ドロドロに溶かされる女の子

konnyaku

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イケメン彼氏は嫉妬する

イケメン彼氏は嫉妬する

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「次の方どうぞ。お待たせしました」

「なおとさんの彼女ってあなたですか?」

「へ?」

いつも通り大学の講義が終わった帰りにバイト先であるカフェでバイトをしていると、お客さんがエプロンについている名札を指さして言った。
突然のことで固まる私に構わず目の前の彼女は続ける。

「前に直人さんの携帯の画面に、あなたの名前で通知が来たのを見たんです。
このカフェに通っている姿も何度も見て」

「は、はあ」

「直人さんの彼女ですよね?」

「えっと、はい…」

お客さんは上から下まで見回すように私に視線を送った。
ふっと笑って、用は済んだというように去っていく。

「あ、ありがとうございました…?」

ひらひら揺れるスカートと綺麗にまかれているふわふわの髪の後ろ姿をぼうっと見送る。

「なになにクレーム?」

バイト先の先輩である咲穂さんが声をかけてくれた。

「あ、いえ。そういうのではないんですけど」

さっき起こったことを説明する。

「え!なにそれ!!」

咲穂さんは驚いたように声を上げる。

「それ絶対牽制に来てるよ、可奈ちゃんの彼氏のことが好きなんじゃない?」

「え!?そうなんですか!?」

「気付かなかったの?可奈ちゃんって前から思ってたけどだいぶ抜けてるっていうか…」

先輩が何か言っているようだけどその先は聞こえなかった。
さっきのお客さんがなおとのこと好き??

女の子らしいかわいいスカート。
髪も明るい茶色で指先にもネイルしてて…。

ふと自分の姿を鏡で見る。

髪は後ろにしばっているだけ。
バイトのときだけじゃなくて普段もあんまり服装には気を遣わない。

「可奈ちゃん??かなちゃーん!」

「はっ、はい!」

「どうしたのぼうっとしちゃって。
それにしても、あんなにかっこいい彼氏がいるって大変だね」

「…直人ってそんなにかっこいいんでしょうか?」

私の言葉に咲穂さんはぽかんとした表情をした。

「なに言ってんのかなちゃん!
初めて彼氏さんを見たときはびっくりしたよ。
あれは街中で見ても芸能人かなって見間違えちゃうレベルだね~」

そう、だったんだ…。
私と彼氏の直人は幼馴染だ。

すっごい田舎出身の私たちは同級生も10数人しかいない。
だから全員が幼馴染みたいなもの。

大学進学を機に一緒に上京してきたものの、私は女子大。
直人とは違う大学だから、全然知らなかった。

もしかしたら、直人って大学ではモテモテ…??

「可奈ちゃーん、おーい…。
…また自分の世界に入っちゃってる」

あんなにかわいい子たちに囲まれて…??

もう一度自分の格好を見る。
ぜんっぜんかわいくない!!!

「私!!!」

「ど、どうした??」

「かわいくなるにはどうしたらいいですか??!」

「いや既にかわいいよ?」

優しい咲穂さん…!
じゃなくて!

「本気なんです!教えてくださいお願いします!!」

「…よし、分かった!
かわいい後輩の頼みだ、私に任せろ!」

「あ、ありがとうございます!!」

そうして私は先輩による可愛さアップ大作戦を決行することになった。

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