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36話 敵艦発見。戦闘を開始する
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『目標が予定地点を通過』
岬の山頂に設置されている見張り台にいた天城から連絡が入る。
「投石機、観測射撃準備」
悪韋の命令で、数体のスケルトンによって投石機の巻き上げ機が回され引き金にセットされる。
やがて岬の先に一隻の船が姿を現す。
「ガレー船か。兵数は少ないかもしれない」
悪韋はすっと目を細める。
「規模は見積って?」
「略奪目的の遠征軍だ。あの程度の船なら三隻で騎兵30と歩兵300。船員や船を漕いでる奴隷を併せても500人ぐらいかな」
菜緒虎の問いに、悪韋が答える。それは菜緒虎も予想していた数字である。
「放て」
悪韋の命令と同時に投石機の引き金が引かれ、4発の岩が轟音とともに空高く舞い上がる。
「15、16、17、18、19。着弾」
着弾の声と共に水柱がガレー船のまわりに4つ派手にあがる。
「甲右2度上1度。乙上1度。丙上1度。丁左1度修正。次弾装填」
悪韋の命令に従って、スケルトンがハンドルを回すと投石機の台座がキリキリと動き始める。
ガリガリと巻き上げ機が回され石がセットされる。
位置調整から弾込めまで僅かに10分。
「放て」
悪韋の命令と同時に、投石機の引き金が引かれ、4発の岩が轟音とともに空高く舞い上がる。
「14、15。着弾」
着弾の声と共にドゴンという鈍い音が響き渡り4発中2発が2番目のガレー船の動力源である右の櫂の何本かを纏めて粉砕する。
途端に船首を右へ右へと向け戦列を離脱する二番艦。
すぐに船速を落とし進行方向がズレることを防ぐあたり中の指揮官の指揮能力は高いらしい。
「甲、丙左1度修正。次弾装填後に連続で射出」
『オクトパス敵の三番艦、櫂を潰せ』
『了』
菜緒虎は、海底のオクトパスに指示を出す。
オクトパスは急速に浮上し三番艦の櫂に取りつく。
バキバキ
櫂がへし折れていく。
半分ほどへし折られたところで甲板に弓や槍を持った獣人らしき影が現れ海中に向かって攻撃を始める。
海中の相手に間接攻撃が効くはずもないが。
「1番艦は後続を待たないようだな。ま、橋頭堡を確保する方が先か…菜緒虎殿。バリスタを試しても?」
悪韋の問いを菜緒虎は無言で頷く。
ここまで用意周到に軍備を揃えている以上、バリスタの威力も見たいのは当然だろう。
「投石機は二発射出ごとに左右に一度ずらして二番艦を攻撃」
悪韋の指示に沿ってスケルトンが投石機を操作し投石を始める。
船足を早める一番艦。
何の疑いもなく、一番長い桟橋に接舷し船からロープを降ろす。
やがて、大きめの盾を背負った男たちがロープを伝って桟橋へと降下。
背中の盾を浜の方に向け、盾による壁を作り始める。
「意外に練られているな」
悪韋が感嘆する間に、桟橋の上に盾と俵のようなのもで土塁が築き上げられていく。
「ここから少しずつ前線を押し上げてくるつもりかな」
「曲射できるカタパルトにあの程度の土塁はあまり意味はない。敵は盾を前面にして一気に投石機まで突破だろうな」
菜緒虎の問いに悪韋は素っ気なく答える。
『菜緒虎さま。三番艦、櫂、舵まで壊した』
「三番艦沈黙。投石機の攻撃を一番艦の牽制に変更。オクトパスは二番艦の無力化を」
『了』
オクトパスからの報告を受け、菜緒虎は指示を返す。
「了。投石機甲乙丙丁。目標を4番桟橋に修正。放て」
悪韋の命令と同時に投石機の方向と角度が修正されて引き金が引かれ、4発の岩が轟音とともに空高く舞い上がる。
どうやら菜緒虎たちがここに来るまでかなり念入りに演習していたようだ。
桟橋のほうから鬨の声があがると、壁となった盾が前進を始める。
『盾3人後続に歩兵60』
「盾3人後続に歩兵60」
防波堤にある灯台に入っていたゴーストからの報告を菜緒虎が口に出して復唱する。
「前衛を船から引き離し浜のスケルトンで分断。挟み討ちといこう」
「では私が突撃の指揮をするので悪韋殿は全体の指揮を」
「うむ。了解した。これを持っていくといい」
悪韋は、一本の剣を空中(アイテムボックス)から取り出す。
「試作の段階だが分類的には刀だ」
菜緒虎は手渡された剣を鞘から抜き去る。
怪し光を放つ、反りのある片刃の刀剣が姿を現す。
「では行ってきます」
菜緒虎は口の端を上げて微笑んだ。
岬の山頂に設置されている見張り台にいた天城から連絡が入る。
「投石機、観測射撃準備」
悪韋の命令で、数体のスケルトンによって投石機の巻き上げ機が回され引き金にセットされる。
やがて岬の先に一隻の船が姿を現す。
「ガレー船か。兵数は少ないかもしれない」
悪韋はすっと目を細める。
「規模は見積って?」
「略奪目的の遠征軍だ。あの程度の船なら三隻で騎兵30と歩兵300。船員や船を漕いでる奴隷を併せても500人ぐらいかな」
菜緒虎の問いに、悪韋が答える。それは菜緒虎も予想していた数字である。
「放て」
悪韋の命令と同時に投石機の引き金が引かれ、4発の岩が轟音とともに空高く舞い上がる。
「15、16、17、18、19。着弾」
着弾の声と共に水柱がガレー船のまわりに4つ派手にあがる。
「甲右2度上1度。乙上1度。丙上1度。丁左1度修正。次弾装填」
悪韋の命令に従って、スケルトンがハンドルを回すと投石機の台座がキリキリと動き始める。
ガリガリと巻き上げ機が回され石がセットされる。
位置調整から弾込めまで僅かに10分。
「放て」
悪韋の命令と同時に、投石機の引き金が引かれ、4発の岩が轟音とともに空高く舞い上がる。
「14、15。着弾」
着弾の声と共にドゴンという鈍い音が響き渡り4発中2発が2番目のガレー船の動力源である右の櫂の何本かを纏めて粉砕する。
途端に船首を右へ右へと向け戦列を離脱する二番艦。
すぐに船速を落とし進行方向がズレることを防ぐあたり中の指揮官の指揮能力は高いらしい。
「甲、丙左1度修正。次弾装填後に連続で射出」
『オクトパス敵の三番艦、櫂を潰せ』
『了』
菜緒虎は、海底のオクトパスに指示を出す。
オクトパスは急速に浮上し三番艦の櫂に取りつく。
バキバキ
櫂がへし折れていく。
半分ほどへし折られたところで甲板に弓や槍を持った獣人らしき影が現れ海中に向かって攻撃を始める。
海中の相手に間接攻撃が効くはずもないが。
「1番艦は後続を待たないようだな。ま、橋頭堡を確保する方が先か…菜緒虎殿。バリスタを試しても?」
悪韋の問いを菜緒虎は無言で頷く。
ここまで用意周到に軍備を揃えている以上、バリスタの威力も見たいのは当然だろう。
「投石機は二発射出ごとに左右に一度ずらして二番艦を攻撃」
悪韋の指示に沿ってスケルトンが投石機を操作し投石を始める。
船足を早める一番艦。
何の疑いもなく、一番長い桟橋に接舷し船からロープを降ろす。
やがて、大きめの盾を背負った男たちがロープを伝って桟橋へと降下。
背中の盾を浜の方に向け、盾による壁を作り始める。
「意外に練られているな」
悪韋が感嘆する間に、桟橋の上に盾と俵のようなのもで土塁が築き上げられていく。
「ここから少しずつ前線を押し上げてくるつもりかな」
「曲射できるカタパルトにあの程度の土塁はあまり意味はない。敵は盾を前面にして一気に投石機まで突破だろうな」
菜緒虎の問いに悪韋は素っ気なく答える。
『菜緒虎さま。三番艦、櫂、舵まで壊した』
「三番艦沈黙。投石機の攻撃を一番艦の牽制に変更。オクトパスは二番艦の無力化を」
『了』
オクトパスからの報告を受け、菜緒虎は指示を返す。
「了。投石機甲乙丙丁。目標を4番桟橋に修正。放て」
悪韋の命令と同時に投石機の方向と角度が修正されて引き金が引かれ、4発の岩が轟音とともに空高く舞い上がる。
どうやら菜緒虎たちがここに来るまでかなり念入りに演習していたようだ。
桟橋のほうから鬨の声があがると、壁となった盾が前進を始める。
『盾3人後続に歩兵60』
「盾3人後続に歩兵60」
防波堤にある灯台に入っていたゴーストからの報告を菜緒虎が口に出して復唱する。
「前衛を船から引き離し浜のスケルトンで分断。挟み討ちといこう」
「では私が突撃の指揮をするので悪韋殿は全体の指揮を」
「うむ。了解した。これを持っていくといい」
悪韋は、一本の剣を空中(アイテムボックス)から取り出す。
「試作の段階だが分類的には刀だ」
菜緒虎は手渡された剣を鞘から抜き去る。
怪し光を放つ、反りのある片刃の刀剣が姿を現す。
「では行ってきます」
菜緒虎は口の端を上げて微笑んだ。
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