農民レベル99 天候と大地を操り世界最強

九頭七尾

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第51話 もう買い換えないとダメか

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「こ、これが、ミスリル製の刃……」

 銀色の輝きを放つ鍬の刃を手にし、ルイスは思わず感嘆の声を漏らす。

「ああ。手前みそだが、正直かなりいい出来だ。鍬なのが惜しいぐらいだぜ」

 満足そうに頷くのは女鍛冶師のゼタだ。

 ゼタから武器が完成したとの連絡を受けたルイスは、彼女の工房を訪れていた。
 受け取った鍬の刃は、鍛冶に詳しくないルイスから見ても、これまでの鋼の刃とは性能が違うのが明らかだった。

「550万ゴールドも払ったかいがありそうだな」
「はっ、むしろ安いぐらいだ。大事に使えよな? ……ところで」
「ん?」

 ルイスの身体を上から下までじっと見てから、ゼタは言った。

「武器はよくなったが、防具はそれでいいのかよ? いや、防具っていうか、ただの作業着だよな、それ?」
「ああ。これは動きやすくて、むしろちょうどいい」
「何の防御力もなさそうだが……。それに、あちこちボロボロだぞ?」
「言われてみれば」

 村で農業をしていた頃から使っている、ごく普通の作業着だ。
 ただの農作業だけなら、鍬と違ってそれなりにもつのだが、最近は冒険の際にも使っているため、あっという間にボロボロになってしまうのだ。

「この街に来る直前に新調したばかりだったのに……」
「お、おい、テメェ、よく見たらここの穴から、パンツが見えてるじゃねぇか!」
「ほんとだ。もう買い換えないとダメか」
「早く新しいのにしろ!」

 ゼタはそう叫んでから、

「まずは緊急でこれと同じやつでいいが、もっと丈夫な服にすべきだと思うぞ? 思い防具を身に着けられねぇ魔法系の戦士なんかは、特殊な素材で作ったローブなんかを装備している。戦士専門の服飾店に行って、オーダーメイドで作業着を作ってもらえよ」

 金属製の防具には及ばないが、軽くてある程度の防御力を持つ衣服を作ることができるらしい。

「なるほど、それはいいかもな(後でフィネにおススメの店を訊いてみるか)」

 ゼタに礼を言って工房を後にしたルイスは冒険者ギルドへ。

「ん? なんかやけに騒がしいな? 建物が揺れてるし……」
「あ、ルイスさん、いらっしゃいです!」
「この音と揺れは何なんだ?」
「ええと、私も詳しいことは分からないんですが……なんか、ギルマスにお客様みたいで……」
「客?」

 どう考えても客が来たからといって、こんな轟音が鳴り響くようなことはないと思うルイスだった。
 ……もちろんこの原因がルイスにあることなど、当の本人は知る由もない。

「実はさっき、鍛冶屋に頼んでいた武器ができあがって、取りに行ってきたんだ。その性能を確かめてみたいから、骨のありそうな魔物の討伐依頼とかないか?」
「そうなんですね! だったらこれなんかどうでしょう!」

 フィネが提案してきた依頼は、ここ領都から南に二十キロほど行ったところにある、池に出没する魔物の討伐に関するものだった。

「サハギンロード?」
「はい! サハギンっていう、半魚人の魔物がいるんですけど、それの最上位種です! ゴブリンでいう、ゴブリンキングですね! ゴブリンほどの繁殖力ではないんですが、それでも最近この池でサハギンが大繁殖しているみたいで、周辺の村や街にまで被害が出ているみたいなです! それで調査したところ、サハギンロードらしき巨大な半魚人が確認できたそうです!」
「そいつを倒せばいいってわけだな」
「そうです! 普通はBランク冒険者が数人必要な難易度なんですが、ルイスさんの実力ならソロでも十分かと!」

 Bランク冒険者であるルイスだが、その実力はAランク冒険者に匹敵すると、冒険者ギルドは考えていた。
 本当は早くAランク冒険者に昇格させたいのだが、Aランク以上は様々な条件をクリアする必要があり、ギルドマスター権限でも難しい。

 その代わり、Aランク相当の力があるとして、難易度の高い依頼も紹介していた。

「この池か。よし、じゃあ早速行ってくるとしよう」

 地図で池の場所をしっかり確認して、ルイスは出発した。
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