった。
――数時間後。
レオポルドが、そっと耳打ちしてきた。
「殿下。スープの件――調べがつきました。女官たちの間で、こんな会話が交わされていたようです」
――殿下が本当にあの子と初夜の儀を行ったなんて、信じられない。
――敬語も覚束ない子どものくせに。
――私たちは長年、淑女教育を受けてきたのよ。
――いいこと思いついたわ。
――食あたりを起こせば、薬を飲まざるを得ないでしょう?
――そうすれば胎児に影響が出ることを理由に、事後避妊薬を飲むことになる。
――つまり、子を宿す可能性は消えるってわけ。
――あの殿下が、初夜の儀以外であの子を抱くことなんてないでしょうから。
――ふふっ……あの子、これで終わりね。
――でも、もし殿下が本当にあの子を大事にしたら?
――だからこそ潰すのよ。あの瞳に色気が宿る前にね……。
爪が掌に食い込み、血の気が引くのが分かる。
「女官を全員、呼び出せ。今すぐ、だ」
呼び出された女官たちは、震え上がっていた。
「皇太子妃を侮辱したんだ。国際問題にもなりかねない。極刑も免れないところだが、慈悲を与えんわけでもない。彼女に対して行った愚行を、すべて吐け」
「じ、実は――――」
「……なんだと?」
◆◆◆
夜遅く、再び殿下が客間にやってきた。
「薬を処方されなかったそうだな。すまなかった。今からでも飲んでくれ」
昼間に薬の件を聞いていたはずなのに、ようやく事の重大さに気づいたの?
「もう大丈夫」
ここまで我慢したんだもの。
今さら薬を飲んで、あの女官たちをニンマリさせるなんて、絶対に嫌だった。
愚かかもしれない。
でもこれは、女の闘いなのだ。
「……薬は嫌か」
「お腹の子に障ります」
「その可能性はないだろう? どうした?」
「……誰も信用できない」
「すまなかった」
「お腹の痛みも、酷い吐き気も、高熱も。3日間耐えたの。あと数日くらい、耐えられる」
「悪かった」
「何よ、今さら。ずーっと離宮にいたくせに!」
その瞬間、殿下の眉がわずかに引き締まり、護衛たちへ鋭い視線を走らせた。
彼らは小さく首を横に振る。
……誤魔化したって、無駄なんだから。
女官たちが言ってたもの。
最近の殿下は、今まで以上に足繁く離宮へ通ってるって。
「……泣いていたのか」
「放っておいて。――笑わせないでよ? まだお腹痛いんだから」
私の代わりに泣くことはできないけれど、笑わせることはできる――
そう言ってくれた殿下の言葉を思い出し、慌ててそう言った。
この体調で笑わせられると、いろいろ不味い気がする。
「分かっている」
殿下はベッドに入ってくると、片肘をつき、そっとお腹に手を添えた。
そのまま、顔を覗き込むようにして、私の目をじっと見つめる。
「こんなことしたって、絆されないんだからね?」
「……飲んでくれ」
私は顔を背けた。
けれど、殿下は何も言わず、水差しを手に取ると、静かに私の顎に指を添えた。
――なんで殿下が薬を飲むのよ。
そう思った瞬間、無言のまま唇が重なった。
触れた唇が押し寄せてきて、驚いて息を呑んだ私の口に、薬液が流し込まれる。
苦味が喉を通りきった頃、殿下は音も立てずに唇を離し、指先でそっと私の口元に触れた。
唇の端に残った薬の痕を、丁寧に拭ってくれるように。
口移しで飲ませるなんて、強引にもほどがある――。
文句を言うつもりだったのに、こんなふうに優しく触れられたら、戸惑うしかないじゃない。
――眠りに落ちる前に見えたのは、少しだけ眉尻を下げた殿下の顔だった。
私の見間違いかもしれないけれど。
おそらく鎮静剤も混ぜられていたのだろう。
抗議する間もなく、私は眠りに落ちた。
「許してくれ」――そんな声が、遠くで聞こえた気がした。
その夜は、ずっと側にいてくれたみたいだった。
翌朝、目を覚ましたら、殿下の腕の中にいた。
起こしに来た女官たちが目を見開いて固まっていたけれど、私の方こそ、どうしていいか分からなかった。
それ以来、彼女たちに会うことはなかった。
――けれど、この時の私はまだ知らなかった。
次に私を追い詰めるのは、言葉ではなく沈黙で居場所を奪う人々だということを。
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