いつかの箱庭

田中@SALL4477

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復帰してから2ヶ月、毎回ではないが、佐伯さえき先生と鷹木たかぎ先生の診察も見てみたいと思い、こっそりと見学していた。

佐伯先生は放つ威厳からか、最初は患者さんも緊張しているようであった。
特に小さな患児は見慣れない先生に泣き出す子もいたが、流石は長きに渡り小児外科の重鎮として名を馳せてきたお方。一瞬で泣き止ませ、すぐに会話を引き出しながらその様子をつぶさに観察している。患児の親の話し方などからも病状を推察する。
生活習慣を改めない年配の患者さんなんかには厳しめな言葉を与えるが、僕が言うより真剣に聞いてくれているような気がする。

鷹木先生は明るく優しい雰囲気と丁寧な診察で、元々婦人科領域に詳しいのもあってか、特に女性患者さんには安心感を与えている印象だ。
女性特有の体調の変化などは教科書的に理解していても、実感として分かっている鷹木先生とはその配慮の仕方も僕とは違って、とても繊細である。ご自身もお子さんがいるからか、患児の母親に対するケアも丁寧である。

患者さんの訴えから病気を推察できる情報を得る。
みんなやっていることは同じだが、そこまでの過程や特色が人それぞれで勉強になる。
やはり、お二人は僕の足りない所を気付かせてくれる存在だった。


『今日も見学してたの?』
「うん、とても勉強になる」
『でも、ちゃんと休む時間も作らないとダメだよ!』
「以前に比べたらお二人のおかげでだいぶ楽になったよ、事務的な仕事を明るいうちに片付けられるからね」
『樹はやればやるだけ出来ちゃうんだから、自分でもセーブしなきゃダメだよ』

離れて過ごす平日は夜に海人かいととLINE通話をするのが楽しみだ。そして週末の約束をして、会えるのを楽しみにしながら平日を過ごす。それは恋人になる前から変わらない。だけど…

いつき…?』
「なぁに?」
『僕のこと、好き?』
いつもの陽気な声ではなく、囁くような低い声。海人と付き合うまでは聞いたことのなかった、大人っぽい声。

「うん、もちろん。大好きだよ。」
『じゃあ今度会うときは…』
「?」
『やっぱり何でもない』
「なぁに、なんか気になる」
『また会った時に話すよ』
「わかった」
『おやすみ』
「おやすみ」
今日も海人の声が聞けてよかった、と思いながらも何だか歯切れの悪い感じが少し気になった。



付き合ってから2ヶ月近く経つが…
あの日、樹の方からキスしてくれたのに、それ以降キス以上の(それも触れる程度のしか)進展がない。
そろそろ、少しでもいいから前進してくれないと…僕も不安になる。
樹は、本当に僕のことを恋人として受け入れてくれるのだろうか、と

土曜日の診察は樹が担当で、僕も見学して学ぶ事にしてこの2ヶ月過ごしていた。
今日の仕事も終わり、二人でゆっくりごはんの時間を過ごそうとした時だった。

「お疲れさま」
「ありがとう、だけど、海人も…たまには休んでいいんだよ、本来なら研修医としては休日の日なんだから」

土曜日、半日開けるクリニックは多いが、全日開ける。
これは樹がそうしたい、と思っていて以前からそうしてきたこと。


「でも、樹と一緒にいられるし、勉強も出来るから」
「僕だって、まだまだだよ…」

樹の仕事を見られるのは本当に勉強になる。一緒の空間にいられることも嬉しい。だけど、土曜日の二人の時間を二人きりで過ごせなくなってしまったことが、少し寂しくもあった。

「海人?」
「ん?」
「今度会ったら、何話したかったの?」

樹と僕の間には、『付き合う』という感覚に大きな違いがある。
「わからない?」

そっとキスしてみる。
「?」 
こんなに求めているのに、分からないのかな。


今度は逃れられない位、強く抱きしめて、貪りつくようなキスをした。

「…ん、っ」
鼻にかかったその吐息に樹の熱を感じて、舌を侵入させようとすると、樹は僕に任せてくれるようでうっすらと口を開けた。


舌を絡めているうちに、樹がもじもじしだしたから、もしかするとと思い触れてみると樹のも少し硬くなりはじめていた。
服の上から樹の昂ぶりを擦りながらキスを続けると、樹の息遣いが荒くなってきた。


ん、待て、なんか変だ。

樹を見ると、泣きながら苦しそうな呼吸をしている。これは過呼吸だ。

「ごめん、怖かったね…大丈夫だよ、ゆっくり息吐いて」

ソファに座りながら、なるべく前かがみになるように抱っこして、背中を擦る。

「かい…と、ご…め…」
樹は罪悪感を感じているようで、泣き止まず、過呼吸がなかなか治まらない。
「樹は悪くないよ、悪くない、悪くない」

もう1時間半は経過しただろうか。
途中、テタニー症状が現れ焦ったが、呼吸は回復してきた。ただ全身の脱力が酷いのか、僕に抱っこされたまま満身創痍、それでもまだすすり泣いている。

呂律も回らずごめんと言い続ける樹に、本当は僕の方が罪を感じている。いつもより酷い症状の発端を作ったのが自分だからだ。でもここで僕が謝ると樹は更に自分を追い込む。だからこれ以上は謝らない。

「いつきー?大好きだよぉ~」
頭を撫でて、ただただ背中を擦るしか出来ないし、こうなってしまった樹には僕の声も届いていないかもしれない。
「いつきは~?僕のこと、すきでしょ~?」

なんて、ふざけた調子で問いかけてみても、返ってくる言葉は、ごめん。

樹は遠のく意識と戦いながらひたすらその言葉を繰り返すのだった。

※テタニー症状…血中カルシウム濃度の低下により起こる主に手足の痙攣や硬直。






樹は意識を手放しながらもずっと苦しそうで、寝ているのか起きているのか分からない状況が続いた。
僕には考えてみる事しかできない。
PTSD患者において過呼吸のような身体的症状が出る、というのは、過去の経験のフラッシュバックであることが多い。
僕達にとっての『あの日』以外にも、樹にとってのトラウマとなる出来事があるのか。


「かいと…」
「ん、なぁに?」
名前を呼ばれたが、樹は苦しそうなうめき声をあげながら、また夢と現実の狭間を行ったり来たりしていた。
「…こう」
「?」
「いち…ごめん」


航一こういち兄ちゃん。
生きていたら樹のそばにいたのは航一兄ちゃんだったかもしれない。頭が良くて繊細で、どこか人を寄せ付けない雰囲気の樹が、小さな頃からご近所とはいえ仲良くしていた航一兄ちゃんは脳筋タイプのちょっと暑苦しい奴。
性格は真逆だけど高校になるまではいつも一緒に登校してたし…高校入ってからもよく遊んでた。樹と対等にいる航一兄ちゃんがいつも羨ましかった。

気がつくといつの間にか朝になっていた。そういえば、昨日食べようとしてたごはん、一旦片付けなきゃ。
片付けていると、突然ベッドの方から物音が聞こえた。

「樹!」
「海人…よかった…、まだいてくれた」

僕を探してベッドから出歩こうとして倒れたのだろう。だが、倒れたまま、起き上がれない。

「頭打ってない?大丈夫?」
「…うん、でも体に力が入らないや」

抱きかかえてベッドに座らせて
「水でいい?お茶がいい?」
「ありがとう、水がいい、あと、薬も持ってきて欲しい…」
今にも泣き出しそうな涙目で言う樹。
頭を撫でるとぽたぽたと涙が落ちた。




水分補給して薬も飲み、少し落ち着いたようだ。

「他にぶつけて痛い所ない?」
「大丈夫、それより…海人ごめん…僕…」
「なぁに?」
また大粒の涙を流して
「海人の恋人に…なれな…い…」
ああ、やっぱり。

「樹はまた大きな勘違いをしてる。」
「?」
「恋人にはもうなってるの!だから、考えるんだよ。どうしたら一緒に楽しくいられるのかを。」「海人は…僕に…失望してない?」
「樹は諦めたい?樹自身のことも、僕といることも。僕は樹を信じてるのに。」
「樹は強くて頭が良いから、いつか過去と折り合いをつけて、前を向いて生きていけるって。それで、その隣にずっといるのは僕だともね。」


隣に座る樹の肩を引き寄せ抱きしめると、
「ありがとう、僕より僕を信じてくれて」

僕の胸の中に頭を埋めながら、僕を抱きしめ返してくれた。
「僕だって、海人とずっと…ずっと一緒がいい」
そう言いながら、頭をすりすりしてくる樹が愛らしい。

「何かあった?過去に」

聞くなら今だろうと思った。先送りしても仕方がない。

握りしめた樹の手が、僅かに震えている。

「航一に…今でも申し訳なく思ってる事があるんだ…そのきっかけの出来事が、原因だと思う」
樹の冷たい手を握りながら、話を聞いた。




「僕や航一が中3の頃、航一が1週間程、学校を休んだ時があったの、覚えてる?」
そういえば、
「あった、全然具合悪そうじゃないからズル休みだと思ってた。」
「あれは、僕のせいなんだ」
「え…」

「中3の時、航一とクラスが離れて新しいクラスになったら、クラスのリーダーみたいな子達3人にいじめられるようになったんだ」
「最初は陰口、テストで一番になればカンニングじゃないかとか…物を隠されたり、壊されたり…そのくらいは痛くもなかったよ」
「そのうち殴られたり蹴られたり。これも身体的に痛いだけで、心までは痛くなかった。」
「段々、心が痛くなってきたのは、お金を要求され始めたこと。でも、こればかりは絶対に拒否した。お父さんとお母さんが大事な患者さん達からいただいたお金だからね。すると益々暴力が酷くなっただけなんだけど…」
「でも中3だから、卒業まで耐えればいい、そう思ってたんだ、だけど…」
ここまでの話は薬の効果もあるだろうけど、樹は他人事のように不思議なくらいの冷静さで話していた。

「中学生くらいの年頃って、ちょうど身体的にも個人差が出てくるし、そういう話が好きな頃じゃない?」
「そうだね」
「当時はもっと背も低くて細かったから、僕がまだ"男の子"になれてないんじゃないか…彼らはそんなことを言い始めたんだ」

嫌な予感がした。
半分自嘲気味に笑いながら話す樹に心が締め付けられた。


「羽交い締めにされて服脱がされて…、僕の体を見てただ笑うだけ…よっぽど殴る蹴るの方がマシだった」
「それで僕の姿を携帯で写真撮って、彼らの仲のいい子達に送って拡散されて、教室戻っても笑われてた」

悪質過ぎる。悔しくなって樹の手を強く握ってしまった。


「それまではなんとか耐えられた。だけど、ある時、脱がされているところを航一に見つかって…」
「航一のことだから想像つくよね、3人とも全治2週間の大怪我だよ。止められなかった。こうなるのが分かってたから、卒業まで隠したかった…」
「それで、事実関係が分かるまで、航一は1週間自宅学習という出席停止扱いになったんだ。」

それでか、ズル休み~って言っても睨まれるだけで、いつもみたいにゲンコツ食らわなかった。

「僕は全部先生に話したし、うちの両親も声を上げたけど、証拠は無いし、やられたいじめっ子達の親の訴えの方が強くて、学校もそちらの意見に流されそうだった。」
「あの時の事を思うと、航一だけでなく、航一のご両親や海人にも、迷惑をかけた…本当に、ごめん…」

震える樹の手を握って、背中を擦る。
はぁ…と深く息を吐いて、話し続ける樹。

「だけど、写真を送られたクラスメイトの子の証言と証拠で流れが覆ったんだ。」
「僕の父は知り合いに警察も弁護士もいたから、証拠がある以上は彼らの親を黙らせる事は簡単だった。こちらと彼らを示談にする代わりに、彼らと航一の件も示談にさせたんだ。航一の出席停止も解かれた。」

「航一兄ちゃん、そんなこと、一言も言わなかった…」
「うん、航一は強くて優しいからね。小1の小さな海人に心配されたくなかったんだよ。」

僕はまだまだ、樹と対等になれないのかな…少しちりっとした物が胸に沸いた。が、その時の航一兄ちゃんの行動が無ければ、今の樹はいなかった。感謝するぜ。


「上野で、海人が僕を庇ってくれたとき」
「ん?」
「あの時の航一を思い出した…」
「僕は加減するから大丈夫。航一兄ちゃんみたいにゴリラじゃない」
「ふふ、そうじゃなくて」
「?」
「二人とも、僕を全力で守ってくれる」
「そりゃ当然!」
「だからこそ、僕がしっかりしないと、あの時の事を繰り返したくない…」

樹は自分に起こった苦しい出来事より、それで影響を受けた周りの人間に対する憂いが強かったから、根本の原因へのトラウマが霞んでいたのかもしれない。
他者を大事にする優しさと、それを貫く強さ。ますます樹のことが好きになってしまった。

「えっ!なに?どうしたの?海人?!」
樹を尊敬する気持ちと可愛い気持ちと色んな気持ちが押し寄せて、ぎゅーっと抱きしめて、ただただ大事にしたくなった。
「いつき~、大好きだよぉぉ~!」
「海人?!えっ、ちょっと、泣かないでよ~!」
いつの間にか僕の方が泣いてたみたいで、樹が抱きしめて頭を撫でてヨシヨシくれた。
「ありがとう、海人」
「ふぇ…」

樹がそっとキスしてくれた。
「海人のこと大好き…だから、一緒にいること諦めない」

カーテンからこぼれる光に照らされた樹の表情は憔悴しているものの、瞳の輝きは失われてなかった。

「わーん!いつき~~~!」
「あ!ちょっと鼻水!拭くから待って!ああっ!」

樹と僕が今こうして一緒に前を向いて歩けることを、互いの家族に感謝したい。そんなことを考えたら、樹を抱きしめながら涙も鼻水も止まらなかった。








昨夜お預けになった晩ごはん、…もう昼も過ぎて夕方。
樹はあまり食欲も無いみたいだったけど、少し食べさせて、僕はお腹空いたから樹が食べられない分を全部平らげてお腹も満足してソファでゆっくりしていた。

何となくいい雰囲気になって樹からキスをしてきて、少し動揺した。
あんな話を聞いた後だから…しかも、樹からは初めてのディープなやつだ。受け入れない訳ないじゃないか。

だがしかし、拙い樹の動きにじれったくなって、結局僕が樹の口腔内を支配する。

すると、気持ち良いのか、樹は脚をもじもじさせながら聞いてきた。

「っ…、海人?」
「…ん、んっ?」
「ここから先、どうして欲しい?」と聞きながら、僕の元気になった部分を触ってくる。
無理はさせたくないが、どう答えたらいいのか…

ってそれより、こんな事聞いてくれるのかー!

樹ってエッチな事に消極的なのかと思う時もあれば、大胆な時もあってその振り幅が分からない…それもこれも、樹はそういった経験が無いが故、すごく勉強しているみたいだ。ちょっと前にたまたま見てしまった樹のスマホの検索履歴のワードに思い当たる節がある。

「樹は?どうしたい?僕は…樹がしてくれる事なら、何でも嬉しいよ」
樹は少し考えた後、「上手く出来なくても後悔しないでね」

そう言って、僕の下着をズボンごとおろし、躊躇いも無く、僕のを口に含んだ。喉奥までいっぱいいっぱいに。

どこでこんな事を覚えたのか…と思うが、あの検索履歴…納得だ。

「無理、しなくていいよっ…先だけで…」
樹の小さい口では到底辛そうに見えるのだが…
少し涙目になりながら続ける樹に、さっきの出来事を取り返したい、そんな思いを感じて、得も言われぬ庇護欲を掻き立てられた。
たまにこちらを見てくる可愛い樹の姿に、僕の方も直ぐに限界が来てしまう。

「樹…、もういいよ、ありがとう」
と言って頭を撫でても聞こえてなかった(聞こえてたけど無視した?)ようで、結局、樹の口腔内に放ってしまった。

「ううっ、あっ…、ごめん…!出して!」

頬を紅潮させながら樹は、「…ん、」と言ってごっくんしてしまった。

「あー!樹、そんなことしちゃ!!」
「…ダメ?」
「ダメというか、なんというか、その…えっと…綺麗な樹を汚してしまった気分…」

「ふふ、海人って…、可愛い」

満足そうに言う樹は、樹お兄ちゃんと呼んでた時の優しい笑顔とは違う。けど、ちょっとわくわくするような、相変わらずの綺麗な笑顔。
実は樹ってすごく…エッチなんじゃ…

そんなことを考えてたら、僕はまた元気を取り戻してしまったのだった。



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