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38話 環寧興覇という河賊の頭、菜緒虎にDogezaをする
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火候が捕らえられて程なく、ガレー船から降伏を意味する白い旗が翻った。
指揮官自らが先頭切って攻め込む。
士気が上がって効果は抜群だろうが捕らえられたら即詰みだが、魏府王国での戦術の基本である。
「全員傾聴。リュウイチ・ソウキが家臣、菜緒虎である」
そう言って、菜緒虎は、目の前の二つのグループをみる。
同時に、彼らもまた菜緒虎をみる。
ひとつは火候を筆頭とする身なりはそれなりに良い獣人が200人ほど。
ひとつは首に奴隷の首輪を装着したかなりひどい身なりの人間と獣人の混成が150人ほど
前者は魏府国の兵士で、後者はガレー船の船倉で櫂を漕いでいた奴隷だ。
数は、上陸して返討ちにされた兵士が60余人と合わせるとほぼ悪韋の予想通りだった。
「正式な宣戦布告がなされていない以上は、諸君らに戦争奴隷としての待遇は適用されない。犯罪奴隷だ」
「なっ」
菜緒虎の宣言に火候が抗議の声を上げようとした。
「宣戦布告してないだろ?」
菜緒虎は重ねて尋ねる。
この言葉で、もともと食料の強奪が目的だった火候は沈黙する。
もっとも、ここで「宣戦布告をさせなかった」という言い訳は、一方的に負けてしまった今となっては意味がない。
ちなみに奴隷には大きく分けると以下の3つになる。
・借金の返済のためになる経済奴隷。(経済奴隷の亜種に性奴隷がある。)
・戦争で捕虜となった兵士が賠償金を払うために落ちる戦争奴隷。
・犯罪の刑罰としてなる犯罪奴隷。
一番罪が重いのは、一般的に刑期と賠償金のふたつの条件が設定できる犯罪奴隷である。
ただこの奴隷制度にはある規則がある。
奴隷の所有者が奴隷に落ちた場合、その所有権が移動するのだ。
「取りあえず、奴隷の首輪と犯罪奴隷の制約書だ」
悪韋は、アイテムボックスから首輪と羊皮紙と取り出すと菜緒虎に投げてよこす。
「某が、奴隷たちのマスターなのか?」
「今更だな」
悪韋の言葉に、がっくりと肩を落とす菜緒虎。
僅かに刀を抜いて刃に親指を置いて引き、零れだす血を羊皮紙に落とす。
羊皮紙に血が落ちると、羊皮紙が仄暗い光を放つ。
「拒否権は無いぞ」
菜緒虎は、後ろ手に縛られている火候の背後に回りこむ。
火候の指に傷をつけると、滲んだ血を契約書に擦り付ける。
「ステータ画面オープン」
菜緒虎は、自分のステータスの一番下に奴隷+という項目が追加されているのを確認する。
奴隷+をタップすると火候惇 元譲を筆頭に奴隷である151人の名前が列挙されているのを確認する。
「では、既に奴隷の身分にある者は挙手して欲しい」
菜緒虎の言葉に、身なりがかなり酷い人間と、獣人の混成グループのメンバー全員が手を上げる。
予想通りと言えば予想通りである。
「諸君らは、ここで得た情報の秘匿という条件を対価に、奴隷身分を解消。ジャンで解放することを約束しよう」
ざわりと空気が揺れる。
「待ってくれ」
茶髪の箒頭、ガラの悪い三白眼、ギザギザの歯、見た目からしてやんちゃと解る細マッチョな人間の男が手を上げる。
菜緒虎は視線で先を促す。
「オレは環寧 興覇ってケチな河賊なんだが、今更ジャンで解放されてもな。上手くいっても数年で元の河賊戻りは確定なんだ」
そう言って環寧はその場で土下座する。
「オレは奴隷のままでも構わねぇ…ここで、菜緒虎さまの配下にして貰えないか」
土下座したまま血を吐くような声で懇願する。
すると雪崩を打つようにして環の周りにいた男たち20人ばかりも土下座する。
菜緒虎の環寧を見る目が変わる。
「それ…いや、某だけでは判断できないな。3日後に某の上司が来られるのでお伺いをたてよう。悪韋殿」
菜緒虎は悪韋を呼び、何やら話を始めた。
指揮官自らが先頭切って攻め込む。
士気が上がって効果は抜群だろうが捕らえられたら即詰みだが、魏府王国での戦術の基本である。
「全員傾聴。リュウイチ・ソウキが家臣、菜緒虎である」
そう言って、菜緒虎は、目の前の二つのグループをみる。
同時に、彼らもまた菜緒虎をみる。
ひとつは火候を筆頭とする身なりはそれなりに良い獣人が200人ほど。
ひとつは首に奴隷の首輪を装着したかなりひどい身なりの人間と獣人の混成が150人ほど
前者は魏府国の兵士で、後者はガレー船の船倉で櫂を漕いでいた奴隷だ。
数は、上陸して返討ちにされた兵士が60余人と合わせるとほぼ悪韋の予想通りだった。
「正式な宣戦布告がなされていない以上は、諸君らに戦争奴隷としての待遇は適用されない。犯罪奴隷だ」
「なっ」
菜緒虎の宣言に火候が抗議の声を上げようとした。
「宣戦布告してないだろ?」
菜緒虎は重ねて尋ねる。
この言葉で、もともと食料の強奪が目的だった火候は沈黙する。
もっとも、ここで「宣戦布告をさせなかった」という言い訳は、一方的に負けてしまった今となっては意味がない。
ちなみに奴隷には大きく分けると以下の3つになる。
・借金の返済のためになる経済奴隷。(経済奴隷の亜種に性奴隷がある。)
・戦争で捕虜となった兵士が賠償金を払うために落ちる戦争奴隷。
・犯罪の刑罰としてなる犯罪奴隷。
一番罪が重いのは、一般的に刑期と賠償金のふたつの条件が設定できる犯罪奴隷である。
ただこの奴隷制度にはある規則がある。
奴隷の所有者が奴隷に落ちた場合、その所有権が移動するのだ。
「取りあえず、奴隷の首輪と犯罪奴隷の制約書だ」
悪韋は、アイテムボックスから首輪と羊皮紙と取り出すと菜緒虎に投げてよこす。
「某が、奴隷たちのマスターなのか?」
「今更だな」
悪韋の言葉に、がっくりと肩を落とす菜緒虎。
僅かに刀を抜いて刃に親指を置いて引き、零れだす血を羊皮紙に落とす。
羊皮紙に血が落ちると、羊皮紙が仄暗い光を放つ。
「拒否権は無いぞ」
菜緒虎は、後ろ手に縛られている火候の背後に回りこむ。
火候の指に傷をつけると、滲んだ血を契約書に擦り付ける。
「ステータ画面オープン」
菜緒虎は、自分のステータスの一番下に奴隷+という項目が追加されているのを確認する。
奴隷+をタップすると火候惇 元譲を筆頭に奴隷である151人の名前が列挙されているのを確認する。
「では、既に奴隷の身分にある者は挙手して欲しい」
菜緒虎の言葉に、身なりがかなり酷い人間と、獣人の混成グループのメンバー全員が手を上げる。
予想通りと言えば予想通りである。
「諸君らは、ここで得た情報の秘匿という条件を対価に、奴隷身分を解消。ジャンで解放することを約束しよう」
ざわりと空気が揺れる。
「待ってくれ」
茶髪の箒頭、ガラの悪い三白眼、ギザギザの歯、見た目からしてやんちゃと解る細マッチョな人間の男が手を上げる。
菜緒虎は視線で先を促す。
「オレは環寧 興覇ってケチな河賊なんだが、今更ジャンで解放されてもな。上手くいっても数年で元の河賊戻りは確定なんだ」
そう言って環寧はその場で土下座する。
「オレは奴隷のままでも構わねぇ…ここで、菜緒虎さまの配下にして貰えないか」
土下座したまま血を吐くような声で懇願する。
すると雪崩を打つようにして環の周りにいた男たち20人ばかりも土下座する。
菜緒虎の環寧を見る目が変わる。
「それ…いや、某だけでは判断できないな。3日後に某の上司が来られるのでお伺いをたてよう。悪韋殿」
菜緒虎は悪韋を呼び、何やら話を始めた。
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