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77話 菜緒虎VS飛虎音
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「尋常ね・・・」
槍と刀、鎧と厚手の服。装備の時点で尋常な勝負ではないと、菜緒虎は苦笑いをする。
チン
鯉口の切れる音が響くのと同時に、飛虎音の身体が傾く。
右足・・・右の具足の脛の部分が切り飛ばされていたのだ。
「な、なに?」
飛虎音は、慌てて槍を杖にして傾く身体を支えるが、菜緒虎が素早く槍を蹴飛ばし飛虎音を地面に転がせる。
そして素早く槍を持っていた右の手甲を刀で切り飛ばす。
その行動に一瞬の躊躇いもなかった。
「某の同僚にゴーレム使いがいて、お前のようなヤツを無力化する方法は学んでいる」
生物なら、四肢の動きのバランスを崩す(主に痛み)だけで行動が制限されることを学ぶ。
だから、攻撃されても持ちこたえるように防具で守り、攻撃されたら回避を試みる。
なので、そういったことが学べないこの手の魔法生物はそこに隙が出る。
なかには切り飛ばされた瞬時、斬られた箇所を再生させる非常識なヤツもいるにはいるが、それでも戦局は有利に働くのだ。
「こ、降参でござる」
飛虎音の降伏もまた一瞬の躊躇いもなかった。
「そうか。まあ、嘘は通用しないぞ」
「拙者、ワ国の武士でござります。嘘偽りなど申しません」
菜緒虎の問いに飛虎音はきっぱりと断言する。
「信じよう」と菜緒虎は僅かに笑うと、真夜中の指輪を嵌めた右手の人差し指で飛虎音を叩く。
『意思を持つ鎧の捕獲が可能です。捕獲しますか?』
菜緒虎は「はい」と答える。
『意思を持つ鎧の捕獲に成功しました。意思を持つ鎧の状態はステータ画面で確認できます』
菜緒虎は飛虎音が消えていることを確認すると「ステータス画面オープン」とつぶやく。
画面に飛虎音のステータスが表示させる。
名前 飛虎音
種族 意思を持つ鎧
総合レベル 23
職 侍
HP 121/142
MP 5/5
スキル
刀術Lv.5
槍術Lv.5
隠蔽Lv.10(気配を絶つ)
大陸共通語
称号
菜緒虎さまの下僕2號
飛虎音の持つスキルが単純で脳筋すぎて、菜緒虎は頭を抱える。
「はぁ、飛虎音、召喚」
一回大きくため息を吐いて、飛虎音を召喚。
召喚陣が出現し、その中心から飛虎音が姿を現す。
切り飛ばされた足と手はすっかり元通りである。
「菜緒虎さま。指輪の中に屋敷がありました。凄いです。流石です」
「そうか・・・気にするな」
「はっ」
弾むような飛虎音の声に、菜緒虎はちょっと引く。
「それでだな・・・」
気を取り直し、宝物が見当たらない理由を尋ねる。
すると飛虎音は、自分以外のものは、この度の挙兵の原資になったと答える。
飛虎音が売られなかったのは、不気味すぎて買い手がつかなかったということだ。
結局、菜緒虎が手に入れたのは・・・
・意思を持つワ国の鎧が一組。
・長曽祢虎徹という銘の朱塗りの鞘に収まったワ国の刀が一振。
・穂先に揚羽の模様が彫られた揚羽斬りという銘のワ国の槍が一本。
だけ。
そして菜緒虎は、「下僕が増えた」と呟いて再び大きくため息を吐このであった。
槍と刀、鎧と厚手の服。装備の時点で尋常な勝負ではないと、菜緒虎は苦笑いをする。
チン
鯉口の切れる音が響くのと同時に、飛虎音の身体が傾く。
右足・・・右の具足の脛の部分が切り飛ばされていたのだ。
「な、なに?」
飛虎音は、慌てて槍を杖にして傾く身体を支えるが、菜緒虎が素早く槍を蹴飛ばし飛虎音を地面に転がせる。
そして素早く槍を持っていた右の手甲を刀で切り飛ばす。
その行動に一瞬の躊躇いもなかった。
「某の同僚にゴーレム使いがいて、お前のようなヤツを無力化する方法は学んでいる」
生物なら、四肢の動きのバランスを崩す(主に痛み)だけで行動が制限されることを学ぶ。
だから、攻撃されても持ちこたえるように防具で守り、攻撃されたら回避を試みる。
なので、そういったことが学べないこの手の魔法生物はそこに隙が出る。
なかには切り飛ばされた瞬時、斬られた箇所を再生させる非常識なヤツもいるにはいるが、それでも戦局は有利に働くのだ。
「こ、降参でござる」
飛虎音の降伏もまた一瞬の躊躇いもなかった。
「そうか。まあ、嘘は通用しないぞ」
「拙者、ワ国の武士でござります。嘘偽りなど申しません」
菜緒虎の問いに飛虎音はきっぱりと断言する。
「信じよう」と菜緒虎は僅かに笑うと、真夜中の指輪を嵌めた右手の人差し指で飛虎音を叩く。
『意思を持つ鎧の捕獲が可能です。捕獲しますか?』
菜緒虎は「はい」と答える。
『意思を持つ鎧の捕獲に成功しました。意思を持つ鎧の状態はステータ画面で確認できます』
菜緒虎は飛虎音が消えていることを確認すると「ステータス画面オープン」とつぶやく。
画面に飛虎音のステータスが表示させる。
名前 飛虎音
種族 意思を持つ鎧
総合レベル 23
職 侍
HP 121/142
MP 5/5
スキル
刀術Lv.5
槍術Lv.5
隠蔽Lv.10(気配を絶つ)
大陸共通語
称号
菜緒虎さまの下僕2號
飛虎音の持つスキルが単純で脳筋すぎて、菜緒虎は頭を抱える。
「はぁ、飛虎音、召喚」
一回大きくため息を吐いて、飛虎音を召喚。
召喚陣が出現し、その中心から飛虎音が姿を現す。
切り飛ばされた足と手はすっかり元通りである。
「菜緒虎さま。指輪の中に屋敷がありました。凄いです。流石です」
「そうか・・・気にするな」
「はっ」
弾むような飛虎音の声に、菜緒虎はちょっと引く。
「それでだな・・・」
気を取り直し、宝物が見当たらない理由を尋ねる。
すると飛虎音は、自分以外のものは、この度の挙兵の原資になったと答える。
飛虎音が売られなかったのは、不気味すぎて買い手がつかなかったということだ。
結局、菜緒虎が手に入れたのは・・・
・意思を持つワ国の鎧が一組。
・長曽祢虎徹という銘の朱塗りの鞘に収まったワ国の刀が一振。
・穂先に揚羽の模様が彫られた揚羽斬りという銘のワ国の槍が一本。
だけ。
そして菜緒虎は、「下僕が増えた」と呟いて再び大きくため息を吐このであった。
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